外貨建て保険の乗り換え2パターン!注意点を押さえて資産形成しよう

銀行窓販などで外貨建て保険への乗り換えを勧誘された経験のある高齢者の方は多いのではないでしょうか?商品の仕組みが難解でリスク、危険性やメリットを把握し生命保険の乗り換えを判断するのは困難でしょう。外貨建て(ドル建て)保険はどのような注意点があるのか解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

外貨建て保険の乗り換え2パターンを解説

老後の生活のために、外貨建て保険の乗り換えを検討されている方は多いのではないでしょうか。


外貨建て保険の乗り換えパターンとしては大きく二つございます。  

  • 円建て保険から外貨建て保険への乗り換え
  • 外貨建て保険から他の金融商品への乗り換え

「外貨建て保険はリスクが高そう」、「外貨建て保険を別の金融商品に乗り換えにあたって何に注意すべきかわからない」などと悩んではいませんか? 


生命保険は残された家族のための大事な資産となりますので、外貨建て保険のメリット、デメリットについて知ることが大事です。 


そこで、この記事では「外貨建て保険の乗り換え」について、

  • 外貨建て保険に乗り換えのメリット、デメリット
  • 外貨建て保険から他の金融商品に乗り換え時に注意すること

以上のことを中心に解説していきます。 


この記事をお読みいただければ、外貨建て保険に乗り換えを検討する上での基礎知識を身につけることができます。   


外貨建て保険に乗り換え!本当に乗り換えていいの?

外貨建て保険は金利が高く、高い貯蓄性があるので、老後の資産形成に有効な金融商品です。 


近年の日銀によるマイナス金利政策の影響で金利が低い円建て保険と比べ魅力的に見えます。


しかし外貨建て保険を契約させられたことで、消費者センターなどに苦情が寄せられたというニュースが報じられていることはご存知でしたか? 


苦情の内容は、高金利というメリットだけを聞かされ、手数料や為替リスクをしっかり説明されずに契約してしまい、大きく元本割れしてしまったというものでした。


そういうケースもあることから、外貨建て保険に興味があっても、「保険料や手数料の負担が大きいのでは?」、「為替変動リスクについてよくわからないから乗り換えるのは不安だ」

と思う方もいらっしゃるでしょう。 


確かに、外貨建て保険は為替変動により元本割れのリスクはありますし、外貨であるが故に余計にかかる手数料もあります。 


しかし、為替差益を得られるメリットもありますし、手数料も契約前に理解していればリスク管理ができます。 


また、予定利率が高く保険料が安い傾向にあり、また相続対策にもなるというメリットもあるのです。 


この章では、その一つ一つを詳しく解説していきたいと思います。

高金利なので予定利率が高く保険料も安い

予定利率とは生命保険の契約者に約束する運用の利回りのことです。
 


保険会社は、保険料を運用することにより収益を見込んで、保険料を割り引いています。
この割引率が予定利率として設定されているのです。
 


つまり、運用利回りが大きければ大きいほど保険料は安くなることになります。
 


外貨建て保険は円建て保険に比べて金利が高いので、契約者が支払う保険料も安くなる傾向にあります。

為替リスク、初期手数料について把握しよう

外貨建て保険は円安の時に円に換算することにより為替差益を受けることができるというメリットがあります。
 


しかし円高の時には為替差損が発生したり、支払う保険料も高くなってしまい、結果的に元本割れとなることがあるので注意が必要です。
 


為替リスクがあることを理解した上で、為替の動向もしっかり注視し、円安の局面で受け取れるようにすることが大事です。 


また、契約時にかかる初期手数料についても注意しましょう。
 


契約時には円を外貨へ換算するための手数料がかかり、その他保障や運用、特約のための諸費用も引かれることがあります。 


初期手数料を差し引いた分が運用に回るわけですから、初期手数料がどれだけかかるか契約時にしっかり確認しましょう。

相続対策にとても有効!メリットを把握しておこう

外貨建て保険は円建て保険と同様に死亡保険金の非課税枠を利用することができます。
 


具体的には

500万円 × 法定相続人の人数

の税控除を受けることが可能です。
 


また、死亡保険金の受け取り方を以下の通り工夫することにより、為替リスクを回避しつつ、相続対策にもなります。

  • 円安の時は、「円建て」で受け取ることで死亡保険金と相続財産が増加します。
  • 円高の時は、「外貨建て」で受け取ることで死亡保険金は減少するものの、相続税が低くなります。

このように、死亡保険金の受け取り方を工夫することにより、 円安、円高どちらの場合でも為替リスクを抑えることができます。

外貨建て保険から他の金融商品に乗り換える

外貨建て保険から他の金融商品に乗り換えを検討しているものの、どのようなリスクや負担があるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
 


解約によりリスクや負担を最小限にすることが大事ですが、運用益を得られる可能性もあるのでしっかり学んでおきましょう。
 


この章では解約の際に考慮すべき為替レートや乗り換えにあたってかかる手数料や税金について書いていきます。 

解約には要注意!為替レートを考慮したタイミング調整

外貨建て保険を解約する時は、保険金や解約返戻金を円に換算した上で受け取ります。
 


もし解約時の為替レートが円高である場合、日本円で受け取れる保険金や解約返戻金は減少してしまいます。 


また、通常両替にかかる手数料も別途かかってしまいます。
 


そのため、解約のタイミングによっては大きく元本割れしてしまうことがあるので注意が必要です。
 


今すぐに乗り換えをする必要がないのであれば、外貨建て保険は円安時に解約することをお勧めいたします。 


円安時に解約すれば、元本割れが最小限に済みますし、運用益を得ることも可能となるからです。 


とはいえ、為替変動は思うように動かないものですから、「今は円高だから円安の時に受け取れるようにしたいな」と思われるかもしれません。
 


そんな時のために、保険金を一定の期間据え置くことができる商品があることもご存知でしょうか? 


例えば、円高の時は預けておき、円安になったら受け取るということができます。
 


この機能により為替リスクをある程度回避することが可能となります。 


外貨建て保険を検討する場合は据え置くことができる商品か調べましょう。

他の外貨に乗り換えると手数料や税金がかかる

外貨建て保険を解約する時は、解約控除費用が別途かかることがあります。 


例えば、契約から一定期間内での解約の場合に解約控除費用を負担する、といったケースです。 


解約する前に解約控除費用を負担しなければならない契約かどうか確認しましょう。 


解約控除費用の負担がなるべくかからない、または負担のない時期に解約することが大事です。


解約時に負担する可能性がある税金にも注意が必要です。  


解約返戻金として受け取った額が支払った保険料より多い場合、一時所得として所得税が課税されます。 


また、外貨から円へ両替した際に為替差益が発生する場合、その差益は雑所得として所得税が課税されます。 


これらの手数料と税金の負担をしっかり理解し、検討した上で乗り換えるべきか検討するようにしましょう。

他の保険商品に乗り換え!FPさんと出口戦略について相談しよう

「外貨建て保険に乗り換えたいが基礎からしっかり説明を受けたい」、「契約した外貨建て保険から他の商品に乗り換えたいが解約してよいかわからない」というあなたも一人で悩むことはありません。 


すでに紹介させていただいた通り、外貨建て保険はそのメリット、デメリットを理解した上で契約すれば資産形成に有効な商品です。
 


しかし、乗り換えにあたり、その具体的な方法や商品の選択が分からない方も多いと思います。 


そんなときには、ぜひ「ほけんROOM相談」をご利用ください。 


ほけんROOM相談では、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に、無料で保険についての相談をすることができます。
 


保険会社に苦情を言うよりも、ずっと有効な解決方法を示してもらえるはずです。 

まとめ:外貨建て保険の乗り換えは慎重に行おう

外貨建て保険の乗り換えについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。 


この記事のポイントは、

  • 外貨建て保険は円建て保険に比べて金利が高く、保険料も安い
  • 外貨建て保険は為替リスクや手数料があるが、相続対策にもなり、為替リスクはある程度回避できる
  • 外貨建て保険の解約時には、為替レートのタイミングや手数料、税金に注意する

以上です。


苦情のニュースなどで外貨建て保険に悪いイメージをお持ちかもしれません。
 


しかし、外貨建て保険はうまく活用すれば大きく運用益を得ることができる魅力的な金融商品です。
 


乗り換えにあたっては、メリット、デメリットをしっかり理解し、自分に合った商品を選ぶことが大事ですので、ぜひ専門的知識を有するFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談することをお勧めいたします。
 


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