夫婦で厚生年金に加入した場合の支給額は?計算方法や注意点を紹介!

夫婦で厚生年金に加入した場合に年金支給額がいくらになるのかを計算する方法として、加入期間と平均給与額を早見表に当てはめて計算する方法を解説します。夫婦で厚生年金に加入する際の注意点も含めて、厚生年金加入者が老後の生活設計を立てる際に必要になる知識を紹介します。

夫婦で厚生年金に加入した際の支給額はいくら?2000万円必要ない?

老後にもらえる年金額は誰でも気になるものですが、会社員や公務員であれば厚生年金からの支給額が特に気になるはずです。


最近では共働き世帯が増えて夫婦で厚生年金に加入しているケースも多く、夫婦合わせて厚生年金の支給額がいくらになるのか、知りたい人も多いと思います。


「老後に2,000万円不足する」というニュースを見て不安を感じた人もいるはずですが、ニュースに惑わされずに老後の生活設計を正しく立てることが大切です。


そこで今回のこの記事では「夫婦で厚生年金に加入した場合の年金支給額」について

  • 夫婦で厚生年金に加入した際の支給額の考え方とシミュレーション
  • 夫婦で厚生年金に加入した際の遺族厚生年金に関する注意点
以上のことを解説します。

正しい年金知識を身に付ければ安心して老後を迎えることができるようになり、老後への漠然とした不安感もなくなります。ぜひ最後までご覧下さい。

夫婦で厚生年金に加入した際の支給額をシミュレーション

老後の生活設計を考える場合、年金額をシミュレーションして具体的な額を計算してみることが大切です。


老後への不安を感じている人の多くは年金額が分からず単に漠然と不安を感じている場合が多く、具体的な年金額を知ることで老後不安の解消につながります。


「収入別の厚生年金支給額の早見表」を活用して厚生年金支給額の概算額を計算することができ、老後の生活をより具体的にイメージすることが可能です。


以下では支給額を計算する上で前提知識となる「厚生年金の支給対象者」について解説し、「早見表を活用したシミュレーション」について紹介していきます。

夫婦で厚生年金に加入すると1人分しか年金が支給されない?

社会保険制度の中には世帯を基準にしている制度があります。例えば健康保険制度では加入者本人が保険料を納付すれば扶養家族も保険給付の対象になります。


そのため「厚生年金についても世帯ベースの考え方があって、例えば年金は夫婦で1人分しか支給されないのでは?」と考えてしまう人もいるでしょう。


しかし厚生年金に世帯ベースの考え方はありません。保険料の納付も年金の支給も原則として加入者単位で行われる仕組みです。


夫婦がともに厚生年金に加入して保険料を納付していれば、夫婦それぞれに対して年金が支給されます。


そのため夫婦で厚生年金に加入しているケースで年金額をシミュレーションする際には、夫婦それぞれへの支給額を計算して合計すれば算出できます。

収入別の厚生年金支給額の早見表

厚生年金への加入期間平均給与額から厚生年金支給額の概算額を把握することができ、その際に活用するのが以下の早見表です。


早見表を使って厚生年金の支給額を確認した上で、国民年金の支給額と合計すれば老後の年金額を計算することができます。


なお以下では2つのケースについて年金支給額のシミュレーションをしていきます。


どちらも夫が会社員で40年間厚生年金に加入しているケースですが、平均給与や妻の加入期間の違いによって年金額がどれほど変わるのか確認してみましょう。


  1. 夫が加入期間40年・平均給与30万円、妻が加入期間20年・平均給与10万円のケース
  2. 夫が加入期間40年・平均給与50万円、妻が加入期間10年・平均給与10万円のケース

なお国民年金の支給額は保険料納付済期間の長さによって変わりますが、ここでは国民年金は満額の約78万円もらえるものと仮定して計算します。


[ケース①:夫が加入期間40年・平均給与30万円、妻が加入期間20年・平均給与10万円]

早見表に当てはめると厚生年金の支給額は夫が79万円、妻が13万円です。


国民年金から夫婦それぞれに支給される78万円と合計して、年間支給額は248万円であることが分かります。1カ月あたりで考えると約21万円になる計算です。


[ケース②:夫が加入期間40年・平均給与50万円、妻が加入期間10年・平均給与10万円]  

早見表に当てはめると厚生年金の支給額は夫が132万円、妻が7万円です。


国民年金から夫婦それぞれに支給される78万円と合計して、年間支給額は295万円であることが分かります。1カ月あたりで考えると約25万円になる計算です。

このように早見表を活用することで、夫婦合わせていくら年金をもらえるのかを計算することができます。


そして夫婦ともに厚生年金に加入している場合でも、加入期間や平均給与額によって老後にもらえる年金額が大きく異なることが理解できたと思います。


ご自身のケースについても早見表に当てはめて、支給額をシミュレーションして確認してみて下さい。

夫婦で厚生年金に加入すると支給額だけで老後生活を送ることができる?

そもそも老後にいくらお金が必要と考えるかによって、シミュレーションで算出した年金額が十分なのか足りないのか判断が変わってきます。


例えば「老後2,000万円問題」が話題になった際に注目を集めた金融庁レポートでは、老後の生活での月々の収入は約21万円、支出は約26万円と設定されています。


年金を主な収入とする高齢者世帯では毎月5万円の赤字となり、30年ほどの老後の生活の間に合計で2,000万円不足するというのが金融庁資料の内容です。


ただしこれは高齢者世帯のモデルケースの1つに過ぎません。収入額や支出額は世帯ごとに違うので、その世帯の状況に応じて考えることが大切です。


例えば支出額がこのケースよりも少なくて赤字にならない世帯もあるでしょうし、逆に住宅ローンが残っていたりして支出が大きくなる世帯もあり得ます。


つまり年金支給額だけで十分かどうかは一概に言えるものではなく、支出面も含めて適切に見積もって判断する必要があります。


夫婦で厚生年金に加入していれば年金額が増えるので安心して老後の生活を送れる可能性は高まりますが、支出面も含めて正しく見積もることが大切です。


ご自身の状況に応じて年金額をシミュレーションするとともに、支出面についても正しく想定して過不足を確認するようにしましょう。

夫婦で厚生年金に加入際の支給額についての注意点

夫婦で厚生年金に加入すれば老後の年金額が増える点がメリットですが、一方で注意すべき点もあります。


それは配偶者が亡くなった場合に支給される遺族厚生年金です。


遺族厚生年金の支給対象者自身が老齢厚生年金を受給している場合、遺族厚生年金の支給額が減額される仕組みになっています。


夫婦で厚生年金に加入して2人分の老齢厚生年金をもらっていた状態から、配偶者が亡くなった後は支給額が減ってしまうので注意が必要です。


配偶者が亡くなった後の生活費が単純に半分になるとは限らないので、場合によっては支出を減らすなど生活設計の見直しを行うことになります。

まとめ:夫婦で厚生年金に加入すると受給額が増えるが注意点も

「夫婦で厚生年金に加入した場合の年金支給額」について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?


この記事のポイントは

  • 夫婦で厚生年金に加入している場合には各々の加入期間・平均給与額を早見表に当てはめることで年金額を計算できる
  • 配偶者が亡くなり遺族厚生年金をもらう場合でも自分が老齢厚生年金の受給者だと減額される
でした。

早見表を活用することで、厚生年金の加入期間と平均給与額から将来もらえる厚生年金の概算額を算出できることが理解できたと思います。

夫婦がともに厚生年金に加入している場合でも、それぞれの厚生年金額を算出して国民年金額も含めて合計すれば夫婦合わせた年金額が計算できます。

もちろんシミュレーションして算出した年金額が十分な金額なのかどうかは、その世帯の支出額によっても変わるので一概に言えるものではありません。

しかしだからこそ今回紹介した知識を活用して年金額を計算して、支出面も含めて老後の生活設計を具体的に考えることが大切です。

安心して老後を迎えるためにも、ご自身のケースでも早見表を活用して年金支給額を確認してみて下さい。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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