更新日:2023/02/23
厚生年金と国民年金はいくらもらえる?年代別の受給額や計算方法を解説!
「年金はどれくらいもらえる?」「老後生活していけるだけの年金をもらえるか不安」老後生活に不安ですよね。本記事で厚生年金と国民年金はどれくらいもらえるのか、老後資金の準備方法について解説していくのでぜひご覧ください。
- 厚生年金、国民年金について詳しく知りたい人
- 将来、年金をいくらもらえるか知りたい人
- 老後資金が不安な人
内容をまとめると
- 公的年金は厚生年金と国民年金から成り立つ
- 年金受給額を確認するならねんきん定期便を見る
- 年金以外の老後資金の準備方法にはつみたてNISAやiDeCoがある
- マネーキャリアは相談申込が40,000件以上、相談満足度93%でFPの質が高い国内最大級の無料相談サービスです!
目次を使って気になるところから読みましょう!
公的年金は厚生年金と国民年金から成り立っている
公的年金は、日本の社会保険制度のひとつです。
公的年金は、下記2つの年金制度によって成り立っています。
- 国民年金
- 厚生年金
国民年金は、すべての日本国民が原則として加入し、老齢、障害、死亡などの場合に年金を受け取ることができます。
一方、厚生年金は、企業の従業員や公務員が加入し、退職後や障害や死亡による場合に生活保障や遺族支援を目的としています。
公的年金は、重要な社会保障制度のひとつとして、国民生活の安定を支えています。
国民年金とは
国民年金とは、日本国内で働くすべての人に対して、年金制度により老齢や障害、死亡などによる生活保障を提供するために運営されている公的な年金制度です。
国民年金は、国民が支払った保険料によって運営されます。
日本国民年金は、18歳から59歳までの一定の年齢層の人が、国民年金法に基づき加入することが義務付けられています。
また、60歳以上の人が自主的に加入することもできます。
一定の条件を満たせば、65歳から受給できる老齢年金や、障害や死亡による遺族年金が支給されます。
なお、低所得者や高齢者などは、保険料の減免や免除の制度があります。
国民年金は、日本国内で働くすべての人にとって重要な社会保障制度のひとつであり、国民生活の安定に寄与しています。
厚生年金とは
厚生年金は、私企業の従業員や公務員などが利用することができる社会保障制度のひとつであり、加入者の生活保障を支援する重要な制度のひとつです。
私企業の従業員や公務員のうち、一定の条件を満たした人が加入し、退職後の生活保障や、障害や死亡による遺族への支援を目的としている制度です。
厚生年金は、雇用保険とともに社会保険制度の一環として運営されており、厚生年金法に基づいて設けられています。
加入資格は、一定の年齢以上から勤続期間や賃金、労働時間などの条件を満たした人であり、加入は任意ではなく、加入者本人と雇用主が保険料を負担することになります。
厚生年金には、退職後に受け取ることができる厚生年金や、障害による傷病年金、死亡による遺族年金などがあり、保険料の支払いに応じて、受け取ることができる給付額が決まります。
また、一定の条件を満たせば、厚生年金基金から給付金を受け取ることもできます。
年金の受給資格を解説
年金の受給資格は、加入期間と年齢によって異なります。
国民年金においては、原則として20歳から60歳までの期間に約10年間以上加入し、一定の保険料を納めた場合に、65歳以降に年金を受け取ることができます。
また、障害者や死亡した場合にも、一定の条件を満たせば年金を受け取ることができます。
厚生年金においては、一定の加入期間(最低10年以上)を満たし、原則として60歳から65歳の間に退職することが必要です。
しかし、65歳以降も加入し続けた場合は、その後も一定の条件を満たせば終身で受給することができます。
また、年金の受給には、繰上受給制度と繰下受給制度があります。
▼繰上受給制度とは
- 本来の受給開始年齢よりも早く年金を受け取ることができる制度です。
繰上受給を選択すると、将来の受給額が減額されますが、早期に年金を受け取ることができます。
ただし、受給開始年齢が早いほど受給額の減額幅が大きくなるため、十分な検討が必要です。
▼繰下受給制度とは
- 本来の受給開始年齢よりも遅く年金を受け取ることができる制度です。
繰下受給を選択すると、将来の受給額が増額されますが、年金を受け取るまでの期間中は収入が減るため、生活費の確保が必要です。
また、繰下受給には、事前に申請が必要な場合があります。
どちらの制度を選択するかは、個人の受給希望年齢や将来の生活設計に合わせて判断する必要があります。
また、年金制度は法改正や政策変更によって変化することがあるため、最新の情報を把握しておくことも大切です。
厚生年金と国民年金の平均受給額
厚生年金と国民年金の平均受給額は以下の通りです。
厚生年金
令和3年度の厚生年金の平均受給額は、一般加入者の場合、約14万5千円でした。ただし、加入期間や収入によって受給額が異なります。
例えば、厚生年金の最低加入期間である10年未満の場合は、一般的に受給額が減額される場合があります。
国民年金
令和3年度の国民年金の平均受給額は、約5万6千円でした。
こちらも、加入期間や保険料の納付状況によって受給額が異なります。
例えば、保険料を滞納した場合や加入期間が短い場合は、受給額が減額される場合があります。
年金制度については複雑なため、自分の加入状況に合わせて公的年金機関に相談することが大切です。
年金受給額を把握するならねんきん定期便を活用!
「ねんきん定期便」とは、自分が今まで支払ってきた年金保険料や今後の年金受給額を、定期的に郵送で受け取ることができる制度です。
具体的には、厚生年金や国民年金に加入している人が、自分が払ってきた保険料や今後の年金受給額を知るために、ねんきん定期便に申し込むことができます。
ねんきん定期便は、年に最大4回、保険料納付状況の確認や今後の受給予定額の算出などの情報を提供してくれます。
この制度を利用することで、自分の年金保険料の納付状況や今後の年金受給額を定期的に確認できるため、将来の年金生活に備えることができます。
ねんきん定期便の申し込み方法は、厚生年金保険に加入している場合は厚生年金保険事務所、国民年金に加入している場合は国民年金事務所に問い合わせることで申し込みが可能です。
厚生年金と国民年金の受給額の計算方法
厚生年金と国民年金の受給額の計算方法は異なります。
しかし、厚生年金と国民年金の受給額の計算方法には、以下のような共通点もあります。
【厚生年金と国民年金の受給額の計算方法の共通点】
- 受給額は、加入期間や保険料の納付状況などの要素によって決定される。
- 受給額は、支給開始時点での生活必需費(生活費)を考慮して決定される。
- 受給額は、年々変動する可能性がある。
- 両制度とも、受給資格を満たした人に対して支給される。
基本的には、厚生年金も国民年金も、受給額加入期間や保険料の納付状況によって受給額が異なってきます。
それでは、厚生年金と国民年金の受給額の計算方法をそれぞれ見ていきましょう。
国民年金
国民年金の受給額の計算方法は、以下のような要素によって決定されます。
- 加入期間:国民年金に加入していた期間が長いほど、年金額が増えます。
- 保険料の納付状況:保険料をきちんと納めていた場合には、年金額が増えます。
- 年金目安級:加入期間に応じて、年金目安級と呼ばれるランクが決まります。年金目安級が高いほど、年金額が増えます。
これらの要素を総合的に考慮して、年金額が決定されます。
なお、国民年金の場合、最低保証年金額が定められており、保険料を納付していれば必ず一定額の年金を受け取ることができます。
具体的な金額については、国民年金事務所に問い合わせる必要があります。
厚生年金
厚生年金の受給額の計算方法は、加入期間や保険料の納付状況、平均賃金などの要素によって変わります。
具体的には、以下のような要素が考慮されます。
- 基礎年金額:加入期間や保険料の納付状況に応じて、最低限支給される年金額。
- 本人加算:加入期間や保険料の納付状況に応じて、基礎年金額に加算される金額。
- 配偶者加算:配偶者がいる場合に支給される金額。
- 子ども加算:子どもがいる場合に支給される金額。
具体的な金額については、厚生年金保険事務所に問い合わせる必要があります。
年代別の年金受給額
ここでは、年金をいくらもらえるのかを見ていきましょう。
平成29年度から令和3年度までの国民年金と厚生年金の平均月額受給額を表にまとめてみましたのでご参照ください。
▼年金受給額の平均月額
年度 | 国民年金 | 厚生年金(国民年金を含む) |
---|---|---|
平成28年度 | 55,373円 | 147,927円 |
平成29年度 | 55,518円 | 147,051円 |
平成30年度 | 55,708円 | 145,865円 |
令和元年度 | 55,946円 | 146,162円 |
令和2年度 | 56,252円 | 146,145円 |
参照:令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省 P22,P8
上記の表に示される通り、平成29年度から令和3年度まで、厚生年金と国民年金の平均受給額は毎年上昇しています。
平成28年度の平均受給額は、国民年金が55,373円、厚生年金(国民年金を含む)が147,927円でした。
令和3年度には、国民年金が56,252円、厚生年金(国民年金を含む)が146,145円となっています。
しかし、国民年金や厚生年金は年齢が若いほど、年金受給額が少なくなっていきます。以下、厚生労働省が公表するデータをもとに、年齢別の平均年金受給額です。
▼年齢別の平均年金受給額
年齢 | 国民年金 | 厚生年金 |
---|---|---|
60歳~64歳 | 42,306円 | 75,922円 |
65歳~69歳 | 57,502円 | 143,069円 |
70歳~74歳 | 57,010円 | 145,705円 |
75歳~79歳 | 55,880円 | 150,569円 |
80歳~84歳 | 56,916円 | 159,529円 |
85歳~89歳 | 55,633円 | 162,705円 |
90歳以上 | 50,554円 | 161,506円 |
参照:令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
日本の年金制度では「賦課方式」を採用しており、20歳〜60歳の現役世代が納めた保険料をもとにして、その時点の年金受給者へ支給されます。
これは、年金制度が、現役世代からの保険料で過去世代の年金を支払う仕組みであるためです。つまり、年金制度においては、現役世代が受給者の生活を支えていることになります。
これらの理由から年齢が若いほど年金受給額が少なくなるよう調整されており、今後の人口統計によってはさらに受給額が少なくなっていくことも考えられます。
このような現状下で、現役世代の老後資金が足らなくなる可能性があるとされています。
老後資金が足りなくなる要因は、年金制度自体に加え、医療費や介護費の増加、住宅費の負担などが挙げられます。
また、国内経済の不況や物価の上昇などの影響により、年金受給額の実質的な減少も懸念されています。
これらの課題に対して、年金制度の改革や、個人のライフプランに合わせた資産形成が求められます。
老後資金はいくら必要?
一般的に、老後資金は、個人の生活費や医療費、介護費などを考慮したうえで、その人のライフスタイルや年金などの収入によって異なります。
しかし、これまで説明してきたように年金受給額だけでは十分な生活費を賄えないことが多く、老後資金が不足することが懸念されています。
そこで、日本の厚生労働省は、下記の老後資金が必要という目安を示しています。
- 一人暮らしの場合、65歳から90歳までの25年間で約2,000万円以上
- 夫婦で生活する場合は、同じ期間で約3,000万円以上
もちろん、老後資金の必要額は個人のライフスタイルや将来の見通しによって変わってきます。
例えば、趣味や旅行にお金をかけたい人や、高齢期に介護が必要になる可能性がある人は、より多くの老後資金を必要とするでしょう。
このように、年金だけでなく、他の収入源を確保できるかどうかも老後資金の考慮要素となります。
老後資金の準備方法
日本の老後資金を賄うのは年金だけでは厳しいとされています。
例えば、老後資金を増やすためには、退職金や個人年金保険、不動産投資、株式投資、債券投資などが考えられます。
また、定期的に貯蓄をすることで老後資金を準備することも重要です。
ここでは、老後資金を準備するうえで効率的な方法をご紹介していきます。
▼老後資金の準備方法
- つみたてNISA
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 個人年金保険
- 貯金
①つみたてNISA
まず、つみたてNISAは、株式や投資信託、債券などの投資を行い、将来の資産形成に役立てることができる制度です。
投資にはリスクがありますが、長期的に見た場合、リターンが高くなる可能性があります。
つみたてNISAは、所得税や住民税がかからない点が特徴で、毎年の限度額内で積み立てることができます。
▼つみたてNISAのメリット
- 所得税や住民税がかからないので、税制面でのメリットがある。
- 自分で投資商品を選べるため、自己責任での運用が可能。
- 複数年度にわたって購入枠を活用できるので、長期的な資産形成が可能。
▼ つみたてNISAのデメリット
- 投資商品の価格が下落した場合、元本割れするリスクがある。
- 株式投資などのリスク資産を扱うため、元本保証されていない。
- 投資商品選択や売買タイミングを間違えると、損失を出す可能性がある。
で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
②iDeCo(個人型確定拠出年金)
次に、iDeCoは、個人型確定拠出年金制度のことであり、公的年金に加え、自らの労働所得をもとに、将来の年金収入を増やすための制度です。
iDeCoには、所得税や住民税の優遇措置があるため、確定拠出年金としては利用が広がっています。
▼iDeCoのメリット
- 将来の年金収入を増やすことができる。
- 所得税や住民税の優遇措置があるため、税制面でのメリットがある。
- 個人のライフスタイルに合わせて、運用方針を決めることができる。
▼ iDeCoのデメリット
- 拠出金額に上限があるため、限定的な資産形成しかできない場合がある。
- 個人が自由に運用できる範囲は限られるため、運用方法によってはリターンが低い場合がある。
- 年金受給開始時期の設定など、複雑な手続きが必要な場合がある。
③個人年金保険
個人年金保険は、自分自身が保険料を支払い、老後に一定の年金を受け取ることができる保険のことです。
老後資金を確実に準備したい人に向いており、保険金は所得税や住民税の対象となるため、税制面でも魅力的な選択肢です。
▼個人年金保険のメリット
- 老後の生活費を保障するため、安心感がある。
- 所得税や住民税の優遇措置があるため、税制面でのメリットがある。
- 定期的な保険料の支払いによって、積立形式で老後資金を準備することができる。
- 保険料が高額になることがあるため、負担が大きくなる場合がある。
- 保険金が支払われるのは、契約期間や条件を満たした場合に限られるため、柔軟な運用ができない。
- 保険会社の経営状況によっては、保険金が支払われないリスクがある。
④貯金
最後に、貯金は、老後資金の総額を確保するうえで基本的な手段の1つです。
毎月一定額を貯めることで、将来の老後資金を準備することができます。
▼貯金のメリット
- 手軽に始められるため、誰でも老後資金の準備ができる。
- リスクが少なく、安定した資産形成ができる。
- 口座の種類によって、利子がつくため、積立による増加も期待できる。
- 金利が低いため、資産形成には時間がかかる。
- インフレーションによって、貯金の価値が下がるリスクがある。
- 積立額が少ない場合、老後資金を十分に準備することができない場合がある。
年金に関するよくある質問
ここでは、年金に関するよくある質問をまとめてみましたので、参考にしてみてください。
Q1:年金の受給資格にはどのような条件があるのでしょうか?
A:年金の受給資格には、以下の条件があります。
- 年齢条件:基礎年金は、65歳に達した人が受給できます。ただし、60歳から基礎年金を受給できる制度もあります。
- 保険料納付期間:国民年金や厚生年金に加入して、一定期間保険料を納めた人が受給できます。年金に必要な保険料納付期間は、厚生年金については10年以上、国民年金については25年以上となっています。
- 障害や死亡による特別加算:障害や死亡による特別加算を受けることで、保険料納付期間が短くなることがあります。
まとめ:老後の資産形成に関する相談ならまずマネーキャリアで無料相談!
年金制度は政策の変化や法改正によって変更されることがあるため、最新の情報を把握することは欠かせません。
また、老後資金の準備は早期に始めることが重要であり、自分に合った方法で年金や貯蓄、投資などの資産形成を適切に行い、適切な老後資金を確保することが大切です。
加入者自身が積極的に情報を収集し、将来のために備えることが求められるのです。
老後資金の必要額は個人によって異なるため、具体的な老後資金の必要額や準備方法については、FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談することが有用な手段です。
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