傷病手当金受給中に病院を転院する場合、気を付けることとは?

傷病手当金受給中であっても、引っ越しや治療内容の変更により、病院を転院することがあるかと思います。転院した場合においても、引き続き傷病手当金を受給するには空白期間に注意する必要があります。この記事では、転院する際に気を付けることやQ&Aを解説しています。

傷病手当金受給中に病院を転院した場合の注意点

病気や怪我のために、被保険者とその家族が生活できるように支給される傷病手当金をご存知ですか?


病気で休業中、収入がなくなってしまうことがなくなるように設けられた制度で、病気を治すことに専念できる素晴らしい制度です。


しかし、傷病手当金受給中に引っ越しや治療内容を変更するために病菌を転院しなくてはいけない場合があります。


この場合、転院先の医師からの証明をもらうまでの期間は傷病手当金が受け取れません。(参考:全国健康保険協会「協会けんぽ研修資料」


そこでこの記事では、傷病手当金受給中に病院を転院した場合の注意点について

  • 空白期間ができないようにする方法
  • 月の途中で転院した場合の手続き方法
について解説していきます。

この記事を読んでいただければ、転院しなくてはいけなくなったとしても傷病手当金を継続して受け取るための方法が理解できます。

ぜひ、最後まで読んでください。

転院先の医師から証明をもらうまでの空白期間は支給されない

傷病手当金とは、被保険者が病気や怪我などで働けなくなり給与を受け取れなくなった場合に支給されるお金です。


傷病手当金の受給が行える条件は以下の通りです。

  1. 病気のための療養が必要な場合
  2. 療養のため仕事につけない場合
  3. 連続して3日以上休んだ場合
  4. 給与をもらえない場合


支給期間は、支給開始日から1年6か月となっています。


支給額は、1日分で支給開始日を含む直近の12か月分の標準報酬月額を平均し、30分の1に相当する額の3分の2が支給されます。


生活していくために必要な分のお金は、しっかりもらうことができる制度です。


原則として、病院を転院した場合は医師から照明をもらっていない間は傷病手当金を受け取れません。


前の病院での治療後、引っ越しなどによって転院先へ出向くのが遅れてしまうと、この間の期間分は傷病手当金が受給できないシステムです。


さらに、転院する際は前の病院で就労不能期間を証明してもらう必要がありますので注意しておきましょう。

特に退職後は空白期間が発生しないように注意

在職中に傷病手当金の申請を行っていなくても、退職後に申請を行って受給可能です。


ただ、退職後に傷病手当金を受給していて空白期間が生まれてしまった場合は、継続して受給できません。


1日でも空きができてしまうと、傷病手当金を受け取れなくなってしまいます。

空白期間が生まれないようにしておかなければ、生活できなくなってしまうので注意しておきましょう。


転院の際に空白期間が生まれないようにする方法

傷病手当金を受給している際の転院は、空白期間が生まれないようにするのがとても賢い方法です。


空白期間が生まれないようにする方法として、下記の方法があります。

  • 転院予定の病院へ前もって行っておく
  • 転院前の病院で転院後の初診日までの証明をもらう
  • 紹介状を書いてもらっておく

病気で療養中の場合、傷病手当金が受給できないとなると生活が苦しくなってしまいます。
できるだけ空白期間が生まれないよう、最善を尽くす必要がありますよね。

この3つの方法について、さらに詳しく解説していきます。

方法1:前もって転院予定先の病院で診断を受ける

引っ越しや治療内容の変更により、転院先の病院が決まっているのであれば転院する前に一度診断を受けておきましょう。


証明してほしい日の前に診断を受けておくと、スムーズに進みます。


病院での証明は、その病院での初診日より前の証明は行ってくれません。

そのためどうしても、引っ越し日当日もしくは翌日までに初診を行わなければ空白期間が生まれてしまいます。


なので、傷病手当金を1日もあけずに受け取るためには証明してほしい日の前までに診断を受けておきましょう。


医師によっては、転院前の医師の紹介状を提出することで初診日より前の証明を行ってくれる場合もあります。


ですが、確実ではないのであらかじめ診断を受けておいた方がいいでしょう。

方法2:転院前の病院から転院先の初診日までの証明をもらう

転院先で診断を受ける日が確実に決まっているのであれば、転院前の病院で事情を話して転院先の初診日までの証明をもらうことができます。


未来の日付の書かれた書類では傷病手当金を受給できないので提出日には十分注意してください。


転院前の病院と転院先の病院の書類に矛盾点がないかなど、しっかり確認してから提出しましょう。


しっかり事情を説明しておかなければ、記載してもらえない場合もあるので注意してください。

方法3:転院前の病院に紹介状をかいてもらっておく

転院前の病院で紹介状を書いてもらうことで、連携した治療を行えます。


傷病手当金は、転院先でも同じ病名でなければ受給できません。


万が一、紹介状なしで転院先で初診してもらった際に病名が違っていれば、傷病手当金を受給できなくなり、さらに余計な手続きも必要となります。


紹介状があれば、病名や治療方法、処方薬などがわかるだけでなく、前もって転院先の病院へ診断を受ける必要もありません。

この場合は、申請用紙は1枚になります。


傷病手当金に関することだけでなく、自分の病気に関する情報も共有してくれるので紹介状があったほうがいいと思います。


月の途中で転院した場合の請求期間と手続き

月の途中で転院した場合、請求期間は医師の証明した期間となります。


11月8日までAという病院に通っており、傷病手当金の申請に必要な証明書には11月8日までと記載してあれば、転院先の病院には11月9日に診断を受けて、申請に必要な証明書に11月9日と記載してもらいます。


この場合、申請用紙は2枚となります。


転院前の請求期間は転院前の医師に、そして転院後の請求期間は転院後の医師に「傷病手当金医師の意見欄」の記載をしてもらってください。


その後は事業主、退職しているのであれば直接健康保険の窓口に送りましょう。

傷病手当金受給中の転院のまとめ

傷病手当受給中の転院に関する疑問について解説していましたが、いかがだったでしょうか?


この記事のポイントは、

  • 転院する際は医師の証明書に空白期間が生まれないようにする
  • 転移先の病院へ前もって診断を受けておくとスムーズ
  • 紹介状を書いてもらえるのであれば、書いてもらったほうがいい
でした。

傷病手当金の申請のための診断書は、費用が掛かります。
費用をかけて診断書を書いてもらったのに、傷病手当金を受給できないとなると大きな損失になってしまうでしょう。

病気や怪我で働けなくなった際の大切な収入源となります。

引っ越しなどで転院を行う必要が出てきた際は、必ず空白期間が生まれないように医師に相談すると良いでしょう。

ほけんROOMでは、他にも知っておきたい保険に関する記事を多数掲載していますのでぜひ、ご覧ください。

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