低解約返戻金型終身保険は学資保険よりもお得?両方のメリットを解説

子どもの教育費の積み立てといえば学資保険ですが、学資保険の代わりに低解約返戻金型の終身保険がおすすめのケースがあります。学資保険よりも柔軟性があり、低解約返戻金型終身保険にもメリットがあります。今回は、低解約型の終身保険が学資保険よりもお得か、徹底比較します。

低解約返戻型終身保険と学資保険はどっちを選べば良い?

あなたは、「低解約返戻金型終身保険」が学資保険に使えるかどうか調べていることでしょう。


 学資保険の相談に行ったら低解約返戻金型終身保険を勧められたというケースも多くなってきた昨今、低解約返戻金型終身保険がどれほど学資積立に使えるかどうか疑問がわきますよね?


そもそも、低解約返戻金型終身保険ってなんなんだ!と頭を抱えていらっしゃる方もいると思います。


しかも、低解約返戻金型終身保険の返戻率は学資保険を上回っています


しかし、それなりにデメリットもあるということをしっかり頭に入れておかなければなりません。


そこで、この記事では、

  • 低解約返戻金型終身保険について
  • 低解約返戻金型終身保険のメリットデメリットについて
  • 低解約返戻金型終身保険と学資保険の契約形態の違いについて

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、低解約返戻金型終身保険が学資保険に使えるかどうか考えるときに役立つかと思います。


是非最後までご覧ください。

学資保険と異なるプラン低解約返戻金型終身保険とは

低解約返戻金型終身保険は、文字通り終身保険なので、保険契約期間が終身です。

また、死亡保険でもありますので、被保険者が死亡した場合に、保険金が支払われます。

死亡保険かつ終身保険、さらに低解約返戻金型となれば、次のような特徴が出てきます。
  • 通常の終身保険よりも保険料が割安となっている
  • 保険料払込期間中の解約返戻金を通常の終身保険の70%程度に設定している
  • 保険料払込終了後に解約返戻金が100%以上となる
低解約返戻金型終身保険は、通常の終身保険と比べて保険料の払込期間中の解約返戻金を抑えることで、保険料を割安にしている終身保険です。

そして、保険料の払い込みが終了すると、解約返戻金の返戻率が100%を超えるため、払込保険料の総額よりも多くのお金を貯めることができる貯蓄性の高い保険になっています。


また、保険契約期間が終身なので、保険料を支払った後も据え置くことで解約返戻金が増えていく仕組みです。


低解約返戻金型保険には定期型も存在しており、低解約返戻金型定期保険と言われています。


こちらは保障期間が定められているため、返戻率があがってから一定の期間が過ぎるとまた落ちてしまうという特徴があります。


返戻率は若干下がるものの、終身型よりも保険料が安いので、検討材料に入れておくと良いでしょう。 


学資保険と比べてわかる低解約返戻金型終身保険のメリット

では学資保険と比べて、低解約返戻金型終身保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
比較しながら確認していきましょう。

メリット①:解約返戻金を受け取る時期の自由度が高い

学資保険の場合には、満期保険金を受け取れるタイミングが15歳・18歳・22歳などと決まっており、その年齢に達しなければお金を受け取ることができません。

対して低解約返戻金型終身保険ならば、支払い期間さえ終わってしまえばいつ解約返戻金を受け取っても問題ありません。

そのため、払込期間を15年や18年などの程度の短い期間に設定し、払込終了後は解約返戻金を教育資金に利用することも可能です。

また、加入時期に関しても、学資保険は入も子どもが生まれてから(妊娠中も可)となりますが、低解約返戻金型終身保険は、子供が居なくても、将来に向けて積み立てを始めることができます。

メリット②:満期後、据え置きすると返戻率が高くなる

学資保険は、基本的に積み立ての保険ですので、満期時には積み立てたお金が満期金として帰ってくるお金になります。

しかし、低解約返戻金型終身保険は払込期間中の解約返戻金は支払った保険料よりも少ないものの、払込終了後の解約返戻金は支払った保険料よりも増えます。


さらに、返戻金を据え置くことで保険会社はまた運用に充てますので、 解約返戻金が増えていくことになり、返戻率はどんどん高くなっていきます。


そのため、もし子どもが進学しなかった場合でも、将来の結婚資金や老後資金として据え置きをしておき、大きく増えたお金を必要なときに活用することができます。


また、据え置いている間も解約するまで保障が継続することになりますので、万一のときでも安心です。

メリット③:契約者が万が一の場合、手厚い死亡保障が受け取れる

学資保険は、契約者に万一のことがあった場合には、保険料の支払いが免除となり、契約時に定めた満期学資金を受け取ることができます。


低解約返戻金型終身保険の場合には、契約者(被保険者)を親にしておくことで、万一のことがあった場合には死亡保険金を受け取ることになります。


学資保険の月々の保険料が免除になるだけでもありがたいことではありますが、死亡保険金と比べてしまうと額が違ってきます。


さらに、万一のときにすぐにお金を受け取ることができますので、生活費に充てることもできます。


そのため、契約者に万一のことがあっても手厚い保障が受けられて安心です。

学資保険と比べてわかる低解約返戻金型終身保険のデメリット

低解約返戻金型終身保険は学資保険とは違うデメリットもあります。

こちらも比較しながら、確認していきましょう。

デメリット①:払込期間中の解約返戻金が少ない

低解約返戻金型終身保険は、保険料の支払期間中の解約返戻金を通常の終身保険よりも低く設定することによって、払込終了時の解約返戻金が大きくなるという特徴があります。


そのため、保険料の支払期間中に解約をした場合、戻ってくる解約返戻金は支払った保険料よりもかなり少なくなります。


一般的には、低解約返戻金型終身保険の場合、保険料支払期間中の解約返戻金の返戻率は、通常の終身保険の70%程度に設定されています。


学資保険も、中途解約をしてしまうと契約からの期間が短いほど解約返戻金は払い込んだ保険料よりも少なくなってしまいます。

しかし、学資保険にはお祝い金を設定することもできますので、たとえば中学や高校の進学時に設定したお祝い金を解約することなく受け取ることができます。


その点で、低解約返戻金型終身保険は中途解約をしなければお金を受け取ることができませんので、お祝い金のようにお金を受け取ろうと思うと、払い込んだ保険料よりも少ない金額しか受け取れないことになってしまうのです。

デメリット②;被保険者(子ども)に対する医療保障が付帯不可

一般的な学資保険は、被保険者を子どもにしますので、子どもの医療保障を特約として付加することができます。

そのため、学資保険のほかに医療保険に加入する必要がありません。

低解約返戻金型終身保険は、被保険者を親にすることで、親が万一のときの保障を兼ね備えることができます。


しかし、子どもが被保険者ではないため、子どもの医療保障を低解約返戻金型終身保険に付加することはできません


そのため、子どもの医療保障は別で加入する必要があります。


もちろん、学資保険に子どもの医療保障を付加すると、返戻率が下がりますので、手間をかける時間があれば、別で加入したほうが良い場合もあります。


そうなってくると、低解約返戻金型終身保険に子どもの医療保障が付帯できなくても、あまりデメリットとは言えなくなります。

【図解】学資保険と低解約返戻金型終身保険の返戻率の推移

ここでは返戻率に絞って学資保険と低解約返戻金型終身保険を比べてみましょう。


共に0歳から18歳までの払い込み期間とし、わかりやすく図で見ていきます。


このように学資保険の場合の返戻率はゆるやかに上昇していくパターンで、はじめが40%くらいあることを除くと、従来型の終身保険と似ています。


大抵の商品が8年目くらいまでは元本割れし、9年目くらいで100%に達します。


また、満期金は分割でお祝い金として受け取るものと、一括で受け取るものに分かれます。


そしてもちろん、一括の方が返戻率は高いことを覚えておきましょう。


低解約返戻金型終身保険の場合は払い込み期間中は元本割れします。


そのあとは上がっていく一方ですので、長く据え置きするほど返戻率は高くなっていき、保障も一生涯続く保険です。


このように返戻率で比べてみると、学資保険は9年目くらいで元本割れのリスクがなくなりますが、低解約返戻金型終身保険の場合は払い込み期間である18年年間元本割れリスクがあるうえに、返戻率も70%前後と低くなっています。


解約をすることが前提ではありませんが、大学に進学しなかった場合を除くと学資金は必ず必要になるものです。


そのため、低解約返戻金型終身保険で学資金を準備する場合は、月々の保険料を多目にし、払い込み期間を短く設定する必要があります


この辺が低解約返戻金型終身保険で学資金を積み立てるときの最大のリスクです。


どちらが良いかはそれぞれのご家庭によって変わってきますが、学資保険にも低解約返戻金型終身保険にも減額(一部解約)制度や、契約者貸付制度が準備されています。


急にお金が必要になった場合は、全部解約してしまうのではなく、このような制度も検討してみましょう。 

低解約返戻金型終身保険と学資保険の契約形態の違い

最後に契約形態の違いについて、誤解するケースが多いため解説します。


【学資保険】

  • 契約者→親
  • 被保険者→子ども
【低解約返戻金型終身保険】

  • 契約者→親
  • 被保険者→親

ここで注意が必要な点が2つあります。


まず、低解約返戻金型終身保険の被保険者は、必ず契約者である親などしましょう。


被保険者を子どもにしてしまうと、親に万一のことがあった場合にお金を受け取ることができなくなる可能性があるからです。


また、低解約返戻金型終身保険の中途解約にも気をつけてください。


学資保険でも中途解約すると元本割れしますが、低解約返戻金型終身保険の方が中途解約した時の損失は大きくなるからです


低解約返戻金型終身保険を学資金の積立として利用する場合には、中途解約を避けるようにすることも大切です。


では、どちらを子どもの教育資金の積立として選ぶと良いのでしょうか?


お祝い金を受け取りたい、確実にお金を積み立てていきたいというのであれば、学資保険がおすすめです。


逆に、お祝い金は必要ない、親の万一の保障も兼ね備えたい、子どもができる前に早めに準備しておきたいというのであれば、低解約返戻金型終身保険がおすすめです。


また、学資保険は加入年齢が7歳ごろまでということが多くなっていますので、学資保険に加入しそびれてしまった場合には、低解約返戻金型終身保険を利用すると良いでしょう。


加入時の状況や、貯まったお金をどのように使いたいのかということをじっくり検討して、どちらを選ぶのかを選択してください。

まとめ:低解約返戻金型終身保険は学資保険の代わりとなるのか?

低解約返戻金型終身保険が学資保険に使えるかどうか解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 低解約返戻金型終身保険とは、割安で途中解約すると返戻率が低く、払い込み終了すれば返戻率がとても高くなる保険
  • 低解約返戻金型終身保険のメリットデメリットは払い込み中に解約するととても返戻率が低いこと
  • 低解約返戻金型終身保険は契約者も被保険者も親にするべきだが、学資保険は被保険者は子どもになる

です。


低解約返戻金型終身保険は、学資資金を貯めるためには十分に使える保険です。


しかし、低解約返戻金型終身保険を途中解約すると返戻率70%前後と、とても低くなることは絶対に知っておくべきです。


学資保険や従来型の終身保険なら、途中解約しても90%前後の返戻率を保っています。


もちろん、解約前提で加入するわけではありませんが、保険の解約理由で一番多いのは保険料が支払えなくなっての解約です。


無理のない計画を立てるとともに、学資保険、低解約返戻金型終身保険、それぞれのメリットとデメリットをしっかりと確認した上で選択をすることが大切です。


参考にしてみてくださいね。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

学資保険の必要性が知りたい方はこちらの記事もご覧ください

ランキング