更新日:2018/08/16
【定期保険特約付終身保険】の解約返戻金の仕組みをわかりやすく解説
定期保険特約付終身保険は、終身保険に定期保険を特約として付加した生命保険です。この定期保険特約付終身保険は、保障の高さのわりに解約返戻金が少ないのはご存知でしょうか?ここでは、定期保険特約付終身保険の解約返戻金の仕組みについて、わかりやすく解説をします。
目次を使って気になるところから読みましょう!
定期保険特約付終身保険は、解約返戻金に注意しよう!
終身保険というのは、解約返戻金が貯まる貯蓄性のある生命保険です。しかし、定期保険特約付終身保険の解約返戻金の返戻率は、単体の終身保険と比べると、返戻率がかなり低くなります。
どうして解約返戻金の返戻率が低くなるのでしょうか?
まずは、定期保険特約付終身保険について、その特徴を確認していきましょう。
定期保険特約付終身保険とは?
定期保険特約付終身保険は、終身保険と定期保険を組み合わせた保険であり、一生涯の保障を確保しながら、一定期間の大きな保障を持つことができるという特徴があります。
一般的には、終身保険部分を少なくして、定期保険特約を大きくする形で加入される方が多いので、印象としては終身保険付定期保険といった感じですね。
定期特約付保険の種類1:全期型
定期特約付保険の種類2:更新型
定期保険特約のメリット・デメリットや中途付加するときの注意点をまとめた記事があるのでチェックしてみてください!
定期保険特約付終身保険の特徴
特徴1:保障金額は大きくても、解約返戻金は少ない
主契約は終身保険であり、保険証券などにも「終身保険」と記載されていることが多いので、3,000万円の保障が一生涯続くと誤解している方もいますが、あくまでも終身保障は先の例であれば300万円であり、定期保険の2,700万円は一定期間の保障しかありません。
そのため、保障が3,000万円あったとしても、解約返戻金は思ったよりも少ないのです。では、なぜ解約返戻金が少なくなるのでしょうか。
この定期保険特約部分は、ほとんどが掛け捨てとなっているのです。そのため、いくら保障額が大きくても、解約返戻金が貯まらないのです。
つまり、わずかな終身保険の解約返戻金が貯まるのみとなるため、保障額が大きくても解約返戻金は少なくなってしまうのです。
特徴2:保険料総額と解約返戻金は変動する
例として、30歳で定期保険特約付終身保険(終身:300万円、定期保険特約4,700万円)に加入し、60歳払込満了、定期保険特約を10年更新した場合で、保険料の総額と解約返戻金の総額を表にしてみます。
年齢 | 払込保険料総額 | 解約返戻金 | 返戻率 |
---|---|---|---|
31歳 | 約194,000円 | 0円 | 0% |
40歳 | 約1,943,000円 | 約520,000円 | 27% |
50歳 | 約4,735,000円 | 約1,140,000円 | 24% |
60歳 | 約9,742,000円 | 約1,850,000円 | 19% |
あくまでも一例ですが、60歳で解約した場合には、約80%が掛け捨てということになることが分かりますね。
このように、定期保険特約付終身保険の解約返戻金は、保障額の高さを比べると、かなり低いのです。その原因として、保障の大部分を占める定期保険特約が掛け捨てであるということがあるのです。
定期保険特約付終身保険の途中解約は、このことをよく理解しておく必要がありますね。
特約だけ解約したい・減額したいと思っている方への注意点
特約を解約するということは、その部分の保険料がなくなるということになりますので、全体の保険料としては、保険料は安くなります。
ただし、定期保険はほとんどが掛け捨てとなっているため、もともとの保険料が安くなっています。そのため、大きく保険料が安くなるということはありません。
しかし、少しでも保険料負担を軽くしたいのであれば、特約の保障額を減らす部分解約(減額)を行うのは良い手段でしょう。
特約だけ解約した場合、解約返戻金は受け取れる場合は少ない
定期保険は、加入したときと期間満了時には解約返戻金(満期保険金)は0円です。
しかし、期間中の解約返戻金は、山なりのようになっており、多少の解約返戻金が発生します。
ただし、定期保険の保証期間中に解約をしても、ほとんどが掛け捨てとなっているため、受け取れる解約返戻金はとても少なくなっています。
まとめ:定期保険特約付終身保険の解約返戻金の仕組み
定期保険特約付終身保険は、保障の大きさに比べると、思った以上に解約返戻金が少なくなっていますので、解約返戻金を大きく期待することのないよう、十分に理解して契約を検討することをおすすめします。