更新日:2019/05/14
外貨建て保険の外貨受取したら税金は?確定申告についても解説
外貨建て保険を外貨受取した場合、税金はどのように算出されるのでしょうか?外貨建て保険は基本的には保険金や解約返戻金を外貨受取することになります。この記事では、外貨をどのような基準で円資産として計算して税金を算出するのか、わかりやすく解説いたします。
目次を使って気になるところから読みましょう!
外貨建て保険の外貨受取で税金はどのように計算される?
外貨建て保険は原則として、保険料の払い込み、保険金や解約返戻金の受け取りを外貨で行います。
加入した生命保険の満期保険金などで得た利益には税金がかかりますが、外貨受取をした場合はどのような計算がされるのでしょうか?
また、円に戻した時の為替差益はどのように扱われるのでしょうか?
せっかく資産運用として加入しても「税金が増えてしまっては」と気になるところですね。
そこで、この記事では、外貨受取をした場合の税金について、
- 外貨建て保険で外貨受取した場合と円建て保険との違い
- 為替差益に対する課税方法
- 確定申告の方法
以上について、お伝えしていきます。
この記事を読めば、外貨建て保険の税金について知ることができ、損をしない資産運用方法も選べるはず。
ぜひ、最後までご覧ください。
外貨建て保険で外貨受取したら?円建て保険の場合と変わらない?
外貨建て保険の課税は、基本的に円建ての保険と変わりません。
支払った保険料と受け取った保険金の差額を、
- 満期保険金や解約返戻金として受け取る場合は「一時所得」
- 年金として受け取る場合は「雑所得」
として計上し、その金額によって税金を納めます。
外貨建て保険で外貨受取をした場合でも為替レートにて円に換算して計算をします。
では為替差益はどのように課税されるのでしょうか?
外貨預金の為替差益は「雑所得」とされ、その金額により納税が必要です。
しかし、外貨建て保険の為替差益は、運用益と一緒にして課税されます。
満期保険金や解約返戻金の場合は「一時所得」、年金の場合は「雑所得」として計上するのです。
以下の手順で計算します。
- 支払済保険料を支払った時のレートで算出する
- 受取保険金を受け取った時のレートで算出する
- その差額を計上する
外貨受取をした場合、受け取る事由と税金の種類によって、この受取時の為替レートが異なるというルールがあります。
以下では、外貨受取した場合の
- 受取事由と税金の種類別為替レート
- 為替差益の税金
についてお伝えしていきます。
所定の為替レートで認識、円換算で計算される
外貨建て保険の保険金を外貨受取した場合、その課税評価額は、保険料支払日と保険金受取日の為替レートによって円換算され算出されます。
受取日の為替レートは、受け取り事由とかかる税金の種類によって異なります。
受取事由 | 換算基準日 | 換算時為替レート |
---|---|---|
保険金(相続税・贈与税対象) | 支払事由該当日 | 最終TTB |
保険金(所得税対象) | 支払事由該当日 | 最終TTM |
解約返戻金(源泉分離課税) | 効力発生日 | 最終TTB |
解約返戻金(源泉分離課税以外) | 効力発生日 | 最終TTM |
TTBとは顧客が外貨を円に換えるときに適用されるレート、TTMは金融機関が通過を売買する際に基準になるレートです。
為替差益には雑所得が課税される
外貨預金などの為替差益は「雑所得」とされ、その金額によって税金が課せられます。
まずは区別の分かりにくい、「一時所得」と「雑所得」についてご説明します。
- 一時所得
継続されない一時的に得られた収入。すなわち臨時収入のようなものです。
懸賞金や保険の満期保険金がここに入ります。
- 雑所得
所得税法上、10種類ある所得の区分のうち、他の9つの区分に分類できない所得は、全て雑所得になります。
事業規模ではない副収入や年金は雑所得になります。
一時所得と雑所得の大きな違いは、その所得が一時的か継続されるかという点です。
同じ満期保険金の受け取りでも、一括で受け取る場合は「一時所得」、年金として分割で受け取る場合は「雑所得」となります。
また、一時所得と雑所得では、課税対象額の計算方法が異なります。
- 一時所得
(収入-支出金額-特別控除額)×1/2 *特別控除額の上限は50万円まで
- 雑所得
収入額-必要経費 *特別控除はなし(年金の場合は公的年金控除がある)
保険金、解約返戻金を受け取った場合の確定申告
さて、実際に保険金や解約返戻金を受け取った場合、確定申告はどのように手続きすれば良いのでしょうか?
給与所得のあるサラリーマンの場合、毎年の年末調整を行うことで、確定申告は免除されます。
ただし、条件によっては会社員でも確定申告をしなければなりません。
その条件の一つが、
- 給与以外の収入が20万円を超える場合
外貨建て保険の満期保険金や為替差益を受け取った場合、その金額が20万円を超える場合は、確定申告が必要となります。
では、その確定申告はどのような手続きをすればいいのでしょうか?
ここでは、
- 保険金、解約返戻金を受け取った場合の確定申告の方法
税金の確定申告の方法
確定申告には提出期間があり、毎年、国税庁からその期間が発表されます。
毎年概ね、2月中旬から3月15日となっています。
確定申告でやることはシンプルで、確定申告書を作成し、この期間内に管轄の税務署へ提出をするだけです。
ただ、この確定申告書の作成が複雑で、大変な思いをされる方も多いのです。
税金は、生命保険や住宅ローン、配偶者がいるなどで控除される制度があります。
その控除も、所得が控除される場合、税金そのものが控除される場合などさまざまです。
そうした制度をある程度調べて、書類に記入していく必要があるので、「書類の記入が大変」ということになってしまうのです。
最近では国税庁のHPや会計ソフトなどを利用することで、簡単に作成することもできるようになりましたので、そちらを検討されてみるのもいいでしょう。
提出方法は以下の3つです。
- 税務署へ郵送する
- 直接最寄りの税務署に提出
- 電子申告システムe-TAXでオンライン上で提出
ご都合に合わせて提出方法も選択できるので、便利になりましたね。
参考:為替差益が低くても住民税に注意
前述で、確定申告が必要な条件として、「給与所得以外の収入が20万円を超える場合」とお伝えしましたが、これは所得税の確定申告の場合です。
住民税にはその特例がありませんので、住民税の確定申告は必要となります。
為替差益が低く20万円を下回った場合でも、市区町村での住民税の確定申告は必要ですので、ご注意ください。
他の保険商品で資産形成!FPさんと出口戦略について相談しよう
外貨建て保険の最大のリスクは為替です。
そのため、外貨建て保険の要は受け取る時の「出口戦略」なのです。
どのタイミングで円転するのか。そのタイミングに注意を払う必要があります。
とはいえ、為替の動きは予想できず、どこで円転すればいいのかわからないことも多いでしょう。
そんなときは、保険と投資の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。
FPがあなたに適した活用方法をアドバイスしてくれるでしょう。
ほけんROOMの「マネーキャリア相談」ではFPの無料相談を受けることができます。
一度、相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ:外貨建て保険の外貨受取の場合の税金について
これまで、外貨建て保険の満期保険金等を外貨受取した場合の税金についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
記事のポイントとしては
- 外貨受取りをしたら所定の変換レートで認識され円換算される
- 為替差益は運用益と一緒に課税
- 確定申告は住民税にも注意
の3点でした。
税金に関して言えば、外貨受取をしても、所定のレートで円に換算され課税されるので、円建ての保険と変わりがないことがわかりましたね。
では、外貨受取をするメリットは何か?
それは為替リスクをある程度回避することができることです。
たとえば、保険金を受け取る際、円高であったとしても、外貨で受け取る限りその影響を受けません。
受け取り方を工夫することでリスクを回避し、外貨建て保険を上手に活用していきましょう。
このほけんROOMでは、他にも保険に関する情報を多数掲載しいます。
ぜひ、ご覧になってください。