児童手当と児童扶養手当は両方もらえる!所得制限や支給月も解説

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児童手当と児童扶養手当は条件を満たせば同時に受給できます。児童扶養手当は所得制限の面で児童手当と異なる点が重要です。更に児童扶養手当法改正で支給月が変更されました。この記事では児童扶養手当の受給対象・児童扶養手当を満額もらうには・支給日や受給方法を解説します。

児童手当と児童扶養手当は両方もらえる?その違いは?

児童手当と児童扶養手当、どちらも子供の成長に役立てるための手当ではありますが、その違いについて知っている人は少ないのではないでしょうか。


対象年齢は異なるのか、支給される金額はどれくらいなのか、そもそも両方もらえるのかなどたくさんの疑問がありますよね。


児童手当は家庭の生活を安定するため、また健やかな成長を役立てるための手当です。児童扶養手当は、母子家庭が受けられる手当のうちの1つです。


このように、名前は似ていても全く異なる手当だということがわかりますね。


今回、この記事では2つの手当について、

  • 児童扶養手当と児童手当の制度とは?
  • 児童扶養手当を満額もらうには?
  • 児童扶養手当の他に受給できるものとは?
以上のことを解説します。

この記事を読めば、児童手当と児童扶養手当の制度の違いについて、深い知識を身につけられるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

児童扶養手当と児童手当は違う制度で両方もらえる

まず、児童扶養手当と児童手当とは、どのような制度なのかを知っておきましょう。


児童扶養手当

  • 児童扶養手当法に基づく制度であり、母子家庭が受けられる手当
  • 高校3年生を卒業するまでの子供が対象(障害がある場合は20歳未満まで)
  • 離婚によるひとり親世帯などが対象
(参考:厚生労働省より)

児童手当
  • 児童手当法に基づく制度であり、児童の健やかな成長に役立てるための手当
  • 中学3年生を卒業までの日本国内に住所がある子供が対象
  • 対象となる子供がおり、生計要件を満たす世帯などが対象
児童手当は対象となる子供を養育していれば、ふたり親世帯でも受給できます。

児童扶養手当はひとり親世帯などが対象となるため、ふたり親世帯は対象外となります。

このように、一見すると似ている名前の制度なので同じなのかと勘違いしがちですが、内容は全く異なる制度であることを理解しておきましょう。

次の見出しからは、児童扶養手当について詳しく解説していきます。受給対象や手続き方法などをしっかりと見ていきましょう。

児童扶養手当の受給対象

児童扶養手当の受給対象者には、

  • 両親が離婚し、ひとり親世帯の子供
  • 父母どちらかが死亡した子供(生死が明らかでない場合も含む)
  • 父母どちらかが重度の障害である子供
  • 母が未婚である子供
これらの子供を養育・養護している人が当てはまります。

これ以外にも受給対象となるケースはありますが、簡単に言えば何らかの理由でひとり親である、またはふたり親でも障害などの条件がある場合の子供を養育している人が対象となります。

なお、公的年金等が受けられる場合は対象外になる可能性があるため、受給できるかどうか一度確認が必要です。

児童扶養手当の受給手続きは?児童手当の手続きと異なる?

児童扶養手当の手続きは、直接申請者と面談するため代理人による手続きはできません


手続きに必要なものは、

  • 申請者・子供の戸籍謄本
  • 所得証明書
  • 年金手帳
  • 公的年金など受給状況がわかるもの
  • 印鑑・口座(振込手続きに必要なもの)
  • 本人確認書類・マイナンバー
これらのものになります。


児童扶養手当は児童手当と同様に、毎年現状届を提出しなくてはいけません。提出月が児童扶養手当は毎年8月、児童手当が毎年6月とずれるため注意が必要です。


手続きに大きな違いはありませんが、事前に揃えておかなくてはいけない書類を確認して漏れが無いようにしましょう。


児童手当も児童扶養手当も、現状届を提出し忘れると後々の手続きが面倒となるため気を付けてください。

児童扶養手当の支給日はいつから?児童扶養手当法改正で支給月変更

児童扶養手当の支給日は年に3回あります。


児童扶養手当法が改正され、支給月が変更となりました。

  • 12~3月分…4月に支給
  • 4~7月分…8月に支給
  • 8~11月分…12月に支給
4か月分なのでまとまった金額が支給されますが、毎月ではないため注意が必要です。

なお、児童扶養手当にはまとめ払いもあります。

まとめ払いは家計管理上好ましくないとされていますが、この場合は2ヶ月分ずつ6回支給、奇数月の支給となります。

公務員でも条件を満たせば児童扶養手当を受給できる

公務員は法律で扶養手当に関するルールが定められています。


ですが、以下の条件を満たせば児童扶養手当を受給することができます。

  • 配偶者(内縁関係を含む)
  • 満60歳以上の父母、祖父母
  • 重度心身障がい者
  • 満22歳になった後、最初の3月31日までの間にある子供や孫・弟・妹
国家公務員の場合は、児童扶養手当の支給額が以下のようになります。
  • 配偶者…月額13,000円
  • その他の場合…月額6,500円
地方公務員の場合は自治体により細かいルールがありますが、おおむね同じ条件であることが多いようです。

公務員の場合、ルールが細かくあるため場合によっては支給対象外になる恐れもあります。事前によくチェックしておくことが大切です。

【特別児童扶養手当】児童扶養手当や児童手当との併用は可能?

特別児童扶養手当は、児童扶養手当や児童手当と名前が似ていますが、併用できるのかわからない人も多いと思います。


身体や精神に中経度以上の障害をもっている子供を養育している場合、特別児童扶養手当が支給されます。


対象となる人は、

  • 20歳未満であること
  • 身体や精神に中経度以上の障害をもっている
以上の条件を持つ子供を養育・養護している人になります。

障害の種類によって証明書類(診断書)などが必要となる場合があります。なお、支給額は以下になります。(平成31年4月より適用)
  • 1級…52,200円
  • 2級…34,770円
また、あまり知られてはいませんが、特別児童扶養手当は児童扶養手当や児童手当との併用ができます

障害を持つ子供がいるご家庭は、必ず特別児童扶養手当の申請をしましょう。

児童手当や児童扶養手当と名前が似ているので混乱する人が多くいますが、わからない場合は必ずお住まいの自治体に確認することを忘れないでください。

児童扶養手当を満額もらうには?条件を解説


児童扶養手当の全部(満額)支給は、以下の表をご確認ください。

子供の人数満額支給の金額(月額)
1人42,910円
2人53,050円
(10,040円加算)
3人59,130円
(6,080円加算)

子供が3人以上いる場合は、6,080円ずつ加算されていきます


児童扶養手当は、前年度の所得などに応じて「全部(満額)支給」と「一部支給」があります。


全部(満額)支給となる所得制限限度額は、

  • 子供が1人の場合、年収160万円(収入)
  • 8~12月分の申請は前年の所得
  • 1~7月分の申請は前々年の所得
対象となる所得が月によって前年か前々年で変わるため、申請時に間違えないようにしましょう。

児童扶養手当の所得制限を解説!児童手当の場合とは異なる

児童手当とは違い、児童扶養手当の金額は子供を養育・養護している人の所得で計算します。


確定申告をご自身でしている場合は確定申告書の所得の金額となり、サラリーマンやパートであれば給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額になります。


所得の金額から、

  • 養育費をもらっていれば、養育費×80%を加算
  • 医療費控除や配偶者特別控除などの控除の合計額を減算
上記から金額を算出したら、定額控除の8万円を減算した金額から児童扶養手当が決められます。


所得制限の計算で最も重要となるのが養育費です。


養育費は自己申告になるため、中にはもらっていないと言って算出する人もいるようです。しかし、養育費は申告しないと不正受給となり、発覚すれば児童扶養手当の返還を求められるため注意が必要です。


嘘はつかないで、正しい申告を心掛けましょう。

手続きをすれば扶養手当の他に受給できるものもある


子供を育てるための制度は、児童扶養手当以外にもいくつかあるのを知っていますか。


ひとり親世帯の場合、ふたり親世帯よりも収入が少ないため受給できる制度が他にもあれば知っておきたいですよね。


ここでは、

  • 児童育成手当
  • 公的年金(障害年金等)
以上の2つの制度について詳しく解説します。

児童扶養手当と名前が似ている児童育成手当とはどんな制度なのか、ちゃんと理解しておきましょう。

児童扶養手当と児童育成手当児童育成手当は併用できる

名前が似ているので同じ制度だと思われがちですが、児童育成手当とは東京都が行っている独自の支援制度のこと。


つまり、東京都以外で暮らしている家族は対象外になります。


児童育成手当は、自治体により多少金額が異なる場合がありますが、児童1人あたり13,500円が受給できます。


所得制限はありますが、限度額が児童扶養手当よりも高いため収入が多い人でももらえる可能性があります。


なお、児童扶養手当と児童育成手当は併用できますので、東京都に住んでいる人は各自治体をチェックしてみてください。

児童扶養手当と公的年金(障害年金等)は両方もらえる場合もある

児童扶養手当と公的年金等は、両方受給できますがその場合は手続きが必要となります。


公的年金等とは、主に以下のものが当てはまります。

  • 遺族年金
  • 障害年金
  • 老齢年金
  • 労災年金
  • 遺族補償など
ただし、これらの金額が児童扶養手当よりも低い場合は差額分が支給されるのです。

公的年金が支給されるからといって、すぐに諦めると損してしまう可能性があります。

そのため、児童扶養手当がもらえる条件を満たしており、公的年金等を受給している場合は一度必ず市区町村へ問い合わせをしてみてください。
(参考:厚生労働省より)

まとめ:児童手当と児童扶養手当は両方もらえる!

児童手当と児童扶養手当の違いについて、児童扶養手当の受給方法などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 児童手当と児童扶養手当は内容が全く異なる制度である
  • 公務員でも条件を満たせば児童扶養手当を受給できる
  • 特別児童扶養手当は中経度以上の障害をもっている子供を養育している場合に支給される制度であり、児童扶養手当や児童手当との併用が可能
  • 児童扶養手当には全部支給・一部支給があり支給額は所得により変わってくる
  • 東京都は児童育成手当という独自の支援制度がある
  • 児童扶養手当と公的年金等は、両方受給できるが手続きが必要となる
以上となります。

名前が似ているので間違えやすいですが、児童手当と児童扶養手当は全く別の制度です。特別児童扶養手当は中経度以上の障害を持つ子供がいる世帯に支給されますので、必ず手続きをしましょう。

また一般的に公的年金等が支給されている場合、児童扶養手当は対象外となりますが、支給額が少ない場合は差額がもらえます。

手続きをすれば両方お金を受け取れますので、必ず確認をしてください。

児童扶養手当は、子供を育てるための大切な制度です。知らないと損する可能性がありますので、きちんと知識を身につけて必要な手続きはしっかりと行いましょう。

ほけんROOMでは、この記事以外にもお金に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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