税金の安い国に海外移住して節税したい人が絶対に知っておくべき知識

税金の安い国(タックスヘイブン)へ移住することで、所得税の軽減、相続税や贈与税がかからないなど大きな節税効果が得られます。しかし、移住は簡単にできるものではありません。移住する際のポイントを押さえて税金が安い国に住むメリットを最大限に生かせるようにしましょう。




▼この記事を読んで欲しい人
  • 税金の安い国への移住を検討している人
  • 相続税や贈与税をできるだけ抑えたいと思っている人
  • 裕福層の経営者


▼この記事を読んでわかること
  • タックスヘイブンとは何か
  • アジアを中心とした諸外国の税制
  • 税金の安い国へ移住する際の注意点
  • 節税のための海外移住に適している人

内容をまとめると

  • アジアの中でも日本は税金全般が高く、シンガポールや香港の税率が低い
  • アジア圏には相続税と贈与税がの国もある
  • 移住のポイント①ビザの取得は難しいため余裕を持って準備をする
  • 移住のポイント②生活コストが高くなる可能性を考慮する
  • 移住のポイント③日本にある財産は日本の税制が適用される、相続税や贈与税を0にするためには被相続人と相続人両者が移住して10年たたなければならない
  • 「日本に不動産を持っていない」「日本に拠点を置かなくても良い」の2点が満たせるのであれば海外移住に適している
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タックスヘイブンとは?


タックスヘイブン
法人税や所得税などの税金の安い国や地域を指します。


タックスヘイブンという言葉は耳にしたことがあるかもしれませんが、その国や地域が一体どこなのか、どうして有名なのかの理由を知らない人は多いのではないでしょうか。


タックスヘイブンに移住することによって

  • 法人税が大幅に軽減できる
  • 相続や贈与にかかる税金がない
  • 住民税がない地域もある
  • 所得税が低い

など税制面でのメリットを受けることができるため注目されています。


小さな島やヨーロッパ周辺に点在し、イギリス領には特に多くあるようです。アジアではシンガポールや香港が有名ですね。


税金の安い国(タックスヘイブン)は他の国から会社やお金持ちを誘致するために税率を低く下げています。自国のみでの発展が難しい地域が発展するためには必要な処置といえるでしょう。


比較的税金が高く、裕福層ほど支払い納税額があがる日本よりはそういった税金の安い国に移住した方が大幅な節税になるケースがあるのです


ただし、知っておくべきポイントを確認しておかなければ思わぬ落とし穴にはまってしまうこともありますので、一緒にチェックしていきましょう。

アジアの諸外国の法人税・所得税・相続税はどれくらい?

まずアジア諸外国一部の法人税・所得税・相続税を見ていきましょう。


【法人税】

法人税率
日本29.7%
韓国27.5%
中国25%
シンガポール17%
香港16.5%
マレーシア25%

法人税は日本が1番高いです。それに比べて税金の安い国であるシンガポールと香港は低くなっています。香港にいたってはほぼ日本の半分です


タックスヘイブンでの会社設立についての記事はこちら


【所得税】

所得税率
日本5%~45%
韓国6%~38%
中国3%~45%
シンガポール0%~20%
香港2%~17%
マレーシア1%~28%

所得税でもシンガポールと香港はやはり低い水準です。所得が少ない人に関しては大きく変わりませんが、最高税率に関しては1番高い日本と1番低い香港と比べると28%も差があります。


裕福層にとっては非常に大きな違いですね


【相続税】

相続税率
日本10%~55%
韓国10%~50%
中国なし
シンガポールなし
香港なし
マレーシアなし

アジア諸外国の中には相続税がかからない地域も多くあります。日本や韓国の場合金額が大きい場合半分以上も相続財産に税金がかかります。


相続財産が多ければ多いほどどこで相続がなされるかは大きな問題です

日本とシンガポールとマレーシアの税金を比較

では実際にどのぐらい納税額に差がでるのか日本とシンガポール、マレーシアを比較しましょう。


【所得税(基礎控除のみ反映)】

年収3000万所得税(税率)手取り額
日本12,204,000円(40%)17,796,000円
シンガポール4,490,000円(15%25,510,000円
マレーシア7,200,000円(26%)22,800,000円
こちらの表を見て分かる通り、所得税率が違うと手取り額も800万近く差があります。1年間の手取り額でこのような差がでるのですから、期間が長ければ長いほど差がでてきます。

【住民税】

日本は住民税が一律10%なのに対し、シンガポールとマレーシアは住民税がありません。社会保険料控除と基礎控除を加味すると年収3000万円の場合257万が日本では税金として徴収されます。


10%となしでは大きな違いがあります。


【相続税・贈与税】

仮に相続をする際に1億円を2人に相続すると日本の場合、税率が20%となり基礎控除を踏まえたうえで計算すると960万の税金を支払わなければなりません。


1億円を一括で贈与しようとした場合は税率は55%となり控除額を考慮しても約5039万を納めることになります。


シンガポールとマレーシアは相続税、贈与税ともにかかりません


裕福層にとってはこの相続税と贈与税に1番違いがでてきます。相続人や贈与相手に渡す資金が多ければ半分以上を国に治めなければならないため、タックスヘイブンで節税をしたいという気持ちは確かにでてきますよね。


【消費税】

日本は消費税が10%であり、今後消費税がさらに上がることも予想されます。


対してシンガポールは7%、マレーシアにいたっては6%(一部消費税無なし)。ただしシンガポールは特にそうですが物価が高い傾向にあるようです。

税金の安い国(タックスヘイブン)に移住を考えている人が知っておくべきこと


税金の比較を見て、税金の安い国(タックスヘイブン)に移住するメリットを感じたのではないでしょうか。


しかし実際に移住を考えるとなると知っておかなければならないポイントが存在します。


それが

  1. ビザの取得が難しい可能性がある
  2. 生活コストが高くなる可能性がある
  3. 日本にある財産は相続税の対象になる
  4. 資産を海外に移しても分かってしまう
  5. 相続贈与税の改正
です。

税金の安い国に移住することは大きな節税になりますが、節税のために移住する人が増えたため規制も増えてきました

単純に住む場所を変えたからと言って簡単に相続税がかからなくなったり、税金が安くなるわけではありません。

①ビザの取得が難しい可能性がある

海外に移住するにはビザを取得しなければりません。


移住先によってビザの取得方法や取りやすさは異なります。移住先の専門家と相談しながらできるだけ早く取得にとりかかる方が良いでしょう


例えばシンガポールであれば年齢や健康、職業という基本的な項目のほかに最終学歴が重視されます。家族で移住する場合子供の学歴証明書の提出が必要になります。


香港であれば、ビザの取得だけでも日本円で20万以上かかります。就労ビザか投資移民ビザ※のどちらかを取得しなければならず、準備は長期間に及ぶことが予想されます。


ビザの取得方法や条件は世界の情勢によって頻繁に更新されます。最新情報を手に入れたいのであれば各国の大使館に問い合わせてみましょう。


※香港の投資移民ビザ:1000万香港ドル(日本円で約1億4千万)を香港当局が指定した対象に投資した場合に得られるビザ。7年間継続すると永住権を得ることができる。

②生活コストが高くなる可能性がある

税金が低いタックスヘイブンではありますが、だからといって生活をするのが楽になるのかといえば一概にそうとは言えません


税金の安い国は小さな土地にできるだけ、裕福層を誘致しようとしているため土地の代金がかなり高めになっています。


またその影響もあり物価が日本よりも高いことはよくあります。


特にシンガポールや香港は日本と同水準かそれ以上に高い場合がありますし、まだまだこれから上昇していくと考えられています。


つまり、節税のために移住したものの生活コストがあがるため結果的に意味がなくなってしまうことがあるのです


莫大な資金を持っていなければ長期的に考えた時に損をしてしまう可能性もあります。


相続税と贈与税でのメリットと生活コストが上がることへのデメリットのバランスをしっかり検討しなければなりません

③日本にある資産は相続税の対象になる

税金の安い国に移住したとしても、日本に資産を置いているのであればその分は日本の相続税法の対象です


そのため、できるだけ海外に資産をうつして日本にある資産を極力少なくする必要がありますが慎重に行わなければいけません。


また、相続する人だけでなく相続を受ける人もタックスヘイブンに移住しなければなりません。加えて10年以上移住しなければ相続税は0にならないため、被相続人と相続人は10年以上のタックスヘイブンに住居地を置かなければなりません。


用は家族全員の移住が必要になりますので相続税や贈与税を0にするにはハードルが高めです。


詳細については国税庁の相続人が外国に居住しているときに記載されていますのでご一読ください。

④資産を海外に移してもバレる

上記の通り日本にある資産には税金がかかるため海外に移すことがあると思いますが、海外にうつしても資産内容は把握されているケースがあります


そこには

  • CRS(共通報告基準)
  • 国外財産調書
が関係しています。

CRSとは外国の金融機関をしようして脱税や租税回避を防ぐためにOECD(経済協力開発機構)が制定したものです

100カ国以上の国が導入しており、非居住の保有資産について税務当局に報告します。税金の安い国では租税回避が行われることが多々あるためCRSをほとんどが導入しているといっても過言ではないでしょう。

国外財産調書はその年に国外財産が5000万を超える場合に提出しなければならない書類です。

こちらは日本に住んでいる人に限られることですので、海外に住んでいる人は提出はいりません。ただしこれから海外への移住を考えている人は提出が必須です。

調書を不当に提出しなかった場合や、虚偽の報告をした場合は罰則が課されます。

CRSと国外財産証書の提出によって海外に資産を移したからといって簡単に税金を回避することは難しくなってきました

だからと言って当然不当な手段をとってはいけません。

タックスヘイブンと不正についてパナマ文書は世間を騒がせました。機密性が高いタックスヘイブンでもこのような情報が流出してしまう可能性もありますし、税務調査は年々厳しくなっています。

きちんとして手順や正当な理由の元資金移動させましょう。

⑤相続贈与税の法改正

相続贈与税の法改正についても知っておかなければなりません


上記でもふれた項目でもありますが、2017年に

  • 海外に移住しても日本にある財産は日本の相続贈与税制度が適用される
  • 資産を譲渡する側(被相続人、贈与者)と資産を受領する側(相続人、受贈者)が両者ともに10年以上海外に居住した場合は相続贈与税の対象とならない
というように相続贈与税制度が改正されました。

2001年までは特に目立った制度はなく、相続時に非居住者であれば問題はありませんでした。

しかし、時代が進むにつれてインターネットの普及や情報の拡散により海外移住のメリットが表にでてきたため納税を回避するために税金の安い国に移住するケースが増えてきました。

裕福層から得られるはずの税金が得られなくなると国にとっては大きな問題です。そのため居住の期間がなかったころから5年間の縛りが設けられ今は10年となり、日本にある資産についても規定がもうけられました。

税金の安い国に海外移住できる人


では実際に税金の安い国に海外移住するのに適しているのはどのようは人でしょうか。


ポイントは

  • 日本国内に不動産資産をもっていない
  • 日本に拠点をおかなくても問題ない
かどうかです。

こちらの2点を満たさなければ、海外に移住しても逆にデメリットを感じることがあるでしょう。

①日本国内に不動産資産をもってない人

日本国内に不動産資産が全くない状態でないと移住ができないわけではありませんが、税金の安い国に移住するのであれば手放しておく方が良いでしょう


国内に不動産を所有していると、海外に住んでいたとしても土地にかかる税金を日本に治めなければなりません。


保有したまま海外に行った場合放置したままだと価値が下がるだけですし、管理を依頼すると費用がかかります。


土地の価値低下か管理費用どちらかが起こる状況に加えて税金がかかるわけですから海外移住の前には不動産の処理をすることをおすすめします


国内経営者の大家さんや不動産関係者は、当然不動産を手放すわけにはいきませんから海外移住には適さないといえるでしょう。

②日本に拠点を置かなくても問題ない人

日本に拠点を置かなくても問題ないかどうかも重要です。


税金の安い国に移住するということは1年間の半分以上は会社を空けるということになりまます。


経営者が留守になることで会社の経営が難しくなる場合はいくら節税効果が見込まれるといっても海外移住には向いていません


ただし、今はコロナが蔓延した影響もありテレワークで仕事をこなすことができるような仕組みや機能が増えてきました。今まで海外移住は無理だと考えていた人も改めて会社の制度や仕組みを見直すことでタックスヘイブンの恩恵を受けることができるかもしれません。


ちなみに拠点を置かなくてよいという点ではトレーダーネットビジネスをしている方には海外移住が適しています。税金の安い国(シンガポールや香港)に移住して生活水準も問題ないのであれば大きな節税効果を受けることができるでしょう。

【参考】世界の消費税が低い国ランキング

【消費税が低い国トップ5】

消費税国名
1位5%台湾
1位5%カナダ
2位6%マレーシア
3位7%シンガポール
3位7%タイ

※全国間税会総連合会の消費税などの税に関する情報世界の消費税参照。


低い国のランキング5位以内はカナダ以外アジア圏内です


台湾では一般的に消費税にあたるものを営業税と呼びます。台湾国内で消費されるものやサービスに対して税金がかかり、税込みで表示されています。


台湾国内で消費したものに限定して税金がかけられているため日本から旅行で台湾に行った際に購入した物品は持ち帰ったとしても営業税はかからないのです。


カナダも税率が低い国です。消費税が低めに設定されているだけでなく日常生活で不可欠なものや医療や薬代には税金がかかりません。


ただし日本の内税方式と違い外税がかかるため、地域や購入した物品によっては15%ほど課税されるケースがありますので単純に消費税が低いというわけではありません。


ヨーロッパは消費税の高い国が多いイメージですが、その分きちんとした社会保障が整っているのが特徴です。消費税が低い国も高い国も一長一短ですね

【まとめ】本当のお金持ちは海外移住をして節税をしている!

税金の安い国に移住すると大きな節税につながることは間違いありません


しかし、生活コストや移住準備が非常に高額になる恐れもありますので注意も必要です。


生活コスト税金優遇のバランスを考えた際、税制優遇の方が圧倒的に有利な本当のお金持ちであれば海外移住を検討してみると良いでしょう

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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