年金の「繰り下げ受給」はどのように手続を行えばいい?知っておきたい注意点も解説

年金を繰り下げて受け取りたい場合はどのような手続きを行う必要があるのでしょうか?65歳時点で手続きを行うのか年金を受け取りたい年齢になってから手続きを行うのか、この記事では年金の繰り下げ受給の手続き方法と繰り下げ受給をする上で知っておきたい注意点を解説します。

年金の繰り下げ受給に必要な手続き方法と注意点


65歳になり年金を受給できる年齢になると日本年金機構から「年金請求書」が送られてきます。


しかし、年金の受給を繰り下げて66歳以降に年金を受け取りたい場合はどのような手続きが必要なのでしょうか?


日本年金機構からの年金請求書で老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)のどちらか一方のの年金を繰り下げる手続きができます


両方の年金を繰り下げたい場合は年金請求書を返送せずに受け取りたい年齢になってから年金事務所か年金センターで手続きを行う必要があります。


この記事では年金の繰り下げ受給の手続きについて

  • 年金の繰り下げ受給の手続き方法
  • 年金の杭利下げ受給を行う上で知っておきたい注意点
  • 養老基礎年金の繰り下げの際の注意点
  • 養老厚生年金の繰り下げの際の注意点

これらの点について詳しく解説していきます。


年金の繰り下げ受給を行う上で知っておきたい注意点についても解説していますので、年金の繰り下げを行おうと考えている方は是非ご覧ください。

年金の繰り下げ受給請求の手続き方法

65歳になる月に日本年金機構から年金請求書が送られてきます。 


こちらの請求書には老齢基礎年金のみを繰り下げ受給する、老齢厚生年金のみを繰り下げ受給するの2つの欄がありますので、繰り下げ受給したい年金に〇を付けて送付するとその年金を繰り下げて受給する事ができます。 


老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を繰り下げ受給したい場合はこちらの請求書の提出は不要です。


老齢国民年金、老齢厚生年金ともに65歳時点で年金の受給を請求をしていなければ、66歳到達以降に繰り下げの請求を行うことで繰り下げ受給ができます。


年金の繰り下げ受給手続きは、以下の手順で行います。

  1. 年金事務所に「年金支給繰下げ請求書」を提出する
  2. 手続きした翌月分から繰り下げ受給が適用される

手続きに必要な書類である「年金支給繰り下げ請求書」の様式はこちらから確認しましょう。

年金支給繰り下げ申込書

年金支給繰り下げ申込書(記入例)


繰り下げの手続きはお住まいの市町村の年金事務所や年金センターで行います、役所の年金課では繰り下げ受給に関する手続きはできませんので注意してください。

年金の繰り下げ受給の手続きに関する注意点

年金の繰り下げ受給の手続きを行う際に知っておきたいいくつかの注意点があります。


この注意点についてしっかりと把握しておかないと、年金の繰り下げ受給ができない場合が発生する可能性がありますの。


年金の繰り下げ受給の手続きを行う前に知っておきたい注意点としては

  • 他の年金の受給権が発生すると繰り下げ手続きができない
  • 70歳以降は年金の増加率が変わらない
  • 年金には時効がある
  • 繰り下げ手続きを行ってから受給するまでの間の注意点
  • 繰り下げして受け取る前に受給者が亡くなった場合
以上の点が挙げられます、それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう

他の年金の受給権が発生すると繰り下げ手続きができない

1人1年金の原則から遺族年金や障害年金を受給しながら老齢年金を受給する事はできません。
 


繰り下げの手続きを行った後にこれらの年金の受給資格が発生した場合はその時点の増加率で固定されます。
 


その後は、65歳から受給権が発生するまでの期間に受け取れるはずだった年金を遡って受け取る。


もしくは、受給権発生時点での増加率で受給権が発生してた年金ではなく老齢基礎年金を受け取るかのどちらかを選択することになります。
 


70歳以降は年金の増加率が変わらない

繰り下げ受給の請求は70歳以降での手続きを行うこともも可能です。 


ただし、増額率はあくまで「70歳」時点での増額率が適用されるので、たとえば71歳や75歳で手続きしてもそれ以上増額されることはない、という点は注意が必要です。


また、年金を受給する権利には「5年」という時効があります。


70歳からの受給を希望していた方が手続きを忘れて、5年が経過してから手続きしようとしても受給の権利がなくなってしまいます。


70歳以降であれば遅れて手続きしても受け取れる金額に変わりはありませんが、時効には注意しましょう。


繰り下げ手続きを行ってから受給するまでの間の注意点

年金の繰り下げ受給の手続きを行った次の月分のからの年金を受け取ることができます。


年金の支給日は2ヶ月に一回、偶数月の15日に支払われます。


ですので2月16日に繰り下げの手続きを行うと3月分から繰り下げた年金を受け取る事ができますが、支給日は4月15日ですので3月は年金を受け取ることができないので注意が必要です。


繰り下げして受け取る前に受給者が亡くなった場合

もし年金を繰り下げようとして手続きを行う前に受給者が亡くなってしまった場合は本来もらえるはずだった年金を未支給年金として受け取ることができます。


繰り下げ受給をする前に受給者が亡くなられた場合についてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますのでご覧ください。


年金の繰り下げ受給の手続きを行う際の注意点について見ていきましたが、養老基礎年金(国民年金)と養老厚生年金(厚生年金)の繰り下げ受給を行う際にもそれぞれ注意点があります。


以下の項目では養老国民年金と養老厚生年金の繰り下げ受給の手続きをする上で知っておきたい注意点について詳しく見ていきます。


(参考:日本年金機構)

老齢基礎年金の繰り下げ受給の手続きの注意点


老齢基礎年金(国民年金)の繰り下げ受給を行う際の注意点について解説していきます。


①付加年金も繰り下げの対象に

老齢基礎年金の繰り下げ受給を行うと付加年金も繰り下げの対象になり、付加年金も老齢基礎年金同様に増額された金額を受け取る事ができます。

しかし一方で振替加算は繰り下げ受給の対象では無いため、繰り下げの手続きを行っていても65歳から増額されずに支給されます。

②繰り下げ受給が利用不可能になる条件

老齢基礎年金の繰り下げ受給をしたいと思っていても条件によっては繰り下げ受給ができない場合があります。

以下の条件に当てはまる方は老齢基礎年金の繰り下げ受給ができません。
  • 年金の加入期間が10年に達していない人
加入期間が10年に満たしていない人は老齢基礎年金の受給資格を満たしていないので繰り下げ請求を行うことができません。

繰り下げ請求を行うには国民年金に任意加入し、10年の加入期間を満たしてから繰り下げ請求を行うことができます。

養老厚生年金の繰り下げ受給の手続きを行う際の注意点

老齢厚生年金の繰り下げ手続きを行う上でも以下のような注意点があります。


①加給年金は繰り下げできない

老齢基礎年金では振替加算の繰り下げができませんでしたが、厚生年金の場合は配給者の加給年金や子の加給年金は老齢厚生年金の繰り下げを行っても繰り下げ受給する事はできません。

ですので、65歳以降は厚生年金の加給年金のみが支給されることになります。

②特別支給の老齢厚生年金は繰り下げできない

60歳代前半に支給される特別支給の老齢厚生年金は繰り下げ受給の対象ではありませんので、繰り下げの手続きの対象外になります。

③厚生年金基金も同時に繰り下げられる

厚生年金の繰り下げを希望する方の内、厚生年金基金加入者の方は厚生年金基金も繰り下げになるので加入している基金での手続きが必要になります。

そのため、年金事務所で厚生年金の繰り下げ手続きを行う際は自身が加入していた厚生年金基金にも連絡をする必要があります。

まとめ:年金の繰り下げ受給の手続き方法と注意点について


今回は年金の「繰り下げ受給」についての手続き方法と注意点について見ていきました


この記事のポイントは、

  • 「年金請求書」に繰り下げたい年金を選択するか請求書を返送しなければ繰り下げ可能
  • 繰り下げ受給の際の手続きは、専用の書類を年金事務所に提出
  • 繰り下げ受給は、特定の年金を受給する場合には利用できなかったり、時効がある点などに注意が必要
以上の点です。

特に年金の繰り下げを行う際には養老基礎年金(国民年金)と養老厚生年金(厚生年金)でそれぞれ付加年金の扱いや厚生年金基金も同時に繰り下げ手続きをしなければならないなど、注意すべきポイントがいくつかあります。

繰り下げ受給を行おうとしている方はこれらのポイントをしっかりと把握して年金の繰り下げ受給を円滑に進めていきましょう。

また、年金の繰り下げ受給の手続きを行う際は役所の年金課では手続きはできませんので、年金事務所か年金センターで繰り下げ受給の手続きを行いましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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