医療保険の入院一時金は必要?入院給付金はいくら必要か決め方を解説

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「医療保険の入院一時金は必要?」「入院日額金の上限日数はどうやって決めるの?」このような悩みを抱える人は多いでしょう。本記事では医療保険の入院一時金タイプ・日額金タイプのメリット・デメリットと金額の決め方について紹介します。ぜひ最後までご覧ください。



▼この記事を読んで欲しい人

  • 入院一時金の特徴やメリット・デメリットを知りたい方
  • 入院保障を一時金タイプと日額タイプのどちらにしようか悩んでいる方
  • 入院一時金の受給金額をいくらにしようか悩んでいる方


▼この記事を読んでわかること

  • 入院一時金の特徴とメリット・デメリット
  • 入院一時金額を決める際のポイント
  • 入院にかかる費用の具体例と金額
  • 入院時に利用できる公的保障(高額療養費と傷病手当金)について

内容をまとめると

  • 入院一時金には「主契約(主保険)」と「特約」がある
  • 入院日額金には60日〜120日程度の支払い限度日数がある
  • 入院一時金は一度にもらえるお金が多く、日額タイプより保険料が安い傾向
  • 入院一時金は短期入院向けの保障で、長期入院には弱い
  • 入院一時金は必要か、一時金の受給額をいくらにしたら良いか迷ったら専門家に相談すると良い
  • マネーキャリアの保険相談は、何度でも無料で強引な勧誘もないのでおすすめ!

医療保険の入院給付金には「一時金」と「日額金」の2タイプがある

病気やケガで入院した時に受け取れる医療保険の入院給付金には、一時金日額金の2タイプがあります。

一時金日額金
保険金契約時の金額入院給付日額×入院日数
保険掛金日額金に比べて割安日額金の設定金額によって変わる
メリット短期・日帰りでも
まとまった金額がもらえる
長期入院になれば、受給総額が高くなる
デメリット長期入院では相対的に少なくなる
複数入院が1回とカウントされる
日額の設定額が少ないと
十分な保障が得られない

保険の加入の仕方によって受け取り方は以下のように様々です。

  • 一時金のみ支給される
  • 日額金のみ支給される
  • 日額金と一時金が両方支給される
  • 短期入院の場合は日額金のかわりに一時金が支給される

「入院日数にとらわれず入院に対する出費に備えたい」というニーズに応えるために、一時金と日額金の両タイプが合体したような特約やオプションなどの商品もあり、自分の目的に合わせて選ぶ事ができます。


ここからは、「入院一時金タイプ」と「入院日額金タイプ」についてそれぞれ解説していきます。

医療保険「入院一時金タイプ」の3つの特徴

「入院一時金タイプ」の特徴は以下の3つです。

  • 早期にまとまった金額を受け取れる
  • 契約方法は主契約・特約の2種類がある
  • 支払い限度日数がある
ひとつずつ見ていきましょう。

特徴①:早期にまとまった金額を受け取れる

医療保険の入院一時金タイプは、病気やケガで入院した際に契約した金額がまとめて支給されます。

保険会社にもよりますが、日帰り入院でもまとまった金額が受け取れる場合があります

特徴②:契約方法は主契約・特約の2種類がある

「入院一時金タイプ」の契約は、以下の2つのタイプに分けられます。違いを理解しておきましょう。
  • 入院一時金が「主契約(主保険)」のもの
  • 他の保険の特約として付属する入院一時金

入院一時金が主契約のもの

「入院一時金保険」など入院一時金を主契約とする保険です。1回の入院につき30万円程度支払われるのが一般的です。多くの保険が日帰り入院にも対応していますが、日帰り入院が支給対象外の商品もあるので注意しましょう。

近年では医療が発達し、入院日と退院日が同日になることも珍しくありません。せっかく入院に対して手厚い保障を受けようとして加入するのですから、日帰り入院も支給対象となる保険を選ぶようにしましょう。

入院一時金が特約のもの

一般的な医療保険の「特約」として入院時の保障をつける保険です。給付金額は1回の入院につき3~10万円程度が相場で、主契約タイプのものと比べると少なくなります。

しかし、入院以外にも手術や通院など主契約に基づいた保障を行ってくれるため、幅広い範囲で金銭面をサポートしてくれるのが特徴です。

さまざまなケースに備えておきたい場合は「特約」を、以前病気をしたことがあり入院リスクが高い場合には「主契約」というように、自身の悩みに合った形で入院一時金を受け取れるようにしましょう。

特徴③:支払い限度日数がある

入院一時金タイプは入院日数に制限があります。

以下の表のような、ある保険会社Aの保険商品を例に見てみましょう。こちらの商品は入院日数29日までが一時金支給対象となっています。30日を超える入院時の保障は、別のプランに加入していなければ受けることができません。
入院日数支給金額
5日以内15万円
6日以上29日以内30万円
入院日数が大まかに設定されているので、1日だけの入院でも連日の入院でも同じ日数の枠内では給付金額が変わりません。また入院日数の制限によって、よりお金が必要となる長期入院時に十分なお金が得られない可能性があるのでよく考えて入院一時金保険や特約に加入しましょう。 

注意点②:入院一時金が支払われる入院と支払われない入院がある

入院一時金保険や特約には、支払い対象とならない入院があるので注意しましょう。支給対象外とならない入院の例は以下の通りです。

  • 正常分娩(※)による入院
  • 病気やけがの治療を目的としない検査入院(人間ドックなど)
  • 介護目的での入院
  • 美容など病気の治療を目的としない入院
  • 180日以内に同一病名で再入院した場合 など

※正常分娩とは、自然に陣痛が来て適正期間(妊娠37~41週のあいだ)にちつからの出産することを示します。帝王切開などはこれに該当しません。


支給対象となる入院とならない入院があるのは、入院一時金に限らず入院にかかる保障全般に言えるので、覚えておきましょう。特に妊娠中の女性の場合、妊娠や出産に関する入院は保障されなかったり、そもそも妊娠中は新規で保険に入れなかったりと制限がかかることも少なくありません。


保険に加入する際には、各保険会社がホームページにかかげるアピールポイントだけでなく、商品情報を細かく確認するように心がけましょう。 

医療保険「入院日額金タイプ」の3つの特徴

「入院日額金タイプ」の特徴は以下の3つです。

  • 日額×入院日数で受け取る金額が決まる
  • 契約方法は主契約・特約の2種類がある
  • 支払い限度日数がある

こちらもひとつずつ見ていきましょう。

特徴①:日額×入院日数で受け取る金額が決まる

医療保険の入院日額金タイプでは、入院日額×入院日数の金額を受け取れます。


入院日額は、病気やケガで入院したとき一日に受取れる給付金のことです。金額は3,000円から1,000円単位で決めることができ、20,000円ぐらいまで設定が可能です。


例えば、入院日額5,000円の医療保険に加入していた場合、入院した日数×5,000円の金額が入院給付金として支給されます。


入院が長くなれば受給総額が多くなり安定的に給付金を受け取れることから、長期入院に強いタイプと言えます。しかし、入院日額を誤って低く設定した場合、支払われる給付金が少ないため自己負担するというケースも考えられます。

特徴②:契約方法は主契約・特約の2種類がある

「入院日額金タイプ」の契約も「一時金タイプ」と同様に、以下の2つのタイプに分けられます。

  • 入院日額金が「主契約(主保険)」のもの
  • 他の保険の特約として入院日額が選べるもの

入院日額が主契約の場合

病気やケガ、介護などにともない入院をしたときに、入院日額に入院日数をかけた金額が受け取れる契約です。


保険期間は、期間が決まっている定期型と一生涯保障がある終身型解約返戻金や満期保険金がついているタイプもあります。


保険会社の商品にもよりますが、入院日額の設定は自由に選べる事が多いので、入院時の平均出費額や現在の生活費などの支出部分の金額を見ながら、必要な金額を設定されるのがおすすめです。「入院中にたくさんの給付金をもらおう」と高めの日額を設定しがちですが、その分保険料も高くなります


入院日額が特約の場合

保障内容を充実させるために主契約に付加できるのが特約になります。一般的に、疾病・災害・成人病・がん・女性疾病などが入院特約として設けられています。各保険会社の取り決めや主契約でないことから、入院日額の支払に条件がついていたり、支払限度日数などの制限がかかることがあります。


どのタイミングで給付金が受け取れるかなど、詳細は契約前に把握しておくことが大切です。

特徴③:支払い限度日数がある

入院日額金タイプにも入院日数に制限があります。


支払限度日数として一入院あたりに30日、60日、120日、180日などの支払日数が設けてあり、その期間内の入院給付金が受け取れます。一入院とは、同じ原因の病気やケガの事を指しています。


例えば支払限度日数が60日、胃がんで20日入院し、退院30日後に胃がんの再発で20日入院した場合、30日分の入院給付金が受け取れます。

  • 支払限度日数 60日
  • 一入院    70日→初回入院20日+退院後30日+再入院20日
  • 支払対象日数 30日→初回入院20日+再入院10日

この再入院の原因がケガであれば、胃がんの入院20日分+ケガの入院20日分となるため、合計40日分の入院給付金が受け取れます。支払日数が長くなれば保険料も高くなりますが、長期入院に備えたい考えであれば120日型などを選択してもいいでしょう。

医療保険「入院一時金タイプ」のメリット・デメリット

医療保険の入院給付金、「入院一時金タイプ」と「入院日額金タイプ」の特徴を解説しました。


続いては、入院一時金タイプの医療保険のメリットとデメリットについて解説します。入院一時金タイプの保険の加入に悩んでいる方は参考にしてください。 

「入院一時金タイプ」のメリット

入院給付金を入院一時金で受け取る場合のメリットは以下の通りです。

  • 退院する前に申請手続きができる
  • 受け取ったお金は使い道が自由
  • 短期入院なら得する場合がある
  • 比較的保険料が安い
  • 入院日数に限らず設定された給付金額が受け取れる

入院一時金は、15万円、30万円など早い段階でたくさんのお金が受け取れるのが特徴です。日帰り入院にも対応したプランを選んでおけば、入院した時点で給付金の請求を行うことが可能です。


入院日数が確定(退院)してからでなければ金額が決定されない日額タイプの保険では、病院の窓口でお金を支払うことが前提になります。一方一時金タイプは退院前に給付が受けられる場合もあるため、金銭的な負担を減らせる手段とになるのは大きなメリットでしょう。

「入院一時金タイプ」のデメリット

入院給付金を入院一時金で受け取るデメリットは、長期入院だと損をする可能性があるということです。

そもそも入院一時金は、医療が発達し短縮されてきた入院日数を考慮して作られた保障のため、長期入院には不向きです。「入院日数に限らず給付を受けられる」という短期入院ではメリットにもなった部分も、長期入院だとデメリットにもなりうるので注意しましょう。

特に、認知症や精神疾患、三大疾病の脳梗塞などは長期入院になりがちです。高額療養費制度を利用したとしても、例えば年収約370万~770万円の場合、月に8万円程度の自己負担金額が発生します。

上記制度は、健康保険証の使える範囲でしか適用されず、差額ベッド代などは別途支払わなければなりません。このことから、長期入院になった際に実際にかかる費用はさらに大きくなると言えます。 

「入院一時金タイプ」を検討するときのポイント

入院一時金タイプのメリットとデメリットを紹介しました。入院一時金が必要か検討する時は以下のような4つのポイントを考慮して決めましょう。

  • 長期入院にも備えたいか
  • 他の医療保障で入院費などをまかなえないか
  • 遺伝性のある病気をした家族がいて自分も発症のリスクが高いか
  • 保険料を支払う余裕があるか

医療保険「入院日額金タイプ」のメリット・デメリット

「入院日額金タイプ」は昔から保険商品の中にありますが、設定の仕方によってメリットもデメリットもあります。

次にそれぞれの理由を解説します。ぜひ参考にして下さい。

「入院日額金タイプ」のメリット

「入院日額金タイプ」のメリットは、以下の二つです。
  • 長期入院になったとき、受け取る金額が多くなる
  • 手術給付金がついている保険が多く、トータルの金銭的負担が軽減できる

入院日額は、一入院に対しての支払限度日数が設けられていますが、長期で入院したときに、給付金として受け取る総額が多くなる強みがあります。

医療の技術進歩などにより短期入院で終わってしまう事が多いですが、平均入院日数は29.3日と約1ヶ月程度となっています。

例えば日額5,000円であれば15万円。それ以後長期の入院になった場合、安定的に給付金がもらえるという安心感があります。

また、長期入院となると手術を受ける可能性は高くなります。手術給付金がついている保険が多いので、日額の5倍・10倍・20倍など倍率で支払われるので、トータル的な金銭的負担は軽減できるといえます。

「入院日額金タイプ」のデメリット

「入院日額金タイプ」のデメリットは、日額金の設定が少ないと医療費を賄いきれない可能性があることです。

日額金タイプの入院給付金は、1日あたりの設定金額と入院日数で決まります。入院日数は、昨今がんであっても短期入院後通院治療に切り替わってきています。

厚生労働省の推計退院患者数の構成割合(平成29年9月)をみても、6割~8割が14日未満で退院しています。
日数病院一般診療所
0~14日68.283.5
15~30日15.78.1
1~3月未満12.46.6
3~6月未満2.31.2
6月以上1.40.6
日額3,000円で14日入院した場合、入院給付金は42,000円。差額ベット代や食事代だけで約5万円の出費になり、肝心の治療費まで補う事ができず自己負担額は多くなります。長期で入院し手術を受けても、十分な給付金を受けられない可能性があります。

「入院日額金タイプ」を検討するときのポイント

入院日額金タイプのメリットとデメリットを紹介しました。入院日額金を検討する時は以下のようなポイントを考慮して決めましょう。


  • 長期入院への備えが必要か
  • 日額金の設定
  • 保険料とのバランス

日額金を高く設定すると保険料があがりますので、家計状況や入院への備えを鑑みて、検討してください。

医療保険の入院給付金が受け取れない4つのケース


ここまで2つの入院給付金である「入院一時金タイプ」と「入院日額金タイプ」を説明しまいた。受け取り方は違いますが、両方とも入院にかかる医療費負担を軽減してくれる保険です。

しかし、注意する点があります。入院給付金は、入院ならばどんな入院でも金銭的フォローをしてくれるわけではありません。一般的には「支給対象となる入院とならない入院」があり「対象となる入院でも加入時に病気などの告知を怠ったりした場合にはお金がもらえない」パターンも存在します。

こちらの項目では、入院給付金が受け取れない4つの事例を紹介してきます。入院給付金の検討の参考にしてください。 

ケース①:対象外の入院をした場合

支給対象外の入院をした場合は、給付金は支給されません。
支給対象外の入院の例は以下の通りです。
  • 容姿や体形などを美しくするための美容整形目的の入院
  • レスパイト入院など介護目的の入院
  • 医療機関以外の民間のリハビリセンターで行ったリハビリ入院
  • 正常分娩による入院 など
原則として、本人の希望や治療目的でない入院時に発生した費用は対象外になります。

本人の希望とは、本来は自宅加療・通院加療の対象であるにもかかわらず患者の意向で入院するような場合を示します。

また、日帰り入院も支給対象外の場合があります。

対象となる入院の範囲は保険会社によって違うので、加入前に保障内容はよく確認ておくようにしましょう。

出産に関しては「出産一時金」という国からの保障があるので、そちらを利用することをすすめします。


ケース②:検査入院の場合

一般的に、検査入院は保障対象とならないので注意しましょう。

入院給付金は、「病気になった時の万が一に備えるための保険」なので、会社都合や自らの希望で行った検査で発生した入院費用はサポートできません。

ただし、すでに病気の方や何らかの症状がある方が、医師の指示のもとに受ける検査を行うために入院した場合には保険金を受け取れるのが一般です。

各保険会社に対する問い合わせの中でも「検査入院は保障対象か」というのはよくある質問なので、覚えておきましょう。

ポイントは
  • 健康管理のための検査入院は支給対象外
  • 治療のための検査入院は支給対象
です。

ケース③:免責事由に該当した場合

保険会社が設定する免責事由に該当した場合も、給付金は支払われません。

一般的に、保険商品には免責事由というものが存在します。免責事由とは、その字の通り「責任を免(まぬが)れる」こと意味します。

免責事由の具体的な例は以下の通りです。
  • 故意に発生させたけがなどのための入院
  • 泥酔状態で発生した病気やけがなどの入院
  • 無免許・酒気帯び運転などで生じた事故による病気やけがのための入院
  • 地震や津波など自然災害にかかわる病気の入院
  • 薬物依存の影響で発生した病気やけがなどの入院
  • 犯罪行為に関わる入院 
  • 保障責任開始前の入院 など
※自然災害の場合は程度によって保障を受けられる場合があります

特に、保障責任が開始される前の入院は、給付対象となる病気やけがの治療のための入院であっても給付金を受け取れないので注意しましょう。

一般的な責任開始日(保障開始日)は、申込や審査が終了し、1回目の保険料の支払いが済んだ日です。 

ケース④:告知義務違反をした場合

告知義務に違反した場合も給付金は支払われません。


告知義務とは、保険加入者が契約時に保険会社からの質問に答える形で「健康様態」や「職業」「現在や過去の病気」などを告知することです。


みんなで保険料を支払い合い、何かあった時に給付を受けるのが保険の仕組みなので、すでに病気ですぐにでも給付金を受けられる方ばかりが加入してしまうと、保険のシステムや会社が成り立たなくなってしまいます。


虚偽の告知を行ったり、告知せず病気などを隠した場合、給付が受けられないだけでなく契約そのものを解除されることもあるので注意しましょう。


告知内容の具体例は以下の通りです。

  • 自分の体のこと(身長や体重、視力など)
  • 仕事について(勤務先の名前や業種、仕事内容など)
  • 現在の健康状態(病気の有無や、検査をすすめられているかなど)
  • 既往歴(過去数年以内の病気の有無、検査や入院をすすめられたかなど)
  • 障害の有無
  • 妊娠の有無 など

一般的に「薬の処方を受けていなくても通院している病気」「自己判断で治療を中断した病気」なども告知義務があるので注意しましょう。 

入院給付金はいくらに設定?ライフプラン・家計を考慮して決める


ここからは、具体的に入院給付金を検討する際のポイントを考えていきましょう!

医療保険の保障や特約を決める際には家計とのバランスを考えて保険に加入することが大切です。

保険商品は、保障範囲を広げたり支給金額を上げたりすれば、月々の保険料が高くなります。保険料は抑えつつ自分にとって手厚い保障を受けるためには「自身が最も不安を抱えていることは何か」「生活に無理なく支払える保険料はいくらまでか」をまず明確にし、保険商品を選択するようにしましょう。

入院時に受け取る保険金額を設定する際に気にすべきポイントは以下の通りです。
  • 突然の入院に対応できる貯蓄があるか
  • 入院時は1人部屋などゆったりとした環境で過ごしたいか
  • 自営業か会社員か
  • 世帯主など自分が収入のメインを担っているか
  • 病気に対する不安感が強いか など
次から、一般的におすすめな設定金額や、受け取りタイプと設定額の決め方を年代別で紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

また、迷った時は無料の保険相談などの利用もおすすめです。保険だけでなく、ライフプランや家計などの相談もまとめて行えば、きっとあなたの不安を解決してくれることでしょう。 

「一時金20万円」か「日額金5千円」がおすすめな2つの理由

入院給付金で必要な金額はいくら必要なのか、どうやって決めたらいいか、難しく感じる方も多いのではないでしょうか。


一般的には、公的医療保険の給付や入院に関わる出費、生活費などを考慮すると、一時金なら10万円~20万円、日額金なら5千円が十分と考えます。


20代なのか50代なのか、未婚か既婚か、子供がいるのかいないのか、会社員なのか個人事業主かなど、それぞれの環境や状況があるので個人差もあり、資料を読んでも自分はどれに当てはまるのか判断基準が明確にならず、分からないでしょう。


また、医療の進歩にともない、手術の技術が向上し入院日数が短くなるなど医療環境の変化もあります。


決めるのが難しいと感じるときは、上記金額が一般的にはおすすめです。

理由を以下で説明していきます。

理由①:高額療養費制度を利用し自己負担分は入院給付金で賄う

公的医療保障には高額療養費制度があります。ひと月に医療機関に支払う自己負担が一定額を超えた時に、超えた分が払い戻される制度です。


収入によって変動しますが月収28万円~50万円であれば8万程度、月収26万円以下では57,600円に自己負担額を抑える事ができます。


社会保障文化センターの資料によると、現在の平均入院日数は29.3日です。

約1カ月の入院でかかる費用は以下のようになります。

  • 治療費    8万円~10万円(月収28万円~50万円)程度
  • 差額ベット代 79,230円(4人部屋利用 2,641円)
  • 入院時食事代 41,400円(1日1,380円)

上記より、高額療養費制度を利用すると、入院にかかる自己負担額はおよそ15万円~20万円です。入院一時金であれば10万円~15万円入院日額金であれば日額5,000円×30日=15万円で賄うことができます。


自己負担額が多い分は、貯金や傷病手当金などで賄うことで、生活面を圧迫することはありません。

理由②:医療保険は病気やケガのリスクにのみ備える

平均入院日数は短縮化されてきているとは言え、長期入院のリスクも依然として残っています。


長期入院のケースとして以下が挙げられます。

疾病平均在院日数
アルツハイマー病252.1
脳血管疾患
(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など)
78.2
慢性閉塞性肺疾患
(慢性気管支炎・肺気腫など)
61.5

このように長期療養となるケースは、高額療養費制度を使ったとしても、医療費+差額ベッド代などで毎月約15~20万円が自己負担として数カ月続くことになります。家計への負担はかなり大きいのではないでしょうか。


このような長期療養リスクに対しては、1カ月15万円を賄うために日額金5千円の設定をおすすめします。入院一時金のみでは、これら長期療養への備えは不十分です。


一方で、医療保険の検討時に「もし入院したら、支払った保険金総額またはそれ以上手元に戻ってくるようにしたい」や「満期になったら支払総額は戻るようにしたい」と考えてしまうかもしれません。そうすると保険に貯蓄機能を付帯させたり一時金の高額設定をすることになり、保険料が高く家計を圧迫する可能性があります。


医療保険は病気やケガに備えるための保険です。長期入院や治療など「もしも」の大きな金銭的負担に備えるためのもので、資産運用や貯蓄などの目的のものではないことを忘れないようにしましょう。


現在、2人に1人は罹患するといわれるがんは、入院日数は胃がんで19.2日と長期となることはないものの、抗がん剤治療として通院する形で長期化します。抗がん剤治療はステージや状況によっても変動しますが、最低3ヶ月から6カ月、それ以上通院する可能性が出てきます。


こういった高額になるであろう可能性の疾病に備えて、治療に集中できる環境作りが大切になってきます。保険は必要な目的に応じた設定内容とし、保険料で家計を圧迫することないようにしてください。


【20〜30代】入院給付金の決め方

前章では、一般的におすすめな入院給付金の設定を解説しました。実際は、年代や環境によって優先する事柄が違うため、それぞれの状況を考慮して商品を決めていくことになります。


本章では、20~30代に向けて、医療保険の入院給付金をどのように決めて行けばいいか詳しく解説していきます。

決め方①:日額金は最低限で一時金を優先する

20代は働き出したばかり、30代は貯蓄に意識が向き始める段階ではないでしょうか。病気のリスクは低く収入に対しての余裕はまだまだない年代と言えます。病気への厚すぎる保障など、現実的に起こりづらいことへの出費はおさえたいところです。


しかし、病気やケガにならないとは言い切れません。特に女性特有の疾病は30代から罹患率が高くなります。疾病後に保険に加入できなかったり条件付きでしか加入できなかったりと、思うように保険に入れなくなっては危険です。


まずは入院給付金の日額を多くするよりも、掛金が割安になる一時金の保障を優先することをおすすめします。もし、日額金の保障を追加する場合は日額3000~5000円支払い上限日数は60日程度で十分です。

決め方②:子持ちの人は日額金の上限日数・金額を多くする

結婚されて子供がいる方は、独身の頃と比べて生活費としての支出は多いはずです。例えば、教育費や住宅費など家族のための出費は多くなります。年代別の平均給与と消費支出を以下にまとめました。

年代消費支出
~29歳25.7万円
30~39歳26.8万円
40~49歳31.7万円
50~59歳33.8万円

出典:社会保険センター 世帯主の年代別の2人以上勤労者世帯の消費支出


一家の大黒柱が長期療養となった場合、働けなくなることで収入も減ったり、なくなったりすることで、家計へのダメージはかなり大きいものとなります。特に子供の教育費がかかる30代後半~40代の方は、手厚いサポートを備えておくことが大切です。


家族の支えも必要ですが、長期療養に備えるために、金銭的にも精神的にも、安定的に保険の給付金が受けられる日額10,000円などの高めの設定額にする事をおすすめします。支払いの上限日数に関しても、120~180日の長期間の支払いに対応できるものがおすすめです。

【40~50代】医療保険の決め方

次に、40~50代向けに医療保険を決めるポイントを解説します。


40~50代はそれまでに比べ病気のリスクが高まってくるため、入院給付金にプラスして重点的な病気への備えや他の保険との併用も考える必要性が出てきます。


詳しく解説していきます、ぜひご覧ください。

決め方①:がんに備えるならがん診断一時金を優先

40代~50代はがんのリスクが高まる年代という認識があるかと思います。男性は胃がんの罹患率が高く女性は乳がんや子宮頸がんのリスクが30代から大幅に高くなります。


30代からは結婚して子供を持つ方も増え、40代からは会社の健康診断などでがん検診の対象年齢になります。独身とは違い家族を守る立場にステージかかわる世代でもあります。


また、独身の方でも、一人暮らしで身内とは遠方であったり親が高齢であったりする場合、経済的・人的サポートをお願いすることは厳しくなる可能性が高くなります。


既婚未婚にかかわらず、今では2人に1人ががんにかかる時代です。がん治療への備えを手厚く考えているなら入院給付金とは別にがん保険への加入をおすすめします。


がん治療も入院は短期で通院が長期となるパターンが想定されます。医療保険の入院保障や通院保障では対応できない場合もあります。それらをカバーするためにも、がんと診断されたら一時金が支給されるプランを選ぶのがいいでしょう。

決め方②:認知症や脳梗塞に備えるなら介護保険も併用する

40代~50代は、がんのリスクと共に、生活習慣病からの脳血管疾患や認知症など別の病気へのリスクも高まります。介護も含めて意識していく必要が出てきます。


脳血管疾患は三大疾病として特約や保険ができるほど罹患率・介護要因になるリスクが高く、日本人の死因としても上位にあります。また、認知症も働き盛りの50代から発症するケースもあり介護に繋がる可能性は少なくありません

(参考:厚生労働省 若年性認知症の実態などに関する調査結果の概要)


介護が必要になった要因

  1. 認知症
  2. 脳血管疾患(脳卒中)
  3. 骨折・転倒

(出典:厚生労働症「国民生活基礎調査の概況」)


病気を発症したとしても、入院ではない在宅での介護や看護、リハビリは医療保険の対象外となり、公的保障の介護保険も施設利用などへの現物支給となるため給付金はありません。


また、独身の方は身の回りに介護をしてくれる人が少ないケースもあるため、在宅療養となった際にも費用は重くのしかかってきます

  • 介護費用 平均月8.3万円(住宅改造、介護ベット購入費など 約74万円)
  • 介護期間 平均5年1ヶ月

(出典:社会保険文化センター リスクに備えるための生活設計)


これらを考慮する必要があるので、民間介護保険を併用することも必要になってきます。

自営業者は逸失収入の負担に備えよう

個人事業主が病気やケガで倒れて働けなくなってしまったら、収入がゼロになります。医療保障の入院日額を高く設定するか、収入への保障がある所得補償保険への加入で対処することが必須になってきます。


個人事業主やフリーランスが加入する国民健康保険には、働けなくなった時に給付される傷病手当金の制度がありません


保険で必要な保障額を算出してみましょう。治療に関わる費用として健康保険の3割負担分、高額療養費にあたる金額から設定します。

(参考:全国保険協会)

区分ひと月上限額
年収約1,160円~約25万円
年収約770~約1,160万円約16.7万円
年収約370~約770万円
約8万円

治療費外の費用差額ベット代が、1人~4人部屋平均6,527円食事代1日1,380円です。


治療に関わる費用+治療費以外の出費をあわせて1カ月で約32~50万円の自己負担となります。これらを保険で賄う場合、以下の設定が必要です。

  • 入院給付日額 15,000円程度(治療に関わる費用+治療費以外の出費)
  • 所得補償保険 月収の6割程度
収入保障として所得補償保険に加入することで、入院治療にともなう費用や収入への保障が補えます。

公的医療保障が手薄になる個人事業主には、収入までの保障をきっちりと考えた保険プランを立てていく事が大切になります。

まとめ:入院給付金は家計の状況と保険料のバランスで考えよう


この記事では、入院給付金の特徴やメリット・デメリット、一時金や日額金の金額設定をする際のポイントについて解説してきました。

保障を厚くすれば保険料が高くなるので「本当に自分が必要としているものは何か」「生活に無理なく支払いが可能な保険料はいくらか」を考えて保険商品を選択しなければなりません。

今回のポイントは以下の通りです。
  • 入院に対する民間保障には「一時金タイプ」と「日額金タイプ」が存在する
  • 入院には治療費だけでなく差額ベッド代などさまざまな費用がかかる
  • 1回の入院にかかった費用で一番多いのは「10~20万円未満(30.6%)」
  • 1日あたりの入院額で一番多いのは「1万~1万5000円(24.2%)」
  • 入院時に利用できる公的保障には、高額療養費制度や傷病手当金制度などがある
  • 健康管理のための検査入院など、治療目的以外の入院は保障対象外
いざという時のための備えは多いに越したことはありません。

しかし、お金は有限で医療保険以外にもたくさんの使い道があります。

保険についてわからないことがあれば、まずは保険のプロに無料で相談した上で自分で判断するようにしましょう。

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