更新日:2022/01/15
払い済み保険とは?生命保険や終身保険の保険料を抑える方法
保険料が払えなくなった場合、払い済み保険や延長保険という手段があるのをご存知ですか?ただ生命保険や終身保険を解約してしまうよりおすすめですのでこの2つの仕組みはしっかり理解しておきましょう。払い済み保険と延長保険のそれぞれの特徴、どちらを選ぶべきか解説します。
そうなんですね!
どんな時に払い済み保険にするべきなのかも知りたいです!
内容をまとめると
- 保険料を支払えない時に検討したいのが払い済み保険と延長保険
- 払い済み保険とは、解約返戻金が減額される代わりに保険料を支払わず保障を受け続けられる制度
- 延長保険とは、一生涯の保障を期間限定にすることで保険料を支払わず保障を受け続けられる制度
- 払い済み保険にできるのは終身保険、養老保険、個人年金保険
- 払い済み保険を利用するメリットは、保険料を払わなくても保障が継続する、減額される解約返戻金が運用で増える可能性があるなど
- 一方デメリットは、保障額が小さくなる、払い済み保険にしてしまうと元に戻せない、特約がなくなるなど
- 延長保険のメリットは、保険料を払わなくても保障が継続する、生存給付金を受け取れる可能性があるなど
- デメリットは、保障を受けられる期間が短くなる、特約が消滅するなど
- 払い済み保険がおすすめな人は、子供が独立していたり介護が必要になる人がいないなど、大きな出費がこれからなさそうな人
- 逆にこれから大きな出費が予想される人は、保障金額の変わらない延長保険を利用すると良いでしょう
- 保険料の負担を減らすだけなら、特約を解約したり主契約の保障を少なくするなども検討しよう
- 保険料が高いので保険内容の見直しをしたいという人は、生命保険のプロに無料相談するのがおすすめ
- 今ならスマホ1つで無料オンライン相談できるので、この機会に保険の悩みを解決しましょう!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 保険料が払えなくなった場合の払い済み保険・延長保険とは
- 払い済み保険とは?│保険料を払い止めすること
- 払い済み保険にすることができる3つの保険
- 払い済み保険の3つのメリット
- 払い済み保険に変更した時点から保険料が発生しない
- 保険金額が減っても主契約の保障は継続できる
- 払い済み後も責任準備金は同じ予定利率で運用され続ける
- 払い済み保険の4つのデメリット・注意点
- 保険料を払い続ける場合よりも保障額は小さくなってしまう
- 契約は主契約のみになり特約も配当金などもなくなってしまう
- 一度払い済み保険にしてしまうと元に戻せない
- 払い済み保険にすると損をする可能性が高い保険がある
- 延長保険の3つのメリット
- 保険料の支払いをしなくてよくなる
- 保険金額をそのまま保つことができる
- 生存給付金を受け取れる可能性がある
- 延長保険の2つのデメリット・注意点
- 保障期間が短縮されてしまう
- 払い済み保険と同様に特約は消滅し主契約のみの保障となってしまう
- 払い済み保険・延長保険どちらを選ぶべきか
- 払い済み保険にするべき場合
- 延長保険にするべき場合
- 払い済み保険にする以外の保険料負担を減らす方法
- まとめ:払い済み保険・延長保険それぞれのメリットデメリット
目次
保険料が払えなくなった場合の払い済み保険・延長保険とは
新型コロナウイルスなどの影響で「収入が減ってしまった」という人は少なくありません。
また冠婚葬祭などの急な出費や子どもの教育費が膨らんできてしまったなど、支出が予想以上の大きくなる瞬間もあるでしょう。
そこで支出を減らそうと思った時に考えるのが、保険の解約ではないでしょうか。
実際、「収入が落ち込んでしまった」「他の支出が大きすぎて、保険料を払えなくなってきている」と言う理由で保険を泣く泣く解約する人は多くいます。
しかし実は、保険料を払わないまま保険を続ける制度があるのです。
それが払い済み保険・延長保険です。
そこで今回は、
- 払い済み保険・延長保険とは
- 払い済み保険にできる保険の種類
- 払い済み保険にするメリット・デメリット
- 延長保険にするメリット・デメリット
- 払い済み保険と延長保険とではどちらを選ぶべき?
- 保険料負担を減らす方法
払い済み保険とは?│保険料を払い止めすること
- 突然、収入が下がってしまった
- 子どもの学費が高くなってきた
- 親の介護費用がかかり始めた
- 保険金の減額
- 特約の消滅
払い済み保険にすることができる3つの保険
払い済みがよく利用される保険は、貯蓄性がある以下の3つの保険です。
- 終身保険
養老保険
個人年金保険
終身保険
払い済みにした後は、保障額が低くなるものの、保障は一生涯続きます。
また、解約返戻金は増え続けます。
例えば、保険金1,000万円の終身保険を払い済みにしたと仮定します。
この場合、
- それ以降の保険料支払いストップ
- 保険金額が420万円に減額(あくまで例)
- 保障が一生涯続く
養老保険
このタイプの保険を払い済みにすると、保障が小さくなり、満期には変更後の保険金額の満期保険金が支払われます。
例えば、保険金500万円の養老保険を払い済みにしたと仮定しましょう。
この場合、
- それ以降の保険料支払いストップ
- 保険金が210万円に減額(あくまで例)
- 死亡の場合も満期を迎えた場合も、210万円の保険金が支払われる
となります。
個人年金保険
個人年金では、保険料の支払いがなくなるかわりに、受け取る年金額が小さくなります。
例えば、年金年額60万円の個人年金保険を払い済みにしたと仮定しましょう。
この場合、
- それ以降の保険料支払いストップ
- 年金支払いが開始されると、毎年41万円(あくまで例)の年金を受け取る
払い済み保険の3つのメリット
保険料を払い済みにするメリットは以下のようなものがあります。
- 保険料が発生しなくなる
- 保障は継続する
- 責任準備金は同じ予定利率で運用され続ける
保険を解約するよりも払い済み保険にするほうがお得であることが分かると思いますので、是非最後までご覧ください。
払い済み保険に変更した時点から保険料が発生しない
ちなみに緊急にお金が必要となった場合は、契約者貸付制度を利用することも一つの手です。
保険金額が減っても主契約の保障は継続できる
払い済み後も責任準備金は同じ予定利率で運用され続ける
そして、その保険に契約した当初の予定利率がそのまま適用され、運用され続けますから、保険料を支払わなくても責任準備金は増えていきます。
このため、もし解約返戻金を使う当てがあるなら解約しか方法はありませんが、そうでなければ払い済み保険にして保険会社に預けておく形にしておけば、保障が続く上に、その保険で貯まっているお金も増えていくことになります。
払い済み保険の4つのデメリット・注意点
ここまで払い済み保険のメリットを説明してきましたが、もちろん注意点もあります。
それは以下のようなものになります。
- 保障額が小さくなる
- 特約も配当金などがなくなる
- 払い済み後は元に戻せない
- 払い済みにすると損をする可能性が高い保険もある
しっかりとデメリットも把握した上で、払い済み保険を検討していきましょう。
保険料を払い続ける場合よりも保障額は小さくなってしまう
当初の保障額がどれほど小さくなるかについては、払い済み変更時にどれだけの責任準備金が貯まっているかによります。
契約時から年数が経過すればするほど責任準備金は増えますから、払い済み保険にした際の保障額も大きくなります。
逆に、契約してからあまり年数が経過していない場合は、保障額が小さいか、場合によっては責任準備金が少なすぎて払い済み保険に変更できない場合もあります。
契約は主契約のみになり特約も配当金などもなくなってしまう
特に注意が必要なのが、入院特約が付加されていた場合、それも消滅してしまうことです。
払い済み保険にすると、死亡保障だけになってしまいますから、入院保障がなくなってしまった場合は、別途医療保険に加入する必要があります。
一度払い済み保険にしてしまうと元に戻せない
「復旧」は契約の復活
ただしなかには、保険を一旦払い済みにしてから「やっぱり契約を復活させたい」ということもあるでしょう。
実は払い済みから一定期間なら、以前の契約に復活できます。
この制度を「復旧」と言います。
復旧にあたって注意するべき点は3つです。
- 健康告知
- 払ってない分の保険料
- 払い済みにした期間の利息
特に注意が必要なのは、保険の見直しの結果、今入っている保険を払い済みにして、それに上乗せする形で新たな生命保険に入るケースです。
ポイントは払い済みにする前に新しい保険に入ることです。
これは、払い済みにしたあと「新しい保険に入れなかった」という事態を防ぐためです。
おすすめの順番は、
- 入っている保険が払い済みにできるか確認
- 新しい保険に入る・契約成立の確認
- 入っている保険を払い済みにする
払い済み保険にすると損をする可能性が高い保険がある
払い済みでは、最低限の保障を維持したまま保険料をストップできます。
ただし損をする可能性が高いタイプの保険もあるので注意が必要です。
ここでは、特に注意してほしい2つの保険を紹介します。
延長保険の3つのメリット
似ている制度が「延長保険」です。
これも保険料負担を減らすことができますから、どちらにするかをしっかり選びたいですよね。
そこで延長保険のメリットも理解しておきましょう。
- 保険料を払わない
- 保険金額を維持できる
- 生存給付金の可能性
保険料の支払いをしなくてよくなる
最大のメリットは保険料の負担がなくなることでしょう。
この制度では、もらえる保険金の金額は変わりません。
しかしもらえる期間が短くなる点に注意が必要です。
変更前→変更後 | 延長保険 | 払い済み |
---|---|---|
保険金額 | 500万→500万 | 500万→250万 |
期間 | 10年→5年 | 10年→10年 |
延長保険にしたタイミングでの返戻金が保険金になります。
契約期間が短縮されれば、保険会社も保険金を払わなければならないリスクが減りますよね。
そのため、契約期間を短くして保険料をなくすことができるのです。
保険金額をそのまま保つことができる
2つ目のメリットは保険金額をそのままにできることです。
保険料を払わないのに保険金額が変わらないなんてとても魅力的に見えますね。
ですが、保険金額が変わらないのと引き換えに、契約期間が短くなります。
返戻金の金額で契約期間が決まるので、延長保険を検討するときは今のタイミングで変えるとどのくらいの期間で契約を続けられるのかを確認すると良いでしょう。
保障期間よりも保障の手厚さを重視する人におすすめです。
生存給付金を受け取れる可能性がある
実は見落としがちですが、場合によっては生存給付金をもらえることもあります。
これが当てはまるのは、延長保険にした時の返戻金が保険金額より高い場合だけです。
変更したタイミングの金額 パターン1 | 変更したタイミングの金額 パターン2 | |
---|---|---|
解約返戻金 | 500万 | 500万 |
保険金額 | 550万 | 450万 |
生存給付金 | 500万ー550万=差額なし もらえない | 500万ー450万=50万 もらえる |
このように、差額分を期間満了時にもらえる点が魅力です。
もちろん、保険金額の方が低いときは生存給付金はもらえません。
延長保険の2つのデメリット・注意点
どちらを選ぶにせよ、大切なのはメリットだけではなくデメリットも正しく理解しておくことです。
むしろ、契約を変更するときにはデメリットを知っておかないと、万が一のときに困ることになります。
延長保険にするデメリットは2つあります。
- 保障を受ける期間が短い
- 特約の消滅
保障期間が短縮されてしまう
一番注意しなければならないのは、保障期間が短くなるという点でしょう。
延長保険にするときに確定する返戻金で新しい契約期間が決まりますから、返戻金が少なければその分保障を受ける期間も短縮されてしまいます。
つまり、延長にするか払い済みにするかは、
- 受け取る保険金を維持する
- 受ける保障期間を維持する
払い済み保険と同様に特約は消滅し主契約のみの保障となってしまう
見落としがちになのが「特約」です。
延長保険にすると特約は消滅し、延長保険に切り替えたときから特約の保障を受けることができなくなります。
変更してから特約の保障を受けられる支払い事由に当てはまっても、遡って特約の保障を受けることはできません。
この点に関しては払い済み保険と同じなので、どちらを選ぶにせよ注意するようにしましょう。。
保険には様々な特約をつけることができ、特約によって自分に合わせた保険にカスタマイズしている人もいるでしょう。
特に主契約がシンプルなもので、特約をつけて保障を手厚くしている場合は注意が必要です。
延長保険にしても最低限必要な保障すら受けられなかったとなっては、本末転倒です。
払い済み保険・延長保険どちらを選ぶべきか
どちらも保険料負担をなくすことができる保険の制度ですが、似ているからこそ「どちらを選べば良いのか悩んでしまう」と言う人も少なくないでしょう。
そこで
- 払い済みを選ぶべき場合
- 延長保険を選ぶ場合
払い済み保険にするべき場合
では、生命保険や終身保険の払い済みが効果的なのはどのような場合でしょうか。
ここでは3つのケースについて説明します。
保険料の支払いが厳しくなった場合
保障の内容を見直したい場合
例えば1000万円の終身保険に加入していたとして、保険を見直したところ、そこまで高額な終身保障は必要なく、その代わりに医療保障を充実させた方が良い場合です。そのような場合は、終身保険を払い済みにして、それで浮いた保険料を医療保険に充当すれば、終身保障を小さくして、医療保障を充実させることができます。
また、養老保険の場合、全ての保険種類の中でもっとも保険料が高い保険のため、死亡保障を厚くしたい場合は、養老保険を払い済みにして、浮いた保険料を定期保険にまわすことも可能です。
払い済みにした養老保険は、金額は小さくなるものの、満期になれば満期保険金を受け取れます。
予定利率の高い保険に加入している場合
払い済み保険にすれば、保険契約は終了しないため、払い済み変更後も契約当初の予定利率が適用されます。
延長保険にするべき場合
どちらを選んでも保険料負担はなくすことができますが、受けられる保障の内容も変わります。
延長保険にするべきなのは、契約当初に決めた保険金額はしっかり受け取らないといけない場合です。
例えば、決めた金額を受け取らないと残された家族の生活が行きゆかなくなる、などのケースが当てはまります。
- これからお金がかかる小さな子どもがいるご家庭
- 介護しなければならない親がいるご家庭
- 子どもが独立している
- 介護しなければならない人がいない
払い済み保険にする以外の保険料負担を減らす方法
保険料の負担を減らす方法は、これ以外にもあります。
簡単に言えば、「解約」と「契約者貸付」です。
解約と言っても保険の全部を解約してしまっては、保険料の負担はもちろん受けられる保障もなくなってしまいます。
そこで検討してほしいのが
- 特約の解約
- 一部解約
- 特約の解約
- (払い済みにできないなら)一部解約
- (一時的に保険料を払えないときなら)契約者貸付
まとめ:払い済み保険・延長保険それぞれのメリットデメリット
- どちらも保険料をストップしながら保障も受け取れる
- 払い済みにできない保険・延長保険にできない保険がある点に注意
- 保障期間が優先なら払い済み・保険金額が優先なら延長保険がおすすめ
- 特約の解除や一部解約でも保険料の負担を減らせる
ただし、特約がなくなってしまうので、特に入院特約を付加していた人は要注意です。
また、保険の見直しにこれらの制度を利用する場合は、入っている保険が払い済み・延長保険にできるかどうかを確認することと、新たな保険契約が成立したことを確認することは忘れずに行ってください。
自分にマッチした保障にするために、これらの制度を上手に活用しましょう。
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