傷病手当金の申請方法は?申請書の書き方から提出先まで徹底解説!

病気やけがで働けない際利用したい制度が傷病手当金です。初めて申請する際にはどうしたらいいか分からないですよね。ここでは傷病手当金の申請方法を、申請書がどこでもらえるかから書き方・提出先まで詳しく解説し、申請期限や傷病手当金がもらえない場合など注意点も解説します。

傷病手当金の申請方法を1から解説します


病気やけがで働けなくなった時に受け取ることができる手当として、傷病手当金があります。名前は聞いたことがあっても、どんな方法で申請したらいいのかわからなかったり、どこでもらえるのかご存じない方も多いことでしょう。


傷病手当金は、申請をしないと受け取ることができない手当です。自動的に受け取れるものではないので、条件、申請方法、受け取り方法を知ることが大事です。


そこで、この記事では「傷病保険の申請方法」について、

  • 傷病手当金を申請するための4つの要件
  • 傷病手当金の申請方法
  • 傷病手当金を申請する際の注意点
  • 傷病手当金の計算方法
  • 傷病手当金のもらえる時期と期間
  • 2回目以降の申請

以上のことを中心に解説していきたいと思います。


この記事を読んでいただければ、傷病手当金について基本的な知識を得ることができますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

傷病手当金とは

傷病手当金は、健康保険や国民保険など傷病手当金の制度がある医療保険に加入していれば誰でも受け取る権利がある給付制度です。


ですが、受け取るためには一定の条件が必要になります。これから紹介する4つの条件すべてに当てはまらないと傷病手当金は申請することができません。


傷病手当金は労災保険とは異なり、業務の中ではなく業務外での病気やけがが対象となる点にもご留意ください。

傷病手当金を申請するための4つの要件とは

傷病手当金を受け取るための条件は

  1. 業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
以上4つです。

業務外の事由による病気またはケガで療養中であること

傷病手当金の対象は仕事以外での病気やけがです。仕事中のことが原因となった病気や仕事中に負ったけがは傷病手当金の対象にはなりません。


業務が原因の病気やけがは傷病手当金ではなく、労災保険の給付の対象になります。自分の病気やけががどんな給付の対象になるかわからなければ、保険事務所へ問い合わせてみるのもいいでしょう。


また、傷病手当金は他の保険や手当とは基本的に同時に受けることができませんので、注意してください。

その療養のため仕事ができないこと

2つ目の条件は、1つ目の条件に当てはまった上で、その病気やけがが原因となって仕事ができない状態にあることが挙げられています。仕事ができない判断は自分で行うのではなく、担当の医師や普段の職務内容によって判断されます。


同じ病気やけがでも、職業によって仕事ができるかどうか異なりますので医師とも相談してみるといいでしょう。

連続する3日間を含み4日以上休職していること

3つ目の条件は、「待期」と呼ばれる3日連続でのお休みをしたあと、さらにもう1日以上休んでいることです。傷病手当金が発生するのはこの待期が終わったあとの4日目の休みからになります。


待期は会社を休んだ日ではなく、土日や祝日などの休日も含みますので、申請の際には待期の期間を間違えないようご注意ください。

病気やケガで休職中の間に給与の支払いがないこと

最後に、病気やけがが原因で休んでいる間に、会社からのお給料をもらっていないことが条件に挙げられています。会社からお給料や、その他お休み中の特別手当等が支払われていると傷病手当金を申請することができません。



ここまでに挙げた4つの条件全てに当てはまらないと、傷病手当金は申請することができませんので、ご注意ください。

参考:うつ病の方も傷病手当金も申請は可能

傷病手当金はうつ病を理由に会社をお休みしている方も受け取ることができます。精神的な病気は、原因が会社にあるのか、それ以外にあるのかといった判断が難しいため、労災認定が難しいという実情もあります。


一方、傷病手当金は先程紹介した4つの条件さえ満たせば申請することが可能ですので、うつ病でも申請をすることができます。

傷病手当金の申請方法|申請書の用意から書き方・提出まで

ここまで傷病手当金を申請するために必要な条件を説明してきました。ここからは実際の申請方法について説明していきたいと思います。

申請に不備があると受け取るまでの時間が延びてしまうこともあります。これから説明する内容をご確認いただき、傷病手当金の申請から受け取りまでスムーズに進むよう準備していきましょう。

傷病手当金支給申請書を用意する

傷病手当金を申請するには傷病手当金支給申請書に必要事項を記入して提出をする必要があります。傷病手当金申請書は所属している医療保険のホームページからダウンロードして印刷をするか、電話で郵送を依頼することで入手することができます。


傷病手当金支給申請書は、自分で書く項目と事業主や医師に書いてもらう項目があります。また、お休みをしている理由がけがの場合は「負傷原因届」や「第三者行為による傷病届」など別途書類が必要となります。けがの場合はそれらの書類も一緒に準備するようにしましょう。

傷病手当金支給申請書(協会けんぽ

傷病手当金支給申請書の書き方①|医師・会社に記入してもらう

<医師の記載が必要な項目>

実際に働けない期間や働けない原因の診断、治療内容や医師の所見などがこれに当たります。ここで大事なのは、医師が書く働けない期間と、被保険者が書く休んだ期間が一致していることです。


この期間が一致していないと傷病手当給付金が支給されない可能性もありますのでご注意ください。


<事業主の記載が必要な項目>

実際の勤務状況や給与の支払状況などがあります。事業主はこの項目への記載を求められたら記載を行う義務があります。書いてもらえない場合は一度加入している保険窓口に相談するなどしてみましょう。

傷病手当金支給申請書の書き方②|自分で記入する

傷病手当金支給申請書には自分で記載する項目が2枚に別れています。

<1枚目>

1枚目には被保険者証(保険証)の記号と番号、名前や振り込み用の口座など、個人情報を記載する欄があります。

<2枚目>

2枚目には傷病名や仕事内容、療養のため休んだ期間などがあります。この「療養のために休んだ期間」に記載した日数が傷病手当金の支給日数になります。また、この項目が医師が書いた労務不能な期間と一致するようにしてください。


「あなたの仕事の内容」の欄には「プログラマー」や「家電量販店店員」など具体的な業務内容がわかるように記載してください。

傷病手当金支給申請書を保険者に提出する

傷病手当金申請書は被保険者証に記載された管轄の協会けんぽ支部へ提出します。方法は直接窓口への持ち込むか、郵送の2つがあります。また、会社が事業主の項目を書くのと合わせて郵送してくれることもありますので、一度確認してみるとよいでしょう。


申請書の提出方法や郵送先については、協会けんぽのホームページにまとめられていますので、そちらも合わせて御覧ください。

傷病手当金を申請する際の注意点|申請期限や退職後などについて

傷病手当金を申請する際には、税金や申請期限、退職することになった場合など、いくつか注意が必要なことがあります。
ここからは、そんな傷病手当金の申請に関する注意点について説明していきます。

傷病手当金受給中でも社会保険料・住民税は支払いが必要

実は、傷病手当金自体は税金がかかりません。ですが、住民税は前年の所得に対して発生しています。そのため、現在給与の支払いを受けていなくても前年度の収入を基準に発生した住民税の支払いが必要になります。


社会保険料については、仕事を休んでいてもその資格を喪失したわけではないので、継続した支払いが必要になります。


傷病手当金には申請期限がある

傷病手当金の申請には、働けない日ごとにその次の日から2年という期限が設けられています。ポイントは労務不能であった日ごとという点です。

傷病手当金は、就労できなかった日1日単位に支給される手当のため、このような条件になります。


<例>

4月1日から4月30日まで働けなかった場合

対象日申請可能期間申請期日
4月1日4月2日から2年2年後の4月1日まで
4月30日5月1日から2年2年後の4月30日まで

以上のようになります。


1ヶ月連続で休んでいる場合でも1日ごとに申請期限が変わりますので、すぐに申請するよう心掛けましょう。

 

退職後も傷病手当金を受給することができる場合もある

傷病手当金は条件を満たせば退職後でも受け取ることができる場合があります。その条件は以下の2点です。

  1.  退職する日までに1年以上同じ医療保険に加入していたこと。
  2. 仕事を辞める時に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。

以上の2つの条件を両方とも満たしていないと、退職後に継続して傷病手当金を受け取ることができなくなってしまいます。


気をつけなくてはならないのは、仕事を辞める日に出勤をしてしまうと、これらの条件に当てはまらなくなってしまうのでお気をつけください。

その他の公的手当を受給している場合傷病手当金は申請できない

老齢年金や出産手当金、労災保険から休業補償給付、傷害手当金などを別で受け取っている場合は基本的に傷病手当金を申請することができません。ですが、ある条件に当てはまると、傷病手当金の一部を受け取ることができる場合があります


老齢年金や障害手当金は、「受け取っている金額を1/360にした金額」が傷病手当金よりも少ない場合、傷病手当金との差額を受け取ることができます。


労災保険から休業補償給付を受けている場合や出産手当金を受けている場合には、その金額が傷病手当金より少ない場合、その差額を受け取ることができます。


どの場合も基本的に傷病手当金の金額を超える場合は受け取ることができない点に留意してください。


傷病手当金を申請するといくらもらえる?計算方法を解説

傷病手当金は基本的に以下の計算式をもとに算出されます。

(支給開始日以前1年間の各月の標準報酬月額を平均した額)/30×2/3

ですが、支給開始日までの医療保険加入期間が1年に満たない場合、下記の条件が適用されます。


  •  支給開始日の月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均 
  • 当該年度の前年度9月30日における加入している健康保険の全被保険者の標準報酬月額の平均額
以上のうち、金額の少ないほうが適用されます。

標準報酬月額は、実際の給与額に基づき50等級に分かれています。詳しくは協会けんぽのホームページをご確認ください。


実際の支給額の目安を一部抜粋したものを表にまとめました。参考までにご確認ください。

等級標準報酬月額傷病手当金日額
13160,0003,553
17200,0004,447
21280,0006,220
25360,000 8,000


傷病手当金が減額される場合もある

傷病手当金を受け取っている間に会社からお給料や手当の支払いがあったときは、原則として傷病手当金は支給されません。

ですがその額が傷病手当金よりも少ない場合は、傷病手当金と同じ額までの差額が支給されます。


つまり、給与と傷病手当金を同時に受け取っている場合は傷病手当金が減額されることになります。ただしその金額は本来の傷病手当金の金額を超えることはありません。


先に紹介したとおり、他の給付金や手当の制度を利用している場合でも傷病手当金が減額されて支給されることがあります。その場合も本来の傷病手当金を超えた金額が支給されることはありません。

傷病手当金はいつ支給されるのか・支給期間はどれくらいか

傷病手当金を申し込むと、保険組合で支給か不支給かの審査が行われます。

審査の結果支給が決まった場合は、申請書提出から約1ヶ月ほどで指定口座に振り込まれることが多いようです。


ただ、書類の不備や審査に時間がかかった場合は1ヶ月よりも遅くなる場合もありますので、あくまで目安とお考えください。


傷病手当金の支給期間は、支給開始から最長でも1年6ヶ月までとされています。注意しなくてはならないのは、この1年6ヶ月の期間は途中でリセットされたり、一時的に止まったりすることがないことです。


つまり、途中で病状が安定し会社に行くことで傷病手当金を受給しない月があっても、1年6ヶ月の期間に含まれることになります。

2回目以降の傷病手当金の申請について

傷病手当金は2回目以降も受け取れる場合があります。

同じケガや病気が原因の場合は先程説明した1年6ヶ月の期間をすぎれば傷病手当金を受け取ることはできません。


ですが、別の病気やけが、同じ病気やけがでも一度完治したと判断された場合は2回目の申請を行うことができます。

別の病気やけがの場合は一度目と同じ手続きで進めていけば問題ありませんが、同じ病気やけがが理由の場合は一部申請を簡略化できることがあります。


2回目の申請では傷病手当給付金が振り込まれるまでの期間が初回の1ヶ月ほどから短縮されます。これは同じ内容の場合審査にかかる時間が短縮されるためです。


受給期間が長期間に及ぶ場合は基本的に1ヶ月ごとに申請をしていくことが多いと思います。その都度申傷病手当金申請書が必要になりますので準備をしておきましょう。

傷病手当金の申請方法・手続き方法・支給金額などのまとめ

ここまで傷病手当金について受け取るための条件や申請方法、貰える金額などについて説明してきました。ポイントは以下のとおりです。

  • 傷病手当金を申請するための要件は4つ
  • 傷病手当金支給申請書には自分で各項目以外に、事業主、医師が書く項目もある
  • 受け取れる傷病手当金はおおまかに月収の2/3ほどになる。
  • 傷病手当金は非課税だが、前年度分の住民税や社会保険料の支払いは必要
  • 傷病手当金の申請には期限がある
  • 傷病手当金の最初の振り込みは申請から1ヶ月程度かかる。2回目からは短縮される
これらが傷病手当金を受け取るために重要なポイントになります。


傷病手当金は自分が働けなくなった時、生活をしていくために必要なお金を受け取れる制度です。ですが、自ら行動して申請を行わないと受けることのできない制度でもあります。

自分だけではかけない書類も必要ですので、余裕を持って申請をするようにしましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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