更新日:2023/03/30
性同一性障害(GID)でも保険に入れる?加入基準や告知ポイントを解説!
身体と心の性が一致しない状態のことを性同一性障害(GID)と言います。性同一性障害の手術は多くの費用がかかりますが保険に適用されるのでしょうか。今回は性同一性障害の手術の保険適用や性同一性障害でも加入できる保険と、おすすめの相談窓口について解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 性同一性障害(GID)の方の手術は保険適用に!保険には加入しづらい?
- 【2018年4月から】性同一性障害の手術療法に健康保険の適用が開始
- 乳房切除など保険適用となった手術の種類
- 性同一性障害の手術に保険適用されたものの適用件数は少ない
- GIDのホルモン治療が保険適用にならなければ負担は大きいまま
- 参考:戸籍上で性別を変えるには性別適合手術が必要
- FTM・MTFの方は保険に加入しづらい場合も
- 性同一性障害の方が保険加入しづらい1番の理由はホルモン剤の副作用
- 保険会社によってGIDへの理解は様々
- 様々な保険を比較できる無料保険相談を利用してみませんか?
- 性同一性障害の方が申し込める GID保険相談窓口
- まとめ
目次
性同一性障害(GID)の方の手術は保険適用に!保険には加入しづらい?
【2018年4月から】性同一性障害の手術療法に健康保険の適用が開始
性同一性障害に対する治療については、保険の対象となるのは精神療法に対してのみでホルモン治療や手術療法に対しては保険適用が無く、高額な費用が手術を行ううえで大きなハードルとなっていました。
しかし、2018年4月に平成30年度診療報酬改定が施行されたことで、性同一性障害の手術療法が健康保険が適用されるようになります。
「体の性と心の性が一致しない「性同一性障害」(GID)の人が、体を心の性に合わせる「性別適合手術」。今回の診療報酬の見直しで4月から公的医療保険の対象となり、手術代の自己負担が原則1~3割になった。高額療養費制度の対象にもなり、一定の負担ですむ。(朝日新聞:2018年4月12日)」
保険適用されることから高額療養費制度の対象となり、自己負担額が高額となった場合には一定金額を超えた分が払い戻されるようになります。
乳房切除など保険適用となった手術の種類
性同一性障害の手術療法は様々な種類があります。
平成30年度診療報酬改定により保険適用となった手術療法は、
- 乳房切除術
- 子宮全摘術
- 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)の開腹によるもの
- 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)の腹腔鏡によるもの
- 腔鏡下膣式子宮全摘術
- 尿道形成手術の前部尿道
- 尿道下裂形成手術
- 陰茎形成術
- 陰茎全摘術
- 精巣摘出術
- 会陰形成手術の筋層に及ばないもの
- 造膣術、膣閉鎖症術の遊離植皮によるもの
- 造膣術、膣閉鎖症術の腸管形成によるもの
- 造膣術、膣閉鎖症術の筋皮弁移植によるもの
これだけの手術療法が保険適用となりましたが、豊胸や顔の女性化形成、脱毛については保険適用の範囲外となるので注意が必要です。
性同一性障害の手術に保険適用されたものの適用件数は少ない
平成30年度診療報酬の改定により、2018年4月から性同一性障害の手術療法が保険適用となりました。
しかし、GID学会の発表によると2018年4月からの1年間で実施された性同一性障害の手術のうち保険適用されたのはたったの4件のみとなり、適用件数はかなり少ない結果となっています。
保険適用の対象となる認定病院で実施された性同一性障害の手術件数は約40件ありましたが、保険適用されたのは1割程度にとどまっています。
一般的に性同一性障害の手術療法を実施する前には、GID治療の指針としてホルモン療法を受けることになります。
しかしホルモン療法は保険適用の対象外のため、ホルモン療法を受けることで混合診療の扱いとなり治療にかかる費用は全額負担しなくてはいけません。
保険適用となった4件は「高齢のためホルモン療法の必要がなかった」などのケースで、ホルモン療法が保険適用の対象ではないことが、まだ性同一性障害の手術を受ける人への大きなハードルになっています。
そのため、費用が安く済む海外で性同一性障害の手術を受ける人が多いというのが現状です。
GIDのホルモン治療が保険適用にならなければ負担は大きいまま
保険適用の治療法と自由診療(保険適用外の治療法)を組み合わせることを混合診療と言い、一連の治療の場合は全体を通して自由診療とみなされ費用は全額患者が負担するというルールになっています。
性同一性障害の手術療法は保険適用となりましたがホルモン療法は保険適用外となるため、ホルモン療法を受けた人は手術を受けても混合診療とみなされ、費用は全額自己負担することになります。
GID治療の指針により手術療法の前にホルモン療法を実施し、なるべく自分の希望する性別に近い状態にしてから手術を行うことがほとんどです。また、ホルモン療法を一度始めるとほぼ一生涯に渡って治療を続けなくてはいけません。
そのためホルモン療法が保険適用にならない限り、性同一性障害の方の負担は大きいままとなってしまいます。
現在、ホルモン療法に使用するホルモン剤は薬事承認を得ているものの、効果・効能として性同一性障害が認められていないため、性同一性障害の方がホルモン療法を行うときには保険適用外となってしまうのが現状です。
参考:戸籍上で性別を変えるには性別適合手術が必要
性同一性障害の方は性同一性障害特例法により、家庭裁判所に性別の取扱いの変更の審判を請求することで戸籍上の性別を変更することができます。
ただし、戸籍上の性別を変更するためには条件があり、
- 20歳以上であること
- 現在結婚をしていないこと
- 現在未成年の子供がいないこと
- 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
- その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること
つまり、性別適合手術を受け睾丸や子宮・卵巣を摘出し、心の性(自分が希望する性)の有している外観になることが戸籍上の性別を変える条件となります。
逆に言えば戸籍上の性別を変えるためには性別適合手術を受ける必要があり、現状手術に多額の費用がかかるために戸籍上の性別が変えられないという方もたくさんいます。
ただ、国際的には戸籍変更の条件として「手術療法を強制すること」を撤廃する流れになっており、日本でも条件緩和が求められます。
FTM・MTFの方は保険に加入しづらい場合も
性同一性障害の手術療法を受ける場合、ほとんどがホルモン療法との併用のため保険適用されません。
そのため、保険に加入して治療費の備えをしたいという人も多いと思います。
しかし、性同一性であるFTM(身体の性は女性で、心の性が男性の人)やMTF(身体の性は男性で、心の性が女性の人)の方は保険に加入しにくいケースがあります。
性同一性障害の方は保険に加入しにくい理由としては、
- ホルモン剤の副作用
- 保険会社の性同一性障害への理解の差
性同一性障害の方が保険加入しづらい1番の理由はホルモン剤の副作用
性同一性障害の方は保険に加入しにくい理由として、ホルモン剤の副作用が挙げられます。
保険に加入するときには告知義務があり、既往歴や手術歴などの健康状態を報告しなくてはいけません。その時に既往歴などがあると、保険の加入を断られたり加入の条件が付けられる場合があります。
普段から薬を服用している人も同様なのでホルモン剤に限った話ではありませんが、副作用の心配から保険の加入を断られるケースがあります。
たとえ健康診断で「健康」と診断されていても、ホルモン剤を服用しているということで保険への断られてしまいます。
これはホルモン剤による副作用の影響がどのくらいあってどんな病気になりやすいのかというデータが少ないためです。
また、性同一性障害の方が受ける手術は事故や病気ではなく、自分から進んで受ける手術とみなされてしまうことも保険の加入を断られる理由です。
保険会社によってGIDへの理解は様々
様々な保険を比較できる無料保険相談を利用してみませんか?
性同一性障害の方はホルモン剤の副作用が懸念されるため保険に加入しにくいですが、もちろん加入できる保険もあります。
性同一性障害の方でも加入できる保険について知りたい人は、ぜひ無料保険相談を利用してみてください。保険相談では様々な保険を比較することができるので、性同一性障害の方でも加入できる保険がきっと見つかるでしょう。
その他にも、過去に性同一性障害が理由で保険の加入を断られた人、保険に対する疑問を持っている人もぜひ無料保険相談を利用してみてください。
保険相談は何度相談してもお金はかからないので、納得できるまで相談することが可能です。
保険に関する悩みがあったらぜひマネーキャリアの無料保険相談で保険のプロに相談してみましょう。
性同一性障害の方が申し込める GID保険相談窓口
- 既にホルモン治療を開始していると加入出来ないと言われた
- 手術歴があると入れないと言われた
- 保険会社にカミングアウトすることに抵抗がある
- 保険窓口に理解されず門前払いされた
- 数社問い合わせたが、加入出来る保険がなくて諦めてしまった
まとめ
今回は性同一性障害(GID)の方でも加入できる保険や、手術療法の保険適用について解説しましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 性同一性障害の手術療法は保険適用になったが、保険適用ではないホルモン療法と併せて行うため自由診療となり保険適用外になるケースが多い
- ホルモン療法が保険適用されない限り、性同一性障害の方の費用負担は大きいまま
- 性同一性障害の方はホルモン剤の副作用のリスクなどを理由で保険に加入しにくい
- 保険に関する悩みや相談事がある場合は専用の保険相談がおすすめ
性同一性障害の手術療法は保険適用となったものの、ホルモン療法が保険適用されない限りは費用の負担が大きく、性同一性障害の方の大きなハードルとなっています。
また、性同一性障害の方はホルモン剤を服用していることから、保険会社によっては保険への加入を断られることもあります。
性同一性障害の方でも加入できる保険について知りたい人は、色々な保険が比較できるGID専用の保険相談がおすすめです。
保険に関する疑問がある方は、ほけんROOMには保険に関する記事が他にもたくさんあるのでぜひ参考にしてみてください。
最近は様々なメディアで「LGBTQ」という言葉を耳にするようになりました。LGBTQとはセクシュアルマイノリティの総称で、性の多様性を表す言葉です。
LGBTQの人たちのなかには性同一性障害(gender identity disorder:GID)と呼ばれる、身体の性と心の性が一致しない状態の人がいます。
性同一性障害の方が身体の手術をするときにはたくさんの費用が必要になりますが、性同一性障害の手術は保険適用されるのかと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は性同一性障害の手術の保険適用や加入できる保険について、
- 性同一性障害の手術療法の健康保険適用について
- ホルモン治療が保険適用にならないときの費用負担
- FTM・MTFの場合は保険に加入しにくいのか
- おすすめのFTM・MTF専用保険相談
を解説します。最近ではジェンダー問題に対応している保険会社も増えてきていますが、性同一性障害でも保険に加入できるのかと心配になりますよね。
性同一性障害でも加入できる保険を探している人や、手術や治療が保険適用されるのか気になる方はぜひ参考にしてみてください。