更新日:2023/02/17
無職・退職後の国民健康保険料はいくら?安くする方法は?まとめて解説
無職でも国民健康保険に加入義務があり、退職後の方が国民健康保険に加入するという選択肢もあります。いずれにせよ収入が無い・少ない場合が多いので保険料を安くする方法を知りたいですよね。そこで、国民健康保険の保険料は無職の場合いくらか、免除の条件は何か解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 無職(退職後)でも国民健康保険に加入し保険料を払わなければならない
- 退職後は国民健康保険に加入すべき?退職後の健康保険はどれがベストか
- 退職後、国民健康保険に加入する場合
- 退職後、会社の健康保険を任意継続する場合
- 退職後、国民健康保険と会社の社会保険任意継続で迷ったらFPに相談
- 無職(退職後)の国民健康保険、保険料は平均いくら?高い?
- 無職(退職後)、国民健康保険料がいくらになるかシミュレーション
- 無職(退職後)で国民健康保険の保険料を免除・安くする方法がある
- 国民健康保険料の軽減制度|所得が低い・無職の方向け
- 国民健康保険料の減免(免除制度)|市町村により条件が異なる
- 失業により無職となった場合の国民健康保険料の軽減制度・条件
- 国民健康保険料が全額免除になるのはどんな場合か
- まとめ:無職(退職後)も国民健康保険に加入義務があるが免除制度もある
目次
無職(退職後)でも国民健康保険に加入し保険料を払わなければならない
会社に勤めていると、社会保険の手続きは会社がしてくれるのであまり意識していませんよね。
しかし、退職して無職になるとすべて自分で手続きをしなければいけません。
今までは会社がやってきてくれていたことなので、自分でするとなにから始めたらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
- 退職後の国民健康保険の保険料はいくらになるのか
- 退職後の健康保険はどんな種類がベストなのか
- 無職で国民健康保険を安くする方法はあるのか
についてくわしく解説します。
この記事を読んでいただければ、退職後の健康保険の手続きに悩むことがなくなり、無職時の健康保険のベストを探す参考になるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
退職後は国民健康保険に加入すべき?退職後の健康保険はどれがベストか
退職後、無職になり収入がないにもかかわらず国民健康保険には、加入しなければいけないのかと、そんな疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
健康保険は、『国民皆保険制度』といい、国民が全員平等に公的医療を低価格で受けられるように作られています。
そのため、無職であっても健康保険には加入しなければいけません。実は、健康保険には4つの種類があります。
- 国民健康保険へ加入する。
- 当健康組合(任意継続)をそのまま継続する。
- 家族の扶養に入る。
- 新たに就職し、健康保険へ加入する。
細かく加入条件などは分かれてきますが、自分の金銭状況や今後の生活の状況を考え、最適な健康保険を選ぶことができます。
退職後、国民健康保険に加入する場合
退職後に国民健康保険に加入する場合は注意が必要です。実際に経験があるのですが、会社を退職したから社会保険を国民健康保険に切り替えました。
今まで折半だった保険料は、およそ2倍の金額になったためすごく高いという印象でした。
国民健康保険へ加入や納付方法は、自治体で異なります。住んでいる市区町村の健康保険窓口に問い合わせてみましょう。
また、退職した日の翌日から原則14日以内に行います。
もし、期日に間に合わなかったときは加入することはできますが、保険料は、退職した日の翌日までさかのぼっての支払なければいけません。
加入に必要な書類は、『健康保険の資格失効日のわかる証明書』『退職証明書または離職票』、『自治体別の届出書』『印鑑』です。
これらは事前に用意しておきましょう。
退職後、会社の健康保険を任意継続する場合
健康保険の任意継続は、退職後も会社で入っていた健康保険をそのまま活用する制度です。
また、在職中に被保険者期間が2ヶ月以上ある場合は、最長2年間まで継続することができます。
退職後は、無職になるため保険料の折半はありません。しかし、任意継続には、保険料の負担額に上限が設定されています。
任意継続被保険者制度は、退職した日の翌日から原則20日以内で行います。
加入については、加入している健康保険組合または、住んでいる市区町村の社会保険事務所にて手続きが必要です。
必要な書類には、『健康保険任意継続被保険者資格取得申請書』『住民票』、『1カ月分の保険料』『印鑑』を事前に準備しておきましょう。
退職後、国民健康保険と会社の社会保険任意継続で迷ったらFPに相談
病気などの予期せぬ退職で、収入が少なくなっているときに、国民健康保険に切り替えてしまうと、毎月の保険料だけで生活に大きな打撃を与えてしまいますよね。
自分でいろんなサイトをみて、簡単に計算してみたものの、結局どちらのほうがお得になるのかわからない。そんなことって、よくありますよね。
そんなときは、保険の専門家に直接聞いて、情報を得るのもひとつの手段です。
ひとりで悩みこまず、FPに相談してみることをおすすめします。困ったときには、オンラインで無料相談をすることもできます。
無職(退職後)の国民健康保険、保険料は平均いくら?高い?
会社や組織に所属していると、健康保険料は折半でよかったですよね。
しかし、収入がなくなる無職時の国民健康保険の保険料は、一体どのように決まるのでしょうか。
まず、国民健康保険はこの3つからできています。
それは、医療費にあてるための『医療分』、介護が必要になった人のための『介護分』、後期高齢者の一部の医療費を負担する『支援分』という内訳です。
ここに、設定された保険料率(所得割・平等割・均等割)で国民健康保険料を計算していきます。
そのほか、前年度所得や地域、世帯人数や年齢なども関連するため、保険料の平均は状況によって異なります。
そこで、無職のときの国民健康保険料がいくらになるのかをシュミレーションをしてみました。
無職(退職後)、国民健康保険料がいくらになるかシミュレーション
それでは、同じ条件で2種類のシュミレーションをしてみましょう。
東京都目黒区在住。現在は無職で、前年度の給与所得控除後の金額を260万円とします。この場合の所得割額は78万円、所得割算定基礎額は45万円になります。
国民健康保険料を算出する場合の保険料率は、『均等割』と『所得割』です。この合計金額が、それぞれの項目の金額になります。
各市区町村で決まっている保険料率から『均等割』と『所得割』の金額を計算します。市区町村によっては、ホームページに保険料率や算出方法の記載があります。
40歳未満の保険料(医療分+支援分の合計額)
64,050円+20,625円=84,675円
40〜64歳の保険料(医療分+支援分+介護分の合計額)
64,050円+20,625円+19,635円=10万4,310円
無職(退職後)で国民健康保険の保険料を免除・安くする方法がある
退職して、会社から一時的に開放されたあと、貯金を崩しながら無職期間を過ごす人もいるでしょう。
また、失業手当を受けながら過ごしている方も多いのではないでしょうか。
無職期間中は、必要最低限の生活費以外の出費はおさえたいですよね。
退職後に、会社の健康保険から個人の国民健康保険に通常の方法で切り替えると、単純計算でも支払いは約2倍になりますよね。
実は、国民健康保険には、保険料を安くする方法や免除する方法があります。
それは、退職理由や所得状況によって異なりますが、『軽減制度』『減免制度』『免除制度』の3つがあります。
無職の方や所得が低く、普段の生活でお困りの方に、国民健康保険の軽減制度について項目別に解説していきます。
国民健康保険料の軽減制度|所得が低い・無職の方向け
国民健康保険の軽減制度は、所得が少ないことや生活環境、地域によって違います。
国民健康保険に加入するすべての人が支払っている『均等割』と国民健康保険に加入するすべての世帯にかかる『平等割』の軽減を図ります。
世帯主(国民健康保険に未加入者も含む)と国民健康保険に加入している人の所得の合計額が、以下の金額に満たない場合は、自動的に軽減制度を受けることができます。
軽減の割合 | 世帯主と加入している全員の所得合計額 |
---|---|
7割軽減 | 世帯所得の合計金額が、33万円以下 |
5割軽減 | 世帯所得の合計金額が、33万円+加入人数×28万5千円以下の世帯 |
3割軽減 | 世帯所得の合計金額が、33万円+加入人数×52万円以下の世帯 |
もっとくわしく知りたい方は、お住まいの市区町村の健康保険窓口で確認するといいでしょう。
国民健康保険料の減免(免除制度)|市町村により条件が異なる
減免制度は、世帯人数や所得状況によって自動的に軽減がされたのちに行います。
軽減制度だけでは、支払えないときにいくつかの条件を満たした場合に減免されます。
条件として例をあげると、以下のようになります。
- 災害によって損害を受けたとき
- リストラや会社の倒産で解雇されたとき
- 病気による失業で生活が困難になったとき
- 事業が廃止または休止になったとき
- 3ヶ月以上の長期入院したとき
- 自身の資産や預貯金からも保険料が支払えなくなったとき
しかし、条件は基本的に各市区町村によって異なります。
手続方法も減免制度を受けたい本人が申請する場合もあれば、軽減制度のように自動的に適用される市区町村もあります。
また、所得の修正で減免を受けた場合は、国民健康保険料は2年間までさかのぼって申請することができます。
失業により無職となった場合の国民健康保険料の軽減制度・条件
突然のリストラや倒産、病気での失業の場合には、さらに細かく条件が設定されています。
正当な理由なく自己都合で退職したときは軽減制度の対象にはなりませんので、ご注意ください。
以下の条件は、失業によって無職となった場合に国民健康保険料の軽減対象となります。
- 離職したときの年齢が65歳未満である。
- 雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者である。
- 倒産やリストラ、解雇による離職である。
- 雇用保険受給者資格者の退職理由のコードが11、12、21、22、23、31、32、33、34のうちのいずれかである。
決められた条件は、各市区町村によって異なるところもあるので、確認しておいたほうがいいでしょう。
国民健康保険料が全額免除になるのはどんな場合か
災害や倒産、突然無職になって無収入になってしまう状況はめったにありませんが、もしそんな状態になってしまったらと考えると怖いですよね。
そのような健康保険などの支払いが到底できないと思われるときに国民健康保険料は、全額免除の申請ができます。
その条件は、以下のようなものがあります。
- 大地震などの自然災害で被災者なってしまった
- 刑務所に入っているとき
- 会社都合による失業で無収入になってしまった
- 生活保護を受けている方
- 障害等級が1級もしくは2級で障害基礎年金、障害厚生年金を受給している
- やむを得ない理由で、前年度の収入の7割以下と激減してしまったとき
各市区町村によって条件は異なりますので、くわしくはお住まいの健康保険窓口に問い合わせてみましょう。
まとめ:無職(退職後)も国民健康保険に加入義務があるが免除制度もある
無職になったときの健康保険はどんな種類があるのか、加入義務や免除制度について、細かく解説してきましたが、いかがでしたか。
突然無職になってしまった方や一時的に仕事を休憩している方に、
- 国民健康保険は原則必ず加入し、保険料は支払わなければいけない。
- 国民健康保険料は、世帯人数や前年度所得などによって異なる。
- 国民健康保険料は、市区町村の保険料率と年齢などで算出する。
- 健康保険は自身の生活状況で選ぶことができる。
- どの健康保険がお得なのかわからないときはFPに無料相談できる。
- 所得が無い、少ない場合には軽減や免除の申請ができる。
倒産や災害で無収入になって、現在困っている方は、お近くの市役所の健康保険窓口へ足を運んでみてはいかがでしょうか。