輸出取引信用保険とは？補償内容等を解説！海外取引を行う事業者向け

輸出取引信用保険とは、輸出取引を行っている、海外取引先の倒産などの支払不能状態や、債務不履行によって、売掛債権の回収が不能となった場合に保険金によって損害を補てんできる法人向けの損害保険です。

倒産や債務不履行以外にも、戦争や自然災害といったカントリーリスクも補償対象とすることができ、輸出取引の売掛債権回収に関するあらゆるリスクに対応できるのが特徴となっています。

近年、洪水や大規模火災などの自然災害も海外で発生することがありますよね。

そうなった場合、取引先と突然連絡が取れなくなったり、債券回収が困難になることが想定されますが、こちらの保険に加入していれば損失を保険金として受け取れることができ、また、保険会社が債権回収を担ってくれるため、安心です。

そんな輸出取引信用保険について、この記事では以下の内容をご紹介させていただきます。

• 輸出取引信用保険の補償内容
  
• 輸出取引信用保険のメリット
  
• 輸出取引信用保険の保険料の相場
  
• 輸出取引信用保険に加入する条件

輸出取引信用保険は、取引先の所在国グレードや、取引先自体の審査状況によって加入条件が決まるため、詳細を確認したい場合はお近くの保険代理店もしくは保険会社にご相談ください。

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輸出取引信用保険は、商品の出荷後に起こる債権の回収不能を補償します。

具体的には以下のような場合に補償されます。

• 輸入者の破産手続き開始決定及びそれに準ずる事由
• 輸入者の債務不履行
• 為替取引や輸入の制限・禁止
• 暴風・豪雨・洪水・高潮・地震・噴火・津波・火災などの自然災害
• 外国政府による輸出契約の破棄・解除
• 戦争

上記のような予期せぬ事態が起こった場合であっても損害の一部を保険金でカバーできることは、国際取引を行っている自社の信用を得ることにもつながります。

また、以下のような場合は、補償対象外ですのでご注意ください。

• 放射能汚染等に起因する損害
• 法的な許可がない取引についての損害
• 利息、違約金、損害賠償金、費用、為替差損、付加価値税にかかる損害など

輸出取引信用保険は、各損害保険会社で加入できますが、商工会議所の団体制度もあります。

団体制度の場合は、加入対象などの条件の緩和や、事務ロードが削減されていることもあり、一般の輸出取引信用保険よりも加入しやすい場合があるようですよ。

また、こちらの輸出取引信用保険では、輸出取引におけるリスク対策をするための保険ですが、国内取引のリスク対策については別の、取引信用保険で対策することができます。

国内向けの取引信用保険については、以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方は以下からご覧ください。

輸出取引信用保険は、取引先企業の倒産などの信用に関するリスクと、自然災害や為替リスクなどのカントリーリスクを含む非常危険を補償するものです。

この信用リスクと非常危険リスクは、どちらの事由による事故なのかの判断が難しいことからどちらのリスクも一緒に加入するのが一般的ですが、保険会社によってはどちらかのリスクのみを選択できる場合もあります。

例えば、三井住友海上では以下のような特約を自動セットとしていますが、取引先の審査結果によって以下特約をセットせずに引き受けするという仕組みになっています。

• 政治的危険補償特約：政治的な要因によって債権回収できないことによる損害を補償
• 自然災害補償特約：自然災害により生じた損害について補償

参考：日本商工会議所「輸出取引信用保険制度」のご案内

お引き受けできる範囲や条件は、取引先の審査結果にもよりますので、詳しくは保険会社にお問い合わせしてみてくださいね。

取引先の審査結果にかかわらず、まずは一般的な補償内容について質問したい、自社に必要なのか確認したい、という場合は、「マネーキャリア」がおすすめです。

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輸出取引信用保険の補償内容だけでなく、加入のメリットも気になるポイントですね。

以下では輸出取引信用保険に加入するメリットを3つご紹介します。

1. キャッシュフローへの影響を軽減
   
2. 与信管理の向上
   
3. 他社からの信用力の向上

取引先企業に万が一の事態が発生し、予期せぬ貸倒損害が発生した場合であっても、損失の一部が保険金でカバーされますので、キャッシュフローへの影響を最小限におさえることができます。

保険の特性上、お支払い保険金には縮小支払割合が約9割と設定されています。

取引先の審査結果による与信限度額の範囲で、損失の約9割が補償されますので、損失が発生した場合であっても一定額は保険で補てんすることができます。

損失の100％をカバーできるわけではありませんが、その後の債権回収などのロードが発生する手間も省けるのでメリットが大きいといえるでしょう。

また、毎期の保険料であらかじめリスクを分散することで、リスクの平準化も図ることが可能です。

保険加入の際に、取引先の審査があるだけでなく、保険期間中は保険会社から取引先に関するフィードバックを受けることができます。

取引先の審査に関しては、各保険会社が、グローバルに展開する専門会社からの情報をもとに審査しているため、信頼のおける審査結果を得ることができます。

また、万が一取引先の経営が悪化している場合は、いち早く保険会社が知らせてくれることで、不測の事態を未然に防げたり、損失を軽減できるという効果もあります。

保険会社によっては、海外リスク管理に関する情報や、各国のリスク情報、日系企業に影響のありそうな事象の速報提供など、デイリーで行うサービスが付帯されていることもあります。

与信管理業務が効率化され、与信管理機能も強化されますので、安心して取引拡大ができ、経営上もメリットが大きいです。

国際取引における売掛債権に関するリスクが保険でカバーされていますので、取引先や他社からの信用力向上にもつながります。

また、万が一貸倒損失が起こった場合であっても、決算上の影響を最小限におさえることができるため、株主や金融機関といった各ステークホルダーからの信用や、企業価値を低下させることなく、むしろ向上につなげることが可能です。

輸出取引信用保険はあまりなじみのない保険ですが、輸出取引を行っている企業にとっては必須の保険といえそうです。

売掛債権の回収不能を補償してくれるという保険ですが、気になるのは保険料ですね。

輸出取引信用保険の保険料は、以下の情報をもとに算出されます。

• 業種
• 与信限度額
• 取引先の信用力
  
• 取引先国の信用力
• 出荷後の期間

取引先や取引先国の信用力についてはグローバルに展開する専門の保険会社の情報をもとに、引き受け保険会社が審査し引受条件や保険料を決定します。

詳細な保険料については、実際の取引内容をもとにお近くの保険代理店や保険会社で見積を依頼してみてくださいね。

ご参考までに、全国商工会議所の団体制度での保険料をご紹介します。

ご参考：全国商工会議所の海外展開サポートプラン

輸出取引信用保険では、加入条件が様々ありますのでご紹介します。

対象となる取引は、継続的な輸出契約・仲介契約になります。スポットでの引き受けはできないのが一般的です。

また、保険期間は1年で設定されますが、保険期間中に出荷され請求書が発行された契約が対象となります。

対象とする取引先は原則、すべての取引先です。

リスクの観点から、1社のみの引き受けや、任意の取引先のみという引き受け方はできません。

場合によっては、「年間輸出高が一定額以上の取引先」のように客観的条件に基づく選定であれば、引き受けできることもあるようです。

しかしながら、取引先企業の所在国のグレードや、保険会社の審査結果によってはそもそも引き受け自体ができない取引先もあります。

また取引先ごとの与信限度額についても、保険会社の審査結果によって決定されます。

加入する条件は保険会社によっても異なってきますので、詳しくは保険会社またはお近くの保険代理店で見積依頼をしてみてください。

輸出取引信用保険についてわからないことがあれば、「マネーキャリア」を活用してみるのもおすすめです。

厳選された法人保険のプロが、無料で何度でもオンライン相談にのってくれますよ。

本記事では以下についてご紹介させていただきました。

• 輸出取引信用保険とは、輸出時の売掛債権が回収不能となった場合に保険金を受け取れる保険
  
• 倒産や債務不履行だけでなく、洪水などの自然災害や戦争、為替リスクなどのカントリーリスクも補償される
• 加入メリットは、①キャッシュフローへの影響を軽減②与信管理の向上③他社からの信用力の向上があげられる
• スポットでの引き受けや、任意の取引先のみの引き受けができないなど、加入条件が様々設けられている。
• 保険会社の審査によっては、引き受けできない取引先や与信限度額を少なく設定される取引先もある

輸出取引信用保険はあまり聞いたことがない保険かもしれませんが、海外進出を検討する企業も増えてきている今、注目の保険です。

「ほけんROOM」では、本日ご紹介した輸出取引信用保険のほかにも、国内の取引先企業を対象とした、取引信用保険に関する記事なども公開しています。

法人保険のあらゆる悩みを解決するための記事をたくさん掲載していますので、法人保険に迷われている方は一度ご覧いただければと思います。

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