更新日:2019/05/13
外貨建て保険は相続に有効?相続財産の評価は保険で圧縮しよう
相続対策として外貨建て保険の活用が有効なことをご存知ですか。相続外貨建て保険で相続対策をすることで節税になったり、高金利により死亡保険金が多く受け取れるなどのメリットがあります。今回は為替リスクの回避方法なども兼ね、相続外貨建て保険による相続対策を紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
外貨建て保険を相続に活用?相続対策にはドル建て終身保険
相続の対策として、多く資産を残すためにも、運用益が期待できる外貨建て保険を検討している方は多いのではないでしょうか。
外貨建て保険は円建て保険に比べて一般的に金利が高く、運用益が期待できます。
しかし、「外貨建て保険にはどのようなリスクがあるのかよくわからない」、「外貨建て保険を相続対策にどのように活用できるのか知りたい」などといったように、外貨建て保険について悩んでいませんか?
生命保険はメリット、デメリットを理解した上で、自分に合った商品を選ぶことが大事です。
そこで、この記事では、外貨建て保険による相続対策について、
- 外貨建て保険による死亡保険金の非課税枠への活用
- 外貨建て保険の為替リスク
- 外貨建て保険の相続税評価
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、外貨建て保険による相続対策に関する基本的知識を得ることに役立つかと思います。
外貨建て保険は死亡保険金の非課税枠を活用可能
生命保険で相続対策をする上でのメリットをいくつか紹介します。
- 相続対策として節税効果が高い
もし、現金という形でを相続することになるとどうなるでしょうか。
その額に相続税が直接かかりますし、控除額も少ないため、負担は大きくなってしまいます。
しかし、生命保険を契約していれば、死亡保険金の非課税枠を活用できます。
後述するように法定相続人の人数に応じた控除額までは相続税がかからないので、
節税効果が高いです。
- 死亡保険金の受取人を指定できる
一般的には、財産を相続する方法として、遺言により遺産の分配を指定します。
遺言を残さなかった場合は遺産分割協議を行うことになり、
遺産を巡り遺族の間で争いが起きてしまう可能性があります。
しかし、生命保険の契約により、死亡保険金の受取人を指定しておけば、
遺産の受け取りについて争いの余地がないのです。
さらに死亡保険金は遺留分減殺の対象にもならないため、
受取人へ確実に現金を残すことができます。
- 相続税の支払いを準備できる
被相続人が死亡した場合、相続が発生しますが、
実際に相続人が遺産を受け取るまで時間を要することがあります。
上述のように遺産の所在を巡り協議等が必要となることがあるからです。
また、遺産が現金としては少なく、不動産や動産が多い時はどうなるでしょうか。
その場合、すぐに現金を準備することができず、相続税の支払いが困難となってしまう可能性があります。
しかし、生命保険を契約していた場合は、生命保険会社にて手続きをすることにより、 死亡保険金を通常1週間から2週間ほどで受け取ることが可能です。
現金を早期に受け取ることができるため、相続税の支払いをスムーズに行うことができます。
死亡保険金の非課税枠の活用でどれだけお得?
- 死亡保険金の非課税枠のシミュレーション
「500万円 × 法定相続人の人数」の税控除を受けることが可能です。
例えば、相続人となるご家族が配偶者、お子様3人の場合、以下の控除額となります。
500万円×4人=2,000万円
これに加えて基礎控除を受けることができます。具体的には、「3千万円+600万円×法定相続人の数」で控除額が決定されます。
先ほどの例に基づいて計算しますと、
3千万円+600万円×4人=5,400万円
までが基礎控除額になります。- どのような家庭に死亡保険金の非課税枠を活用すべきか
一般的なご家庭としては、預貯金や有価証券、不動産などが資産の中で大きな比重を占める場合が多いと思います。
この時不動産評価額は時価で評価されますが、その評価額が高いと不動産だけで基礎控除額を超えてしまい、相続税を支払うことになる可能性が高くなります。
そのため、お持ちの資産が基礎控除額を超える可能性が高い場合、
相続税を支払いを回避し、または支払額を減らすためにも死亡保険金の非課税枠をご活用なさることがお勧めです。
- 円建ての商品との比較
ここまで生命保険のメリットを紹介してきましたが、
円建て保険でも十分なのでは?と思われるかもしれません。
しかし、円建て保険はいくつか問題を抱えているのです。
まず日本の平均寿命は年々伸びているので、払い込む保険料も増加傾向にあります。
それに加え、日銀のマイナス金利政策により金利が低下しています。
その影響によって、保険会社の運用利回りも下がっているので、近年は保険料自体も高くなり、
生命保険の利回りも期待できない現状です。
上記の事情から、円建て保険では、支払った保険料が死亡保険金よりも高くなってしまい、損をする可能性が高くなっています。
それに対して外貨建て保険では金利が高い傾向にあるため、
円建て保険よりも死亡保険金が増える可能性があります。
受け取り方を工夫すれば為替リスクも回避可能
外貨建て保険と聞くと、「金利が高くても、為替リスクがあるから損してしまう可能性も高いのでは?」
と不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、為替リスクは死亡保険金の受け取り方により減らすことができるのです。
具体的には以下の通りです。
- 円安の時は、「円建て」で受け取ることで死亡保険金と相続財産が増加します。
- 円高の時は、「外貨建て」で受け取ることで死亡保険金は減少するものの、相続税が低くなります。
このように、死亡保険金の受け取り方を工夫することにより、 円安、円高どちらの場合でも為替リスクを抑えることができます。
外貨建て保険の相続税評価はどうなる?外貨の相続財産評価
外貨建て保険を保有していた場合、相続税評価は外貨建て資産を円に換算することにより計算します。
この章では、外貨建て資産の相続税評価をする時の為替レート、注意点について説明します。
TTB、TTSの為替レートについてわかりやすく解説
外貨建て資産を円に換算するにあたり、
資産がプラスの場合にはTTB(対顧客直物電信買相場)を、
負債となる場合にはTTS(対顧客直物電信売相場)を使用します。
TTBは「外貨」を「円」に交換するときのレートで、
TTSは「円」を「外貨」に交換するときのレートとなっています。
TTSとTTBは金融機関の手数料が含まれるため、基本的に一致しません。
以上から、外貨建て保険を円に換算する場合、TTBレートを使用することになります。
外貨建て保険の相続税評価における注意点
TTBレートはどこの金融機関でも同じというわけではないので注意が必要です。
それではどこのTTBレートを使用するのか?と疑問に思われるかと思います。
国税庁の見解では、相続人が取引している金融機関が公表するレートということになっています。
しかし、取引している金融機関がレートを公表していない場合は、
レートを公表している他の金融機関のものを使用して問題ありません。
また、相続開始日に為替相場がなく、その日の為替レートを使えない場合は、
それより前の日付で最も近い日の為替相場を使用することができます。
ドル建て保険で相続対策!FPさんと相談しよう
「生命保険について0から教わりたい」「ドル建て保険にはどんな商品があるのか知りたい」
自分に万が一のことがあった時のため、今後の人生設計を安心できるものにするためにも生命保険の備えは大切です。
一生に関わることですから、誰に相談すべきか悩むかもしれません。
そんな方には生命保険に詳しい保険のプロが在籍するマネーキャリア相談がおすすめです。
相談者様が来店されなくとも、電話やお近くのカフェなどお客様の事情に合わせたスタイルで相談を受け付けております。
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まとめ:外貨建て保険を相続に有効活用しよう
今回は外貨建て保険について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 外貨建て保険は死亡保険金の非課税枠へ活用できる
- 外貨建て保険の為替リスクは受け取り方により回避可能
- 外貨建て保険の相続税評価は円換算するためTTBレートを使用する
以上です。
すでに円建て保険を契約されている方もされていない方も外貨建て保険も選択肢に入れて相続対策、資産運用をご検討してみてはいかがでしょうか。
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