学資保険と解約(税金・解約返戻金・手続き)の全知識【完全保存版】

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学資保険を解約すると元本割れし、損するのでしょうか?今回は、学資保険を満期前に途中解約すると損するのか、解約返戻金にかかる税金、解約理由を紹介します。また、返戻率を使って解約返戻金がいくら戻るのか計算します。学資保険を解約したり乗り換える前にこれらを確認しましょう。

学資保険を解約したら元本割れや損をする?


子どもの将来の教育資金を準備するために、学資保険に加入されている方は多くいます。


しかし、「毎月の保険料支払いが厳しくなってきた」「契約時と家計の事情が変わって学資保険を途中解約したい」という方もいらっしゃると思います。


実は、学資保険を途中解約すると税金の問題や元本割れなど様々なリスクがあるのです。


この記事のポイントは、

  • 学資保険を解約するデメリット
  • 学資保険を解約する際の解約返戻金をシミュレーション
  • 学資保険を満期前に解約する際に検討すべきこと
  • 学資保険の解約理由とそれぞれの注意点
  • 学資保険の解約手続き
です。


この記事を読めば、学資保険を途中解約するリスク注意点が分かります。

学資保険の途中解約を検討されている方はぜひ最後までご覧ください。

学資保険は満期前に解約すると損する!デメリットを紹介

学資保険に加入する魅力の一つは、払い込んだ保険料より満期返戻金(払戻金)が多く戻ってくるところです。

その満期返戻金(払戻金)は、銀行に預けるより利率が高く、貯蓄できるというメリットがあります。

しかし、それは契約が終わる満期まで払い込んだ場合のみです。

契約が終わる満期を待たず途中解約する場合、学資保険は元本割れといって、損をしてしまうケースが多くあります。


どのような場合に元本割れとなるのか、そのケースをみていきましょう。

契約して2~3年だと解約返戻金も少なく、元本割れするおそれ

学資保険は途中解約すると、元本割れをして損をしてしまうケースが多くあります。しかし、全てのケースに当てはまる訳ではありません。


学資保険の返戻率は、契約してからの年数によって変わってくるためです。


契約から2年では返戻率は80%程度、5年目の返戻率は90%程度と、大幅に元本割れとなってしまいます。


しかし、10年目の返戻率は98%程度、15年目を過ぎると返戻率は100%を超えるようになっています。契約した保険にもよりますが、一般的に返戻率はこのように推移していきます。


契約から5年以内に途中解約すると、解約返戻金は1割程損をすることになりますが、契約から10年目だと払い込んだ保険料のほぼ全額の解約返戻金が返金されることになります。


ですから、途中解約するとすべての場合において元本割れするというわけではなく、いつ解約するか、そのタイミングが大事です。


解約するタイミングがよければ、元本割れしても損を最小限に抑えることができるでしょう。

解約返戻金に所得税、贈与税などの「税金」がかかる

学資保険を途中解約をする際に、気をつけておきたいのは、税金のことです。

解約払戻金(解約返戻金)には税金がかかる場合があり、所得税と贈与税の課税対象になることがあります。

所得税がかかる場合

まずは、所得税がかかる場合について見ていきましょう。


学資保険の契約者と受取人が同じ場合は、所得税の課税対象になります。


満期時に払い戻される保険料を満期返戻金と言い、途中解約によって払い戻される保険金を解約払戻金(解約返戻金)と言います。


契約者と受取人が同じ場合、満期返戻金および解約払戻金は税法上一時所得に分類され、所得税の課税対象となります。


所得税が課せられる条件は、払い込んだ保険料(払込保険料)と満期返戻金および解約払戻金の差額が50万円以上を越えた場合です。(国税庁 一時所得)


差額が50万円以上というのがポイントで、払い込んだ保険料と満期返戻金および解約払戻金の差額が50万円を越えなければ課税の対象にならない、ということです。


特に、解約払戻金(解約返戻金)であれば、返戻率が100%前後のことが多いので、差額が50万円を超えることは少なく、所得税が課されるケースは考えにくいでしょう。


所得税の課税対象額は以下のように計算します。

  • 解約払戻金(解約返戻金)-払込保険料-50万円×2分の1


贈与税がかかる場合

次に、贈与税がかかる場合について見ていきましょう。


学資保険の契約者と受取人が違う場合は、贈与税の課税対象になります。


満期返戻金およびに約返戻金の受取人を配偶者や子どもに指定した場合、返戻金が受取人に贈与されたとみなされますので、贈与税が発生します。(国税庁 贈与税の対象になる生命保険金


贈与税は、年間110万円まで控除枠があり、それを越えた部分が課税対象となります。


では、どのように贈与税が加算されるのか、計算式を見ていきましょう。

  • 解約払戻金(解約返戻金):200万円
  • 贈与税のかかる保険金額:200万円-110万円=90万円
  • 200万円以下の贈与税10%:90万円×10%-0=9万円

解約払戻金200万円を贈与として受け取った場合、贈与税は9万円となります。
  • 解約払戻金(解約返戻金):400万円
  • 贈与税のかかる保険金額:400万円-110万円=290万円
  • 400万円以下の贈与税15%控除10万円:290万円×15%-10万円=33.5万円
解約払戻金400万円を贈与として受け取った場合、10万円の控除を差し引いても、贈与税は33.5万円となります。

契約者と受取人が同じ場合では、税金がかかることはまれなのに対し、契約者と受取人が違う場合では、高額の税金が課せられ損をすることがわかりました。

学資保険に多くのケースで再加入できない

保険料の支払いが苦しいから安い保険に乗り換えがしたい、他の学資保険の方が利率がいいから乗り換えしたい、と学資保険の再加入を見据えて解約を検討する場合もあるでしょう。

しかし、乗り換えで他の学資保険に再加入を考えている方は、注意が必要です。

現在契約している学資保険を解約したら、次回契約する時には条件が厳しくなっていて契約が難しいこともあるからです。

学資保険は、被保険者である子どもに年齢制限があり、一般的に未就学年齢(6歳)までとなっています。

一旦学資保険を解約して、再度加入を考えようとした時、このような年齢制限で加入が難しくなってしまう場合があります。


まれに6歳以降も加入できる学資保険もありますが、そのような場合返戻率が100%を下回り元本割れしてしまうことがほとんどです。


また、学資保険の加入時には、契約者の年齢も関係してきます。


学資保険は生命保険の一種で、死亡保障がついていますから、契約者の年齢が上がれば上がるほど、保険料が高くなる仕組みになっています。


契約者の年齢が30歳で加入した場合と35歳で加入した場合で計算をしてみると、以下のように差が出てきます。


A生命に契約者が30歳で契約した場合

  • 契約者年齢:30歳
  • 被保険者(子ども)年齢:0歳
  • 満期払戻金:200万円
  • 月額保険料:14,354円
  • 保険料払込期間:11歳まで
  • 返戻率:105.5%

契約者の年齢が30歳で契約した場合、月額保険料は14,354円で、返戻率は105.5%でした。

A生命に35歳で契約した場合

  • 契約者年齢:35歳
  • 被保険者(子ども)年齢:5歳
  • 満期払戻金:200万円
  • 月額保険料:18,011円
  • 保険料払込期間:14歳まで
  • 返戻率:102.8%

同じ満期払戻金200万円の学資保険に加入しても、契約者の年齢が高い方が、月額保険料が3,657円高くなり、返戻率は2.7%下がり損をすることになります。


乗り換えを見据えながら解約する場合には、子どもの年齢や支払う保険料をよく検討してからでも遅くはありません。

学資保険を途中解約する際の解約返戻金を計算!

次に、解約したら解約払戻金(解約返戻金)がいくら戻るのか、についてみていきましょう。

学資保険の返戻率は契約してからの年数によって変わるので、契約からの年数と返戻率は以下のようになります。
経過年数子どもの年齢返戻率
2年2歳81.21%
5年5歳92.67%
10年10歳98.19%
15年15歳100%
契約した保険にもよりますが、契約から2年では返戻率は80%台なのに対し、10年経つと返戻率は98%とほぼ100%になります。

契約から10年経っていれば、ほとんどの解約払戻金(解約返戻金)が戻り、契約から15年経っていれば、解約払戻金(解約返戻金)は払込保険料の全額が戻り元本割れしにくい、ということです。


例えばB生命の学資保険の返戻率は、満期時でも89.56%となっています。解約した場合、以下のようになります。

  • 契約者:30歳男性
  • 子ども:0歳
  • 保険料払込期間:18歳まで
  • 月額保険料:16.500円
  • 基準保険金額:300万円
払込保険料解約払戻金返戻率
5年目払込保険料累計
990,000円
5年目解約払戻金(解約返戻金)
821,601円
5年目返戻率
82.99%
10年目払込保険料累計
1,980,000円
10年目解約払戻金(解約返戻金)
1,741,014円
10年目返戻率
87.93%
15年目払込保険料累計
2,970,000円
15年目解約払戻金(解約返戻金)
2,659,932円
15年目返戻率

89.56%

10年目を超えると返戻率が87%を超え、15年目の返戻率とほぼ同じになります。


このように、途中解約していくら戻るのかは契約してからの年数が関係してきます。


15年待てば元本割れすることは少ないので、損をしたくない場合は契約から15年を目安に解約するとよいでしょう。

学資保険を満期前に解約する際、検討すべき事

保険料の支払いが大変だから、利率のよい学資保険に乗り換えしたいから、と満期前に解約したい理由は様々です。

しかし、学資保険の解約手続きをする前に、今一度確認しておきたいことがあります。

学資保険を解約すると、元本割れするリスクだけでなく、保険に付帯する保障もなくなってしまうことになりますから、解約はできるだけ避けたいところです。

学資保険の解約を避ける方法について、以下のようにみていきましょう。
  • 契約者貸付制度の検討
  • 保険料の減額を検討
  • 保険を払い済みにするよう検討
  • 自動振替貸付制度を利用

契約者貸付制度を利用して一時的にお金を借りる

学資保険の解約を避ける方法として、契約者貸付制度があります。

契約者貸付制度とは、学資保険の解約返戻金を担保に保険会社からお金を貸りる制度です。

借りられる金額は、現在の解約返戻金の70%~90%となっています。

銀行のローンやその他のカードローンを新たに契約するよりも、スムーズにお金を借りることができるので、一時的にお金が必要な場合は、効果的な方法です。


クレジットカードのローンやキャッシングと比較すると、金利の面でも優れており、安く借り入れできるようになっています。


契約者貸付制度を利用した場合、金利は以下のようになります。

  • B生命:年利1.50%
  • C生命:年利3.00%
  • D生命(ニッセイ):年利3.75%

カードローンを利用した場合、銀行では金利が15%程度、消費者金融では金利が18%程度ですから、契約者貸付制度を利用すれば、安く借り入れができることがかわかるでしょう。


ただし、契約者貸付制度は保険会社からの借り入れすることになりますので、金利を含め返済しなければならない点には注意が必要です。


契約者貸付制度を利用した場合、利子は複利で計算されていくことも覚えておかなければなりません。


借り入れ金が複利で計算されていきますから、元本に利子がついた状態で返済しないでいると、次には前回の元本と利息を足した金額が元本となり、その元本にまた利子が付きます。


学資保険を担保に借り入れをしているわけなので、返済が遅くなると満期返戻金もしくは祝い金から返済しなかった分が差し引かれてしまいます。


また、借入金が多くなりすぎると、学資保険自体が失効になる場合もあります。


解約を避ける手段として、契約者貸付制度は有効ですが、短期間の借り入れを目的とするなど、返済の目処が付く程度の借り入れに留めておく方がよいでしょう。

学資保険の一部解約(減額)をする

学資保険の解約を避ける方法として、学資保険を一部解約(減額)する方法もあります。

学資保険の一部を解約して、月々の保険料を減額し保険料を抑える方法です。

例えば、月々の保険料が20,000円だとすると、その保険料を15,000円に減額するのです。

この場合、差額の月額5,000円分は一部解約したことになりますから、その分の解約返戻金を受けることもできます。


一部解約したことで満期返戻金が減額になるものの、一時的に差額分の解約返戻金を受け取ることができる点、月々の保険料の負担も減る点を考えれば、一部解約(減額)のメリットは大きいと言えるでしょう。


このようにメリットが大きいため、学資保険の解約を検討するなら、全部解約してしまうより、一部解約(減額)をするのが一般的な方法です。


ただし、月額が10,000円を下回る保険金額に減額する場合は、保険会社によっては受け入れてもらえず、全部解約になることもあるので注意が必要です。


また、一旦減額してしまった保険料は、再度増額して元の保険料に戻すことができない点にも気をつけなければなりません。


学資保険の解約を避ける方法として、学資保険の一部解約(減額)は有効ですが、このような注意点に気をつけて手続きしていきましょう。

学資保険を払い済み保険に移行する

学資保険の解約を避ける方法としてもう一つ挙げられるのは、学資保険を払い済み保険にすることです。

払い済み保険とは、今後の保険料を支払いをやめ、将来受け取る満期返戻金を減らす手続きのことです。

今まで支払った払込保険料を計算して、払い済み保険の形に契約を変更します。


当初契約した満期返戻金よりも金額は少なくなってしまいますが、満期前に学資保険を全部解約して解約返戻金を受け取るよりも、金額が上がる可能性があります。


手続き後の保険料の払いこみがなくなる点、保険を解約するわけではないので保障が継続する点が、メリットとして挙げられます。


学資保険を途中で解約する場合と払い済み保険にする場合で、どちらがおトクになるか計算してみましょう。


保険料月20,000円、返戻率105.0%、払込期間18年の学資保険、10年目で途中解約を検討する場合をみてみましょう。


18年の満期で支払い完了、満期払戻金を受け取る場合

  • 払込保険金総額:20,000円/月×12ヶ月×18年=432万円
  • 満期時の返戻率:105.0%
  • 満期払戻金総額:432万円×105.0%=453.6万円
  • おトクになる金額:21.6万円

10年目で解約して、解約返戻金を受け取る場合

  • 払込保険金総額:20,000円/月×12ヶ月×10年=240万円
  • 10年目の解約返戻率:98.0%
  • 解約返戻金総額:240万円×98.0%=235.2万円
  • 損をする金額:▲4.8万円

10年目で払い済み保険にし、18年目に満期払戻金を受け取る場合

  • 払込保険金総額:20,000円/月×12ヶ月×10年=240万円
  • 満期時の返戻率:105.0%
  • 満期払戻金総額:240万円×105.0%=252万円
  • おトクになる金額:12万円

10年目で途中解約したら、4.8万円損するのに対し、払い済み保険にして満期時まで待つと、12万円の利益を得ることがわかりました。


保険金を受け取るタイミングが異なるので、単純に金額を比較することしかできませんが、満期前に解約するより、払い済み保険にして満期を待つ方が、多くの返戻金を受け取ることができるでしょう。


しかし、払い済み保険にできる条件は保険によって違う点一旦手続きをしてしまうと元の契約に戻すことが難しい点、に注意が必要です。

アフラックの保険では、所定の保険料の限度を下回る場合は払い済み保険にできない、一度払い済み保険にすると元の契約に戻すことはできない、とされています。

明治安田生命でも、限度額に満たない場合は払い済み保険への以降ができないと、明記されています。

払い済み保険に移行できれば、保険料の支払いもなく保障も続きメリットが大きいですが、保険により条件が違いますので、保険会社に確認してみるとよいでしょう。

一時的な収入の変化なら、自動振替貸付制度を利用する

解約を避ける方法として、自動振替貸付制度を利用するのもよいでしょう。


自動振替貸付制度は、保険料の支払いが滞ると、解約返戻金から自動的に保険料が振り替えられる制度です。


解約返戻金が十分に貯まっていない場合や、契約時に自動振替貸付制度を拒否する記載をしている場合を除いて、学資保険の保険料は返戻金から自動的に振り替えられます。


便利な制度ですが、契約者貸付制度と同じように、利子がつき複利で計算されていく点に注意が必要です。


また、借り入れ金額が解約返戻金を超えた場合には、学資保険自体が失効することになります。


自動振替貸付制度は、一時的に収入が足りない時など、計画的に利用するようにすれば、解約を避ける有効な方法になるでしょう。

学資保険の解約理由とそれぞれの場合の注意点

学資保険を解約する人の割合(解約率)は、平成29年度で4.6%、平成29年度で4.0%となっており、学資保険を解約する人の数(解約率)は年々減ってきています。


解約する人の数が減ってきているとは言え、中にはやむをない理由で解約せざるを得ないケースもあります。


解約せざるを得ないケースについて、下記のようにみていきましょう。

  1. 離婚の場合
  2. 自己破産や税金の滞納の場合

学資保険の解約理由①離婚

学資保険を解約せざるを得ない理由として離婚のケースが挙げられます。


離婚時には、財産分与といって夫婦の財産を2分の1に分割する必要があります。


子どものために積み立てた学資保険も、夫婦の財産とみなされるため、離婚する際には財産分与の対象となりますが、学資保険はすぐに分割することができません。


分割の方法として、解約して解約払戻金を分割する方法と、学資保険をそのまま継続する方法の二つがあります。


前者を選んだ場合、途中解約となってしまうため金銭的に損をするものの、解約すれば解約払戻金をきれいに分割することができます。


後者を選んだ場合、学資保険を満期まで継続すれば損をすることはありませんが、満期時になって返戻金を巡ってトラブルになるケースが多々あります。


後者の解約して解約払戻金を分割する方法が、離婚時の財産分与を円滑に進める方法と言えるでしょう。


離婚で解約の手続きを進めるには、以下のことに気をつけて手続きをしましょう。


➀解約の手続きは契約者が行う必要性がある

学資保険の解約の手続きは、契約者が行う必要があります。


収入が多いといった理由で夫が契約者になっていることが多いですが、その場合は手続きを夫にお願いしなければなりません。


離婚をするケースでは、夫婦が疎遠になっていることも考えられますが、連絡をとって手続きしてもらうことが必要となります。


②解約後の財産分与の仕方

財産分与は結婚期間のなかで築いた全財産について2分の1にするのが原則です。


ですから、学資保険の解約返戻金についても、夫婦で2分の1に分割するのが一般的です。


子どもの教育資金として貯めてきた学資保険でも、養育者が解約返戻金の全額を受け取ることはできません。財産分与で分割対象となる点に注意が必要です。


夫婦が離婚を考えるケースでは、学資保険の解約はやむを得ないこともありますが、以上のことに気をつけて、解約の手続きをしましょう。

学資保険の解約理由②自己破産や税金の滞納

また、学資保険の解約せざるを得ない理由として、自己破産や税金を滞納したケースが挙げられます。


自己破産をした場合、20万円を超えた解約返戻金については、個人資産の一部みなされ解約させられてしまうこともあります。


学資保険の解約返戻金は20万円以上になることが多いので、解約の対象となる点に注意が必要です。


市民税や国民健康保険料などの税金を滞納したケースでも、続けて滞納すると解約させられることもあります。


税金を滞納すると、督促通知などが役所から送られてきますが、その督促通知を放置すると、役所は差し押さえの手続きを進めることになります。


差し押さえになれば、学資保険の契約者の権利が役所に移ることになり、学資保険は解約になり、その解約返戻金が滞納していた税金の支払いに当てられることになります。


税金の支払いが難しい場合は、役所に出向き支払いの意思を見せれば、支払い期限を伸ばす等、役所が対応してくれるので、放置せず役所に相談することが大事です。


このように対処すれば、税金の滞納から学資保険を解約することは、避けることができるでしょう。

まとめ:学資保険は解約前に解約返戻金などを計算しておこう

学資保険の途中解約についてみてきましたが、いかがでしたか。

保険料の支払いが難しい、他の保険に乗り換えを考えているなど、解約したいと考える理由は様々です。

しかし、学資保険のメリットは返戻率の高さにあり、満期前に途中解約したらそのメリットは薄れてしまいます。


途中解約をしてしまうと元本割れをするリスクがあるので、できることなら解約を回避する、解約するならいくら戻るのか計算して、少しでも損が少なくなるようにすることが大切です。


学資保険は途中解約するときの注意点、解約前に検討することをまとめてみましょう。

  • 契約から2年〜5年程度の解約は、大幅な元本割れとなるので避ける
  • 学資保険の乗り換えは、年齢制限等で難しいケースが多いのでよく考えてから
  • 解約返戻金には税金が課せられるので、契約者と受取人を同じ人にして節税
  • 解約を考える前に、契約者貸付制度を検討する
  • 解約を考える前に、保険料の減額を検討する
  • 解約を考える前に、払い済み保険に移行するよう検討する
  • 解約を考える前に、自動振替貸付制度を利用する

保険の解約率は年々下がってきているものの、離婚のケースや、自己破産や税金を滞納してしまったケースなど、解約を避けられないケースもあります。


そのような場合は、解約の手続きを進めることになりますが、解約方法は電話で問い合わせることが一般的です。


電話以外にも担当者に連絡したり、窓口を利用したり、インターネットでも受け付けている保険会社もありますので、ホームページで確認してみましょう。


解約の必要書類についても保険会社によって違うので、問い合わせの時に確認が必要です。


解約払戻金がいつ返金されるのかも、保険会社によって違いがありますが、振込日数は1週間程度を目安としておくとよいでしょう。


学資保険は子どもの教育資金ですから、できれば解約しないで残してあげたいものですね。

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