老衰死の場合、生命保険の保険金は受け取ることができるのか

老衰死の場合、生命保険の保険金は受け取ることが可能でしょうか?結論から言うと、老衰死の場合でも保険金の受け取りは可能です。しかし、免責となる場合もあるのはご存知でしょうか?この記事を通じて確認しましょう。また、保険金にかかる税金や受取人についても説明します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

老衰で死亡した場合に生命保険の死亡保険金はおりるのか

あなたは老衰による自然死の場合でも、生命保険の保険金を受け取ることができるのかが気になって調べていることでしょう。


結論から言いますと、老衰による自然死の場合でも、生命保険の保険金を受け取ることは可能です。


しかし、死亡時の保険金の受け取りに際しては、生命保険の支払いが免責になる場合や、保険金にかかる税金など、注意するべきポイントがいくつかあります。


そこで今回、この記事では、

  • 死亡保険金の受け取りの流れ
  • 生命会社の保険金の支払いが免責となる条件
  • 死亡保険金にかかる税金の種類
  • 生命保険の受取人変更手続き

以上のことを中心にお伝えします。


この記事を読めば、老衰による自然死の場合での、死亡保険金の受け取りに関して正しい知識を得ることができるでしょう。


ぜひ最後までご覧ください。


ほけんROOMでは他にも保険に関する記事や、どの保険相談窓口を選べば良いかと言った記事を公開しておりますので、お悩みの方はそちらも合わせてご覧ください。 


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老衰死とは何か、定義を確認しよう

老衰死とは、年老いて死ぬことです。死因が外傷や病気などではなく、自然に亡くなった場合のことをいいます。


人間は年を取るにつれて、身体機能が低下していきます。

また食事の量も少なくなるので生きる力も衰えていきます。

そうして徐々に寿命を迎えることになるのです。

よく「眠るように亡くなった」という言い方をしたり、「寿命がきた」と表現することがあります。

そのように苦しむことなく亡くなるのは、老衰死特有の亡くなり方といえるでしょう。

老衰の場合でも死亡保険金を受け取れます

老衰で亡くなった場合、死亡診断書には「老衰による自然死」、あるいは「多臓器不全」と書かれる場合が多いです。


臓器が機能しなくなると生命を維持することができなくなります。


そのため老衰について、生命保険会社は「病死」と扱います。


あくまでも病死ということであれば、殺人などの事件性はなきに等しいとみなされます。


そのため老衰で亡くなった場合は死亡保険金を受け取ることができるのです。

生命保険の死亡保険金の受け取りの流れを確認しよう

生命保険の死亡保険金は亡くなった方が加入していた生命保険が、保証期間中の定期保険もしくは終身保険であり、亡くなった方がその被保険者であった場合に、指定された受取人が受け取ることができます。


死亡保険金の受け取りの流れは大まかには下記のとおりになります。

  • 被保険者が死亡したら「保険契約者」または「保険受取人」が生命保険会社に連絡する
  • 生命保険会社より必要書類の案内と請求書が届く
  • 保険証券に記載されている受取人が必要書類を揃え、手続きをする
  • 生命保険会社が書類を受け付け、保険金支払いの可否判断をする

なお、必要書類には被保険者の住民票や受取人の戸籍抄本や印鑑証明といった役所で取り寄せなければならない書類もあるため、手続きが煩雑になりがちなので注意が必要です。

生命保険の死亡保険金が免責となる場合も確認しよう

死亡保険金の免責とは生命保険会社が死亡保険金を支払う責任を免れることです。


言い換えると、死亡保険金の受取人が生命保険会社に請求をしても死亡保険金を受け取ることができないということを意味します。


どのような場合に免責となるのかについては、下記のとおりです。

  • 生命保険の責任開始日から1年以内の自殺
  • 保険金の受取人が被保険者を殺害した
  • 戦争やその他変乱、大災害による死亡

自殺や殺害が免責となるのは、死亡保険金の不正請求を防ぐためです。


保険金を目的とした自殺や殺害の場合には、保険金を受け取ることができないと言うことです。


戦争やその他変乱、大災害の場合は、多くの死者が出るため、生命保険会社の死亡保険金の支払い能力を大きく超えてしまう恐れがあるからです。


そのほか生命保険に加入する際に告知義務違反をした場合においても死亡保険金が免責となるので注意が必要です。


告知義務違反とは何だろう?と思った方は、こちらのほけんROOMの記事で告知義務違反について詳しく解説しているためぜひご覧ください。

死亡保険金の受取人に関して確認しておこう

死亡保険金の受取人は、配偶者および2親等以内の血族(祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫など)の範囲で指定するのが原則です。


2親等以内の血族がいない場合は、叔父叔母、甥・姪といった3親等内の血族を指定します。


それ以外の人を受取人に指定する場合、生命保険会社はその理由を確認しますが、一定の条件を満たした場合においては内縁関係や婚約関係にある人も受取人に指定することができます。


もし受取人が死亡した場合は、受取人の法定相続人が指定されます。


死亡保険金の受取人を指定するとき、誰を指定するかによって死亡保険金にかかる税金が異なってきます。

死亡保険金にかかる対象の税金の種類について解説!

死亡保険金にかかる税金は契約者・被保険者・保険金受取人の関係性によって異なります。


登場人物をA・B・Cに見立てて解説します。


契約者A:被保険者A:保険金受取人:相続人⇒相続税(非課税枠適用)

※保険金受取人が相続人以外の場合も相続税ですが、非課税枠は適用されません。


契約者A:被保険者B:保険金受取人:A⇒所得税・住民税(一時所得)


契約者A:被保険者B:保険金受取人:C⇒贈与税


相続人が受け取る死亡保険金にかけられる相続税の場合、法定相続人1人につき500万円までが非課税となります。


また贈与税は110万円まで非課税となりますが、それ以上は課税されます。


いずれにしても、死亡保険金には何らかの税金がかかるということについては覚えておく必要があるでしょう。

生命保険の受取人変更手続きは遺言でも可能

生命保険の保険金の受取人は、保険を契約するときに契約者が指定します。


また、人生の節目において生命保険の見直しをするときに受取人を変更することもあります。


受取人を変更するとき、被保険者の承諾を得る必要がありますが、受取人にはその必要はありません。


通常は契約者が直接生命保険会社に連絡して受取人の変更手続きを行います。


ところが受取人の変更手続きを遺言で行うことも可能なのです。どういうことでしょうか?


従来は遺言で保険金の受取人の変更は遺言で行うことはできませんでしたが、平成22年に保険法が制定されたことでそれが可能になりました。


保険金の受取人を変更する旨の内容が遺言に記されていた場合、保険会社はその遺言を優先して変更された受取人に保険金を支払います。


ただし、遺言の存在が確認される前にすでに元々の受取人に保険金を支払われた場合、遺言に保険金の受取人変更の内容が記されていても、再度保険金を支払われることはありません。


そのため、遺言によって生命保険の受取人変更をしたいときは、すぐに遺言書が見つかるようにする、あるいは有効性が高くなる公正証書遺言を作成するとよいでしょう。

日本における死亡原因における老衰死の割合とは?

日本における主な死亡原因の割合は下記のとおりです。

  • 悪性新生物・・・28.7%
  • 心疾患・・・15.2%
  • 肺炎・・・9.4%
  • 脳血管疾患・・・8.7%
  • 老衰・・・6.6%

            (平成27年度厚生労働省のデータによる)


日本における死亡原因の多くは病気によるものであります。


そのため老衰そのものは、死亡原因としては決して高い割合ではないことがいえます。


しかし、老衰は主に80歳代以降の高齢者に多く見受けられるものでありますし、さらに男女別で比較してみると、女性のほうが平均寿命が長いこともあるので女性が老衰で亡くなる割合が多いことが伺えます。

まとめ:老衰による自然死の場合でも死亡保険金は受け取れる

ここまで、老衰による自然死の場合に、生命保険の死亡保険金が受け取れるかどうかについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。


この記事のポイントは

  • 老衰死の場合も死亡保険金は受け取れる
  • 保険会社が保険金の支払いを免責になる場合もある
  • 契約者・被保険者・保険金受取人の関係性によって死亡保険金にかかる税金は異なる

でした。


老衰死は苦しまずに亡くなるので、天寿をまっとうしたという意味においてはご本人にとっても、ご家族にとっても理想的な亡くなり方といえるでしょう。 


高齢の身内の方がいらっしゃるご家庭は、その方がどんな生命保険に加入されているか、また被保険者になられているのかどうかといったことを機会があるときに確認されることをおすすめします。


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