外貨建て保険の苦情が急増、危険性、為替リスクの説明不十分が原因

外貨建て保険の苦情が急増、危険性、為替リスクの説明不十分が原因-サムネイル画像

外貨建て保険の苦情が国民生活センター等に殺到しているニュースが頻繁に報道されています。金融庁は外貨建て保険の苦情の原因を手数料・説明不十分に絞り、生命保険協会と協力し銀行窓販の健全化を測る方針です。外貨建て保険の為替変動による元本割れリスクを徹底解説します。

この記事の監修者
菊原 浩司
人生最大の買い物である不動産と保険を中心としたコンサルティングを行っています。不動産は『買っておしまいではなく、管理・資産計画まで含めた総合的なサポート』を保険は『保険貧乏にならないよう、必要な保証を必要な期間だけ』を理念としております。
独立系FPとして業務を行っており、顧客を最優先したコンサルタントを行っております。他のFPにはない、広い分野での選択肢を提案していきます。

外貨建て保険の苦情が多発?リスクの説明不足が横行

マイナス金利政策のもとで超低金利が続く中、日本円の運用が難しい一方で、金利が高く、安定した外貨(豪ドルや米ドルなど)で運用する外貨建て保険の人気が高まっています。


銀行などの金融機関の窓口で、人気商品として外貨建て保険を勧められた方もいるのではないでしょうか。


しかし最近、この外貨建て保険への苦情が急増しているというニュースを耳にしたことはありませんか?


もしあなたがすでに外貨建て保険に加入しているなら、聞き捨てならない話ですよね。


そこで、この記事では急増する外貨建て保険への苦情について、

  • 外貨建て保険の苦情について概要、対策方法
  • 外貨建て保険への苦情が急増している理由
  • なぜ銀行は外貨建て保険を勧めてくるのか
  • 知らなかったでは済まされない外貨建て保険のリスク

以上のことを中心にお伝えしていきます。


この記事を読めば、あなたが加入している外貨建て保険に起きている苦情やトラブルの問題点やリスクが理解でき、悩みを解決することができるはずです。


ぜひ最後までご覧ください。

生命保険協会は苦情件数を四半期ごとに開示する方針

日本国内で営業する生命保険会社が加盟する業界団体である「生命保険協会」が2019年1月に、外貨建て(ドル建て)保険の販売に対する苦情件数を開示する方針を示した。


外貨建て保険への苦情の発生件数や分析を3ヶ月(4半期)ごとに開示する」という方針の詳細も示し、その本気度を伺い知ることができます。


背景には、2018年12月より始まった金融庁による「手数料開示」指導や、生命保険協会による銀行窓販での「説明強化」指導があるようです。


生命保険協会の「生命保険会社の苦情受付状況


2019年4月~6月の苦情状況は、同年9月に公表する予定です。


なお全国銀行協会の2018年の苦情件数データで現状の苦情件数を把握できます。


また苦情を寄せているユーザーの半数以上が、外貨建て保険に意図せず加入した可能性のある高齢者であることが判明しました。


生命保険会社各社は、4月から「販売時のリスク説明資料の充実」や「高齢の顧客には親族の同席を求める」などの対応を進めています。 

高齢者の方は注意!国民生活センターに寄せられた実際の苦情

外貨建て保険に関する苦情件数はここ数年で3倍以上にも増加しているといわれていますが、その内容はどのようなものなのでしょうか。
 


実際に国民生活センターに寄せられている苦情の事例を見ていきましょう。  

  • 高齢の母が証券会社の来訪を受け、外貨建ての終身保険を契約してしまい、300万円支払った。クーリング・オフさせたい。
     
  • 自宅で保険外交員から説明を受け、銀行預金と同じだと思い米ドル建年金支払型養老保険を契約したが、解約すると保険料を割り込むと言われた。話が違うので返金してほしい。
     
  • 高齢の父が私を被保険者にして外貨建て一時払い養老保険を契約した。私は仕事で契約時の面談に同席していなかった。父は為替リスクや元本割れリスクを理解していない。契約無効にできないか
     
引用:国民生活センター 


苦情の事例を見ていると、「高齢者の方が意図しない保険契約を締結している。」という主旨のものがほとんどのようです。


高齢の親族がいつのまにか契約をしていて、後になって他の親族が気が付き、銀行に連絡をしたら「早期解約は元本割れの原因となります。」と言い渡されるケースですね。


金融商品取引法に抵触する可能性のある悪質な保険勧誘を受けた方もいらっしゃるようです。


では外貨建て保険商品の為替変動リスクや早期解約による元本割れについてよく理解していないのに、意図しない契約をしてしまった場合はどうすればいいのでしょう。 

意図しない外貨建て保険の契約被害の対処法を3つ解説!

対処法について結論からいうと、 

  1. クーリングオフ 
  2. 保険を解約して外貨として保持して円に変換する機会を待つ 
  3. 他の安全な金融商品で資産形成 
の3つがありますので、順を追って説明していきます。 


契約から8日以内であれば、まずはクーリングオフを検討すべきでしょう。 


ただし、為替変動リスクや外貨への変換手数料があることに変わりはないので、支払い保険料が満額返金される保証はありません。 


クーリングオフの期間を過ぎてしまった方で解約を検討されるのであれば、ほとんどのケースで元本割れとなります。


 元本割れを少しでも軽減したい方は、解約後の通貨を外貨で保持してタイミングを見計らって円に変換するのが効果的です。 


ただ、直近でまとまったお金を必要としない、一定期間は外貨を保持することができる方は、コスパの良い他の外貨建て金融商品に乗り換えるという手もあります。 


また、老後の資産形成が目的の方はiDeCo(個人型確定拠出年金)や円建ての個人年金保険など、比較的安全な公的制度や貯蓄型保険に加入するのもいいでしょう。 


これら外貨建て保険の対処法については「マネーキャリア相談」にて無料でご相談にのりますので、ぜひチェックしてみてください。


金融庁も介入?銀行側の説明不足問題とは?

苦情件数増加の背景には、いったい何があったのでしょうか。


もっとも多い苦情内容は「外貨建て保険のリスクについて、販売時の説明が不十分」ということです。


結果として契約内容を理解し難く、資産を持っている60歳以上からの苦情が過半数を占めています。


特に2007年の全面解禁以来どんどん増えている「銀行窓販」における外貨建て保険の説明不足が問題になっています。


銀行窓販とは、銀行の窓口で銀行員が生命保険を販売する営業方式です。


円建て保険の金利が望めない現代では、保険会社は高利回りをアピールして外貨建て保険を銀行に売り込んでいます。


日本での高齢者は「銀行」に絶大な信頼を置いているため、銀行に保険の窓口販売(銀行窓販)を設ければ実によく売れるのです。 


退職金や老後資金を外貨建て保険につぎ込み、子供が発見して苦情を寄せるというパターンが後を絶ちません。


生命保険協会は「親族の同席を徹底させる」などの対策を取ってはいますが、即時契約を結ぶように誘導する悪質なケースもあるようですので十分に注意しましょう。

外貨建て保険の銀行窓販での販売強化!不適正募集とも受け取れる背景

今や外貨建て保険は、銀行窓販の主力商品となっています。


なぜなら、銀行は外貨建て保険の販売で手数料を得ることができるからです。


初期の手数料は7%ほどと推定され、総額は年間数兆円とも言われています。


本来なら銀行は融資で利益を得るものですが、超低金利で儲からないことから外貨建て保険の高い手数料で稼ごうという意図です。


たとえば初期の支払いが500万円なら売るだけで35万円が手に入るわけですから、銀行というブランドを利用すればこんなに美味しい商売はありません。


高い高いとやり玉に挙げられがちな投資信託の手数料でも、高くてもせいぜい3%です。


さらに投資信託は手数料が明示されていますが、銀行窓販の外貨建て保険では手数料が公表されていません。  

商品・リスクの説明不十分、外貨建て保険は複雑な商品

なぜ、お金のプロである銀行員が販売していながら「説明が不十分」という苦情が続出という事態になってしまうのでしょうか。


保険業法において特定保険契約とされ、そのリスクを認識されている外貨建て保険ですが、実際には多くの銀行員が「外貨建て保険」の内容を理解しないまま顧客に勧めています


保険商品は資格さえあれば売ることができますが、とりわけ外貨建て保険の構造はとても複雑です。


銀行は顧客本位の業務運営(フィデューシャリーデューティー)を目指している一方で、銀行員には大量のノルマがあります。


販売手数料が高いということのみに着目し、商品内容をよく知らないままやみくもに営業をかける銀行員が大勢いるのです。


よく知らないまま勧めるわけですから、商品のリスクをきちんと伝えられるわけはありません。


「定期預金の利率が0.01%のこの時代に、なんと積立利率3%!」というような見た目の利益ばかりをアピールするため、それが後の苦情に繋がっているのです。


生命保険協会は苦情を予防するため、銀行との情報共有不足を解消を目指して「リスクについての説明を強化した資料」を銀行に配布し始めています。

外貨建て保険のリスクとは?元本保証なのは外貨ベースのみ!

ここまでは外貨建て保険への苦情の原因となる「説明不足問題」についてお伝えしてきました。


では、外貨建て保険への苦情に繋がるリスクとは具体的にどのようなことなのでしょうか。


金融商品選択において重視すべきリスクは「収益性」の他に「安全性」と「流動性」があります。


ここからは外貨建て保険で見落としがちなリスクを知るため、外貨建て保険の安全性と流動性に着目し、

  • 為替が外貨建て保険に与える影響とは
  • 外貨建て保険はいつでも解約できるのか
  • 積立利率は安定しているのか
  • 手数料と積立利率との関係とは

以上のことについて解説していきます。 

1:為替リスク!為替相場のレート変動による為替差損

外貨建て保険最大のリスクは、何といっても為替リスクです。


為替リスクとは「円と外貨の為替レートの変動により、外貨建てで保有する資産の価値が目減りしてしまうリスク」のことです。


もし保険金受け取り時が契約時よりも円高になっていれば、受け取り額は減少してしまいます。


「ドルで考えれば増えているけど、円に換算すればむしろ減っている」ということは、外貨建て保険ではよくあることです。


保険は元本保証できる安全な商品というイメージがあります。


しかし外貨建て保険は、為替変動の影響をもろに受ける「ハイリスク・ハイリターン」の投資であることを忘れてはいけません。

2:早期解約は元本割れの危険!流動性を失い資産が固定される

外貨預金への苦情としては、為替リスクに以外にも

  • 外貨預金だと思っていたのに外貨建て保険だっ
  • 早期解約すれば元本割れすると聞き解約もできず困っている

というパターンもあります。


まさかと思いますが、本当に預金と思って加入する契約者が多くいるのです。


 一般的に積立型の生命保険は、早期解約すれば大幅に元本割れします


特に外貨建て保険の中途解約には「市場価格調整」というしくみが働き、金利が上昇すれば返戻金が下がってしまうというリスクも重なります。


中途解約によって大損するとなれば、返戻金が元本を超えるタイミングまでお金をそこに固定させるしかなく、資産の流動性は大きく損なわれてしまいます


運良く契約直後に気づいてクーリングオフできても外貨で返金されるため、すでに為替損益が発生している場合もあります。 

3:積立利率が上下!解約返戻金が変化し含み損の可能性

外貨建て保険は、円建てに比べて利率が高いというメリットがあります。


しかし外貨建て保険のほとんどは「積立利率変動型」の商品です。


積立利率とは積立金に適用される利率のことで、一定期間で利率が見直される積立利率変動型の場合は「思っていたほど増えなかった」というケースも当然あるわけです。 

4:手数料に注意!積立利率と実質利回りの関係

「でも、契約時に最低保証利率2%と説明された」
という方もいるかもしれませんね。


多くの方が誤解していることですが、保険の積立利率を定期預金などの利率と同じように考えてはいけません。


定期預金は預けた金銭の全額に利率が適用されますが、保険の場合は保険料の一部のみが「積立金」として運用されています


支払った保険料の中からは、

  • 各種手数料
  • 死亡保障
  • 諸経費
  • 保険会社や代理店の利益

といったことに使われる部分もあるため、積立部分は保険料額から大きく目減りしています。


手数料としては初期手数料や運営上の手数料の他に、外貨と円の両替にかかる為替手数料も発生しています。


これらのことを契約者にしっかり説明していないと「話が違う、2%も増えていないじゃないか」という苦情に繋がってしまうわけです。 

資産の分散に有効!外貨建て保険のメリットとは?

ここまでは、苦情の原因となる外貨建て保険のデメリットにばかり触れてきました。


しかし、もちろん外貨建て保険には高利率以外のメリットも存在します。


中でも大きいのは「資産を円だけでなく外貨にも分散して、円安リスクに備えることができる」ということです。


日本では生活に関わる多くのものを輸入品に頼っているため、円安で輸入品の値段が上がれば生活への大打撃となります。


円の価値が下がるということは、同じものが同じ価格で買えなくなるということです。


資産の分散は外貨預金でもできることですが、積立部分の金利が良いことと死亡保障などの保険部分があることから、外貨建て保険は人気が高いのです。

外貨建て保険の出口戦略について!FPさんに相談しませんか?

「外貨建て保険のリスクを知らないまま口車に乗せられて契約してしまった」というあなたも、落ち込むことはありません。


すでに費用対効用の低い外貨建て保険に加入していたとしても払い済み保険にしたり、コスパの良い外貨建て保険に乗り換えれたりすれば損失を最小限に抑えられる可能性があります。


そして外貨ベースで資産を維持しつつ、円の動向を見て円転するか外貨預金を継続するかを選択するのです。


といっても、その具体的な方法が分からない方も多いことと思います。


そんなときには、ぜひマネーキャリアをご利用ください。


マネーキャリアでは、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に、無料で保険についての相談をすることができます。


保険会社に苦情を言うよりも、ずっと有効な解決方法を示してもらえるはずです。 

苦情ニュースに惑わされない!外貨建て保険は上手く活用すべき

急増する外貨建て保険への苦情についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 特に「銀行窓販」で外貨建て保険に加入した高齢者からの苦情が増加している
  • リスクへの説明不足が苦情につながっている
  • 外貨建て保険はデメリットばかりではなく、円安リスクが回避できるというメリットもある

以上のことでした。


すでに外貨建て保険に加入している方は、苦情のニュースを見るたびに心がざわつくかもしれませんね。


しかし、必要以上に惑わされてはいけません。


外貨建て保険は本来とても優秀な金融商品であり、うまく活用すれば人生の強い味方とすることも可能です。


慌ててすぐ解約するのは最悪のパターンですので、ぜひ知識ある方に相談し、自身の保険への理解を身につけていただきたいと思います。


ほけんROOMでは他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。 

ぜひご覧になってください。 

この記事の監修者
菊原 浩司
人生最大の買い物である不動産と保険を中心としたコンサルティングを行っています。不動産は『買っておしまいではなく、管理・資産計画まで含めた総合的なサポート』を保険は『保険貧乏にならないよう、必要な保証を必要な期間だけ』を理念としております。
独立系FPとして業務を行っており、顧客を最優先したコンサルタントを行っております。他のFPにはない、広い分野での選択肢を提案していきます。

ランキング