医療保険の解約返戻金の仕組み|選び方の注意点・税金の計算法も解説!

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「掛け捨ての医療保険はもったいないから、解約返戻金のある医療保険に加入すべき!」という意見を聞いたことはあるでしょうか。ですが、医療保険の解約返戻金は生命保険のものと比べて使いづらく、デメリットが多いのです。今回は医療保険の解約返戻金のあれこれを解説します。



▼この記事を読んでほしい人
  • 解約返戻金のある医療保険について詳しく知りたい人
  • 解約返戻金のメリット・デメリットを知りたい人
  • 医療保険に解約返戻金は必要なのか悩んでいる人

内容をまとめると

  • 医療保険にも解約返戻金がある商品があり、メリットは見直のしやすさ
  • 解約返戻金を受け取と保障が無くなることや短期間では返戻金がないことがデメリット
  • 「貯蓄型」→「終身・掛け捨て型」や「定期型」→「終身・掛け捨て型」のパターンがおすすめ
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医療保険の解約返戻金の仕組み|3種類の返戻型がある


医療保険にも解約返戻金があるタイプは少数ですが出されています。


主なタイプとして3種類に分けられます。それぞれの違いを簡単に表にしてみると以下のようになります。

種類特徴
従来型払込保険料の増加と共に解約返戻金も上がる
低解約返戻金型途中解約では戻ってくる金額が少ないタイプ
無解約返戻金型解約返戻金がない
解約返戻金の有無や、保険料払込途中の返還金額などに違いがあります。


それぞれのタイプの特徴を以下で詳しくご紹介します。

①従来型

従来型は払込保険料が増えるとその分解約時に返還される金額も増えていくタイプです。満期がある場合には、満期に近づくに連れ返戻率が上がっていきます。


解約返戻金があるタイプで重要視されるポイントに返戻率があります。

返戻率=解約時の返還金額÷払込保険料×100

100%を超えると戻ってくる金額が多いことになるため、学資保険などでは100%越えを目安に探す方も多いです。


満期がある場合には満期時点で引き出すことで、返戻率が高くなった状態で引き出すことが可能です。必要が無い場合にはそのまま継続して預けておくことも可能です。

②低解約返戻金型

低解約返戻金型は、保険料を支払っている間の解約返戻金が少ないタイプです。従来型の70%ほどの低さです。払込みが終わると解約金が大幅にアップします。


払込期間中の返戻率を抑えることが保険料の安さに繋がっています。保険料を抑えたい場合には、こちらのタイプがおすすめです。


ただし、途中解約をした場合、従来型よりも返還される金額が少ないため、大きく損をしてしまう可能性があります。

③無解約返戻金型

無解約返戻金型に解約返戻金はありません。掛け捨て型とよも呼ばれているタイプで、ほとんどの医療保険はこのタイプになっています。


保障にのみ保険料を支払えばよいため、保険料は3つの中で最も安くなっている事が特徴です。


保障と貯蓄を分けて考えている方におすすめのタイプです。ただし、解約時には戻ってくる保険料がないため、従来型などと比べると損をしたと感じてしまうかもしれません。

解約返戻金における税金の計算方法

解約返戻金も収入と判断されるため、金額によっては課税対象となることに注意しましょう。対象となる場合には課税対象額の約20%を税金として支払うことになります。


まずは課税対象となるのかを判断する必要があります。以下の計算式で出された金額が対象額となります。

(解約返戻金-払込保険料総額-50万円)×1/2

払込保険料の方が多い場合には課税対象とならないことが分かります。解約返戻金が多い場合でも、50万円以上多くなければ対象外です。


医療保険だけで見ると返戻率の高い商品は見られません。一時所得での課税の可能性はほぼ無いと言えます。


所得税ではなく贈与税となる場合もあります。保険料払込人と受取人が違う場合には贈与税となり(参考:国税庁・満期保険金等の課税関係の表)、払込保険料に関わらず110万円以上で課税対象となります。このような場合には課税対象となる可能性が高くなるため注意しておきましょう。

解約返戻金がある医療保険のメリット:保障内容の見直しができる

解約返戻金があることで、

  • 見直しがしやすい
  • 解約返戻金を次の保険のための原資にできる

などのメリットが得られます。


解約返戻金のある商品は全て終身タイプですが、加入からの期間が長くなることで保障内容が古くなるリスクが伴います。


定期タイプに比べると高い保険料を払い続けているため、解約に対して心理的ハードルが高くなっている状態です。保障が古いと感じていても、乗り換えに踏み切れない可能性が高くなってしまいます。


しかし、解約返戻金があるタイプは保険料の大半が戻ってくることになります。解約に対しての心理的ハードルが低くなり、保険の見直し・乗り換えに踏み切ることができます。


戻ってきた保険料を新た保険の支払いに充てることができることもメリットです。高齢で収入が少なくても、解約返戻金で保険料の準備をすることができます。


保険の見直しや乗り換えをする際の経済的・心理的負担が少なく済むことがメリットです。

解約返戻金がある医療保険の4つのデメリット

解約返戻金がある医療保険は見直しがしやすいなど様々なメリットがあります。しかし、契約前に知っておくべきデメリットもいくつかあります。

  • 健康還付金の場合支払基準日後の還付がない
  • 解約までの期間が短いともらえない
  • 入院給付金を受け取っていると思ったほど還付されない場合がある
  • 解約返戻金を受け取ると保障が無くなる

などが挙げられます。


これらのデメリットをしっかりと理解したうえで、加入を決めなくてはいけません。


以下ではそれぞれのデメリットについて詳しく解説します。

デメリット①:健康還付金の支払い基準日後は貰えない

解約返戻金のある医療保険の中には、「健康還付金」が支払われるタイプも含まれています。健康で保険を使用することなく一定の年齢まで過ごした場合、それまでに支払っていた保険料が全額戻ってくる商品です。


このタイプの商品の場合、解約返戻金があるのは支払い基準日よりも前の解約のみが対象です。


還付金の支払い基準日までは還付金が解約返戻金として扱われます。還付金が支給された後は新たに積み立てが始まるわけではありません。その後還付されることが無いため、解約返戻金もありません。


解約返戻金が支払い基準日よりも前にしか受け取れない期限が決っているということを覚えておきましょう。

デメリット②:短期間で解約した場合は貰えない

短期間で解約した場合には保険料が戻ってこない可能性が高いこともデメリットです。


解約返戻金の特徴として、払込保険料が増えるとそれに伴って増えていくことが挙げられます。契約期間が長くなるにつれ、解約返戻金額は増えていきます。


契約から時間が経っていない場合、解約返戻金は貯まっていない状態です。貯まるまでに時間がかかることを忘れてはいけません。


契約から解約まで十分な間を置かないと、解約返戻金が全く受け取れないケースもあります。短期間で解約することには大きなリスクが伴うため、契約前にはこのような事態に陥らないよう十分検討してから加入しましょう。

デメリット③:受け取った入院給付金の合計額によって変わる

健康還付金がある医療保険の解約返戻金は、受け取った入院給付金などの合計額によって変わることに注意が必要です。


通常の解約返戻金と言うと、保険の利用の有無にかかわらず期間で計算されると考えるかもしれません。


しかし、健康還付金は支払った保険金がある場合には、その金額が差し引かれたものが支給の対象金額となります。対象となる給付金を利用しなかった場合のみ、満額が返還される仕組みです。


この仕組みは解約返戻金にも当てはめられています。保険の利用状況に応じて戻ってくる金額が変わります。


利用した金額が多い場合には解約返戻金が0になってしまう可能性もあることを理解しておきましょう。

デメリット④:解約返戻金を受け取れば医療保障が消える

解約返戻金を受け取ってしまうと、その後の医療保障がなくなってしまう事もデメリットとして挙げられます。


保険を解約することで得られるのが解約返戻金です。解約すると当然のことながら保障はそこまでで終わってしまいます。


医療保険の最大のメリットは医療保障が得られることです。今後の保障がなくなってしまう事はかなりのデメリットと言えます。


特に高齢になっていると、新たに医療保険に加入することが難しくなります。医療保険を解約する事は高リスクです。


解約返戻金を受け取るには当然解約をしなくてはいけません。その後の保障が無くなることをしっかりと理解し、解約返戻金のある医療保険を検討するようにしましょう。

解約返戻金の有無における2パターンの医療保険おすすめ利用方法


解約返戻金の有無を上手に活用して医療保険に加入する場合、

  • 貯蓄型→終身の掛け捨て型
  • 定期型→終身の掛け捨て型

の2パターンがおすすめの利用方法です。


貯蓄型の医療保険もしっかりとメリット・デメリットを理解しておけば、上手く活用することができます。


しっかりと医療保障を継続させつつ解約返戻金が受け取れる方法もあります。


本当に解約返戻金は必要なのか、自分に合ったパターンで加入することがおすすめです。

パターン①:「貯蓄型」→「終身・掛け捨て型」の順番で加入する

おすすめのパターンの一つ目は、「貯蓄型」に加入後解約返戻金を受け取り、その後「終身・掛け捨て型」へ加入し直すパターンです。


医療保険はその時代の医療技術に合わせたものにしていかないと、しっかりとした保障が得られません。保険の活用が多くなる高齢を目前に、保険を見直す機会が欲しい方におすすめの組み合わせです。


例えば、

保険の種類期間保険料
解約返戻金あり
(返戻率90%)
20~70歳3,300円
終身・掛け捨て型70~85歳8,000円
このようにそれぞれのタイプに加入していたとします。


解約返戻金ありの医療保険で支払う金額は、以下のように計算できます。

3,300円×12×50年=198万円

しかし、解約することで保険料の9割である約178万円が返還されるためかかる費用としては20万円程度で済みます。


その後保険の見直しを行い保険を乗り換えた場合は以下のようになります。

8,000円×12×15年=144万円

トータル164万円で保険の見直しで保障内容をその時代に合ったものに変えつつ、生涯の保障が手に入ることになります。貯蓄型を続けてしまうと貯蓄分の保険料を継続して支払うことになるため、掛け捨てで安く良い保障を得ることがおすすめです。


ただし、このパターンではそれまでの傷病歴によって

  • 加入できない
  • 条件付の保険になってしまう
  • 病歴などにより保険料が高くなる

といったデメリットもあることを忘れてはいけません。

パターン②:「定期型」→「終身・掛け捨て型」の順番で加入する

2つ目のおすすめパターンは、若い年齢では定期型の医療保険に加入し、その後終身タイプの掛け捨て型に加入することです。

  • 若い年齢での保険料の負担を極力減らしたい方
  • 収入がなくなる老後の医療費を備えておきたい方

におすすめのパターンです。


例えば、

期間保険料
定期型20~30歳700円
終身・掛け捨て型30~85歳2,000円
このようにそれぞれのタイプに加入していたとします。

定期型では、

700円×12×10年=84,000円

となり、保険料の負担を抑えることができます。

さらに30歳と若い年齢で終身・掛け捨て型に加入することで、

2,000円×12×55年=132万円

保険料を抑えつつ生涯の医療保障を得ることができます。

特に70歳以降の保険料負担も月々2,000円で済みます。パターン①と保険料の比較をしてみると、
  • 2,000円×12×15年=36万円
となります。70歳で新たに加入する際には144万円となっていたため、負担がかなり少なくなることが分かります。

収入がなくなる高齢での保険料の負担がおさえられ、さらにトータルの費用も少なく済むことから、パターン②はおすすめです。

まとめ:医療保険に関する疑問や不安があればまずはマネーキャリアで相談!


いかがでしたか?ここでは解約返戻金のある医療保険についてご紹介しました。


医療保険は掛け捨て型の商品が主流となっていますが、解約返戻金のあるタイプも少数ですが出されています。


途中で解約しても解約返戻金を受け取ることで損をした感覚がなく、途中で見直しをしたいと考えている方にはおすすめです。


しかし、解約返戻金のある医療保険は終身タイプになるため、解約することでせっかくの生涯保障がなくなってしまう事などデメリットとなることをしっかり理解しておく必要があります。


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