代表的な貯蓄型保険である養老保険の5年満期には注意が必要!

養老保険に加入している人は、一般的に5年満期の契約となっていることが多く見受けられます。しかし、5年満期の場合、金融類似商品となり源泉分離課税が適用されることをご存知でしょうか。養老保険の源泉分離課税は、所得に関係なく一定の税金を差し引かれることになります。

貯蓄型保険の養老保険は5年未満の満期だと損になる?

「保障をつけたいけれど貯蓄もしたい」 

このように考えている方は養老保険への加入を検討したことがあると思います。 

保障をつけながらも貯蓄につなげることができれば一石二鳥でお得ですよね。 

しかし、養老保険は満期までの期間によって満期保険金にかかる税金が異なるということをご存知でしょうか? 

そこでこの記事では、
 
  • 養老保険の特徴 
  • 貯蓄性生命保険の4つのタイプの紹介 
  • 5年満期の養老保険の満期保険金が所得税非課税になる仕組み 
  • 金融類似商品となる3つの条件 

以上のことを中心に解説していきます。
 

この記事を読んでいただければ養老保険の特徴や税金上の注意点などがお分かりいただけると思います。 

ぜひ最後までご覧ください。  

貯蓄性の高いとされる養老保険の特徴とは?

貯蓄性の高い生命保険として、代表に挙げられるのが、養老保険です。

  • 子どもの教育資金準備のため
  • 老後の生活資金のため

このように、様々な理由で、より貯蓄性の高い商品として養老保険が選ばれています。

さらに貯蓄だけでなく、生命保険としても利用することができるので、万が一の時には満期金と同額の死亡保険金が給付されます。

ただし、注意をしなければならないのが、解約をする場合です。

満期を迎えるまでに解約をしてしまった場合は、それまでに支払った保険料よりも、解約返戻金は少なくなってしまいます。

また、養老保険には、お宝保険と呼ばれる保険があることをご存知でしょうか。


バブル時代、養老保険は爆発的に販売されており、今の予定利率とは雲泥の差があります。

もし、昔に加入した養老保険がまだ満期を迎えていない長期契約なのであれば、大切に継続しておくようにしてくださいね。



貯蓄型生命保険の4つのタイプを紹介!

貯蓄型の使命保険には、先ほど紹介した養老保険の他にも多くの生命保険があります。


ここでは、貯蓄性の高い生命保険について「終身保険型」「養老・学資保険型」「外貨建て保険型」「個人年金保険型」の4つのタイプに分けて説明していきます。

終身保険型

終身保険は、一生涯の保障が得られることに加えて貯蓄性にも優れているため、保障と貯蓄両方に備えたい方におすすめの保険です。 

特に「低解約返戻金型終身保険」は、保険料を払い込んでいる期間の解約返戻金を低く抑えることで保険料が安くなるため、保険料の負担が少なくなっています。 

しかし、中途解約してしまうと解約返戻金があまり支払われないため、充分に注意が必要です。 

払込期間が終了した後であれば、払い込んだ保険料よりも解約返戻金の方が上回りますので、貯蓄におすすめの保険といえます。 

養老保険と終身保険の違いについてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

養老・学資保険型

養老保険と学資保険は貯蓄をメインにおいた保険です。 

養老保険 

養老保険は、5年満期や10年満期などがあり、何事もなく無事に満期を迎えられれば満期金を受け取ることができ、満期日前に被保険者が死亡してしまった場合には死亡保険金が受け取れます。  

満期金も死亡保険金も同額に設定されており、貯蓄をメインに保障も付いているというのが特徴です。 

貯蓄が苦手な方でも強制的に貯蓄できるというメリットがあります。

また、これから詳しく解説しますが、 5年満期かそれ以上かによってかかる税金が異なりますので注意が必要です。 

学資保険 

学資保険は養老保険の一種とされており、子供の教育資金のために加入する積立型の保険です。 

学資保険の大きな特徴は、契約者に万が一のことがあった場合、保険料の支払いが免除になることで、もしもの場合でも安心して加入することができます。 

満期時に保険金を受け取る方法の他、高校入学時や大学入学時に祝い金がもらえるタイプの商品もあります。 

外貨建て型

外貨建て保険は、保険というよりも投資に近い積立型の商品で、多少のリスクを承知でも資金を増やしたいという方に向いている保険です。 

外貨建て保険は日本円で積み立てるよりも利回りがいいですが、その分リスクも大きいということを常に意識しておく必要があります。 

外貨建て保険には、保険料が安い、外貨で資産を増やせる、為替差益で得することがあるといったメリットがある一方、為替手数料が必要になったり、為替差損でマイナスになってしまう可能性があるといったデメリットがあります。 

為替についての知識があり、多少のリスクがあってもリターンを得たいという方に向いていますが、デメリットについて十分に注意することが必要です。  

個人年金保険型

個人年金保険は、積み立てた保険料が満期日以降に年金形式で受け取れるという保険です。 

「公的年金だけでは老後の生活が心配」という方が、より多くの老後資金を確保するために加入することが多いです。 

もし被保険者が年金保険を支給せずに死亡してしまった場合には、遺族が死亡給付金や年金を受け取れます。 

個人年金保険は、返戻率は決して高いわけではありませんが、確実に資金を貯められるというメリットがあります。 

反対に、もっと積極的に資金を増やしたい方には物足りなさを感じることがありますし、保険の見直しがしづらいというデメリットがあります。 

5年満期の養老保険の返戻金が所得税非課税になる仕組み

5年満期の養老保険には、源泉分離課税として、配当金を含む満期保険金に対して、受け取るときには税金がかかる仕組みになっています。

課税される対象は、満期保険金の全額に対してではなく、受け取った総額の保険金から支払った保険料の差額です。

ちなみに、5年以上経過した満期保険金は一時所得の扱いとなります。

  • 満期金総額ー支払った保険料総額ー50万円

このように、5年満期ではなく、5年以上の満期にした方が、支払った保険料から更に50万円の控除を受けることができるので、所得税がかかるというリスクは非常に低くなるのです。

5年満期の養老保険は金融類似商品に該当する

5年満期の養老保険は、金融類似商品に該当します。

また、5年以上の契約期間である養老保険を、5年未満で解約した場合にも、この金融類似商品に該当するので、注意が必要です。

金融類似商品に該当する要件は

  • 保険契約期間が5年以下
  • 払込方法が定められた方法
  • 保障倍率

この3つの条件をすべて満たした養老保険が、金融類似商品となります。

貯蓄系の生命保険だからといって、加入しているだけで貯蓄ができると思っていると、5年満期の養老保険のように、源泉分離課税により思っていた満期保険金より少なくなってしまうことがあります。

金融類似商品は源泉分離課税となる

何度も申し上げますが、金融類似商品として扱われる5年満期の養老保険は、源泉分離課税が徴収されます。

5年満期の養老保険が源泉分離課税された場合、満期保険金や解約返戻金を受け取った時点で、税金が差し引かれているため、確定申告をする必要はありません。

養老保険は、5年満期なのか、5年満期以上の長期契約なのかによって、金融類似商品として扱われるかが変わります。

もちろん、5満期以上の養老保険でも、5年経過前に解約すると、金融類似商品の扱いです。

源泉分離課税では所得税の課税率は一定になる

源泉分離課税による税金のかかり方は、受け取る満期金の金額に関係なく、一定の課税率で計算されます。

  • 所得税15%
  • 復興特別所得税0.315%
  • 住民税5%
この3つの税金が、保険会社が満期金を支払うときに、あらかじめ差引して、満期金を支払うことになります。

以前は、5年満期の養老保険に源泉分離課税が20%かかると言われていましたが、平成25年1月1日から平成49年12月31日までは復興特別所得税も追加され、合計で20.315%の税金がかかることになっています。

金融類似商品となる3つの条件

すべての養老保険が金融類似商品に当てはまるのではなく、3つの要件にすべて当てはまらなければ、金融類似商品からは除外されます。

したがって、要件を満たしていなければ、満期金を受け取る時には、一時所得として、所得控除を受けることができるようになるのです。

しかし、短期間で貯蓄ができるからと、5年満期を選ぶケースが多いのですが、実はこの金融類似商品に当てはまってしまう可能性が非常に高いのです。

5年満期の養老保険に加入する場合は、税金面でも大きく変わる可能性があるので、必ず知っておきたい金融類似商品に関する3つの条件を詳しく見ていきましょう。

保険期間は5年以下でなければならない

5年満期の養老保険に加入した場合、保険期間が5年しかありません。

したがって
  • 保険期間が5年以下であること
この条件に当てはまることになります。

また、5年以上の保険期間がある養老保険でも
  • 保険期間が5年を超える契約で、契約日から解約されたもの
この条件に当てはまることになってしまいます。

養老保険に加入する場合、源泉分離課税がかからないようにするためには5年満期ではなく5年1か月以上の契約期間が必要になるということです。

仮に、10年満期の養老保険に加入していて、5年1か月で解約した場合は、この条件に当てはまらないので、源泉分離課税がかかることはありません。

保障倍率について

金融類似商品に該当するのは、次の2つが条件となります。

  • 災害死亡保険金および、入院や手術給付金の日額に支払い限度日数を乗じて計算した金額が、満期保険金額の5倍未満
  • 普通死亡保険金額が、満期保険金額の1倍以下

養老保険の場合、満期保険金と同額が契約期間中、死亡保障額として設定されているものですが、例外として、満期保険金よりも、死亡保険金の方が多い場合があります。

たとえば、かんぽ保険では契約期間中の死亡保障額を、満期保険金額を基準として、「2倍型」「5倍型」「10倍型」があります。

2倍型の場合、満期保険金額が100万円だとすると、契約期間中の死亡保障は200万円になります。

このような場合には、金融類似商品の保障倍率の条件に該当してしまうので、注意が必要です。


支払い方法について

一般の生命保険と同様に、養老保険にも保険料の支払い方法は
  • 月払い
  • 年払い
  • 全期前納払い
  • 一時払い
このような支払い方法の中で、金融類似商品の条件となるのが
  • 一時払い
  • 契約日から1年以内に、払込保険料総額の50%を支払い
  • 契約日から2年以内に、払込保険料総額の75%を支払い
この中でも、特に該当しやすいのが、一時払いです。
他の保険が満期になり、少しでも良い利率の保険への移行をするケースが多いため、5年満期で一時払いで養老保険に加入するといったケースが多くなるのです。

一時払いは、月払いや年払いなどよりも、返戻率が良くなり、結果として支払うべき保険料の総額が月払いや年払いなどよりも、安くすむということが理由の1つです。

養老保険の満期についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

まとめ:貯蓄性の高い養老保険とその注意点

貯蓄性の高い養老保険の特徴や税金上の注意点などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

今回のこの記事のポイントは、 

  • 養老保険は貯蓄性に優れた保険である 
  • 養老保険の満期を5年以上にした方が所得税がかかるリスクが小さくなる 
  • 5年満期の養老保険は金融類似商品として源泉分離課税となる 

です。 

養老保険に加入する場合は、5年満期のものは源泉分離課税となり「損してしまった」と感じることがありますので、5年以上の契約期間に設定して、一時所得控除などを利用できるようにしましょう。 

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