生命保険の保険金が一時所得として課税対象になる可能性があります。

もしものときのための生命保険ですが、その保険金を受け取った後の税金についてご存知ですか?保険金は一時所得として課税になる場合があります。どんなときに生命保険の保険金が一時所得となるのかいくつか書いていこうと思います。少しでも参考になれば幸いです。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

生命保険の保険金は一時所得として税金がかかる場合がある

生命保険の保険金をもし受け取るようなことがあった場合、保険金に税金がかかる場合があります。


生命保険の保険金といえば、主には、  


  • 死亡保険金:死亡したときに受け取る保険金(死亡保障のある保険)
  • 満期返戻金:満期を迎えたときに受け取る保険金(養老保険や学資保険など)
  • 解約返戻金:解約時に返ってくるお金(終身保険など)

などが挙げられます。


これらの保険金を受け取ったときに、一時所得となるケースであったり、雑所得扱いになったり、契約者・被保険者・受取人の関係によっては、贈与税や相続税が課税されるケースもあります。


そこで、今回この記事では、生命保険の保険金が一時所得扱いとなる場合について

  • 契約者・被保険者・受取人の関係によって変わる税金の種類
  • 一時所得扱いとなるケースについて
  • 一時所得の計算方法と確定申告

以上のことを中心に説明します。


ぜひ最後までご覧ください。




そもそも、一時所得とは?

では、まず一時所得について説明をしていきます。もしすでに知っているよという方は、この部分は読み飛ばしていただいて構いません。

所得税法第34条一項には次のようにあります。 


 「一時所得(いちじしょとく)は、所得税における課税所得の区分の一つであって、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう」


具体的には、以下のようなものが一時所得として扱われます。


  • 保険金(解約返戻金や満期保険金、死亡保険金)
  • 宝くじやくじ引きなどの賞金
  • 競馬などの賭け事の払戻額
  • 見返りなどのお礼金

一時所得は所得税ですが、そもそも保険金に、贈与税や相続税がかかる場合もあります。


それは生命保険の契約者・被保険者・受取人の関係によって決まります。


では、まず保険の契約状態と税金の種類の関係について説明します。

保険金の税金は、契約者と被保険者、受取人の関係により異なる

生命保険の保険金にかかる税金は、契約者(保険会社に契約の申込みをして保険料を支払う人)と被保険者(保険の補償を受ける人)、受取人(保険金を実際に受け取る人)の関係によって異なります。

保険金にかかる税金について説明するにあたり、

  • 死亡保険金の場合
  • 満期保険金の場合
  • 解約返戻金の場合

についてそれぞれ説明をしていきます。


死亡保険金の場合

まず、死亡保険金の場合ですが、契約者・被保険者・死亡金の受取人の関係によって変わります。


課税される税金契約者被保険者受取人
相続税AAB
所得税ABA
贈与税ABC

上記のように、相続税、所得税、贈与税の3つのパターンがあります。

満期返戻金の場合

満期返戻金の場合は、契約者と満期金の受取人の関係によって変わります。

死亡保険金と異なり、被保険者が誰であるかは関係ありません。


課税される税金契約者受取人
所得税AA
贈与税AB

上記のように、所得税、贈与税の2つのパターンがあります。

解約返戻金の場合

解約返戻金の場合は、多くの場合は、保険料を支払ってきた契約者がお金を受け取ることになります。

この場合は、一時所得扱いとなります。


しかし、なかには保険料を支払ってきた契約者ではない別の人が解約返戻金を受け取ることがあります。この場合は、贈与税が課税されます。

生命保険の保険金が一時所得扱いとなるケースは?

ここまで、死亡保険金、満期保険金、解約返戻金にかかる税金の種類について説明してきました。

では、一時所得扱いになるケースをまとめると、


  • 死亡保険金が一時所得扱いとなる場合は、契約者と死亡金の受取人が同じ場合
  • 満期返戻金が一時所得扱いとなる場合は、契約者と満期金の受取人が同じ場合
  • 解約返戻金が一時所得扱いとなる場合は、そのお金を契約者が受け取る場合

では、一時所得となった場合、計算方法と確定申告の必要の有無について説明します。

生命保険の保険金の一時所得額を計算しよう

では、実際に生命保険の保険金の一時所得の計算をしてみましょう。

{(保険金)ー(払込保険料)ー50万円(特別控除)}


これで出た額が課税対象となります。


例えば、満期返戻金300万円払込保険料200万円の場合、


{300万円-200万円-50万円}÷2=25万円


となり25万円が課税対象です。


次に、死亡保険料1000万円払込保険料300万円の場合、

{1000万円-300万円-50万円}÷2=325万円


となり325万円が課税対象です。

一時所得を受け取ったときの確定申告

みなさんも確定申告と言う言葉を聞いたことがあると思いますし、確定申告されている方もいると思いますが、生命保険の保険金の一時所得も確定申告が必要となります。


ただし、特別控除の50万円がありますので50万円以内であれば課税はされません。


一般的な給与所得者(給与の所得が2000万円以下)でも、給与所得及び退職所得以外の所得金額20万円を超える場合は確定申告が必要、とあるため、給与所得以外の所得となる生命保険の保険金が20万円を超えるのであれば確定申告をしてください。


逆にいえば、一時所得が20万円以内であれば、確定申告は不要です。


もし確定申告が必要であるのに、確定申告をしなかった場合は、税務署から無申告加算税が課せられます。


無申告加算税は、納めるべき税額が、50万円までなら15%、50万円を超える場合は超える部分に20%の加算となります。


納めるべき税額によってはかなりの加算額となってしまいますので確定申告が必要な場合は必ず申告するようにして下さい。

保険金は一時金受取では一時所得に、年金受取では雑所得になる

次に、生命保険の保険金の受け取り方による違いを説明していきます。

生命保険の保険金は、収入保障保険を代表とする特定の商品の場合に、受け取り方が選べます。
それにより、一時所得か雑所得かに分かれます。
  • 一時金受取:一括でそのまま受け取る→一時所得
  • 年金受取:分割して毎年定額を年金のように受け取る→雑所得

年金受け取りのメリットとしては、総受け取り額が多くなることです。
これは、生命保険会社が支払う予定の保険金を運用し、予定利率が保険金に反映されるからです。

生命保険の保険金は一時所得で受け取るほうが節税になる

次に、一時所得と雑所得の税額の違いを説明をしていきます。

まずは所得の計算方法を見て行きます。
  • 一時所得 総収入金額-必要経費-50万円(特別控除
  • 雑所得 総収入金額-必要経費
所得が出たら、次に税額を計算しますが、これからは一時所得でも雑所得でも同じ計算方法になります。
  • 課税対象の金額 = 一時所得の金額 x 1/2 + 他の所得
  • 所得税の金額 = (課税対象の金額 x 所得税率 - 控除額) x 1.021(復興特別所得税) 

必要経費とは支払った保険料のことで、特別控除の50万円を差し引くと0円になる場合すらあります。
そのため、納税資金があるのならば、一時所得として受け取った方が節税できます。

しかし、他の所得金額にも寄りますので、それに応じて検討する必要があります。  
また、所得税率も変更になる場合があることも、念頭に置くようにしてください。

参考:医療保険やがん保険の入院給付金には税金はかからない

さて、ここまで、生命保険の保険金に対する税金について説明してきました。

では、医療保険やがん保険の入院給付金などは課税対象となるのでしょうか。


実は、医療保険やがん保険の入院給付金は、非課税となっており、税金はかかりません。


生命保険に入院保障の特約をつけた場合の、入院給付金も非課税となります。


そのため、一時所得扱いとなることもないので、安心して給付金を請求することができます。

まとめ:生命保険の保険金が一時所得として課税対象となる可能性

今回は、生命保険の保険金が一時所得となるケースがあるという点を重点的に触れていきましたが、いかがだったでしょうか?


今回のこの記事のポイントは

  • 税の負担を軽減するには保険金は一時所得で受け取るのが良い
  • 医療保険やがん保険の入院給付金には税金はかからない
  • 生命保険の保険金の税金は、契約者と被保険者、受取人の関係により異なる

でした。


もしもの時のためのお守りとなる生命保険ですが、保険金を受け取った後どんな税金がかかるのかまでをご存知の方は少なかったかもしれません。


生命保険の保険金は時に高額となりますので、無申告となってしまわないよう注意して、確定申告をしていただければと思います。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。

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