加入している終身保険!それはお宝保険とよばれる終身保険かも!

バブル崩壊前の予定利率が高かった頃に加入した貯蓄型の終身保険は、今ではお宝保険と言われています。予定利率が高ければ、その分安い保険料で終身保険に加入することができました。しかし今では予定利率は過去最低となり、1999年以前の終身保険はお宝保険と呼ばれています。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

終身保険はお宝保険?お宝保険について解説!

そもそも、お宝保険とはどういったものなのかご存知でしょうか?

生命保険会社などが販売している貯蓄型の商品で、学資保険や養老保険、終身保険があります。

お宝と呼ばれるには、それなりに大切なのだということは、おわかりいただけると思いますが、その理由は、バブル崩壊前の景気が良かった頃の予定利率が関係しているのです。

景気が良かった分、保険会社も予定利率を高く設定し保険料の割引率を高くして、保険料は少なく、契約者へ支払う金額は多くなっていました。

学資保険や養老保険は、満期を迎えてしまい、お宝保険として存続しているケースはほとんどありませんが、終身保険の場合は、一生加入当時の予定利率が適用されているので、今でも継続していれば、それはお宝保険と呼ばれているものなのです。

過去に販売されていた特に貯蓄性の高い終身保険はお宝保険と呼ばれている

2017年4月に、生命保険などの保険料などを決定するための標準利率が0.25%まで引き下げられました。

同時に、各保険会社も一斉に予定利率の引き下げに入り、0.25%と過去最低の水準となりました。

では、過去には、いったいどれほどの予定利率があったのか気になりますよね。

1985年から1993年の間は、過去最高の予定利率で5.5%でした。

現在とは歴然の差となっています。

そんな予定利率の良かった時代に加入した終身保険は、今でも加入当時の予定利率が継続されており、とても重宝されるお宝保険となっているのです。

昔は終身保険の返戻率が高かった

保険金額と支払い保険料の差のことを、返戻率といいます。

そして予定利率によって、保険料が変わり返戻率も同じく変わります。
  • 予定利率が高い・・・保険料が安く返戻率が高い
  • 予定利率が低い・・・保険料が高く返戻率が低い
たとえば、同じ終身保険の保険金額であっても、予定利率が高ければ、安い保険料で加入することができました。

しかし、現在のような低い予定利率だと、同じ終身保険に加入しても、保険料の割引率は低く、保険金額と大差ない保険料を支払わなくてはならないのです。

過去の保険でも掛け捨て型など貯蓄性のない場合は、お宝保険とは呼ばれない

予定利率が良くても、貯蓄性のある商品でなければ、お宝保険とは言いません。

掛捨てタイプの定期保険や医療保険は、積み立て部分があるわけではないので、予定利率の高さは、保険料の割安にしか影響がないので、お宝保険にはならないのです。

予定利率が高いということは、積み立て部分に対しての利息の付き方が良いというように考えてください。

仕組みは違いますが、予定利率は、銀行などの預貯金の金利と同じ考えです。



金利が良ければ、銀行に預けているだけで、どんどん貯蓄額が増えていきます。

同じように、貯蓄型の保険商品も、予定利率が高ければ、保険料はそれだけ安くなり、同じ終身保険に加入するにしても、現在よりとても安い保険料で加入することができたのです。

昔は予定利率が高かったことがお宝保険が生まれた要因

生命保険の保険料を決めるための予定利率は、市場金利と連動しています。

「失われた20年」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

1991年から20年以上にわたって、バブル崩壊前の勢いを取り戻せず、市場金利は低迷し続けています。

それに伴い、生命保険会社が保険料を決めるための基準となる標準利率の引き下げも同時に低迷し続けた結果、昔と同じような予定利率へ戻すことができず、今では、昔の貯蓄型商品であった養老保険や終身保険のとを「お宝保険」と呼んでいるのです。

予定利率とは?

契約者に約束する運用利回りのことを、予定利率といいます。

加入者が、終身保険に契約した時に設定されていた予定利率は、終身保険契約が継続される限り、予定利率を変更することはできません。

予定利率は、契約者から預かった保険料を、投資などによって運用利益を出す運用益のことです。

市場金利が良く、運用利回りが高いと判断されれば、予定利率は引き上げられ、結果として契約者が支払うべき終身保険に対する保険料も安く抑えることが可能となります。

予定利率はある程度日本の景気と比例していることも念頭にいれておこう

少しづつ予定利率の低迷を始めだしたのは、やはりバブル崩壊後でした。

1999年の予定利率は2.75%あったのに対し、日本経済が低迷するのと同様に、予定利率も低迷するようになりました。
予定利率
時期
2.75%
1999年3月まで
2.00%
1999年4月から
1.50%
2001年4月から
1.00%
2013年4月から
0.25%2017年4月から
直近だけ見ても、この約20年間で、これだけ予定利率は下がってきました。

2017年4月の改定は、マイナス金利の影響を受けたもので、予定利率は日本の景気に比例して、下がり続けているのです。

まとめ

新しい保険商品が販売されたら、「古い保険だから新しく切り替えようかしら」と思う前に、どんな保険に加入しているのかを、必ず確かめるようにしてください。

特に、お宝保険と呼ばれる保険に加入している人には、保険会社から新しい保険への切り替えを勧められることが多くあります。

保険会社としては、予定利率の高いお宝保険を継続されると、運用に厳しいこの時代、できれば低い予定利率の保険に加入し直して欲しいというのが、本音なのです。

しかし、お宝保険である終身保険の切り替えを行ってしまうと、高い予定利率は適用されず、現在の低い予定利率に変わってしまいます。

1999年3月までに終身保険に加入しているのであれば、それはもうお宝保険と呼ばれているものなので、大切に継続してください。

ランキング