更新日:2024/04/23
学資保険の一括払いは返戻率が高い?メリット・デメリットを比較!
学資保険の保険料を一括払いをする方が月払いや年払いと比較して返戻率が高いのをご存じでしょうか。今回、学資保険の保険料を一括払いするメリット・デメリットや、年払いや全期前納との返戻率比較、一括払いで返戻率が高くなる人気学資保険のおすすめランキングを紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 返戻率が高い?学資保険の一括払いのメリットとデメリットを比較
- 返戻率の高い一括払いには一時払いや全期前納払いの二つがある
- 一時払いについて
- 全期前納の支払い方法について
- 学資保険の一時払いの前期全納と比較したときのメリット・デメリット
- 学資保険を一括払いするメリットを解説
- 払込保険料の総額が安くなる
- 返戻率が高くなる
- 学資保険を一括払いすると返戻率はどれくらい高いかシミュレーション
- 保険料支払い月々払いの場合と一括払いの場合の保険料の差
- 保険料支払い月々払いの場合と一括払いの場合の返戻率の差
- 学資保険を一括払いするデメリット
- 学資保険の一括払いには一度にまとまったお金が必要
- インフレが起きても一括払いをすると保障内容の変更ができない
- 学資保険の一括払いがおすすめな人とおすすめできない人
- 学資保険の一括払いがおすすめな人
- 学資保険の一括払いをおすすめできない人
- 一括払いで返戻率があがる人気おすすめ学資保険ランキング
- 明治安田生命「つみたて学資」
- かんぽ生命(ゆうちょ)「はじめのかんぽ」
- 学資保険以外で教育資金の運用方法を紹介
- 学資保険に代わる運用方法①:外貨建て保険
- 学資保険に代わる運用方法②:投資信託
- まとめ:学資保険の一括払いはお得だがデメリットも
目次
返戻率が高い?学資保険の一括払いのメリットとデメリットを比較
子どもが生まれ早く加入すればするほど返戻率が上がり、また、一括で支払いをすると返戻率がさらに上がり、満期で戻ってくるお金の割合が多くなります。
一括払いことを検索している方には「一括払いするとどのくらいお得なの?」「お得な裏にはなにかデメリットがあるんじゃないの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこでこの記事では生命保険文化センター「保険料の払込方法」をもとに
- 一括払いとは
- 学資保険を一括払いにするとどのくらいお得なのか
- 一括払いのメリットとデメリットも紹介
- 一括払いがおすすめな人とおすすめでない人
- 一括払いで返戻率が上がる学資保険ランキング
- お金に余裕がある方におすすめな学資保険以外の教育資金の貯め方
を紹介します。
この記事を読んでいただければ今ある疑問をすべて解消することができると思います。
ぜひ最後までお読みください。
返戻率の高い一括払いには一時払いや全期前納払いの二つがある
一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の二種類の方法があります。
いずれも契約時に一括で支払うという点に関しては同じですが、その後の運用方法に違いが出てきます。
特に全期前納払いに関しては少し仕組みが複雑であるためきちんと理解できている方は非常に少ないことと思われます。
一括払いは一度に多額の保険料が必要です。一時払いと全期前納払いに関してそれぞれ違いを理解してお得な払込方法が選択できるようにしましょう。
一時払いについて
まず一時払いについてご説明いたします。
一時払いの仕組みは非常に単純で、契約時に、全保険期間の保険料を一度で支払い終えるという払込方法です。
全期前納払いと大きく違うところは一括で支払ったお金がその契約時点でまるまる保険料に充当され全額運用に回すことができるという部分です。
全期前納の支払い方法について
学資保険の一時払いの前期全納と比較したときのメリット・デメリット
一時払いと全期前納払いのメリットデメリットについてまとめたいと思います。
一時払い
一時払いのメリット
- 全期前納に比べても保険料の支払総額が安い。
- 保険料全額が契約当初より運用対象になるため、全期前納より効率よく返戻率を増やせる。
一時払いのデメリット
- 保険期間中に死亡や解約があった場合、支払った保険料が返還されない。
- 契約時の1度しか生命保険料控除の適用にならない。
- 払込免除特約を付加することができない。
全期前納払い
全期前納払いのメリット
- 保険期間中に死亡や解約があった場合、まだ保険料として充当されていない部分は返還される。
- 毎年生命保険控除の適用を受けられる。
- 払込免除特約を付加することができる。
全期前納払いのデメリット
- 一時払いと比べると保険料の支払総額が高くなる。
- 一時払いと比べると返戻率が安くなる。
自分の考えに合わせて選択する
このように安い保険料で高い返戻率を希望する場合は一時払い、一方解約やもしもの事があった時のリスクを抑えたい場合は全期前納払いをオススメします。
- 払込免除特約とは…契約者が死亡した際にその後の保険料を支払わなくても、予定通り満期金を受取ることができる特約。全期前納払いの場合は保険料に充当されていない部分の資金は返還される。
学資保険を一括払いするメリットを解説
学資保険を一括払いするメリットは大きく分けて2つあります。
それは
- 払込保険料の総額が安くなる
- 返戻率が高くなる
払込保険料の総額が安くなる
一括払いの最大のメリットは、払込保険料の総額が安くなるということです。
学資保険には、年払いや月々払いなど、様々な払込方法があります。しかし、払込期間が長くなればなるだけ、保険料も高くなるのです。
そのため月々払いにした時と、一括支払いにした時の払込額の差が大きく開いてくるのです。
この保険料の総額の差額については、後程シミュレーションを交えて詳しく解説していきますので、参考にしてください。
返戻率が高くなる
一括払いのもう一つのメリットとして、返戻率が高くなるということです。
返戻率が高ければ高いほど、満期時に受け取れる総額が高くなるもので、払込期間が長ければ返戻率が低くなり、短ければ返戻率が上がります。
そのため、払込期間によっては補償内容が同じであっても、月々払いよりも一括払いの方が返戻率が高くなり、満期時に受け取れる金額が多くなるのです。
この返戻率の差についても、後程シミュレーションを交えて詳しく解説していきますので、参考にしてください。
学資保険を一括払いすると返戻率はどれくらい高いかシミュレーション
具体的な金額を見ていきましょう。
例えば下記の条件の場合
- 支払った保険料総額90万
- 満期時に受取る返戻金100万
計算式としては
- (満期返戻金100万円)÷(支払い保険料総額90万円)×100 =111%
この場合返戻率は111%となります。
この返戻率が高ければ高いほどお得に貯蓄ができるという訳です。
それでは、具体的に実際に存在する学資保険を例に保険料の差・返戻率の差を見ていきましょう。
保険料支払い月々払いの場合と一括払いの場合の保険料の差
- 契約者:25歳父親
- 被契約者:0歳子ども
- 満期:21歳
- 受取総額:300万円
を条件として月々払いと、一括払いの保険料の差を見ていきます。
保険料払込期間 | 月々の保険料 | 保険料支払い総額 |
---|---|---|
10歳 | 23,623円 | 2,834,760円 |
15歳 | 15,970円 | 2,874,600円 |
一括払い | 0円(一括払いのため) | 2,749,776円 |
- 10歳時に保険料払込満了と比較すると保険料の差は84,984円
- 15歳時に保険料払込満了と比較すると保険料の差は124,824円
となり、大きく差が開いていることが分かります。
保険料支払い月々払いの場合と一括払いの場合の返戻率の差
保険料払込期間 | 返戻率 |
---|---|
10歳 | 105.8% |
15歳 | 104.3% |
一括払い | 109.0% |
- 10歳との差は3.2%
- 15歳との差は4.7%
学資保険を一括払いするデメリット
学資保険の一括払いには一度にまとまったお金が必要
確かに返戻率の高さを重視すれば一括払いはとてもメリットのある払込方法といえます。
しかし何度も繰り返す通り学資保険を検討するこの世代は教育資金だけでなく、さまざまところでまとまった資金が必要になる可能性も否定できません。
学資保険の一括払いを考える際は現在の収支、貯蓄残高、今後のライフイベントをしっかり考慮しFPに相談するなどしながら慎重に検討していきましょう。
そして、少しでも不安な点がある場合は安易に返戻率の高さだけで一括払いを選択するのではなく、月払いでの払込みや学資保険以外の商品も視野に入れると良いでしょう。
インフレが起きても一括払いをすると保障内容の変更ができない
学資保険の一括払いがおすすめな人とおすすめできない人
ここまで、学資保険の一括払いのメリットとデメリットについてご紹介してきました。
一括払いにすると、学資保険料は安くなり、返戻率は高くなります。
一方、途中解約すれば元本割れになり、保障内容の変更もできません。
では、学資保険の一括払いがおすすめな人とおすすめできない人とはどういった人なのでしょうか。
下記では、学資保険の一括払いがおすすめな人とおすすめできない人について解説していますので、参考にしてください。
学資保険の一括払いがおすすめな人
学資保険の一括払いには様々なメリットがあることが理解できたと思います。
しかし、全ての人が一括払いをすることがおすすめかというと、そういうわけではありません。
一括払いがおすすめな人とは
- 自己資金があり、学資保険を一括払いできる人
- 学資保険料の支払いを安く抑えたい人
- 毎月学資保険料を支払うことに抵抗がある人
- 1回で完結させたい人
学資保険の一括払いをおすすめできない人
では次に学資保険の一括払いがおすすめできない人とは、どういった方でしょうか。
学資保険の一括払いがおすすめできない人
- 学資保険料を一括払いするお金がない人
- 途中で保障内容を変更したいと考えている人
- インフレリスクが心配な人
一括払いで返戻率があがる人気おすすめ学資保険ランキング
一括払いをすると返戻率が上がるので、満期時に受け取れる金額が大きくなるということが理解できたと思います。
そこで、今回はいくつかの学資保険をご紹介します。
- 明治安田生命「つみたて学資」
- かんぽ生命(ゆうちょ)「はじめのかんぽ」
明治安田生命「つみたて学資」
明治安田生命「つみたて学資」は人気の学資保険です。
この明治安田生命の「つみたて学資」の返戻率は最大で109.0%で、学資保険業界の中ではトップクラスです。
通常の学資保険は子供が18歳まで支払うことになっています。しかし、明治安田生命のつみたて学資は、子供の年齢が10歳または15歳までに払込が終了するのです。
払込期間が短ければ、満期時までの間に保険会社が保険料を運用することができる為、より高い返戻率になります。
返戻率を上げるための条件は下記の通りです。
- 満期時受取金額を300万円にする
- 保険料払い込み期間を一括払いにする
- 基準保険金額を70万円以上にする
です。
上記の条件時の返戻率の一例をご紹介します。
払込期間 | 返戻率 |
---|---|
一括払い | 109.0% |
10歳まで | 105.7% |
15歳まで | 104.1% |
このように、つみたて学資の中の最大の返戻率を満期時に受け取ることが可能になるのです。
かんぽ生命(ゆうちょ)「はじめのかんぽ」
かんぽ生命の「はじめのかんぽ」は、学資金を貯めながらも、病気や怪我で入院や手術が必要になったときの医療保障も受けることができる保障型の学資保険です。
この「はじめのかんぽ」には、下記の3つのコースを選ぶことができます。
- 大学入学時の学資金準備コース
- 小・中・高+大学入学時の学資金準備コース
- 大学入学時+在学中の学資金準備コース
- 大学入学時と在学中の学資金準備コースにする
- 満21歳満期金受け取りにする
- 子供が12歳の時に払込を完了させる
- オプションの特約を付けない
- 払込保険料は前期前納にする
- 解約をしない
学資保険以外で教育資金の運用方法を紹介
ここまで子どもの教育資金の準備として学資保険について紹介しました。
一時払や全期前納払いといった一括払いを検討されている方はすでにまとまった資金が貯蓄できていることと思われますが、子どもの教育資金として学資保険以外にも増やす方法はいくつか存在します。
学資保険だけに固執せず少し視野広げて商品を検討することもオススメします。
今回はその一例として外貨建て保険と投資信託をご紹介します。
それぞれの商品性を知っていただき、選択肢の一つにしていただければと思います。
学資保険に代わる運用方法①:外貨建て保険
まず一つ目は外貨建て保険です。「外貨のことはよく分からない」、「リスクがある」と言った声もよく耳にしますが、場合によっては学資保険よりも短期間でなおかつ大きな利回りが期待できます。
外貨建て保険の大きなメリットは利回りの高さにあります。円建て保険の利回りがだいだい0.2%程度である一方、外貨建て保険の場合は年利2~4%の利回りが期待できます。
またそれに加え契約時よりも円安に進んだ場合(契約時100円→満期時110円)はさらに高い返戻金となります。
しかし当然デメリットも存在します。為替変動リスクと手数料やさまざまなコストが高いという点です。
また中途解約時は基本的に元本割れするという点もしっかり把握しておかなければなりません。
商品の中ではあらかじめ110%や115%など目標値を設定し、それを毎日保険会社が判定して目標値になると自動的に円建て保険として移行されるという商品もあります。
目標到達後は基本的に途中解約しても払込保険料よりも増えて返還されます。
また為替リスクに関しても一括払いではなく、月払いにしてドルコスト平均法を狙うという方法もあります。
いずれにしても高い利回りが期待できる分リスクも存在しますので商品性をしっかり理解しなければなりません。
- ドルコスト平均法とは…保険料の払込みのタイミングを分散することにより高値掴みのリスクを回避して購入単価を平均化すること
学資保険に代わる運用方法②:投資信託
続いては投資信託についてお話しします。
投資信託とは投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用のプロが国内外の株式や債券、不動産に投資や運用の指図をしてその運用成果を投資家にリターンするという金融商品です。
「安全性を重視するもの」、「リスクを承知し大きな運用成果を狙うもの」などファンドによってさまざまな特色があるのもメリットの一つです
もちろん運用実績が思わしくない場合は元本割れの恐れもありますので、投資信託を検討する際は自分の考えに合った商品を選択するようにしましょう。
また投資信託をオススメする最大のポイントは「税制面の優遇」です。
NISAやつみたてNISA、ジュニアNISAという言葉をご存知でしょうか。
株や投資信託に運用益が出た場合、その利益に対して本来20.315%の税金がかかりますが、このNISA制度を利用することで非課税となるのです。
種類 | 年間の非課税枠 | 非課税期間 |
---|---|---|
NISA | 120万まで | 最長5年間 |
つみたてNISA | 40万まで | 最長20年間 |
ジュニアNISA | 80万まで | 最長5年間 |
※NISAとつみたてNISAは併用することはできません。
※ジュニアNISAに関しては子供用の非課税枠であるため対象が0歳から19歳までとなり原則18歳まで資金の引き出しはできません。
20.315%の非課税枠はかなり大きなメリットです。もし十分に運用に充てられる期間があるのなら投資信託による教育資金作りも検討してはいかがでしょうか。
教育資金の貯め方には、様々種類がありそれをすべて一人で検討するのは困難なものです。外貨建て保険やその他の積立を検討している方もファイナンシャルプランナー(FP)に相談することができます。
赤いボタンから詳細確認、申し込みが可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ:学資保険の一括払いはお得だがデメリットも
学資保険の一括払いについてランキング上位の学資保険のシミュレーションを用いながらまとめてみましたがいかがだったでしょうか。
この記事でのポイントは
- 一括払いは月払いなどと比較し安い保険料で高い返戻金が期待できる。
- 同じ一括払いでも一時払い・全期前納払いがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在する。
- 一括払いの場合は契約時に多額の資金が必要となるためトータル的なライフプランニングが必要。
- 明治安田生命の「つみたて学資」の一括支払いだと返戻率最大109%になる。
- 子どもの教育資金の準備として学資保険だけでなく他の運用方法も含め検討するのが良い。
でした。
同じ学資保険でも払込方法一つでここまで、大きな差が出るという事実をご存知の方はあまりいらっしゃらないと思います。
だからこそ「とりあえず」という軽い気持ちで払込方法や商品を選定するのはオススメできません。 家計とよく相談することがとても大切です。
また子どもの将来のために早くから教育資金を準備することはとても素晴らしいことです。
利用できる公的制度やさまざまな商品を広い視野で自ら学び、悔いのない教育資金の準備を考えていきましょう。
学資保険の選び方が知りたい方はこちらの記事もご覧ください