介護保険証を紛失したら再発行してもらえるの?その方法は?

公的な介護保険サービスを利用したい場合、要介護認定等を受けなければなりませんが、この時発行されるのが「介護保険証」です。もしも介護保険証を紛失してしまった場合、再発行してもらうことが出来ます。では介護保険証を再発行してもらう時には、どうすれば良いのでしょうか。

介護保険証を紛失してしまった場合の再発行に関する情報

今や、介護が必要な高齢者に欠かせない存在となった公的介護保険。2000年に導入されたこの社会保障制度は、3年と5年毎に改正を繰り返し、今に至っています。

この間、他の社会保障制度にはみられないほど様々なことが変更されてきましたが、変わらないものもあります。それが「介護保険証」です。




公的な介護保険サービス1割負担(2割以上の負担の方も居ます)で受けるためには、介護保険証を提示することが絶対に必要です。

しかし「モノ」には必ず壊れたり失われたりするという特性があります。介護保険証も例外ではありません。


ただ、紛失してしまったからといって介護保険サービスが受けられないようでは、困ってしまいますよね。でも、安心してください。


介護保険証は再発行(又は再交付)してもらうことが可能です。


この記事では、介護保険証を再発行することに対し、次のことをご紹介していきます。


  • 介護保険証の再発行の仕方 
  • 介護保険証を再発行した時の注意点 
  • 介護保険証の有効期限

では、どうぞ最後までお読みください。

介護保険証の再発行の仕方

介護保険証を再発行してもらうためには、所定の手続きを踏む必要があります。


なぜなら、介護認定をするための現地調査や介護度を決めるための介護認定会議、また介護保険証の発行など全ては、費用がかかっているからです。つまり、国民の税金がそこに使われています。


ですから、介護保険証の再発行もやたらに行うことは出来ないのです。


ただ誤解していただきたくないのは、介護保険証を発行してもらったり再発行してもらうために、個人的に費用を払う必要はありません。

介護保険証の再発行は役所で行う

介護保険証を最初に申請するのは市町村行政、つまり役所です。

介護保険は、介護保険料を納めている人なら誰でも利用できる(40歳~64歳までは条件あり)制度ですが、そのためには介護認定を受けるために役所の担当窓口に申請する必要があるのです。


介護保険証を再発行してもらうにも、同じように役所で再発行の申請を行う必要があります。ただし「再申請」と言うと、違う意味でとられてしまうこともありますので注意が必要です。


居宅介護支援事業所のケアマネージャーなどが用いる用語の内「再申請」とは一般的に、一度決定された介護認定に対し不服を申し立て、再度申請し直す場合に用いられる用語になります。

ですから誤解を与えないように「介護保険証を紛失してしまったので最申請をしたい。」と言えば確実です。

介護保険証の再発行の際に必要なもの

介護保険証の再発行の際に必要な持ち物としては

  • 印鑑(認め印で良い) 
  • 身分を証明するもの(後期高齢者医療保険証・健康保険証・運転免許証など)

があれば十分です。


あえて言うのであれば、3つ折りの介護保険証と一緒にA4サイズの


「介護保険 要介護認定・要支援認定等決定通知書」


という用紙が送られてきているはずですので、それがあれば尚ベストです。


無ければ、印鑑と身分証明書等で大丈夫です。

代理人が介護保険証の再申請する際に必要なもの

介護保険証の再交付の申請など、公的な機関へ行う手続きを本人以外の者が代理で行う場合には、住民票などを発行してくれる市民課などの窓口に備えてある「委任状」を求められる場合があります。

委任状には、手続きを任せる本人の署名・捺印、そして任せられる代理人の署名・捺印などを書きこむことが一般的です。

さらに、代理人として委任された者の身分証明が必要になる場合もあります。


ただ要介護認定などを申請する場合、本人は、要介護認定してもらいたいぐらい介護が必要な状態ですから、役所の窓口に行くことが出来ないことの方が多いのが現状です。

この場合、家族や親族が役所の窓口に行き、担当職員に相談して申請へと至ることがほとんどです。


この様に、役所側が申請してくる者の立場を把握している場合には、わざわざ委任状を求められないこともあります。

再交付にかかる時間

介護保険証の再発行を申請して、実際に再交付されるまでにはどのぐらいの時間がかかるのでしょうか。

単刀直入にいえば、役所によって違います。


後日、再発行するための申請書に記載した住所に郵送で送られてくる場合もありますし、その場で即日で再交付してくれる場合もあります。

このように、役所によって対応の仕方が違いますので、再発行の申請をした場合に確認しておくことをお勧めします。

介護保険証の再発行をしたときの注意点

介護保険証を紛失し、再発行してもらった場合にはどの様なことに注意すれば良いのでしょうか。

二度あることは三度ある…とも言うように、再度紛失してしまう可能性が「ゼロ」ということはありません。


ですから、念のために次のようなことに注意しましょう。

再発行したら被保険者番号を控える

介護保険証に記載されている「被保険者番号」というのは、その人個人を特定できる番号になります。

ただし、介護保険上の番号なので、マイナンバーのように色々な機関で特定できる訳ではありません。


冒頭でも述べましたが、公的な介護保険サービスを1割負担で受けるためには、介護保険証の提示が必要です。しかし提示は毎回行わなくても良い介護保険事業所がほとんどです。


もしも介護保険証を紛失してしまい、再交付されるまでの間に新しい介護保険サービスを受けることになった場合、その事業所に事情を説明し、再交付されたら必ず提示することで1割負担でサービスを受けることが出来ます。


ただし、介護保険事業所側も本当にその方に介護認定が下りているのかを確認する義務がありますから、役所に行き問い合わせることもあります。

そのような時、被保険者番号が分かると役所の方でもすぐに確認することが出来るのです。


ただ被保険者番号が分からなくても、氏名・住所・生年月日が分かれば役所のシステム上ですぐに分かるようにもなっています。

ですから、被保険者番号を控えていなかったから介護保険サービスを受けることが出来ない、という訳ではありませんのでご安心ください。

盗難されてしまった場合は警察にも連絡する

前述してきたとおり、介護保険証は公的な機関が発行する公的な書類の一つです。

ということは、金融などお金を融資してくれる業者が、健康保険証の提示でお金を貸し出してくれる場合には、介護保険証であっても借りることが出来る場合もあるのです。


つまり介護保険証が盗難されてしまった場合、悪用される可能性が十分あるといえます。


ですから、介護保険証が再発行されたからいいや…と安心するのではなく、なぜ紛失したのか確実な理由が分からず、もしかしたら盗難された可能性があるのだとしたら速やかに警察にも届け出る必要があるのです。

介護保険証の有効期限

介護保険証には「有効期限」が記されています。これは、要介護認定会議で決定された要介護度や要支援度(或いは総合事業における事業対象者としての度合い)が、いつからいつまで有効なのかを記すものです。

つまり、有効期限が切れている介護保険証を提示しても、介護保険サービスを1割負担で受けることが出来ません。なぜなら、その介護保険証に記載されている要介護度に、変更があるかもしれないからです。


では、有効期限にいつも注意して期限が切れる前に再度役所に申請しなければならないのでしょうか。


そうではありません。役所側が有効期限をしっかり把握してくれていますので、期限が切れる2ヶ月前を目安に、書類や電話で要介護認定の更新についての案内があります。

当然ですが、この作業も役所の担当職員が行います。そして、要介護認定の更新のための調査時以外で、介護保険証を預かっていくことはありません。


つまり「要介護認定の更新のために、事前に介護保険証を預からせていただきに参ります。」というような電話があるとしたら、それは詐欺です。十分注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか。公的な介護保険サービスを受けるために絶対に必要な「介護保険証」。もしも紛失してしまったとしても、再発行してもらえることがお解りいただけたかと思います。

また、再発行にかかる手続きもそんなに大変ではないことが解っていただけたのではないでしょうか。


ただ、何度も言いますが介護保険証は公的機関から発行された公的文書です。取り扱いには十分注意しましょう。

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