更新日:2022/05/28
学資保険に中学生から加入は遅い?代わりの教育資金準備法や国の制度
子どもが中学生から学資保険を考えた場合、大学進学までの期間が短いため加入できる学資保険はほとんどありません。中学生から教育資金を貯めるのであれば学資保険ではなく、他の方法を考えた方がよいでしょう。今回は学資保険以外ではどのような方法があるのかをご紹介します。
内容をまとめると
- 中学生から加入できる学資保険はほとんどない
- 中学生から教育資金を貯めるには学資保険以外の教育資金準備方法を検討しよう
- 貯蓄がほとんどない場合は国の制度を利用しよう
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目次を使って気になるところから読みましょう!
中学生から入れる学資保険はほとんどない
学資保険は子どもの教育資金を貯めるための保険商品です。
長期にわたり積み立てをして、必要な時期に受けとる仕組みになっています。
教育資金を貯めることを考えたときに学資保険を選ぶ方も多いですが、中学生から入れる学資保険はほとんどありません。
中学生から入れる学資保険がない理由としては
- 満期までの保険料の運用期間が短いため、元本割れしてしまう
- 満期までの払込期間が短いため、必要な金額を積み立てるためには保険料が高くなってしまう
があげられます。
加入する際の子どもの年齢は0歳から6歳くらいまでが多く、学資保険を考える時期は子どもが産まれる前後がベストで、遅くても小学生までです。
ただ子どもが小さいうちは教育資金まで考える余裕がない場合もありますし、家庭の事情で貯蓄ができない場合もあります。
また中学生くらいになって具体的な進路を考え始めたときに、教育資金についても考え始める家庭もあるでしょう。
今回は中学生から教育資金を貯めようと考えたときに、どのような方法があるのかをご紹介します。
中学生からでは学資保険以外の教育資金準備方法の検討を!
- 方法①定期預金や積立預金
- 方法②低解約返戻金型終身保険
- 方法③つみたてNISA・ジュニアNISA
- 方法④外貨建て保険
方法①定期預金や積立預金
中学生から教育資金を貯める方法のひとつは、定期預金や積立預金です。
金利が低いため増えることは期待できませんが、減ることはなく確実に貯めることができます。
また給与から自動引落などにすれば、気持ち的な負担もなく貯めることができるでしょう。
金融機関の定期預金などは預金保険制度の対象となっているので、万が一預金先が破綻しても元本1000万円までと破綻日までの利息などは保護されます。
元本割れの心配もなく安心して預けることができます。
ただ、多額の資金が必要な教育資金においてはリスクなしの安全な貯蓄方法だけでは、目標金額を貯めるのは厳しいところです。
定期預金や積立預金で貯金の基盤をつくり、いくつかの方法と合わせて教育資金を増やしていくとよいでしょう。
方法②低解約返戻金型終身保険
二つ目の方法は、終身保険です。
なかでも低解約返戻金型終身保険は、保険料の払込期間中に解約した場合は返戻率が低く、払込終了後の解約は返戻率が高くなっていく保険商品です。
返戻額が低い期間を設ける代わりに保険料が安く設定されているのも特徴です。
ただ、一般的な払込期間は短くても10年ほどで、中学生(12歳以降)から加入した場合、教育資金が必要な時期に解約すると払い戻し額が低く、元本割れしてしまいます。
教育資金として活用したい場合は、学資保険と同じように子どもが小さい頃からの加入がおすすめです。
中学生から加入する場合の利点は
- 終身保険なので契約者(親)に万が一のことがあった場合は、迅速に保険金が支払われる
- 万が一があった場合の保険金額は、学資保険の満期金に比べて高い金額が設定されていることが多い
- 一生涯保障が続く終身保険なので、教育資金に使わなかった場合はそのまま据え置くことが可能
学資保険は万が一があったときには保険料が免除になるメリットはありますが、満期金を受け取れるのは加入時に決めた時期まで待たなければなりません。
中学生からの低解約返戻金型終身保険は、貯蓄よりも保障を重視したい方、念のための貯蓄を考えている方にはおすすめです。
方法③つみたてNISA・ジュニアNISA
中学生から教育資金を貯めるには、つみたてNISAやジュニアNISAなどの「投資」もひとつの方法です。
定期預金や積立預金に比べてリスクはありますが、利益で増える可能性もあります。
投資で得た利益は本来であれば税金がかかりますが、NISAは非課税投資枠内で非課税期間は税金はかかりません。
とくにつみたてNISAやジュニアNISAは資産づくりを目的としているので、教育資金を貯める方法としても活用できます。
概要
つみたてNISA | ジュニアNISA (2023年末で終了) | |
---|---|---|
利用対象者 | 日本在住の20歳以上 (2023年1月以降は18歳以上) | 日本在住の0歳~19歳 (2023年は0歳~17歳) |
非課税投資枠 | 毎年40万円 | 毎年80万円 |
非課税期間 | 最長20年間 | 最長5年間 |
投資可能期間 | 2018年~2042年 | 2016年~2023年 |
ジュニアNISAは2023年で制度が終了するので、始めるのであれば早めの方がよいでしょう。
つみたてNISAやジュニアNISAなど投資にはリスクが伴いますので、安定した貯蓄と合わせて運用していくことをおすすめします。
方法④外貨建て保険
保険料が外貨で運用されている外貨建て保険も教育資金として活用できるでしょう。
外貨の種類は米ドルや豪ドル、ユーロなどが取り扱われていることが多いです。
外貨建て保険のメリットは、為替相場による差益が期待ができることです。
円高の時期に加入して円安のときに解約することで利益が出ます。
タイミング良く取引できれば利益が出る反面、うまくいかなかった場合は元本割れなど損をしてしまいます。
加入時の相場や、今後円高に進みそうか円安に進みそうかなどを見極めることが必要です。
また円と外貨を交換するための手数料や、契約時に必要な手数料、途中で解約したときに解約控除がかかる場合もあります。
円建ての保険にはない手数料も必要となるので注意が必要です。
中学生から教育資金を貯める場合、外貨建て保険は一つの方法ですが、投資と同じようにリスクが伴いますのでしっかりとした知識を身に付けたうえで加入することが大切です。
中学生から子どもの教育費はいくら必要?
教育費は、中学・高校・大学がそれぞれ公立なのか私立なのかによって大きく変わります。
ここでは中学生からの教育費がどのくらいかかるのかを見てみましょう。
中学校・高等学校での教育費を学校教育費と学校外活動費に分けて計算しています。
- 「学校教育費」学費、学用品や通学関係、修学旅行や遠足など
- 「学校外教育費」塾などの補助学習や習い事など
学校教育費/1年 | 学校外活動費/1年 | 教育費合計/3年間 | |
---|---|---|---|
公立中学校 | 182,000円 | 306,000円 | 1,464,000円 |
私立中学校 | 1,075,000円 | 331,000円 | 4,218,000円 |
公立高等学校 | 280,000円 | 177,000円 | 1,371,000円 |
私立高等学校 | 719,000円 | 251,000円 | 2,910,000円 |
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果」をもとにほけんROOMが作成
(中学校の学校給食費は学校教育費に入れています)
公立中学校は授業料はかかりませんが、私立中学校は授業料が全体の約4割を占めているため、公立と私立で差がかなり出ています。
学校外活動費(塾など)は、私立では小学6年生が一番かかるのに対して、公立では中学3年生が一番高く約40万円です。
大学受験に向けた対策費といえますので、受験を考えている方は特に準備が必要です。
高等学校では上記調査後の令和2年度から私立高校に向けた新制度が始まっていますので、制度の対象になる家庭では学校教育費の負担が減っているでしょう。
大学での教育費は、入学費用と在学費用で分けて計算しています。
- 「入学費用」学校納付金、受験費用、入学しなかった学校への納付金など
- 「在学費用」授業料、通学費、教科書代などの学校教育費と家庭教育費を合計
入学費用 | 在学費用/1年 | 教育費合計/4年間 | |
---|---|---|---|
国公立大学 | 672,000円 | 1,035,000円 | 4,812,000円 |
私立大学文系 | 818,000円 | 1,520,000円 | 6,898,000円 |
私立大学理系 | 888,000円 | 1,832,000円 | 8,216,000円 |
日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」をもとにほけんROOMが作成
中学校や高等学校に比べて、大学での費用は格段に上がります。
中学からかかる総額を計算してみましょう。
・中学校、高等学校、大学と公立の場合にかかる総額
1,464,000円+1,371,000円+4,812,000円=7,647,000円
・私立(大学は文系)の場合にかかる総額
4,218,000円+2,910,000円+6,898,000円=14,026,000円
さらに日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」では、自宅外通学の場合の年間仕送り額の平均が約95万円、自宅外通学をはじめるための費用の平均は約38万円となっています。
中学生からは今後の志望校についても少しずつ考える時期です。
子どもがどの学校を志望しても慌てないように、私立や自宅外通学を想定して教育資金を準備しておくと良いでしょう。
教育資金を準備する前に目標額を設定しよう!
中学生から教育資金を準備する場合、まずはどのくらい貯めたらよいのか、目標額を設定しましょう。
中学生からかかる教育費における、貯蓄の目標額の計算方法は以下のとおりです。
中学生からかかる教育費の総額-教育資金に充てられる現在の貯蓄額
計算方法をもとに、シミュレーションをしてみましょう。
条件
- 現時点で教育資金300万円
- 子どもは公立中学校に通う12歳(中学1年生)
- 高校と大学は私立を志望
上記の場合、公立中学校でかかる費用は1,464,000円、私立高校は2,910,000円、私立大学(文系)は6,898,000円となります。
1,464,000円+2,910,000円+6,898,000円=11,272,000円
中学生からかかる教育費の総額から現在の貯蓄額を引いた金額は
11,272,000円-3,000,000円=8,272,000円
この場合の目標額は約820万円で、18歳までの6年間もしくは大学3年生までの9年間の間で貯める必要があります。
6年間で貯める場合は1年間に約1,380,000円で毎月約115,000円、9年間で計算すると1年間に約920,000円で毎月77,000円ほど積み立てることになります。
中学生から全て公立の場合は、私立に通う場合に比べて費用は抑えられますが、国公立大学に関しては学校数が少ないことから、自宅外からの通学者が多くなっています。
その分かかる費用が増えるので、準備をしておいた方が安心です。
中学生から教育資金を貯める場合、もともとの貯蓄額にもよりますが、経済的な負担がかなりかかるといえるでしょう。
子どもが中学生で貯金がほとんどない場合は国の制度を利用しよう!
中学生以降は多額な教育資金がかかりますが、子どもが中学生で貯金がほとんどない場合は、必要な金額全てをこれから貯蓄するのは厳しいでしょう。
経済的な理由で進学を諦めたくないときは国の制度を利用するのもひとつの方法です。
ここではどんな制度があるのかをご紹介します。
- 制度①高等教育の修学支援新制度
- 制度②国の教育ローン
- 制度③奨学金制度
制度①高等教育の修学支援新制度
高等教育の修学支援新制度は、学ぶ意欲がある生徒が経済状況が困難な場合でも進学の機会を確保できるよう、令和2年から実施されている制度です。
(高等教育とは大学・短期大学・高等専門学校・専門学校のこと)
制度の特徴
- 授業料、入学金の免除もしくは減額
- 給付型奨学金の支給
制度の対象者
- 世帯収入や資産の条件を満たしている
- 進学先において、学ぶ意欲が高い学生
支援の対象となるのは、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生で、それぞれ年収の目安が設定されています。
金額は世帯の収入や、自宅通いか自宅外からの通学かなどにより変わります。
この制度は優遇の度合いが高い分、入学後の成績や修学状況、将来における計画性なども重視されています。
意欲が見られないと判断されてしまうと支援を打ち切られてしまうこともありますので、学生本人が自覚を持つことも必要です。
高額な費用がかかる大学進学において、学ぶ強い意志はあるけれど経済的に難しいと考えていた家庭では、制度の対象になればかなり負担が減るでしょう。
制度②国の教育ローン
貯蓄がない場合は国の教育ローンも検討の対象になるでしょう。
子どもの人数にたいする世帯年収の上限額が設定されていますので、限度内であれば利用ることができます。
子どもが高校生でも利用できるので、大学の入学費用だけでなく受験費用にも活用することが可能です。
受験費用は令和3年度から合格前でも利用可能になるなど、幅広いニーズに対応しています。
固定金利で返済期間も長めなので、返済の計画は立てやすいでしょう。
民間のローンに比べて金利は低いですがあくまでもローンなので、中学高校の間に少しでも貯蓄を増やし、借り入れる金額は少しでも抑えられるようにしておくと良いでしょう。
制度③奨学金制度
大学での学費を支援する奨学金制度は、大学(昼間部)に通う学生のうち約半数が利用しているとの調査結果が出ています。
※日本学生支援機構「学生生活調査結果(令和2年度)」調べ
多くの学生が利用している日本学生支援機構の奨学金制度では、給付型奨学金と貸与型奨学金があり、給付型は返済の必要はありません。
一般的に多く利用されているのは貸与型奨学金で、利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金があります。
それぞれ学力や家計に基準がありますので対象になるかどうかを確認し、申し込む必要があります。
奨学金制度は日本学生支援機構以外でも学校や企業、団体などでも実施していますので、制度の利用を考えている家庭では条件に合う奨学金を探してみるとよいでしょう。
ただし奨学金は学生本人が制度を利用することになるので、卒業後にコツコツと返済をしていかなければなりません。
将来返済ができなくなるということがないように、事前に就職後の計画をたてておくことが大切です。
まとめ:教育資金の相談はマネーキャリアへ
今回は子どもが中学生から学資保険への加入を考えている方へ、学資保険以外の教育資金準備方法をご紹介しました。
ポイントは
- 中学生からは入れる学資保険はほとんどない
- 中学生から教育資金を準備する場合は、学資保険以外の方法を検討しよう
- 教育費は中学生からはどのくらいかかるか
- 貯蓄がない場合は国の制度を利用しよう
中学生から教育資金を貯めたいと考える方の中には、今までなんとなく貯めてきた教育資金が改めて計算したら足りないという方や、さまざまな事情で貯蓄をしたくてもできなかった方もいるでしょう。
中学生から大学入学までは6年ほどと教育資金を貯めるには短い期間です。
確実に貯めていく方法と、多少リスクがあっても利益が期待できる方法があり、貯蓄ができない場合は国の制度に頼るのも方法のひとつです。
さまざまな方法があるので何を選択したら良いか悩みますが、マネーキャリアではお金の専門家がひとり一人の悩みを解決してくれますので、ぜひ相談してみてください。
教育資金で困ったら、マネーキャリアのFP相談がおすすめです!
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