帝王切開による出産は公的医療保険適用の対象になる？民間保険加入の必要性といくら必要かを徹底解説！

将来子どもを持ち、幸せな家庭を作っていきたいと願う人はたくさんいます。そして、その一番最初の段階である「出産」において、大きな出費がともなうことはよく知られています。

もし予期せず帝王切開での出産になったとしたら、どのくらいの費用がかかるか知りたい人も多いことでしょう。

実は、出産の方法により公的医療保険・民間医療保険が適用になったりならなかったりします。

そこでこの章では、

• 帝王切開のケース
  
• 自然分娩のケース
  
• 無痛分娩のケース
  

上記の3つのケースについて詳しく解説していきます。

この記事全体を読んで頂ければ、帝王切開は公的医療保険や民間医療保険の対象となるのかがわかります。

さらに、帝王切開における実際の出費がどのくらいになるのかなど、帝王切開にまつわるお金のことがわかるようになっています。是非最後までご覧ください。

「帝王切開」は異常分娩に分類され、公的医療保険が適用されるので、自己負担額は3割です。また、民間医療保険でも支払い対象となります。

なお、たとえ異常分娩だとしても、入院中の個室利用時の差額ベッド代、病院で出てくる食事の料金、新生児管理保育料などは公的医療保険の適用外になります。

さらに、帝王切開は高額療養費制度の対象です。医療費に関しては、1ヶ月あたりの自己負担限度額（厚生労働省が定めたもので、収入額などによって変わる）までで済むのです。

また、出産時に加入していた公的医療保険（会社の健康保険など）から出産育児一時金をもらえます。

しかし支払いが3割であっても、正常な分娩（自然分娩）より入院日数が多くなる傾向があるので、その分自己負担額も増えることを忘れてはいけません。

帝王切開は、民間の医療保険においても支払いの対象となります。 保障内容により一定額の給付金を受け取れるのです。

帝王切開は入院が長引く傾向があるので、民間医療保険に入っていたとしたら、自己負担分や公的な制度でもらえるお金（出産育児一時金など）では足りなかった部分を補えるでしょう。

自然分娩（正常分娩）のケースでは、公的医療保険は適用されず、出産費用は全額自己負担です。

なぜなら、順調なお産で終わった自然分娩（正常分娩）は、診療や手術が必要な病気やけがとみなされないからです。また、高額療養費制度も対象となりません。

なお、自然分娩（正常分娩）でも公的医療保険から支給される出産育児一時金や出産手当金は受け取れます。また、一部の地方自治体では出産祝い金を渡しているところもあり、これは自然分娩（正常分娩）でも受け取ることができます。

民間医療保険はどうなるかというと、公的医療保険が適用されないのと同じく適用されません。

無痛分娩のケースは、公的医療保険が適用されません。また、高額療養費制度も対象外です。

無痛分娩は利用する人が増え続けている分娩方法ですが、帝王切開（異常分娩）のように母体と胎児の命を優先させるための手術ではないので適用されないのです。

公的医療保険が適用されないので、民間医療保険も適用されないとの認識で合っています。

自分のお産は帝王切開ではないと思っていても、状況次第で帝王切開になることがあります。

そこでこの章では、

• ケース①予定帝王切開（選択帝王切開）
  
• ケース②緊急帝王切開
  

予定帝王切開（選択帝王切開）とは、分娩前の健診のときに出産のリスクが高いことがわかった場合、前もって手術日を決めて行うものです。

どのような場合に予定帝王切開（選択帝王切開）が選択されるかというと、逆子だったときや前置胎盤だったときなどです。または、母親に既往歴がある場合にも選択されます。自然分娩が難しいとの判断から行われるのです。

予定帝王切開（選択帝王切開）は、前もって資金を準備できるなどの利点があります。

緊急帝王切開は、自然分娩（正常分娩）のお産が始まったものの、胎児がうまく産道から出られず母体や胎児に危険が生じるおそれがある場合に、医師が判断して決定する方法です。

「緊急」なので、妊婦である本人とその家族が十分説明を受ける前に手術がスタートしてしまうこともあります。

これから子どもを持ちたい人は、出産において費用が総額いくらぐらいかかるのか知りたいはずです。

そこでこの章では、

• 自然分娩による出産にかかる費用
  
• 帝王切開による出産でかかる費用
  

自然分娩（正常分娩）による出産にかかる費用は、公的医療保険が適用されません。

公益社団法人・国民健康保険中央会の「正常分娩分の平均的な出産費用について（平成28年度）」によると、自然分娩（正常分娩）の平均出産費用は505,759円であることがわかりました。

産む場所には総合病院・大学病院・診療所・助産院などがあります。産む場所によって数万円ほどの差は出てきてしまいます、自然分娩（正常分娩）は一般的には40万円から50万円ほどかかるということです。  

帝王切開でかかる費用は、医学上「異常分娩」とされるため病気として扱われ、公的医療保険が適用になるので、自己負担分は3割ですみます。

ここで、緊急帝王切開の一つの例をご紹介します。厚生労働省の「妊産婦にかかる保健・医療の現状と関連施策」を元に計算してみると、手術費用は222,000円となります。

緊急帝王切開は公的医療保険が適用されるので、自己負担分は3割となり66,600円です。

ちなみに、予定帝王切開の手術費用は201,400円で、自己負担分は60,420円ということになります。

また、手術の際に必要な投薬・注射・麻酔・検査・入院費などの費用も公的医療保険の対象です。

しかし、帝王切開だとしても、入院中に個室を使用した場合の差額ベッド代、病院で出してもらえる食事代などは公的医療保険の適用外になってしまいます。

帝王切開の入院期間は、自然分娩（正常分娩）よりも長引く傾向があります。自然分娩（正常分娩）が4日から6日程度、帝王切開は7日から10日になると考えられます。

期間が長引くということは、入院代プラス食事代なども多くかかることを覚えておきましょう。

また、同じ帝王切開でも、医療費は個々のケースで違いが出てきます。

帝王切開や自然分娩による出産で、受け取れる給付金があることをご存じでしょうか？

日本では、子どもが誕生した人向けに、費用負担を軽くすることを目的とした公的な制度が設けられています。

そこでこの章では、

• 妊婦健診の公的補助
  
• 出産育児一時金
  
• 育児休業給付金
  
• 出産手当金
  

出産で受け取れる給付金一つ目は、妊婦健診の際に受けられる公的補助です。

各地方自治体から、妊婦健診の際の補助券（最低14回分）を受け取れることになっていて、補助される金額は自治体ごとに違います。

妊娠は病気ではないので、妊娠中にかかる費用は公的医療保険の対象となりません。「もしかして妊娠したかもしれない…」と産婦人科を初めて受診したときに、「確定診断に来ただけなのに、こんなにかかるの？」とびっくりするかもしれません。

初回の妊婦健診費は病院によって違いがありますが、1万円から2万円と思っておきましょう。

その後の妊婦健診費は1回5千円ほどで、血液検査などがプラスされると1万円から1万5千円です。

また、妊娠にまつわる症状によっては、公的医療保険が適用になることがあります。

いつ補助券がもらえるのかというと、妊娠確定してから諸手続後に各地方自治体からもらえます。実際には、2回目以降の妊婦健診で使えることになるのです。

「出産育児一時金」とは、子どもが生れると出産費用の補助として加入している公的医療保険制度から一時金が支給されますが、そのお金のことを指します。

1児に対して42万円がもらえますが、妊娠4ヶ月（85日）以降での出産という条件付きです。

出産育児一時金は、ご自身または配偶者が加入している健康保険組合などに申請してから支給されます。たいていこの手続きは、出産する医療機関を通して行われます。

「育児休業給付金」とは、育児休業中に雇用保険から支給される給付金で、一定の受給条件を満たすと夫婦両方ともに受給可能です。

雇用保険から支給されるということで、雇用保険に入っていない自営業者などは対象ではありません。

育児休業給付金は、育児休業が始まってからだいたい2ヶ月に1回支給されることになっています。

一定の要件を満たすと、育児休業と育児休業給付金は最大で子どもの2歳の誕生日の前日まで延長することができます。

ここで、産後休業と育児休業の違いについて触れておきたいと思います。

産後休業とは、出産日の翌日から8週間のことを指します。育児休業とは、産後休業終了日の翌日から子どもが1歳になる日の前日までのことを指します。

育児休業給付金の計算方法は次のとおりです。

• 休業開始時賃金日額×支給日数×67％（育児休業開始から６カ月経過後は50％）
  

出産手当金とは、会社に勤めている女性が出産にともない会社を休んだときにもらえるお金です。 

なお、国民健康保険加入者や、会社に勤めている配偶者の被扶養者は、出産手当金をもらうことはできません。

支給されるお金は、勤務時にもらっていた賃金をもとに計算されます。一日あたりの金額の計算方法は以下のとおりです。 だいたい休む前の給料の3分の2の額が産休により会社を休んだ日数もらえるとみておきましょう。

• 「支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額」÷30日×2/3 

妊娠・出産に備えて押さえておきたいポイントが3つあります。特に帝王切開のような異常分娩になったときに、知っていて良かったと実感することになるでしょう。

そこでこの章では、

• ポイント①5人に1人が帝王切開で出産する
  
• ポイント②妊娠前の保険加入がおすすめ
  
• ポイント③民間保険加入の前にプロに相談する
  

帝王切開と聞くと特別なことのように感じてしまいますが、今や全世界で5人に1人が帝王切開で出産しています。

どんなに妊娠経過が順調であっても、体力に自信があっても、誰でも帝王切開になる可能性があり、決して他人事ではありません。

この手術の目的は、「母体と胎児を守るため」「胎児が無事に生まれてくるため」です。もし帝王切開になっても落ち着いて主治医を信じて、なるべく冷静を保つようにしましょう。

手術開始後、5分から10分程度で赤ちゃんが誕生します。このとき、母親の方は全身麻酔ではないことが多いので意識があり、赤ちゃんのうぶ声を聞いたり姿を見たりすることができます。

トータルの手術時間は1時間ほどで、手術後は母親と赤ちゃんは別室で過ごし、その間に母親は体を休めて体力回復につとめます。

将来子どもを持ちたい人は、妊娠前に民間医療保険に加入をすることをおすすめします。なぜ民間医療保険への加入が妊娠前がおすすめかというと、以下に記したような理由からです。

• 妊娠後一定期間は保険加入できる可能性があるが、妊娠にともなう問題回避のため加入できなくなる可能性が高いため
  
• 妊娠中に加入できても特別条件のせいで、妊娠・出産時に備えられない
  
• 2人目に備えて保険に入ろうとしても、1人目が帝王切開だった場合には特別条件が付いたり、子宮にまつわる病気が一定期間保証されないなどメリットが少ない

民間の医療保険に入る前に、お金のプロであるファイナンシャルプランナー（FP）に相談することもおすすめしたいと思います。

各保険会社で数多くの保険商品を扱っているので、自分に合う保険がどのタイプなのか、すんなり見つけ出すのは困難です。

近年、新たに民間医療保険への加入を検討するときに、保険相談窓口を利用する人が増えています。お買い物で訪れたショッピングセンター内に保険相談窓口を見かけたことがあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか？

保険相談は無料で行っている窓口が多く、窓口での対面相談の他にも、オンライン相談、訪問相談など相談形態も様々です。

各保険相談窓口には、お金のプロであるファイナンシャルプランナー（FP）が在籍しています。

前述でも触れましたが、どんな医療保険に入るか迷ったときには、無料保険相談窓口を利用する人が増えてきました。

そこでこの章では、出産に備えて民間の医療保険への加入が必要か悩んだら利用するべきおすすめ無料保険相談窓口4選をご紹介します。

おすすめの4社は以下の通りです。

• ①マネーキャリア
  
• ②ほけんのぜんぶ
  
• ③保険見直しラボ
  
• ④保険見直し本舗
  

おすすめ無料保険相談窓口1位はマネーキャリアです。

マネーキャリアは提携FPが3,000人以上在籍する、業界トップクラスの保険相談窓口です。

保険だけではなくライフプランや資産形成など、幅広いジャンルの相談にも対応可能なので、家計の悩みをまとめて相談できます。

マネーキャリアの主な特徴

• 無料保険相談実績40,000件以上！
• 3,000人のFPが在籍！
• 納得できるまで何回でも相談無料 
• 女性FPが多数在籍 

おすすめ無料保険相談窓口2位はほけんのぜんぶです。

ほけんのぜんぶは、オンライン型と訪問型の相談に対応している窓口です。さまざまな世代からの相談実績がありますが、特に子育て世代に人気があります。

ほけんのぜんぶでは、保険以外の相談も可能です。

ほけんのぜんぶの主な特徴

• 保険相談でプレゼントキャンペーンがある
  
• 子育て世代からの相談件数が15,000組で、豊富な実績がある
  

おすすめ無料保険相談窓口3位は保険見直しラボです。

保険見直しラボは、約70拠点を展開している訪問型保険代理店です。オンライン相談も受け付けていますが、訪問相談をしたい人に向いている窓口です。

保険見直しラボの主な特徴

• イエローカード制度で強引な勧誘をチェックしているから安心
  
• コンサルタントの業界経験年数が平均12.1年
  

おすすめ無料保険相談窓口4位は保険見直し本舗です。

保険見直し本舗は毎月の相談者数が1万人以上と多く、相談実績は100万件を超えています。また、強引な勧誘は一切ないので、気軽に利用できます。

保険見直し本舗の主な特徴

• 相談方法は4パターンあり（店舗・訪問・オンライン・電話）
  
• 取扱保険会社数40社以上
  

帝王切開の場合は公的医療制度が適用されるので、医療費の自己負担分は3割ですみます。

さらに、出産一時金や出産手当金のような給付金もあるので、医療費については過度の心配は無用といえるでしょう。

しかし、帝王切開はお腹を切る出産方法で、体の回復までに時間がかかったり、医療費の出費が多くなったりすることがあるので、個人での備えがあるとさらに安心です。

そこでこの章では、帝王切開で出産すると給付金がもらえる民間保険を以下のように3種類ご紹介していきます。

• 医療保険
  
• 死亡保険
  
• 女性向けの医療保険
  

「医療保険」は、被保険者が入院や手術を受けた場合に給付金がもらえる仕組みになっています。

帝王切開で入院した場合は給付金がもらえる可能性が高く、手術でも帝王切開が対象となっている医療保険に入っていたら給付金がもらえます。

民間の医療保険に加入するベストタイミングは妊娠前です。妊娠中の人は妊娠していない人と比べてリスクが高いと（保険会社に）判断されます。

そのため申し込む時期によって加入できなかったり、特別条件が付けられることがあります。

「死亡保険」は、被保険者が亡くなった場合に保険金が支払われる保険です。死亡保険の中には医療特約がつけられる保険があるので、そのタイプであれば帝王切開の入院・手術に備えられます。

しかし死亡保険は、専業主婦のようなお給料などの収入がない人にとっては入る必要性があまりないといえます。

専業主婦の場合は、前述の医療保険や次に取り上げる女性向け医療保険の方が向いています。

「女性向けの医療保険」とは、女性がかかりやすい病気に対して手厚い保障がついている医療保険です。

主に「女性保険」として販売されていますが、10年間などと保険期間が決まっている定期タイプと、一生涯の保障がある終身タイプがあります。

また、通常の医療保険に女性疾病特約という特約をつけ加えて、女性特有の病気に手厚い保障をつけることもできます。

将来に備えて、妊娠前に民間医療保険に入ろうと本格的に考えている人も多いことでしょう。

実際に保険に加入する前に、帝王切開での出産になった場合、民間医療保険からはどのような給付金がもらえるのかについて知っておくべきです。

そこでこの章では、

• 入院給付金
  
• 手術給付金
  
• 女性疾病特約の給付金
  

入院給付金とは、「入院1日あたり5,000円」「入院1日あたり10,000円」というように給付されるお金です。

入院に際して支払われる給付金なので、帝王切開での入院も含まれます。ただし、保険加入時の状況や健康状態の告知によって特別条件が適用されてないことが前提です。

手術給付金とは、約款に定められている手術をしたら給付されるお金です。もちろん帝王切開は給付対象になっています。ただし、保険加入時の状況や健康状態の告知によって特別条件が適用されていれば給付されません。

「1日あたりの入院給付金の〇倍」「1回〇万円」というような形で支払いが行われます。

加入している医療保険に入院給付金と手術給付金の両方がある場合はどちらも受け取れます。

給付される金額・倍率・給付条件は各保険会社で異なります。

女性疾病特約とは、女性特有の病気での入院や手術の際に、メインの入院・手術給付金などに保障が上乗せされる特約のことです。具体的な給付内容・金額は、保険の種類により異なります。

また、女性疾病特約で保障される病気の範囲も保険会社ごとに違います。

「帝王切開」は、通常の医療保険の基本保障から給付金を受け取ることができます。それではなぜ基本保障の他に女性疾病特約をあえて付けるのかというと、次の理由があるからだと考えられます。

• 出産以外の女性特有の病気に手厚く備えるため（乳がん・子宮がんなど）
• 家庭の主婦が入院した際の臨時出費や家族の付き添い費用に備えるため

ここでは、帝王切開による出産に関してよくある質問についてまとめてみました。

よくある質問の中から以下の3つを取り上げて解説します。

• Q. 帝王切開による出産の割合はどのくらいですか？
  
• Q. 2回目(2人目)以降の帝王切開で医療保険は適用されますか？
  
• Q. 妊娠中に医療保険に加入できますか？
  

公益社団法人・日本WHO協会によると、世界的に見ても、帝王切開による出産が増え続けています。現在、全出産の5人に1人（21％）が帝王切開で出産しているのです。

この数字は、今後さらに増加が見込まれています。2030年には、約3分の1（29％）が帝王切開での出産になるかもしれません。

2回目(2人目)以降の帝王切開で医療保険は適用されるかどうかは、医療保険に加入した時期に左右されます。

1回目の帝王切開の前に医療保険に加入していて、1回目のときに給付金を受け取っているのなら、2回目以降の帝王切開でも原則給付金を受け取れます。

しかし、1回目の帝王切開の後で契約した医療保険は、2回目以降の帝王切開では保障を受けられないと考えておいた方が無難です。

妊娠中でも初期であれば加入できる保険があります。しかし、健康状態や時期により加入できないこともあります。

加入できたとしても喜ぶのはまだ早いです。「妊娠・出産に関する手術や入院では給付金がでない」というような特別条件がつくことが考えられるからです。

医療保険に入るなら、妊娠前が良いといわれているのは、このような理由があるからです。