養老保険の満期受取について解説!継続する場合は?

養老保険が満期を迎えるとその後の保障はどうなるか知っていますか?満期保険金を受け取った際の税金はどうなるのでしょうか?養老保険の満期後の死亡保障、満期保険金の受取方法、満期保険金にかかる税金についてなど、養老保険の満期について徹底的に解説します。

内容をまとめると

  1. 養老保険は満期を迎えるとまとまった満期金をもらえる
  2. 養老保険の満期金の金額は、死亡保険金と同じのことが多い
  3. 満期前に養老保険を解約すると少しのお金しか戻ってこないので注意
  4. 満期金を受け取るには、必要書類を用意して保険会社に申請すればOK
  5. 満期金には、受取人によって所得税または贈与税がかかる
  6. 養老保険は満期を迎えると保障が消滅する
  7. 養老保険の加入または、見直しをしたいという人は、養老保険のプロに無料相談するのがおすすめ
  8. 今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会に保険の悩みを解決しましょう! 

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

目次を使って気になるところから読みましょう!

養老保険の満期に関する疑問のすべてを説明


養老保険というと、多くの人が、満期の受け取りを楽しみにしながら毎月少しずつ保険料を支払っていることでしょう。

しかしながら、実際に受け取ることになった場合、どういった手続きが必要となるのか、その際の税金を払う必要があるのか、その後の保障はどうなっていくのかを考えている人は少ないのが現状です。

養老保険の満期を迎えるまでにこれらのことを知らないと、満期保険金を受け取り損ねる可能性もあります。

そこで、この記事では養老保険の満期について、
  • 養老保険の満期保険金の受け取り方法
  • 養老保険を途中で解約する場合の注意点
  • 養老保険に関わる税金
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、現在加入している養老保険の満期時にはどういったことをすればいいのか、このまま契約し続けてもよいのか、しっかりと知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

また、養老保険について何か不安・不明な点がある場合は保険のプロに相談してみましょう。
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養老保険の満期に関する特徴3つを紹介!

決められた期間内に死亡保障が受けられる養老保険。


養老保険には、加入した時点で死亡保険がついており、加入者が亡くなったときは死亡保険金を受け取ることができます。


ただし、養老保険には契約期間が設定されています


その契約期間が終了になることを満期といいます。


満期はだいたい50歳~60歳に設定されているので、養老保険は老後の資金準備などに利用されることが一般的です。


では、ここから、養老保険の満期に関する特徴を3つ紹介していきます。

特徴1:満期を迎えると「満期保険金」を受け取ることができる

養老保険は、満期を迎えると満期保険金を受け取ることができます。


養老保険に加入し無事に満期を迎えると、あらかじめ設定していた金額の満期保険金を受け取ることができます。

特徴2:満期保険金の金額は死亡保険金の金額と同じ

満期保険金はたいていの場合、死亡保険金と同じ金額設定されています。

たとえば、満期保険金を200万円に設定した場合は、死亡保険金も200万円です。

生きていれば満期保険金200万円を受け取ることができますし、途中で亡くなった場合は200万円の死亡保険金が下りるので、以前はお葬式代の準備として加入する方もいました。

特徴3:貯蓄性が高い

養老保険は、貯蓄タイプと呼ばれる種類の保険です。

貯蓄タイプの保険では、それなりの金額の満期保険金などが下ります。

しかし、現在の生命保険は、一生涯ではなく、一定期間にわたり大きな保障がつく掛け捨てタイプの保険がメインとなっています。

掛け捨ての保険は、保障が充実しているぶん、満期を迎えてもほとんどお金が戻ってきません。

そのため、貯蓄目的で養老保険を選ぶ方も少なからずいるでしょう。

ここまで養老保険の特徴を説明してきましたが、養老保険に興味を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

保険の見直し・新規加入の際は幅広く正しい知識が重要になってきます。
そこで、保険の専門家に相談しながら養老保険を検討することをおすすめいたします。

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養老保険の満期保険金には税金がかかる

無事に満期を迎えると満期保険金がもらえる養老保険。

ただし、養老保険の満期保険金を受け取る際には税金がかかります。

保険金受取人が誰なのかによって、税額は以下のように異なります。

保険金受取人税金の種類税額の計算方法
契約者本人所得税契約者の所得が高いほど税額も高い
それ以外贈与税満期保険金の金額が高いほど税額も高い

所得税や贈与税のことは後ほどご説明するので、満期保険金を受け取るときに節税対策したければ、まずはとりあえず「税金の種類に違いがあるんだな」ということを押さえておきましょう。

契約の際、細々とした点で保険の損得が大きく変わってきてしまう場合があります。
保険選びで後悔しないためには契約時に慎重に検討をすることが何より大切です。

満期前に養老保険を解約する場合

養老保険を満期前に解約した場合は、満期保険金ではなく解約返戻金を受け取ることができます。

ただし、解約するまでの期間が短ければ短いほど解約返戻金は少なくなるので注意が必要です。

養老保険の解約を検討するときに重要なポイントとなるのが、支払った保険料に対する解約返戻金の割合(返戻率)です。


解約するときの返戻率は、以下のように計算します。


返戻率=受け取った解約返戻金÷保険料の総支払額×100%


例えば、「保険料総額100万円、解約返戻金80万円」の場合、


80万円÷100万円×100%=80%


返戻率は80%です。


「保険料総額100万円、解約返戻金120万円」の場合、


120万円÷100万円×100%=120%


返戻率は120%です。


返戻率が100%を超えると、支払った保険料の総額よりも受け取る解約返戻金が多いということになります。

養老保険の解約返戻金は年を追うごとに増える

養老保険の解約返戻金は他の保険よりもたくさんもらえることが多く、契約年数を重ねるごとに増えていきます。


したがって、保険料を支払う期間が長ければ長いほど、もらえる解約返戻金は多くなります

解約時は返戻率が100%を超えているか確認しましょう

養老保険における解約返戻金の返戻率が高いとはいえ、短期間で解約してしまうと、解約返戻金よりも支払った保険料のほうが多くなってしまいます。

それは、返戻率が100%を下回るからです。


もちろん、養老保険の契約期間中は死亡保障があるので、返戻率が低いからといって単純に「損をしている」とは断言できません。


しかし、養老保険を貯蓄目的で契約している場合は、返戻率が100%を超えていない(=解約返戻金よりも支払った保険料のほうが多い)と、金銭面では損をしたことになります


解約時には、必ず返戻率を確認しましょう。


もし返戻率が100%を下回る場合は、ただちに解約するのではなく、別の手段を検討したほうがよいかもしれません。


養老保険には、解約以外にも、

  • 保険料の減額
  • 契約者への貸付
  • 払済保険への変更

など、資金を調達したり、月々の保険料の負担を軽くしたりする制度が設けられていることが多いです。

養老保険に加入して満期を迎えたとき

加入した養老保険が無事に満期を迎えた場合、満期保険金を受け取ることができるということをご説明しました。

では、満期後、死亡保障はどうなるのでしょうか?

「死亡保障目的で養老保険に加入したのだから、満期後に死亡保障が消えてしまったら困る」という方もいますよね。

さきほどもご説明しましたが、養老保険の満期は50~60歳なので、幸いにも死亡保障を受けずに
満期を迎える方も多いはずです。

ここからは、養老保険の満期保険金と満期後の死亡保障について解説します。

満期保険金が受け取り可能になる

満期保険金は、ただ受け取るだけでなく、場合によっては保険会社に預金しておくこともできます。


保険会社によっては、満期保険金の一部(または全部)を受け取らずにそのまま保険会社に預けておく、据え置きという制度を設けているところもあるのです。


預けた満期保険金(据え置き保険金)には、保険会社が独自に決めた利息がつきます


所定の手続きをとれば、据え置き保険金は基本的にいつでも引き出すことができます。


保険会社に満期保険金を預けておいた場合、ときには銀行の定期預金よりも高い利率になることがあるのです。


据え置き利率は、保険会社、保険の種類、経済情勢によって変動します。


据え置き利率がいくらになるのか知りたい場合は、必ず保険会社に確認しましょう。


満期保険金の据え置きをオススメするケース

  • 満期を迎えたがすぐに現金が必要ではない場合
  • 満期保険金を1度に手にすると無駄使いしてしまいそうな不安がある場合


満期保険金の受け取りをオススメするケース

  • 満期保険金の使い道が決まっている場合
  • 他の金融機関でもっと高い利回りの運用が見込める場合

養老保険の満期後、死亡保障は消滅する

養老保険の満期を迎えると、残念ながら死亡保障はなくなってしまいます。

満期前の契約をそのまま継続することはできないので、死亡保障も継続することができません。

満期後も死亡保障を受けたい場合は、新しく別の保険に加入しなおす必要があります。

再度死亡保障をつけたい場合は別保険に加入するしかない

前項でもご説明したとおり、満期後も死亡保障が欲しい場合は、新しく別の保険に加入するしかありません。

しかし、満期後の保険の新規加入には、以下のようなデメリットがあります。 
  • 契約年齢が上がっているために、同じ保障内容の保険に加入しようと思っても保険料が高くなることが多い
  • 保険の種類によっては告知審査が必要になり、その結果、保険に加入できない可能性がある。
  • 養老保険などの貯蓄型の保険に加入しようと思った場合、経済状況によっては以前の契約よりも返戻率が下がることがある。 

このように、養老保険には、満期保険金を受け取ることができるというメリットがある一方で、満期後は死亡保障を継続できないというデメリットを抱えています。

養老保険の満期保険金の受け取り方


養老保険では、満期後に満期保険金を受け取ることができるが、死亡保障はなくなってしまうということをご説明してきました。

ここからは、具体的な満期保険金の受け取り方について解説します。

実は、養老保険の満期保険金は、所定の手続きをしないと受け取ることができません。

しかし、満期保険金の受け取り手続きはそこまで難しい作業ではありませんし、必要書類もそれほど多くありません。

また、満期が近づくと保険会社が告知してくれるので、必要以上に身構えなくても大丈夫です。

では、具体的にどのような手続きが必要なのか解説していきます。

満期保険金は保険会社に請求しなければ受け取れない

養老保険の満期保険金は、自動的に保険会社から振り込まれるものではありません。

満期保険金は、受取人が保険会社に請求する必要があります。


満期の手続きについては、満期の約2か月前に、保険会社から満期保険金の請求に関する案内が送付されるのが一般的です。


満期日が近づいても何も連絡がない場合、念のため保険会社に問い合わせてみましょう。

満期保険金請求の際の必要書類

保険会社から送付される案内の中に、満期保険金請求の際に必要な書類の記載があるので確認しましょう。


満期保険金の請求に必要な書類は、一般的に以下のとおりです。

  • 満期保険金請求書
  • 保険証券(必要な場合のみ)
  • 運転免許証などの本人確認書類(必要な場合のみ)
必要書類がそろったら、後は満期保険金を受け取るか据え置くかによって手続きの流れが異なります。

満期保険金を受け取る場合の手順

  1. 期限までに必要書類を保険会社に提出する
  2. 内容に問題がなければ、満期日に満期保険金が指定口座に振込まれる
  3. 後日、保険会社より支払い明細が届く


満期保険金を据え置く場合の手順

満期保険金を全額据え置く場合、請求書の提出は不要です。


手続きせずに満期日を過ぎた場合は、全額据え置きされるからです。


ただし、満期金の一部だけを受け取りたい場合は請求書の提出が必要です。


請求書を送れば、請求した金額が満期日に振込まれ、残りの満期金は据え置かれることになります。


そして後日、

  • 支払い明細
  • 保険金支払証書
  • 据え置き制度についての案内

が保険会社より届きます。


請求書類の提出が遅れたり、内容に間違いなどがあったりした場合、満期日に満期保険金を受け取れないことがあります。


また、満期金を受け取るつもりが自動的に据え置きされるということもありますので、早めに手続きしてください。

保険期間や受取人によって変わる?満期保険金の税金の種類


ではいよいよ、満期保険金を受け取ったときの税金について詳しく解説していきます。

満期保険金を受取った場合、税金がかかるということはすでにご説明しました。

そして、その税金がいくらなのかということは、保険金受取人が誰なのかによって変わるのでしたね。

もう1度、保険金受取人と税金の種類の表を載せておきます。

保険金受取人  税金の種類 税額の計算方法
契約者本人
所得税契約者の所得が高いほど税額も高い
それ以外 贈与税満期保険金の金額が高いほど税額も高い

また、保険期間によってもかかる税金が変わってきます。

では、税金のことはよく分からない方、節税対策したい方などのために、満期保険金の税金について詳しく解説してきますね。

満期保険金だけでなく解約返戻金も課税対象

満期保険金だけではなく、解約返戻金にも税金はかかります。

解約返戻金の場合も、満期保険金と同じように、受取人が誰なのかによって、所得税の対象になるか贈与税の対象になるかが決まります。

税金のかかり方は、満期保険金も解約返戻金もほとんど一緒です。

満期保険金に所得税がかかる場合

基本的に、満期保険金と解約返戻金は所得税の課税対象になりますが、実際に税金がかかるケースは多くありません。 

解約返戻金が課税対象になるのは、支払った保険料の総額より解約返戻金が多い(解約返戻率が100%以上)ケースです。

つまり、解約返戻金よりも保険料をたくさん支払っている場合は、税金がかかりません。

現在は予定利率が低いため、解約返戻金が払込保険料よりも高いケースは少なく、ほとんどの場合は非課税となります。   

契約者と受取人が同じ場合

養老保険の満期保険金受取人には、契約者以外を設定することができます。

所得税がかかるのは、満期保険金や解約返戻金を契約者本人が受け取る場合です。

受け取った満期保険金は一時所得とみなされる

生命保険の満期保険金にかかる税金は、基本的に所得税の対象となるのでしたね。

実は、所得税にはさらに細かい分類があり、分類によって税金のかかり方が大きく異なります。

その分類には、毎月会社などからもらう「給与所得」、懸賞金など一時的な収入にあたる「一時所得」などがあります。

養老保険の満期保険金は、所得税の中の一時所得にあたります。

この一時所得には独特の課税方式が用いられており、それを知らないと税額の計算ができません。

税額の計算方法については、後ほどご説明します。

満期保険金と支払った保険料の総額の差分が課税対象

満期保険金は課税対象になることもあるとご説明しましたが、実は、満期保険金の全額が課税対象になるわけではありません。

課税対象になるのは、受け取った満期保険金から払込保険料を引いた金額です。

満期保険金よりもたくさん保険料を支払った場合(返戻率が100%以下の場合)は税金がかからないのは、このような理由があったからですね。

差分は50万円までが所得税の控除対象

さらに、課税対象になるのは、払込保険料と満期保険金の差額だけではありません。


満期保険金から払い込んだ保険料総額を差し引いた後、そこからさらに特別控除額50万円を差し引いた金額が課税対象になります。


この特別控除は、一時所得ならどんな場合でも控除されます


課税の対象となるのは、この金額をさらに半分にした金額です。


少しややこしくなってきたので、次項で、具体的な計算式と計算方法を記載します。

所得税がかかる例と計算方法

これまでの説明を式に表わすと、次のようになります。

課税対象額=(満期保険金ー払込保険料の合計ー特別控除額50万円)÷2

もちろん、結果的に課税対象額がマイナスになった場合、税金はかかりません


では、具体例を見てみましょう。


「満期保険金600万円、払込保険料400万円」だった場合、課税対象額はいくらになるのでしょうか。


上記の式にあてはめると、以下のようになります。

課税対象額=(600万円-400万円ー50万円)÷2=75万円

このケースでは、75万円が所得税の課税対象となります。

学資保険などの場合は雑所得として課税される

養老保険と同じ貯蓄性の高い保険である、学資保険についても少し触れます。


学資保険の内容は養老保険とほとんど同じですが、満期保険金を受け取るタイミングを、大学卒業などの学業に関わる時期に設定できます。


学資保険には、

  • 満期保険金を一括で受け取るタイプ
  • 毎年学資年金を受け取るタイプ

の2種類があります。


そして、タイプによって所得の分類が異なります。


学資保険のタイプ満期保険金の所得の種類
満期保険金を一括で受け取るタイプ一時所得
毎年学資年金を受け取るタイプ雑所得


満期保険金を一括で受け取るタイプの学資保険は、養老保険と同じで特別控除などが差し引かれます。


そのため、実際に課税対象になる金額は少なくなります。


しかし、毎年学資年金を受け取るタイプの学資保険については注意が必要です。


学資年金は、一時所得ではなく雑所得に分類されます。


雑所得には一時所得のような特別控除がないので、受け取る金額が少なくても課税対象となる可能性があります。


節税対策したい場合は、一時所得に分類されるタイプの学資保険を選びましょう。

満期保険金が源泉分離課税される場合

契約者と保険金受取人が同じ場合、満期保険金は所得税の課税対象となり、確定申告が必要となります。

確定申告は、自分が支払うべき税金額を国に通知するための手続きです。

逆に言えば、すでに国に税金を支払っているのではあれば、基本的に確定申告は不要ということです。

満期保険金の場合、所得税の課税対象ではなく、源泉分離課税が適用される場合は確定申告が不要になります。


源泉分離課税とは、すべての所得を合算せず、所得1つ1つを分離して課税することです。


源泉分離課税では、所得を受け取る時点で源泉徴収(仮の税率を用いてあらかじめ税金を差し引くこと)されているので、確定申告の対象から外れます。


源泉分離課税の1番身近な例は、預貯金の利子です。


預貯金の利子は源泉分離課税の対象なので、仮の税率である20.315%がすでに源泉徴収されています。


したがって、確定申告は必要ありません。


要するに、あらかじめ税金を差し引いている満期保険金なら確定申告は必要ないということですね。


ちなみに、会社員などの場合は年末調整で税金が差し引かれているので、基本的に確定申告は必要ありません。


※源泉分離課税の税率は20%ですが、平成49年12月31日までは、復興特別所得税を加えた20.315%となります。

源泉分離課税されるのは「金融類似商品」のみ

では、どのような場合に満期保険金が源泉分離課税となるのでしょうか。


加入している養老保険が金融類似商品に該当する場合、所得税は源泉分離課税となります。


金融類似商品に該当した場合、利益(満期保険金-払込保険料)に対して源泉分離課税が行われます。



養老保険における金融類似商品の条件

では、どのような養老保険が金融類似商品に該当するのでしょうか。

養老保険が金融類似商品になるのは、以下の場合です。

  • 保険期間が5年以内の一時払養老保険
  • 保険期間が5年を超える契約でも、契約から5年以内に解約した場合


くり返しになりますが、これらに該当する場合は、満期保険金に源泉分離課税が適用されます。

源泉分離課税時の事例と計算方法

源泉分離課税が適用されると、税金はどう変わるのでしょうか。

では、源泉分離課税の具体例を見てみましょう。


ここでは、「一時払保険料190万円、満期保険金200万円、保険期間5年」の一時払養老保険が満期になったとします。


まず、契約者と保険金受取人が同一の場合は所得税に分類されるのでしたね。


そして、保険期間が5年以内の一時払養老保険は金融類似商品に該当するので、源泉分離課税が適用されます。


源泉分離課税額は、以下のように計算します。

源泉分離課税額=(満期保険金-払込保険料)×20.315%

上の式に例をあてはめると、

源泉分離課税額=(200万円-190万円)×20.315%=20,315円

この源泉分離課税額が、あらかじめ満期保険金から差し引かれることになります。


その場合、受取人が満期時に受け取る金額は、

満期保険金200万円-源泉分離課税額20,315円=1,979,685円

です。


もしこの保険が金融類似商品に該当しなかったら、満期保険金は所得税の課税対象となっていました。


その場合、特別控除などを差し引いた結果、税金はかからなかったはずです。


源泉分離課税の対象となる商品は、受け取る金額が少なくなり、貯蓄性が下がることがあるので注意しましょう。

満期保険金に贈与税がかかる場合

ここまで、保険の契約者と保険金受取人が同一の場合についてご説明してきました。


契約者と満期保険金受取人が別の場合、満期保険金は贈与税の課税対象になります。


養老保険では、契約者と満期保険金受取人が同じであることが一般的です。


しかし、契約者が夫で受取人が妻や子の場合など、満期保険金受取人が契約者と異なる場合もあるでしょう。


贈与税の場合、受け取った解約返戻金のすべてが課税対象となります。


また、贈与税には一般贈与特例贈与といった種類があり、贈与金の受け取り相手によって税額が変わります(後ほど詳しくご説明します)。


ここからは、満期保険金に贈与税がかかる場合について詳しく説明していきます。

満期保険金を受取人以外が受け取る場合

契約者と保険金受取人が異なる場合、受け取った満期保険金は贈与とみなされ、贈与税がかかります。


契約者と満期保険金の受取人が違うということは、すなわち、契約者が満期保険金受取人に保険という商品を介してお金を贈与したことになるからです。


一般的に、所得税に比べると、贈与税のほうが税金が高くなります。

満期保険金受取人が契約者と異なるケースに該当する場合、注意が必要です。

贈与税の控除額は110万円まで

受け取った満期保険金のすべてが課税対象になる贈与税。

しかし、贈与税には、1年間に110万円の基礎控除があります。

1年間、他の贈与がなく、受け取った満期保険金が110万円以下であれば贈与税はかかりません

贈与税課税時の事例と計算方法

受け取った満期保険金が贈与税の課税対象となる場合、受取人が誰であるかによって、かかる税率が変わります。

具体例を2つ紹介します。


妻が満期保険金を受け取った場合

「契約者:夫、満期保険金受取人:妻、満期保険金600万円」の場合、贈与税はいくらになるでしょうか。


満期保険金の受取人が妻の場合は、一般贈与に分類されます。


一般贈与の税額は、以下の式で計算します。

税額=基礎控除後の課税価格×税率-速算控除額

まず、贈与税の基礎控除額が110万円なので、控除後の課税価格は600万円-110万円=490万円ですね。


税率と速算控除額については、「贈与税の税額速算表」から算出します。


【贈与税の税額速算表(一般贈与)】

基礎控除後の課税価格税率速算控除額
200万円以下10%0万円
200万円超~300万円以下15%10万円
300万円超~400万円以下20%25万円
400万円超~600万円以下30%65万円


上の表を見ると、基礎控除後の金額490万円に対する税率は30%、速算控除額は65万円です。


それらの数値を先述の式に当てはめると、

税額=490万円×30%-65万円=82万円

つまり、満期保険金受取人である妻に82万円の贈与税が課税されることになります。


子どもが満期保険金を受け取った場合

「契約者:夫、満期保険受取人:子ども(30歳)、満期保険金500万円」の場合はどうでしょうか。


20歳以上の子や孫などへの贈与は、特例贈与になります。


贈与税額の計算式は一般贈与と同じですが、「贈与税の税額速算表」が変わるため、結果的に課税額が変わってきます。


【贈与額の税額速算表(特例贈与)】

基礎控除後の課税価格税率速算控除額
200万円以下10%0万円
200万円超~400万円以下
15%10万円
400万円超~600万円以下20%30万円

まず、基礎控除後の金額は600万円-110万円=490万円です。


上の表を見ると、基礎控除後の金額490万円に対する税率は20%、速算控除額は30万円です。 


式に当てはめると、

税額=490万円×20%-30万円=68万円

つまり、満期保険金受取人である子どもに68万円の贈与税が課税されることになります。


このように、同じ贈与税でも、受取人が誰かによって課税額が変わります。

満期保険金受け取り時に確定申告が必要になるケース


これまで、満期保険金を受け取ったときにかかる税金について解説してきました。

また、源泉分離課税が適用されない場合は確定申告が必要だということも解説してきました。


しかし、実は、確定申告が必要ないケースは他にもあります。


ここからは、確定申告が必要な3つの条件についてご説明していきます。


これからご紹介する3つの条件にあてはまらなかった方は、確定申告する必要はありません


それでは見ていきましょう。

1.満期保険金と給与所得以外の所得が20万円を超える人

くり返しになりますが、契約者と満期保険金が同じ場合、課税対象となるのは、

課税対象額=満期保険金-払込保険料-特別控除額50万円)÷2

でしたね。


この計算式で出た金額により、確定申告の必要性が変わります

  • 計算後の課税対象額が20万円を超えるとき
  • 給与所得以外の所得と計算後の課税対象額の合計が20万円を超えるとき

上記2つのどちらかにあてはまる方は、確定申告が必要になります。

2.個人事業主などそもそも確定申告を行っている人

個人事業主や年間収入が2,000万円超の給与所得者などは、そもそも確定申告が必要です。

満期保険金の金額が多いか少ないかは関係ありません

会社員の場合は、年末調整で納めるべき税額を通知しているので問題ありません。

3.満期保険金が贈与税の対象の場合

満期保険金が贈与税の課税対象となった場合、必ず確定申告が必要です。

満期保険金を受け取った年の翌年の2月1日~3月15日までに申告しましょう。


ただし、満期保険金と満期保険金以外の贈与財産を合計した金額が基礎控除額(110万円)を超えていなければ、確定申告は不要です。

満期保険金を受け取ると扶養から外れる?

契約者が夫で満期保険金受取人が妻である場合、贈与税の対象になるとお話しました。

では、扶養内の妻が夫から満期保険金を受け取った場合、扶養から外れてしまうのでしょうか?

結論から言うと、扶養への影響はありません。

そもそも扶養とは、基本的に、継続的な所得がほとんどない場合に必要となってくるものだからです。

贈与は所得ではありませんし、満期保険金は継続的な所得ではないので、扶養から外れる根拠にはなりえません。


では、契約者も満期保険金受取人も妻だった場合、受け取った満期金は所得税の対象になりますが、扶養への影響はあるのでしょうか?

満期保険金で扶養範囲内であっても扶養から外れることも

契約者も受取人も妻のときに満期保険金を受け取った場合、満期保険金は一時所得に分類され、課税対象となります。

この一時所得は、当然妻の所得となります。

パートなどで他に所得がある場合は、それも加えた合計が妻の所得となります。

一時所得を含めた合計所得金額が38万円を超えると扶養にならず、配偶者控除や扶養控除は受けられなくなります


つまり、専業主婦で他に所得がなかったとしても、受け取った満期保険金の金額によっては、その年の扶養から外れるケースもあるということです。


なお、配偶者は、配偶者特別控除を受けられる場合もあります。


ただし、配偶者特別控除には、

  • 夫のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること
  • 妻の年間合計所得金額が38万円超~76万円未満であること

などの条件があります。


養老保険のシュミレーションについてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

まとめ:養老保険の満期について

養老保険の満期について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 養老保険の満期保険金の受け取り方法
  • 養老保険を途中で解約する場合の注意点
  • 養老保険に関わる税金

です。


満期保険金を受け取る時に慌てることのないよう、養老保険の満期の取り扱いと満期金にかかる税金について再度確認しましょう。

マネーキャリアでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。  

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