終身保険の保険料は60歳払込にできる?どのようなメリットがあるの?

終身保険の保険料は、60歳払込で契約できるって知っていましたか。そこで今回は、終身保険の保険料を60歳払込にすることで受けられるメリットと、デメリットをご説明してきます。メリットとデメリットを踏まえて、保険料の払込期間について考えていきましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

終身保険の60歳払込にすることについてご紹介

終身保険とは、一生涯の死亡保障を、一生涯変わらない保険料で受けることができる生命保険です。


終身保険では、保険期間は一生涯となっていますが、保険料の払込期間を設定することができます。


終身保険の保険料の払込期間は、終身払いはもちろん、10年払い15年払い、さらには60歳払込65歳払込などで契約することが可能です。


今回は、保険料を終身払いにした場合と比較して、保険料を60歳払込にした場合のメリットとデメリットを考えていきます。

終身保険の60歳払込にすることのメリット

まず、終身保険の保険料の払込期間を60歳払込にした場合のメリットをご紹介していきます。


保険料の払込期間を60歳払込にした場合の主なメリットは以下の3つです。


  1. 保険料の総支払額が安くなる
  2. 解約返戻金の返戻率が上がる
  3. 収入があるうちに保険料を収めることができる

それでは、1つずつのメリットについて解説していきます。

60歳払込など期間があると保険料の総支払い額は”終身払いより安い”

1つめは、保険料の払込総額が安くなることです。

具体的な終身保険商品での、以下の例をご覧ください。


  • 契約者:30歳男性 保険金額:500万円 保険期間:終身 85歳まで生存した場合
  • 60歳払込の場合の総支払保険料:3,913,200円
  • 終身払いの場合の総支払保険料:4,227,300円

いかがでしょうか。


終身払いの場合には、生存する限り保険料を負担する必要があるため、総支払保険料の額が増えてしまう可能性が高くなります。


保険料の払込期間を60歳払込にしておくことで、以降は保険料の負担がなくなるため、長生きしたからといって保険料の支払総額が増えてしまう心配がありません。

若いうちから加入することで、60歳払込により返戻率もさらに上がる

2つめは、解約返戻金の返戻率が上がることです。

保険料の払込期間の差による解約返戻金の返戻率の差を見ていきましょう。


  • 契約者:30歳男性 保険金額:500万円 保険期間:終身
  • 保険料60歳払込の場合、総支払保険料:3,913,200円 80歳での解約返戻金:4,731,200円(返戻率120.9%)
  • 保険料80歳払込の場合、総支払保険料:4,245,000円、80歳での解約返戻金:4,732,650円(返戻率111.4%)

いかがでしょうか。


2つの場合を比較すると、返戻率に大きな差が出ることがわかりますよね。


解約返戻率をなるべく高くしたい場合には、保険料の払込期間を60歳払込にしておくことをおすすめします。

収入があるうちから保険料の収めることができる

3つめは、収入があるうちに保険料を収めることができることです。

保険料の払込期間を60歳払込にしておくことで、以降は保険料の負担がなくなります。


保険料の払込期間を終えてからも、保険期間は一生涯続くので安心です。


退職して、年金暮らしとなってから毎月の保険料を負担することは大変でしょう。


そのため、退職前の収入があるうちに保険料を収め終えることができることが、保険料の払込期間を60歳払込にしておくことの大きなメリットといえるでしょう。

終身保険を60歳払込にすることでデメリットもある


さて、ここまでは、終身保険の保険料の払込期間を60歳払込にしておくことで受けられる3つのメリットについてご紹介してきました。


しかし、終身保険の保険料の払込期間を60歳払込にしておくことで、デメリットも存在します


主なデメリットは以下の2つです。


  1. 月々の支払保険料が高額になる
  2. 早期解約のリスクがあり、保険の見直しがしづらい

それでは、それぞれのデメリットについて解説していきましょう。

月々の負担する保険料は高額になる

1つめは、月々の負担する保険料が高額になることです。

実際の保険商品での、月々の支払保険料額の差をみていきましょう。


以下の例をご覧ください。


  • 契約者:30歳男性 保険金額:500万円 保険期間:終身
  • 保険料60歳払込の場合、月額保険料:10,870円
  • 保険料終身払いの場合、月額保険料:6,405円

いかがでしょうか。


保険料の払込期間を60歳払込にした場合と、保険料を終身払いにした場合とでは、月々の負担する保険料の額に4,465円もの差があります。


月々の支払保険料の額は、払込期間が長ければ長いほど安くなり、払込期間が短ければ短いほど高くなります。


払込期間が短く、総支払保険料の額は少なくなるとはいえ、月々の負担する保険料が高額になるのは嫌だという人は、終身保険の保険料の払込期間は60歳払込にせず、80歳払込や終身払いで契約したほうがよいかもしれませんね。

早期解約のリスクや見直しがしづらい

2つめは、早期解約のリスクがあるため、保険の見直しがしづらいということです。

終身保険は、保険期間が一生涯続くため、保険の見直しは必要ない保険です。


しかし、保険会社では毎年のように新しい商品が発売されています。


終身保険で保険料の払込期間を60歳払込にした場合、月々の保険料が高くなり、早期解約のリスクが高まります。


早期解約で損をしてしまうので、なかなか保険の見直しがしづらいのです。


将来的には、新しい保険商品への乗り換えを考えている場合には、保険料の払込期間を60歳払込に設定しないほうがよいかもしれませんね。



参考:貯蓄性を求めるなら、低解約返戻金型終身保険もおすすめ

終身保険の大きな魅力の一つが、解約返戻金による貯蓄機能が備わっているということではないでしょうか。


終身保険を、老後の資金形成のために活用している場合には、低解約返戻金型終身保険もおすすめです。


低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間内の解約返戻金の返戻率を低く抑え、保険料の払込期間が終えると返戻率が跳ね上がるタイプの終身保険のことです。


保険料払込期間内の解約返戻金の返戻率が抑えられていることで、保険料が割安になっているというメリットがあります。


割安な保険料でありながら、高い解約返戻率が期待できる低解約返戻金型終身保険は、貯蓄性が高い終身保険であり、現在は終身保険の主流となりつつあります。


老後の資金形成のために貯蓄性の高い終身保険への加入を考えている人は、低解約返戻金型終身保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。


生命保険の低解約返戻金型についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

まとめ:終身保険を60歳払込にしたときのメリット、デメリット

さて、今回は終身保険の保険料の払込期間を60歳払込にした場合のメリットとデメリットについてご紹介してきましたが、いかがでしたか。


今回の記事のポイントは以下の通りです。


保険料を60歳払込にした場合、


  1. 保険料の総支払額が安くなる
  2. 解約返戻金の返戻率が上がる
  3. 収入があるうちに保険料を収められる
  4. 月々の保険料は高額になる
  5. 早期解約のリスクがある

終身保険の保険料の払込期間を60歳払込にすると、3つのうれしいメリットもありますが、2つのデメリットも存在します。


メリットデメリットを踏まえたうえで、終身保険の保険料の保険料の払込期間を設定するようにしてください。


お手頃な終身保険についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

生命保険の選び方が気になるという方はぜひこちらを読んでみてください。

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