更新日:2019/06/20
外貨建て保険をクーリングオフする方法!保険契約トラブルの対処法
銀行窓販での外貨建て生命保険の契約トラブルが多発しているようですが、外貨建て保険は所定の期間内ならクーリングオフが可能です。また外貨建て保険をクーリングオフする場合でも、為替リスク、元本割れには注意しましょう。特定早期解約制度など他の対策についても解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
外貨建て保険をクーリングオフする方法や条件とは?
1998年に始まった日本版金融ビックバンにより、銀行にて保険商品の販売が一部解禁され規制が緩和され多くの商品が販売されています。
現在では外貨建ての保険商品の販売も銀行にて行っていますがトラブルも増えているようです。
金利低迷が長引く現在、誰もが少しでもお得な金融商品を探しています。
銀行や保険会社から高金利の外貨建て保険商品を勧誘され、よく考えずに契約をしてしまう方は多いようです。
外貨建て保険商品の金利に惑わされ加入し、後から危険性や商品内容が自分に向いていないことに気が付くケースですね。
こちらでは
- 銀行窓口での外貨建て保険の販売
- 保険商品のクーリングオフ
- 保険商品クーリングオフのデメリット
- クーリングオフ以外の対処法
外貨建て保険をクーリングオフ!銀行窓販でトラブルになったら
金融機関から外貨建て保険商品を勧められるのには理由があります。
マイナス金利時代を迎え本来の収入が減少した金融機関は、手数料での収入に力をいれています。
外貨建て保険商品の取扱手数料は消費者にはわかりにくく高額だからです。
その他外貨への両替手数料や毎年の保険取扱手数料も引かれていきますので資産が増えるどころではありません。
このような商品は元本の保証がされていませんので解約した場合にもよほどの円安にならない限りは元本割れしてしまうことになります。
銀行とのトラブル、苦情事例を紹介!金融庁も問題視
- 銀行窓口で「定期預金」口座の開設を申し込みに行ったら、外貨建て保険の勧誘を受けた。状況がわからず、渡された書類に署名・押印したら、後日、家族から「外貨建て保険を契約したことになっている。」という指摘を受けた。
参照:国民生活センター
実は、最近このような苦情例が多発しており、金融庁や生命保険協会も問題視、改善に取り組んでいる背景があります。
もし、意図せず保険契約を締結してしまった場合、クーリングオフも一つの手段ですが、保険会社に連絡をして契約取消しの意思表示をしましょう。
保険契約から8日以内ならクーリングオフ可能?条件に注意
保険会社に契約取消しの意思を伝えても取り合ってもらえない場合は、クーリングオフによる契約解除を検討します。
保険のクーリングオフは、申し込みをした日 またはクーリングオフ記載事項の書面を受け取った日のいづれか遅い日を1日目として8日以内に書面にて契約を撤回することを申し出ることで契約を取り消すことが出来ます。
これは外貨建て保険も適用されますが、一部投資型保険など保険契約内容によっては適用されないこともあります。
保険会社によってクーリングオフの取り扱いが違うことがありますので、契約のしおり(約款)や募集パンフレットをよくお読みください。
また、生命保険をクーリングオフできないケース、条件に注意しなくてはいけません。
クーリングオフの制度主旨としては、不意打ち契約からの消費者保護ですので、自ら進んで契約したと見なされる場合はクーリングオフができません。
具体例としては
- 契約の意思を明らかにし、保険会社・代理店の窓口に予約訪問して契約
- 契約者が指定した場所で保険契約
- 保険会社指定の医師の診査を受けた
- 保険契約期間が1年以下のとき
- 申込者、ご契約者の住所・氏名
- 申込番号
- 返金先口座情報
- 申し込みの撤回の申出日
- 申し込みの撤回をする旨の文言
クーリングオフで満額返金される?元本割れの危険性とは
クーリングオフの期間を過ぎてしまった場合の対処法とは
ここまで読んでいただいていかがでしょうか。
ドキリと胸を抑えて契約書類を確認してみると、外貨建て保険の契約を行ったけれどクーリングオフの期間が過ぎてしまっていた。
そんなかたの対処法はこちらです。
- 特定早期解約制度
- 消費者契約法の利用
特定早期解約制度、消費者契約法を利用する
特定早期解約制度とは投資性のある保険契約のうち、クーリングオフができないものについて保険契約の成立日または近接する日から起算して10日以上の保険会社が定める一定の期間までの間に限り、払込保険料が全額返還される(解約手数料不要、支払済み手数料返却)解約制度です。
但し相場変動により損失する場合があります。
書面は必要要件ではなく、特定早期解約の意思表示を期間内に保険会社に通知する必要があります。
次に消費者契約法とはクーリングオフとは別のものです。
消費者と事業者との間にある知識や情報の差による不利益から消費者を守るためのもので、これに基づく契約の取り消しができるのは以下の不当な勧誘があったときになります。
(令和元年6月からの追加項目も含む。)
- うそを言われた
- 不利になることを言われなかった
- 必ず値上がりすると言われた
- 通常の量を著しく超える物の購入を勧誘された
- お願いしても帰ってくれない
- 帰りたいのに帰してくれない
- 不安をあおる告知
- 好意の勘定の不当な利用
- 判断力の低下の不当な利用
- 霊感等による知見を用いた告知
- 契約締結前に債務の内容を実施
- 不利益事実の不告知
- 消費者の後見等を理由とする解除条項
- 事業者が自分の責任を自ら決める条項
外貨で保持して円安を待つ!外貨預金も視野に入れよう
外貨建て保険の出口戦略について!FPさんに相談しませんか?
外貨建て保険は非常に緻密な計算が行われており、消費者がすぐには理解できないことも多くあります。
クーリングオフ期間も過ぎてしまって個人ではもうどうしようもないからとあきらめている方がいらっしゃいましたら、専門家に相談することをお勧めします。
クーリングオフの方法から外貨建て保険契約の解除方法や今後の資産運用なども適切にアドバイスしてもらえますよ。
まとめ:外貨建て保険のクーリングオフが可能か確認しよう
この記事のポイントは
- 契約から8日以内ならクーリングオフが可能
- 手数料、為替リスクによる元本割れの可能性がある
- 特定早期解約制度、消費者契約法などの活用も視野に入れる
- 試算を外貨のまま保持して為替が円安になるのを待つ
以上の4点でした。
外貨建て保険は元本保証の商品ではありません。
外貨建て保険契約を行うときは慎重に見極めることが必要です。
もし外貨建て保険契約を取り消したいときは、まずは取扱金融機関にクーリングオフしたいとすぐに連絡してください。
金融機関は為替の関係で購入手続きに時間ががかることがあります。
もしまだ契約が未処理なら、そのまま外貨建て保険契約を取消してもらえることもあるようです。
もし金融機関が応対してくれない場合にはクーリングオフの申出をすることができます。
クーリングオフ期間を過ぎてしまっている方もまだ方法はあります。
専門家に相談して大切な資産を守りましょう。