学資保険は保険期間中も年末調整の対象なの?年末調整の書き方も解説

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学資保険は保険期間中も年末調整の対象になります。学資保険は貯蓄型の保険のためその保険料が控除の対象になる事を知らない方も多いです。この記事では、保険期間中の学資保険が年末調整対象である理由・年末調整の注意点・申告書の書き方について詳細に解説します。

学資保険は保険期間中も年末調整の対象?生命保険料控除も解説

毎年年末が近くなると保険会社から年末調整用の書類が送られてきますよね。


学資保険はまだ満期まで先だから関係ないと思い、書類をタンスにしまっていませんか?


実は学資保険は保険期間中でも年末調整で保険料の控除を受けることができるのです。


その控除額は場合によりますが、学資保険を18年間加入し続けた人では控除額は数万円にもなります。そこで年末調整をしないのはとてももったいないと思いませんか?


そこでこの記事では

  • 学資保険の年末調整の保険料控除額
  • 年末調整をする際の注意点
  • 年末調整の申告書の書き方
について詳しく解説します。

この記事を最後まで読んでいただければ、保険期間中の学資保険の年末調整のことについて大枠はつかめるはずです。

さらに詳細を知りたい方に向けて記事の途中で、より詳細に書かれている記事のリンクを用意しているのでそこからぜひチェックしてください。

学資保険が保険期間中も年末調整で控除が適用される理由


学資保険は子どもの教育費に備えるための貯蓄型の保険商品です。


保険期間中に保険料を支払い積み立てていくことで、進学祝い金や保険金を受け取ることができます。


また、契約者(主に親)に万が一のことがあった場合、以降の保険料の支払いは免除されますが、保障はそのまま継続して保険金を受け取れるという生命保険のような機能も兼ね備えています。


つまり、学資保険は教育費の貯蓄と万が一の保障を両方確保できる生命保険なのです。


保険期間中は年末調整確定申告生命保険料控除を受けることができ、所得税や住民税を節税することが可能となります。

学資保険は生命保険である

学資保険は貯蓄型の保険であるために生命保険料控除の対象にはならないと勘違いしてしまう人が多いようです。


しかし、お伝えしたように学資保険は貯蓄性と死亡保障を兼ね備えた生命保険であるため、保険期間中は年末調整や確定申告で生命保険料控除を受けることができます。


生命保険料控除については後述しますが、3区分に分かれていて対象となる保険商品は以下のように分類されています。

  1. 一般生命保険料:死亡保険・学資保険・養老保険など
  2. 介護医療保険料:介護保険・医療保険・がん保険など
  3. 個人年金保険料:個人年金保険(税制適格特約がプラスされているもの)

この中で、学資保険は一般生命保険料に分類されています。

学資保険には生命保険料控除が適用される

生命保険料控除とは、1年間に支払った保険料に応じて所得控除を受けることができ、課税対象となる所得が低くなることにより所得税と住民税が減額される仕組みです。


生命保険料控除は保険契約した時期により、以下の2つに分類されます。

  • 新契約(平成24年1月1日以後に契約)
  • 旧契約(平成23年12月31日以前に契約)

新契約・旧契約では、それぞれ異なる控除限度額が設定されています。


保険期間中の学資保険で生命保険料控除を受ける場合、新契約・旧契約での控除限度額は以下のようになります。

新契約旧契約
所得税40,000円50,000円
住民税28,000円35,000円

生命保険料控除についてより詳しい情報を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

保険期間中に学資保険の年末調整をする際の注意点


学資保険の保険期間中に年末調整をする場合、生命保険料控除において以下のような疑問を抱く人が多いようです。

  • 複数の生命保険に加入していて、控除限度額を超えた場合はどうなるか
  • 学資保険の契約者が妻の場合、夫が年末調整で生命保険料控除を受けられるか
  • 保険料を一時払いや短期払いにした場合、生命保険料控除は何年受けられるか

以降の章で、詳しく解説していきます。

他の生命保険で生命保険料控除の枠を使い切っている場合がある

先に説明したように、学資保険は生命保険料控除の中で一般生命保険料に分類されています。


一般生命保険料とは、生存と死亡に関して給付金や保険金が支払われる保険が対象となり、学資保険のほかに、死亡保険・養老保険なども該当となっています。


一般生命保険料の年間保険料と控除限度額は以下のようになります(新契約の場合)。


年間保険料控除限度額
 所得税80,000円超40,000円
住民税56,000円超28,000円

一般生命保険料の中で複数の生命保険に加入している場合は、年間保険料を合算して控除額を算出することになります。


例えば、以下2つの生命保険に加入している場合、

  • 年間保険料70,000円の学資保険
  • 年間保険料90,000円の死亡保険

年間保険料の合計は160,000円となります。


年間保険料が160,000円の場合、所得税・住民税ともに以下の控除限度額が適用され、

  • 所得税:40,000円
  • 住民税:28,000円
これ以上の控除を受けることはできません。

しかし、上記の例では年間保険料を合算しなくても死亡保険の年間保険料90,000円だけで控除枠を使い切っていることになり、学資保険の分はプラスで控除を受けることができず、学資保険の節税効果はないということになります。

学資保険の契約者が妻名義でも保険料控除の対象になる

学資保険の契約者が妻の場合、生命保険料控除は妻が受けることになり、夫は受けられないのでしょうか。


結論から言うと、生命保険料控除は実際に保険料を支払っている人がその権利を持つことになっています。


つまり、学資保険の契約者が妻で、

  • 保険料支払いが夫の場合、夫が生命保険料控除を受けられる
  • 保険料支払いが妻の場合、妻が生命保険料控除を受けられる

ということになります。


妻が専業主婦やパート勤務で、夫の扶養に入っているのであれば、夫が保険料を支払って生命保険料控除を受けるのが良いでしょう。


一方、妻に一定の収入があり、自身で年末調整や確定申告を行うのであれば、妻が保険料を支払って生命保険料控除を受けることで所得税や住民税を節税することができます。



学資保険の節税についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

学資保険を一時払いした人は初年度以外控除の適用外

学資保険は、子どもが18歳になるときを満期とするケースが多く、一般的には18歳になるまでの保険期間中、保険料を払い続けることになります。


しかし、商品によっては保険料を一括で支払う一時払いにしたり、支払期間を10年などに短縮する短期払いにできる場合があります。


この場合、生命保険料控除の適用は、

  • 一時払いは初年度のみ適用
  • 短期払いは支払い期間のみ適用

というように控除期間が短くなるので、注意が必要です。


保険料を抑えながら、長期間にわたって生命保険料控除を受けたい場合は、1年分の保険料を年に1度だけ支払う年払い、もしくは全期前納払いにするのがおすすめです。

保険期間中の学資保険の年末調整をする際の申告書の書き方


保険期間中の学資保険で年末調整をする際の申告書の書き方について、簡単に説明します。


まず、以下の書類を用意します。

  1. 生命保険料控除証明書
  2. 年末調整の申告書(「給与所得者の保険料控除申告書」)

生命保険料控除証明書は保険会社から送付され、10月頃に届くことが多いです。


年末調整の申告書は会社から10月頃に配布されることが多いです。


上記2つの書類を用意できたら、2の申告書に1の控除証明書の内容を記入していきます。


お伝えした通り、学資保険は「一般の生命保険料」に該当するので、この項目に以下の内容を記入していきます。

  • 保険会社名
  • 保険種類
  • 保険期間
  • 保険契約者氏名
  • 保険金受取人
  • 新旧区分
  • 本年中の保険料金額
  • 生命保険料控除額計

他にも保険期間中の生命保険があれば、記入して保険料額を合算し、申告書に記載されている計算式に沿って生命保険料控除額計を計算します。


年末調整の書き方についてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

まとめ:学資保険は保険期間中でも年末調整の対象である

保険期間中の学資保険の年末調整について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 学資保険は生命保険の一種である
  • 保険期間中の学資保険は年末調整で生命保険料控除を受けられる
  • 生命保険料控除には限度額がある
  • 保険料の支払者が生命保険料控除の権利を有する
  • 保険料を一時払いにすると1年分しか控除を受けられない
  • 年末調整の申告書に生命保険料控除証明書の内容を転記する

でした。


学資保険は保険期間が比較的長いので、毎年忘れずに年末調整を行うことで、生命保険料控除による節税の恩恵を長期間にわたり受けることができます。


年末調整の申告書の書き方は簡単なので迷うことはないと思いますが、保険期間中の学資保険が新契約か旧契約か、間違えないように控除証明書を確認しましょう。


みなさんもこれを機に、保険期間中の学資保険の年末調整について確認してみてはいかがですか?


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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