年金払ってないと生活保護はNG?未納や生活保護の注意点を解説!

年金払ってないと生活保護を受けられないのでしょうか?年金よりも一見お得に見える生活保護ですが、受給すると生活の自由が少なくなります。そこで、年金未払いのデメリットと生活保護を受給する上で知っておくべき注意点を解説します!目に見える損得で判断するのは危険です!

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

年金を払ってないけど生活保護を受ければ大丈夫?

現在年金払ってない国民年金未納者は、国民のうちの約3割にのぼると言われています。


年金制度破綻といった国民年金制度への不安が増えている中で、「将来年金をもらえないなら年金無駄じゃないか」と思う人も少なくないようです。


また、将来受け取れる年金額では「年金足りないなら生活保護を受けた方が得なのでか?」と考える人もいるようです。


実際は、年金制度が破綻することはなく(詳しくは年金制度の破綻に関する記事へ)、年金払ってないことによるデメリットは大きいのですが、それでも「年金無駄」と感じてしまうかもしれません。


そこで、本記事では

  • 年金払ってないけど生活保護を受けられるか?
  • 年金はらってないリスクとデメリット
  • 生活保護の注意点
について、詳しく解説していきます。


生活保護をもらえばいいからと年金払ってない人や、生活保護と年金どっちが得か知りたい人など、ぜひ最後までご覧ください。


年金を払わずに生活保護を受ける事は可能?

まず、年金と生活保護の関係性について見ていきましょう。


年金払ってない人が生活保護を受けることはできるのでしょうか?


結論からいえば、年金払ってない人でも生活保護を受けることは可能になります。


そもそも生活保護は憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に基づいて作られた制度です。


そのため、年金払ってない年金未払い者でも生活保護を受けることができるのは、国民としての権利です。


では、将来年金を受け取るのと生活保護を受けるのでは、どちらが得なのかを比較してみましょう。


以下の表は、国民年金・厚生年金・生活保護の年間・月額の受給金額です。

年間受給額月額受給額
国民年金779,300円64,941円
厚生年金
(平均)
1,775,124円147,927円
生活保護
(東京都)
1,500,000円125,000円


会社員が加入している厚生年金は会社の給与から天引きされるため、「年金払ってない」状態になることはありません。


また、払っている年金保険料も国民年金に上乗せした金額になっているので、受け取ることのできる金額も必然的に高くなります。


では、会社員以外が加入している国民年金と生活保護を比較するとどうでしょうか。この差額を見れば、生活保護と年金どっちが得か、明らかに生活保護の方が得だと言えそうです。


また、生活保護の場合は、

  • 医療費無料
  • 健康保険・介護保険・所得税などの負担なし
といった補助もあるため、実質的には厚生年金受給者よりも手元に残る金額は多いでしょう。


年金で受け取れる金額は最低限のため、「年金足りないなら無年金でいい」と年金制度への不公平感を感じてしまうのも仕方がないことなのかもしれません。


このように年金と生活保護の差額を見てみると、年金を払わずに将来生活保護を受けた方が得するように感じますが、後でも説明するように、生活保護には様々な注意点があります。


また、年金払ってないことによるリスクやデメリットも多く存在しています。

年金を払っていない場合の様々なリスクとデメリット

将来もらえる金額を考えれば、年金未払いで生活保護を受ける方が得するように見えますが、年金払ってないことのよるリスクやデメリットがあることを忘れてはいけません。


年金保険料を払えるのに払わなかった場合のリスク・デメリットは大きく2つあります。

  1. 将来年金がもらえない
  2. 財産が強制徴収される

「年金払ってないが、こういったリスクやデメリットを知らなかった」では済まされません。年金未納に対する正しい知識を理解するようにしましょう。


それぞれ詳しく解説していきます。

年金を払ってない場合のデメリット①:年金がもらえない

年金払ってないことによるリスク・デメリットの1つ目は「将来年金がもらえない」ということです。


ここでの年金は、65歳から受け取れる老齢基礎年金だけでなく、障害年金遺族年金も含みます。


受け取れる年金は「老齢基礎年金」だけではない


障害年金遺族年金というのは、万が一の際に受け取ることのできる生活保障機能を果たしています。


もちろん、万が一のことが起こるかどうかはわからないため不公平だと思う人もいるかもしれませんが、一般的な保険などは万が一のリスクに備えて加入するものです。


それと同じ機能を持ちながらも、税制上の優遇を受けつつ、将来お金を受け取ることができるというのは、大きなメリットです。


生活保護もいずれ減額される可能性がある


現時点で受け取れる「年金額」と「生活保護額」だけを比べると、生活保護がお得に見えますが、後でも説明するように、受け取れる生活保護の金額もいずれ減額されることが予想されます。


こういった面を考えれば、まずは年金をしっかり払う方がお得と言えるでしょう。

年金を払っていない場合のデメリット②:財産が強制徴収される

年金払ってないことによるリスク・デメリットの2つ目は「財産の強制徴収」です。


初めにもお伝えした通り、現在年金払ってない人が約3割ほどいます。年金未納による財源へのダメージは少なくありません。


そこで、年金払ってない人の中でも「払えるのに払わなかった人」に対して、財産の強制徴収がなされます。


年金未納に対する財産強制徴収


具体的に言えば、

  1. 催告状
  2. 督促状
  3. 財産差し押さえ
です。


強制徴収が行われる目安は「控除後所得300万円以上かつ年金払ってない期間が7か月以上」です。


以前よりも強制徴収が厳格化され、実際に財産差し押さえになる人も少なくありません(詳しくはコチラ)。


年金保険料の支払いについては、世帯主や配偶者にも連帯義務があるため、年金払ってない状態が続くと、最悪の場合家族や配偶者にも迷惑がかかってしまいます。


強制徴収を避ける免除・猶予制度


このように、年金払ってないことに対しては強制徴収が行われますが、それを避けるための保険料免除制度保険料猶予制度があります。


これらの制度は簡単に言えば、経済的に保険料を払えない人のための特例措置です。


受け取れる年金は、満額で保険料を払ったときよりも少なくなりますが、年金払ってないことに対する強制徴収がされることもありません。


そのため、年金払いたいけど払えずに未納になっている人は、免除制度や猶予制度を活用しましょう。


免除や猶予を受けたいという人は、住んでいる市区町村の年金事務所に相談しましょう。


生活保護受給の際の注意点

このように、年金には万が一の際の生活保障の機能もあり、簡単に年金払ってない状態にしていいものではありません。


それでも「無年金でいいから生活保護を受けたい」という人もいるかもしれません。まずは、生活保護受給について注意すべき点を知りましょう。


生活保護受給の際の注意点は大きく2つあります。

  1. 受給要件を満たし続ける必要がある
  2. 将来、生活保護減額の可能性もある


生活保護を受けるには、まず受給要件を満たす必要があります。この受給要件は継続的にチェックされます。


言い換えれば、市区町村から資産管理をされながら生活しなければならないということです。


また、現在生活保護世帯が増えていることを受け、生活保護の受給金額が減額されることも考えられます。


それぞれ詳しく解説していきます。

生活保護:支出や保有できる資産に様々な制限が

生活保護の受給要件を簡単にまとめると、以下のようになります。

  1. 資産がない
  2. 生活援助してくれる身内・親類がいない
  3. 病気やケガなどで働けない
  4. 収入が最低生活費よりも少ない

簡単に言えば、生活保護を受けると資産を持つことができなくなります。もちろん貯蓄もできません。


ここでの資産とは、現金での貯金だけでなく不動産や保険、自動車などが含まれます。


また、生活保護申請には親族に「扶養照会」という通知書が届くため、生活保護を受けなければならない状態であることがばれてしまいます。


生活保護を受給できても、

  • 定期的な収入申告
  • 定期的なケースワーカーの訪問指導
などがあるため、一般的な自由な生活はできなくなってしまうでしょう。


このように考えれば、安易に生活保護を受けるよりも、年金をしっかり受け取りつつ、現役世代から老後のための資産運用をしていく方がよいでしょう。

生活保護:年金が貰えなくなるより先に生活保護が貰えなくなる可能性が高い

年金より生活保護を、と考える人の多くは受け取れる金額によるものでしょう。


しかしこの生活保護受給金額も、将来的には大きく減額される可能性があります


生活保護には

  1. 生活扶助
  2. 住宅扶助
  3. 教育扶助
  4. 医療扶助
  5. 介護扶助
  6. 出産扶助
など大きく8つの扶助がありますが、実のところ2013年8月から順次減額が始まっています。


これに対して反対する声も上がっているようですが、生活保護を受けている世帯が増加していることを考えれば、さらに減額が進むことが予想されます。

まとめ:結局老後に年金をもらうのと生活保護を受給するのはどっちが良い?

ここまで年金と生活保護どっちが得かについて、年金と生活保護の比較やそれぞれの注意点について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは

  1. 年金払ってない人も生活保護を受けられる
  2. 年金と生活保護では、一見生活保護の方が得に見える
  3. 年金払ってないと強制徴収の対象になる
  4. 生活保護を受けると、市区町村に管理される生活になる
  5. 生活保護も減額される可能性がある
でした。


一見したところでは生活保護が得するように感じましたが、それには様々なデメリットが付きまといます。


また、「得だ」と感じる生活保護で受け取れる金額も今後減額されることが予想されます。


こういった点を考慮すれば、まずは国民の義務でもある年金を払った上で、しっかり自分で老後資金を形成していくことが最善だと言えるでしょう。


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