がん治療費が払えないあなたに最大活用してほしい3つの公的医療制度

がんの治療は長期間に及ぶことが多いようです。治療費を支払えないと不安な方も多いでしょう。しかし、がんの治療費を支払えないという方に、知っていてほしい制度があります。高額療養費制度、生活保護の医療費扶助、障害年金。この3つを利用することにより、治療が行えます。

お金が無くてがんの治療費を払えない…

乳がんや肺がんなど、がんになってしまった場合、治療費や入院費は莫大な費用がかかります。


仕事が通常通り出来ない状態になり、収入は減る一方です。

がん保険に加入してる方でさえ、自由診療や先進医療などの高額な治療費が支払えるのか不安でしょう。


がんは、長期間の治療が必要となる可能性が高い病気です。


一度かかってしまうと、他の部位に転移してしまう可能性もあります。さらに、完治したと思っていても、再発する恐れが非常に高いことで知られています。


がん保険に加入していない方が、がんにかかってしまった場合、「治療費を支払えないかもしれない」という大きな不安があるかと思います。


そんな方に最大活用してほしい3つの公的制度があります。

  1. 高額療養費の貸付制度
  2. 生活保護の医療費扶助
  3. 障害年金


これを活用すれば、今まで当たり前のように払っていたお金を免除されたり、先払いだった医療費も借り入れをできる可能性があります。


この記事では、3つの公的制度を紹介した後に、治療費が実際どのくらいするのか、ということを考えていきます。


実際にどのくらいの支払いがあり、もし借り入れをしなければならない状況の場合の目安にご活用ください。


1.医療費支援制度「高額療養費制度」と「貸付制度」

日本の社会保険の医療制度には、治療費が3割負担で良い国民健康保険だけでなく、高額療養費制度というものがあります。

ご存知の方も多いと思いますが、所得に応じて、年間の保険診療の費用(健康保険を利用できる治療の費用)に上限が設けられています。


公的なセーフティーネットです。


しかし、高額療養費制度は先払いで、最短でも申請して3ヶ月後に返ってくるものだから今すぐお金が無い時に利用できない制度じゃないか、と認識している方が多いのではないですか?


実は、無利子での「高額療養費の貸付制度」も存在しているのです。


詳しく見ていきましょう。

「高額療養費制度」の自己負担額を再確認しましょう(おさらい)

前述の通り、高額療養費制度は所得に応じて、1ヶ月の治療費の自己負担額に上限があります。


ここでの治療費とは、保険適用されている治療費・投薬費です。

先進医療などの自由診療(保険適用外)や、入院ベット代、病院への交通費は含まれません。


2015年1月から定められている限度額は以下の通りです。

医療費の自己負担限度額の目安(70歳未満)

所得区分
所得
(標準報酬月額)
1ヶ月の
自己負担の上限額
多数ヶ月該当の
自己負担の上限額
区分ア83万円以上252,600円+
(医療費-842,000円)×1%
140,100円 
区分イ53万~79万円167,400円+
(医療費-558,000円)×1%
93,000円 
区分ウ28万~50万円80,100円+
(医療費-267,000円)×1%
44,400円
区分エ26万円以下57,600円44,400円
区分オ低所得者
住民税非課税の人
35,400円24,600円 
※多数ヶ月該当の自己負担の上限額とは、直近12ヶ月以内に3回以上高額療養費制度を利用した場合の、4回目からの自己負担の上限額になります。

(通常の上限額よりもさらに引き下げてもらえます。)


がんの治療費は、高額となりますが高額療養費制度を利用することで、支払えないという不安が少し解消されます。


本当に所得もお金も無いという方でも、35,400円まで負担なので、通常の治療をしても安心な部分もあるかと思います。

当面の治療費も払えない場合の貸付制度・限度額適用認定制度

先ほども書きましたが、高額療養費制度は、先に支払い、最低でも3ヶ月遅れでお金が返還される制度です。


しかし、当面の治療費も支払えないという方もいらっしゃるともいます。

それでは支払えないという方はどのようにすれば良いのでしょうか?


当面の治療費に困ってしまう方は、

  • 限度額適用認定の制度
  • 高額医療費の貸付制度
の2つの制度を活用するようにしましょう。


限度額適用認定の制度とは、医療費が高額になりそうな場合に、窓口に申請をすれば、高額療養費制度の限度額までの支払いが可能になります。


一方で、高額療養費の貸付制度とは、無利子で「高額療養費支給見込額の8割相当額の貸付を行う制度です。 

お金が返還されるまで支払えないという方のためのものです。


がんにかかる治療費は、予測することができません。進行状態や転移の状態により、費用も積み重なっていきます。治療をしたいけど、支払えないという方にはとてもありがたい制度ですね。

年間では介護保険料と合算できる「合算療養費制度」も


合算療養費制度とは、同じ世帯の医療保険の加入者について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、基準額を超えた場合、超えた分の金額を返還してもらえる制度です。

末期がんの場合は、介護保険を適用できる

介護保険料は、40歳以上の方すべてに支払い義務が発生します。40歳以上で、がんになった際、介護保険の適用となります。


介護保険の認定を受けるには、住んでいる市町村の役場や市役所に、申請手続きを行う必要があります。

しかし、40歳未満の方は介護保険料を納めていないので、適用外となりますので覚えておきましょう。

2.生活保護の医療費扶助を受ける

それでも、がんの治療費を支払えない場合も考えられます。例えば、預金がない、働ける状態ではない、年金などを受けていないなどです。そのような場合、生活保護の医療費扶助を受けることができるようです。


医療扶助の内容としては、健康保険対象のものが大半です。その中に、がん治療も含まれています。治療費を支払えないと諦めている方にも、安心できる制度がありますね。


健康保険対象外の差額ベッド代や先進医療については、自己負担になる可能性が高いので、事前に確認しておく必要がありそうです。自己負担分を支払えない場合、その旨を先に話しておきましょう。




生活保護に適用されるための条件

生活保護に適用されるには、4つの条件を満たす必要があります。

  1. 資産・治療を行うための費用がない
  2. 働ける状態ではない
  3. 年金など国、地域から援助を受けていない
  4. 親族からの援助が受けられない

市区では市区、町村では都道府県が窓口になります。


生活保護を受けられるかどうかは、各都道府県・自治体により異なるようなので、確認してみましょう。

3.障害年金を活用する

障害年金と聞くと、怪我をしたときに受けられるような気がしますが、実はがんになった場合も活用することができるようです。

がんの治療費目的で、障害年金を受け取ったからといって、将来の年金が減る心配はありません。年金を納める方々の権利として障害年金は受けられるものなので、将来の年金とは別物のようです。


将来の年金が減ると、利用するのを考えてしまう方もいるでしょうが、別のものでしたら安心して受けられますね。

障害年金受給に適用されるための3つの条件

がんの治療費を支払えない場合、障害年金を受給することで、治療を行うことができるのです。

条件①:年金保険を3分の2以上支払っていた

20歳から年金を支払うこととなっています。年金を支払えない場合、役所などに申請を出している場合を除き、全体の3分の2以上納めている方が対象となります。年金を支払えない場合、無視しておかず申請をしておくことで、未納の期間がなくなります。


条件②:障害の条件を満たしているのか

がんの場合、障害の度合いにより等級が3つに分かれるようです。

さらに、等級の中でも区分がア~オまで分類されています。

障害の程度障害の状態一般状態区分
1級:オに該当著しい衰弱又は障害常に介助が必要な状態で、
終日就床しており、活動範囲はベットの周りのみ
2級:エに該当衰弱又は障害身の回りのことはある程度ならできるが、
しばし介助が必要で、日中の50%は就床している
2級:ウに該当衰弱又は障害軽い労働も厳しく、時に介助が必要なものの
日中の50%は起居していられる
3級:イに該当著しい全身倦怠軽度の症状はあるため肉体労働は制限があるものの
軽い労働や座っての作業は可能
3級:アに該当著しい全身倦怠症状なしで制限なく活動可能

条件③:障害認定日が1年半

がん治療の初診日から、1年6か月経過した日を障害認定日といいます。がんにかかったからと言って、すぐに請求することはできないようです。しかし、がんは長期化する病気なので、1年6か月の間に症状を見て、状態がよくならない(他の部位に転移や再発)場合に請求することができるようです。

しかし、20歳未満でがんを発症する方もいるでしょう。20歳未満で発症した場合、1年6か月または、20歳になった日いずれかの早い方が障害認定日となります。


障害年金を受け取ったからといって、将来の年金には影響しないようなので、治療費を支払えない方はこの制度を利用してみることもできます。

抗がん剤治療など、がん治療にかかる平均費用と日数

抗がん剤治療とは?

  • 手術の前に、がんを小さくするために使用される
  • 手術だけでは、すべてのがんを切除できない場合
  • 手術後、再発防止のために使用される
  • 白血病や悪性リンパ腫の場合、手術は行わず抗がん剤で治療

抗がん剤治療にかかる費用

・1コース(1クール) 

治療期間 3週間~6週間

抗がん剤治療は、投薬と休止で治療計画を立てます。抗がん剤の効果を見ながら、治療を繰り返し行うこととなります。


抗がん剤治療費は1コースあたり約10万円~約100万円かかるようです。抗がん剤には、いくつか種類があり、この薬剤によって費用が異なるようです。


治療にかかる日数

人により効果が異なる抗がん剤治療。一概に治療に何日かかるとは言い切れません。

使用する薬剤に、効果があれば1コース目は入院治療で、2コース目は通院で治療できることもあるようです。



先進医療とは?

  • 主に重粒子線治療・陽子線治療
  • がんにピンポイントで、重粒子線を当てることで、がんを破壊する治療法
  • 健康な部位に、害を及ぼさないというメリットがある


先進医療の治療費

保険適用外となりますので、全額自己負担となります。その費用は高額で、約300万円~約1,000万円かかります。


放射線治療とは?

  • がんが小さい場合に用いられる治療法
  • がんに向け、放射線を当てることで、がんを破壊する

放射線治療の治療費

放射線治療は健康保険対象となりますので、自己負担は3割となります。また、健康保険対象の治療なので、高額療養費制度を使用することができます。費用は、約60万円かかります。

差額ベット代、女性のかつら代など治療費以外の費用

がんの治療を行うにあたり、入院費・治療費以外にも必要な費用があります。

差額ベッド代

個室やグレードにより1日あたり費用が異なります。高くて1日10,000円の部屋もあるようです。30日入院したとすると、差額ベッド代だけで30万円にもなります。これと別に治療費などもありますので、とても支払えないですね。


食事代

食事代も必要になってきます。入院している場合、朝昼夕の3食毎回に食事代がかかります。健康保険適用外となりますので、すべて自己負担です。


かつら代や豊胸手術代など

女性の場合、抗がん剤治療を行うことで副作用である髪の毛が抜ける・胸がしぼむという不安もでてきます。テレビなどで見かけたことがある方が大半でしょう。治療中に髪の毛が抜けてしまう可能性があるので、かつら代なども必要になってきます。

がんの治療費を払えない…という方に向けた公的制度まとめ

がんにかかると、治療は長期化する傾向にあるようです。治療費が支払えない場合も、がんの治療ができるようなので安心ですね。


今回の記事のポイントは、


  1. 高額療養費の貸付制度は最大限活用すべし
  2. 生活保護の生活扶助はアプローチを変えて粘り強く
  3. 障害年金は将来の年金の不安もないので、うまく交渉して獲得すべし
でした。

治療費を支払えない場合、高額療養費制度、生活保護の医療扶助、障害年金と3つの公的扶助が受けられるようになっています。治療費が支払えないからと、治療を諦める必要はないということですね。

治療費が支払えない場合でも、しっかりとがんと向き合っていきましょう。


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