学資保険が差し押さえ?差押解除方法・支払督促状の対策・判例を解説

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学資保険は差し押さえされるケースがあるのです。しかしいきなり明日から学資保険の解約返戻金で借金などの未払い分に対応させるといったことはなく、段階を経て差し押さえとなります。この記事では、学資保険の差し押さえに関する対策判例・禁止事項・差押解除方法を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

学資保険の差し押さえの指示?支払督促状が来た場合はどうすればいい?

税金や保険料の支払いをしていなかった場合は、支払督促状が送られてきます。

しかし、「送られてきたはいいけど何をすればいいのかわからない」「このまま放置するとどうなるの?」といったことを気にする方もいると思います。

結論からいうと、支払督促状を無視するとあなたが保有している資産(土地・自動車・貴金属・貯蓄性のある学資保険などを含む)をお金に換えるために差し押さえられる場合があります。

そこでこの記事では
  • 学資保険の差し押さえに至るまでの流れ
  • 支払督促状が来た場合、実際何をすべきか
  • 学資保険が差し押さえられた場合の対処方法
について解説します。

この記事を最後まで読んでいただければ、支払督促状が来た場合にどのように対処するべきかを把握することができます。

最後までしっかりとお読みください。

学資保険の差し押さえは急に起こらない!差し押さえまでの段階を確認


学資保険の差し押さえは、ある日突然に起こるものではありません。  


学資保険などの金融商品の差し押さえは、借金の返済や税金などの滞納などの当たり前の対処をきちんとしていないことが原因でに起こるものなのです。


しかし、差し押さえは回避できるものでもあります


差し押さえが起きるまでの流れをしっかり理解して、差し押さえをされないためにすべき対策をしっかり確認していきましょう。

学資保険の差し押さえが起きるまでの流れ【私的・公的】

学資保険などの換金性のあるものの差し押さえが起きるまでの流れは、以下の2つのパターンに分かれます。


個人的な借金の返済が滞っている場合

※債務者…借金をしている人 債権者…お金を貸している人
  1. 債権者が裁判所を通じて支払督促状を送付
  2. ➡債務者、支払いもは2週間以内の異議申立てもなし)
  3. 債権者が裁判所を通じて仮執行宣言付支払督促申立書を送付
  4. 強制執行(差し押さえ)が可能

公的な費用を滞納している場合

※債務者…借金をしている人 債権者…役所(国または地方公共団体)
  1. 債権者からの督促状送付
  2. ➡債務者、支払いなし
  3. 債権者からの催告書(督促状より厳しい通知)送付
  4. ➡債務者、支払いなし
  5. 債権者による債務者の財産調査
  6. 債権者からの最終催告書または差押予告書送付 
  7. 差し押さえ執行
納付義務がある公的な費用が滞納されている場合は、裁判所を通すことなく役所が差し押さえを行うことができます。

どういった場合に学資保険が差し押さえになるのか

ローンやクレジットの未払いや、税金・国民健康保険料・国民年金などの納付の義務を怠ると滞納となります。さらに一定期間滞納が続くと、調査や徴収の手続が始まります。

度々送られてくる督促の通知や催告書さえも無視し、電話や訪問にも応じないような状況が続くと、いよいよ債権者は差し押さえに向けて動き始めます。

財産調査によって明らかにすることができるのは、以下のような情報です。
  • 給料
  • 不動産
  • 自動車の有無
  • 銀行口座(取引の詳細含む)
  • 生命保険(解約返戻金など) 
  • 売掛債権

ちなみにこの調査は、国税庁作法141条によって権限を認められていますので、個人情報保護法に抵触しません。

国税庁:第141条関係 質問及び検査


学資保険が差し押さえられるのは、以下のような場合です。

  • 学資保険以外に差し押さえられる財産がない
  • 学資保険以外にすぐに現金化できる資産(預貯金、貴金属など)がない

本来優先して払わなければいけない税金を滞納して、貯蓄である学資保険の保険料を払っていることから財産とみなされます。


解約返戻金などによって現金化しやすい学資保険は、差し押さえの対象になってしまうのです。

支払督促状が来た場合にすることは2つだけ!絶対に忘れずに!


支払督促状は、簡易裁判所から「特別送達」で送付されます。原則として郵便職員から受送達者(名宛人)に直接手渡され、受け取り拒否はできません。


学資保険などの差し押さえを回避するためには、支払督促状が届いたらすぐに書類の内容を確認しましょう。しっかり確認し理解したうえですべきことは次の2つです。

  • 請求されている金額を一括で、期限までに入金する
  • 異議申し立てをする

入金も何もしないまま放置していると、請求内容を認めたことになりますので、差し押さえへと手続きが進められていきます。


子ども達の将来のための「大切な学資保険を差し押さえされる」なんてことにならないためにも、もし支払督促状が届いたら、即行動を起こすことが必要なのです。

未払い分を支払う

支払督促状の内容に異議がない場合、すなわち自分の滞納状況やこれまでの返済分に間違いがないという時は、未払い分を書類に記載されている期限までに入金しなければなりません。


少なくともまだ支払い督促状の段階では、未払い分を支払えば問題は解決し、差し押さえなどということにはなりません。


ただし自分勝手に一部だけ入金するというのは対策のうちには入りません。支払督促状の内容に沿った解決方法を選択しましょう。


支払督促状での請求は、借金一括返済となっています。もし「借金を一括では支払えないけれど、分割ならば弁済できる」というのであれば、意義申立が必要になります。  

異議申し立てをする

支払督促状内容に納得がいかない場合は、同封されている異議申立書に必要事項を記入して送付元の簡易裁判所に郵送、もしくは直接持って行きましょう。  


支払督促は、債権者の申立てによって『支払督促』という命令を債務者に出し、支払いを促す手続きです。この時点では申立て内容についての詳細な審査は、基本的にはありません。

  • そもそも支払う必要がない
  • 実際の契約と異なっている
  • 請求された金額に対して納得ができない

上記のような場合は、たとえ「借金が未払いだ」と言われても、異議申し立てをして民事訴訟で争うことができるのです。

無視して放置することだけは絶対に禁止

支払督促状が届いてからの猶予はわずか2週間です。後回しは絶対禁止です。


あっという間に2週間が経ってしまい、支払督促状の内容を認めたことになってしまうのです。支払督促状を無視する、放置するという行為は、大きな代償となって債務者に返ってくることになります。


また近年、支払督促の手続を悪用した架空請求の事例が報告されています。架空請求であっても、それが正しい手続き経た支払督促であれば、その効力に変わりはありません。内容だけでなく、裁判所からの特別送達であったかどうかも併せて確認が必要なのです。

学資保険を差し押さえられた場合の対処はまずは役所で相談すべき


借金などをしていたことにより学資保険が差し押さえられると、解約の権利と解約金・配当金は債権者に移ります。実際に解約されてしまった場合、解約金などが滞納金に充当されることになります。


解約されたことは保険会社からの解約通知書で知ることになり、解約払戻金の充当状況や残額については、債権者からの通知で知ることになるのです。


これまでの度重なる手続きや、猶予期間を経たうえで差し押さえとなります。支払督促状、催告書などを受けとった段階できちんとした対策をしていれば、差し押さえに至ることはほぼありません。 

 

しかしながら、学資保険が差し押さえられたことを知ったらなるべく早く、該当する管轄の役所に相談に行きましょう。

  • 滞納している金額を支払いたいけど支払えない
  • 一括支払いではなく分割にしてほしい
  • 学資保険だけは解約したくない

など、現状を説明したうえで今後の対応策を検討することが必要となります。


場合によっては、何らかの不測の事態が起きて一切の対応ができなかった…ということもありえる話ではあります。

支払う意思があることを伝えることが重要であり、何もせずに無視し続けると学資保険はそのまま解約されてしまうのです。

学資保険の差し押さえを解除する方法もある

将来の子どものためにも学資保険の差し押さえは回避したいという親心。学資保険の差し押さえを解除できる方法はいくつかあります。また違法執行や執行異議の場合には、それぞれに異議を訴えることが可能です。

公的な費用の滞納の場合
税金、国民健康保険料、国民年金などを滞納している場合、債権者である国や地方公共団体しか解除をすることができません。

一縷の望みをかけて、経済状況をしっかりと説明し、誠意をもって長期かつ少額の分割弁済の相談をするしか道はないでしょう。

個人的な借金の返済の場合
ローンやクレジットの未払いによる差し押さえの場合、いくつかの方法がありますが、
債権者の合意が必要なためにハードルが高かったり、債務者自身が社会的なリスクを負う可能性があるものも少なくありません。

最もベストな解決方法としては、滞納分を全額支払うことになります。

今後のお金のやりくりに不安がある方はお金のプロに相談するべき

長い人生において、想定外の困った出来事は誰にでも起こりうることです。思いもよらない大きなトラブルが原因で、身動きが取れないような状況に陥ってしまって、支払いができなくなることもあるでしょう。


しかしながら、自分から連絡したり申告したりしない限り、債権者側には何も伝わらないのが現実です。ましてや差し押さえなどの不測の事態が起きてからでは、できる対策が限られてしまいます。


借金のトラブル、または将来のお金のことなどに不安を感じた時には、一度相談窓口を訪ねて相談してみましょう。


ほけんROOMではお金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)の方が無料相談を行っています。何度でも相談が無料でご利用した方には非常に好評をいただいております。


赤いボタンから相談申し込みが可能です。ご自宅やお近くのカフェなどで相談することができますので、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ:学資保険の差し押さえの手順を把握し、対処することが大切

学資保険の差し押さえの流れ、そして支払督促状が来た場合の対処方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

今回の記事のポイントは、 

  • 支払督促状が来たら、すぐに内容を確認し対策を検討する
  • 学資保険の差し押さえの解除には、弁済金の全額支払いが必要
  • 支払いや借金の返済で困ったときは、早い段階で地域の相談窓口で相談する

ということでした。 


差し押さえによって自分の財産に対して持っていた権利はなくなり、自由に処分することを禁止されてしまいます。


学資保険を差し押さえされてしまったら、滞納分を全額支払わない限り差し押さえは解除されません。保険金を払い続けていたとしても、子どものための教育資金は受け取れないことになってしまうのです。


多重債務に陥るきっかけは、意外にも身近なところにあったります。差し押さえという最悪の状況にならないためにも、まずは借金地獄に落ちないような適切なお金の使い方・管理を心がけるようにしましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。 

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