医療保険の請求には診断書が必要!費用や期限・不要となる場合とは?

医療保険の給付金を請求するために医師による診断書の提出が必要です。しかし、診断書は医師に書いてもらうものであり上手く請求する必要があります。ここでは診断書の費用や負担額、医療保険の請求に診断書が不要となる場合の他、診断書発行をトラブルなく行うコツを紹介します。

医療保険の給付金請求は診断書が必要!費用や期限は?


保険金や給付金の請求をするためには、病院側からの診断書を発行してもらう必要があります。


医療保険でも同様で、診断書を通して、給付金支払いの妥当性の事実確認後、適切な給付金が支払われる仕組みとなっています。


しかし、この診断書を医師に依頼して作成してもらうことに対して、診断書に関する料金や書式、受け取りのコツなどでお悩みの方も多いと思います。


そこで、このの記事では「医療保険の給付金請求に必要な診断書」について、


  1. 診断書発行の料金
  2. 保険会社ごと・病院ごとの書式
  3. 診断書を医師に発行してもらうときのコツ
  4. 保険金請求の際に診断書が不要となる場合

 の4点をまとめていきたいと思います。


最後まで読んで間違いのない請求をしましょう。

医療保険の請求|必要な診断書の発行料金はいくらなのか

こちらでは診断書の種類別に、医療保険などの診断書の発行料金・費用を取り上げます。

地域的にも、また病院ごとでも診断書の料金・費用にバラつきがあります。


下表を参考にしてください(参照:医療経営情報研究所「2012年医療分書作成業務・文書料金実態調査(訂正版)」)。

○診断書の種類ごとの発行料金・費用について


自院様式の治療の診断書の発行料金・費用

(※)自院様式:各病院が独自に設定している診断書の様式です。

自院様式平均額関東(平均)最高額最低額
診断書(簡易)2,337円2,962円5,250円1,000円
診断書(複雑)3,665円3,888円10,500円1,000円
医療費に関する
証明書
1,216円1,246円16,500円100円

保険会社様式の診断書の発行料金・費用

(※)保険会社様式:生命保険会社等が独自に設定している診断書の様式です。

保険会社様式平均額関東(平均)最高額最低額
所定用紙
診断書
4,841円5,311円10,500円1,050円
所定用紙
後遺障害診断書
5,837円6,917円12,600円2,100円
自賠責
診断書
4,763円5,526円10,500円1,500円
自賠責
後遺診断書
5,927円7,135円12,600円2,520円

生命保険の死亡保険金や高度障害保険金の診断書の料金・費用

医療保険以外にも診断書が必要となるものに生命保険などがあります。


生命保険会社へ死亡保険金を請求する場合には、死亡診断書もしくは死体検案書を、高度障害保険金を請求する場合には、障害診断書を準備する必要があります。

これらの診断書は、保険会社所定の診断書用紙が必要になります。


また、死亡診断書は5,000円程度
障害診断書は10,000円程度と費用がかかります。

医療保険の請求|診断書の費用は自己負担


診断書の費用について保険会社に請求できるケースもある

告知義務違反が発覚した場合どうなるか

診断書は保険会社への医療行為の証明としての目的がある

診断書は医師でなければ発行できず、また訂正することもできません。

なぜなら、詐欺などの防止以前に適切な医療行為をしていることの証明になるためです。


しかし、医療保険の適用を認めさせるためには、その医療行為が適切であることは言うまでもなく重要で、なおかつそれが必要な時に手に入れられなければなりません。


入院やケガの事由証明を本人にも確認する権利があるのです。 


骨折時の医療保険についてはこちらで解説していますので、ぜひ読んでみてください。

診断書の作成の事務は病院側に任されている

診断書作成の事務は病院側に任されており、各病院によって診断書の記載内容や受け取り方法も異なります。


病院は、保険加入者の保険金請求のために診断書の作成義務を負っているわけではなく、診断書の作成及びそのための事務に関して、病院側が任意で行っています。


そのため、保険金請求の際に診断書の記載をお願いしたい時には、基本的に患者側から担当医に対して作成したもらうことを申し出ます。


患者に親切で、気配りのできる医師であれば、患者側が尋ねる前に診断書の件について打ち合わせをしてくれることもあるでしょう。


しかし、病院の規則によって、一度窓口で診断書を作成する手続きを行わなければならないこともあります。


そのため、診断書が欲しい場合、まず担当医に相談を行い病院側の定める手順を踏みましょう。


面倒な手続きではありますが、不当な診断書の作成を防止することに不可欠な措置といえます。


しっかりと医療保険の保険金請求ために必要である旨を伝えれば、迅速に診断書を発行してもらえますので慌てずに依頼しましょう。

医療保険の給付金請求期限は治療から3年以内

医療保険の請求|医師に診断書をお願いする上での気を付けたいポイント

医師に診断書作成をお願いする上での注意点は

  • 診断書の使用目的を伝える
  • 自分で記入できるところはあらかじめ記入しておく
  • 記入してもらいたい内容をあらかじめメモとして渡す
  • 提出期限を決めておく

の4点です。

以下で詳しく解説させていただきます。

診断書の使用目的を伝える

まず、医療保険の請求のために診断書が欲しい旨を伝えましょう。

実は診断書には会社提出用や健康保険組合提出用など多様な診断書があります。


これらの中からどの様式のものを使えばよいのかをはっきりと伝えておく必要があります。


もし様式を間違えた場合、正しく保険金が支払われない可能性があります。


そのため、診断書の使用目的と様式を医師に伝えておきましょう。

自分で記入できる所はあらかじめ記入しておく

診断書の中には自分で記載できる箇所があるので、わかる部分はあらかじめ記載しておいてください。


診断書の中には医療保険を適用させるための必要な診断内容が書いてあるとともに、施術前の状態や術後の経過など保険金を下ろす際に適当かを検討するための事項が記載されています。


一方、あなたの個人情報について記載する箇所があります。


そこには氏名や生年月日などを記載する欄ですが、この欄を記載しておくことでその診断書があなた個人のものである証明にもなります。

記入してもらいたい内容をあらかじめメモとして渡しておく

保険会社によっては診断書の様式が異なり、医師でも記入するのに困惑することもあります。

そのため診断書に記載してもらいたい内容を伝え、それとともに内容のメモを渡しておきましょう。


こうすることによって多忙な医師によくある手違いのリスクをへらすことができます。


提出期限を決めておく

診断書をいつまでに提出すれば良いかをあらかじめ医師に伝えておきましょう。

なぜなら、医師は忙しいので急を要する書類でなければ後回しされがちです。

そのため、「いつまでに書いてください」と、具体的な提出日を提示しながら診断書を書いてもらう必要があります。


だいたい1週間程度を目安に依頼をすると良いですね。

医療保険の給付金請求の際、診断書が不要となる場合もある

給付金請求の際に診断書が不要になる場合は、

  • 入院日数が14日以内であること:ただし、条件としては、責任開始日から2年以上経過後に開始した入院なら、30日以内とされる場合もある
  • 給付金(保険金)を請求する時点で既に退院した場合
  • 治療に関して手術を受けていないか、手術給付金(保険金)の支払対象外の手術を受けている場合:手術給付金(保険金)の支払対象外になるかどうかは、各保険会社の手引き等で確認する
  • 各社が定める、請求の際に診断書が必要な給付金(保険金)ではないこと
  • がん保険以外の請求の場合
  • 一部の病気や部位を保障対象外として契約した場合(特定疾病・特定部位不担保条件)、または、保障対象外とする期間が経過した後の入院である場合

の6点です。


これらの条件に合致した場合は、診断書が不要になる可能性があります。


わからない場合は、保険会社の担当者に尋ねてみましょう。

診断書以外に用意しなければならない書類がある

告知義務違反が発覚した場合どうなるか

告知義務に関しては医療保険に入られている方なら経験しているはずですが、自分の健康状態や病歴またそれらについての家族情報などを加入前に医療保険を扱うものに対して文書で伝える義務のことです。


この義務は「確かに告知した」という証拠がない限り契約履行ができず、保険において極めて重要な義務となっています。


告知義務に違反をしても刑事罰等の対象にはなりませんが、契約破棄となり、肝心の保険金や給付金を受け取ることができなくなります。


もちろん契約破棄なので、それまでに支払った保険料は当然返却されません。


この告知義務の事実確認を、給付金を支払う前に診断書を通して行われるのです。

まとめ|医療保険の請求には診断書が必要!費用や書式・請求期限について

この記事では、「医療保険の給付金請求に必要な診断書」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


記事の要点は、

  • 診断書は病院の医師に記載してもらわなければならない。
  • 診断書発行のための料金は全額自己負担。料金は病院や様式、地域によって異なる。
  • 医師に診断書記載を依頼する際には、必要事項と提出期限を伝える。
  • 保険金請求の際に、診断書が不要になる場合がある。
の4点です。


診断書を発行してもらうことで、大切な保険金の請求が可能になります。


せっかく保険に入っていて、万が一保険金を請求する事案が発生したときに、手続きの不備で保険金の請求が遅延してしまったら困りますよね。


あなたの身体にとって大切な部分であるため、トラブルは避けたいものです。


診断書発行の際には手続きを間違えないように、発行の仕方を覚えておきましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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