フリーターで年収130万以上は扶養から外れる!国民健康保険に加入義務

フリーターは年収130万の壁を超えると国民健康保険に加入しなくてはなりません。しかし、アルバイト先の社会保険に加入している場合は加入義務はないのでよく検討してみてくださいね。ここではフリーターが国民健康保険に加入する条件、手続き方法や保険料を解説します。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

フリーターは年収いくらだと扶養から外れ、国民健康保険料を払うのか

アルバイトなどの非正規雇用で生計を立てるフリーターにとって、親などの健康保険の被扶養者でいれば、保険料の負担がないのでとても助かりますよね。


しかし、一定以上稼ぐようになると扶養から抜けることを考えなくてはなりません。


「実際いくら稼いだら扶養から外れて、どんな手続きが必要になるの?」


「国民健康保険に加入したら、負担が大きくなるのでは?」


そんな疑問をお持ちの方のために、今回の記事では

  • フリーターが自身で国民健康保険料を払う必要がある年収は?
  • 国民健康保険に加入する際の手続き
  • 国民健康保険の保険料は?
  • 社会保険に加入する場合の条件・メリットは?
  • 国民健康保険料が高すぎて払えない場合の対処法

について解説していきます。


アルバイトをしているご本人の収入や負担額に関わる大切な内容ですので、これからの働き方を考える大きな手助けになるかと思います。


ぜひ最後までご覧ください。

フリーターは年収130万以上で扶養から外れ国民健康保険に加入義務が発生する

扶養には『税制上の扶養』『社会保険上の扶養』の2種類があります。


『税制上の扶養』は扶養控除や配偶者控除など、扶養する側の所得税・住民税に関するもので、『社会保険上の扶養』は扶養される側の健康保険や公的年金に関するものです。


それぞれに扶養を外れる年収の要件があり、フリーターの方に関係する年収は以下の3つです。

年収税制上の扶養社会保険上の扶養
103万円以上納税者(扶養する側)が扶養控除を受けられなくなる
106万円以上自身の勤務先の社会保険に加入する義務が発生する(勤務先の企業の規模・勤務時間などの要件あり)
130万円以上扶養者(親など)の社会保険の扶養から外れる

今回の記事で説明するのは、『社会保険上の扶養』についてです。


日本は国民皆保険制度を採用しているため、日本国民は何らかの公的な健康保険に必ず加入しなければなりません。


フリーターは、年収が130万円を超えると『社会保険上の扶養』から外れ、勤務先の社会保険に加入する選択肢がない場合は国民健康保険に加入することになります。


国民健康保険とは、市区町村などの自治体が運営している医療保険で、自営業者など会社の健康保険に加入していない人が主な加入者です。

【注意】社会保険上の扶養においては交通費も年収として計算される

ここで気を付けておきたいのが、年収とはどこまで含まれた金額かということです。


社会保険では事業主から支払われるすべてのものを報酬と定めているため、『社会保険上の扶養』の年収は、交通費や通勤手当を含んだ額で計算します。


定期券を現物支給された場合も年収に含めるという点にも注意しましょう。


これに対して税金の計算では、月15万円までの交通費は非課税となっており、『税制上の扶養』では交通費は年収から除外することができます。

フリーターが扶養から外れ国民健康保険に加入する場合の手続き方法

社会保険の扶養から外れて国民健康保険に加入する手続きの流れは

  1. 今まで加入していた健康保険で資格喪失の手続きをする
  2. 住所のある市区町村の役所で書類を記入し、手続きをする

となります。


加入手続きは、健康保険の資格を喪失した日から14日以内に行いましょう。


届出の際の必要書類は、基本的には

  • 会社や保険組合が発行する健康保険資格喪失証明書
  • マイナンバーのわかる書類
  • 本人確認書類

ですが、自治体によっては印鑑や通帳、源泉徴収票などが必要なところもあるので、一度お住まいの市区町村のホームページで確認することをおすすめします。

フリーターが扶養から外れ国民健康保険に加入する場合、保険料はいくら?

一般的に、国民健康保険料は「医療分」と「後期高齢者支援分」と「介護分」の3項目について

  • 前年の所得に応じて負担する「所得割」
  • 被保険者の人数に応じて負担する「均等割」
  • 全世帯が負担する「平等割」
  • 固定資産税額に応じて負担する「資産割」

の合計で計算します。


令和2年度の年収ごとの国民健康保険料を例に挙げて見ると、以下のようになっています。

前年の年収東京都新宿区(年額)東京都江戸川区(年額)
100万円28,286円29,632円
150万円91,276円96,992円
200万円136,727円145,624円

※40歳未満・給与収入のみの場合

※年収100万円では5割・150万円では2割の均等割の軽減を適用


ご自身の国民健康保険料がいくらになるかは、市区町村によって保険料率や算出方法が異なるため、ご自身で確認するようにしてください。

フリーターで年収130万以上の場合会社の社会保険に加入する選択肢もある

また、フリーターで年収130万以上の場合会社の社会保険に加入する選択肢もあります。

先ほど解説した国民健康保険と社会保険の違いについて、以下の表にまとめました。

国民健康保険と社会保険の違い

国民健康保険と社会保険の違い

表の内容は非常に簡潔にまとまっていますが、国民健康保険と社会保険を比べた際、
  • 扶養人数が増えても保険料が変わらない
  • 医療費の自己負担が少なくなるだけでなく、厚生年金や介護保険・雇用保険がついてくる
このような点から会社の社会保険の方がメリットがあると言えそうです。

では、フリーターが会社の社会保険に加入するにあたって、どのような条件を満たせばよいのか解説していきます。

フリーターがアルバイト先で社会保険に加入する条件とは

社会保険の加入条件は

  • 1週間の決まった労働時間および1か月の決まった労働日数が、常時雇用される一般社員の4分の3以上であること
  • 2か月を超える契約期間があること

です。


また、上記を満たさない場合でも、次の5項目すべてに該当すれば加入することになります。

  1. 1週間の決まった労働時間が20時間以上であること(※1)
  2. 月の決まった賃金が8.8万円(年間160万円)以上であること(※2)
  3. 1年以上の雇用が見込まれること
  4. 従業員数が501人以上の勤務先で働くこと(※3)
  5. 学生ではないこと(※4)

(※1)残業時間は含まない

(※2)賞与や残業代、通勤手当などは含まない

(※3)従業員が500人以下でも、社会保険の加入について労使で合意がなされていれば対象

(※4)夜間・通信・定時制の学生は対象

フリーターで社会保険に加入するなら厚生年金保険にも加入義務がある

社会保険に加入すると、必ず厚生年金保険に加入することになります。


健康保険料だけでなく厚生年金保険料も給与から差し引かれるようになることを覚えておきましょう。


厚生年金保険とは、会社に勤める従業員などが加入する公的年金制度です。


厚生年金保険の加入者は同時に国民年金にも加入することになり、将来年金を受給するときには、国民年金から支給される基礎年金の上乗せとして、厚生年金を受け取ることができます。


厚生年金の保険料も健康保険と同じく給与の額に応じて決定され、会社が2分の1を負担してくれます。

フリーターは国民健康保険と社会保険どちらに加入するべきか

フリーターが国民健康保険と社会保険を選べる場合、1つの会社に継続的に勤めるのであれば社会保険に加入することをおすすめします。


社会保険には、傷病手当や出産手当など国民健康保険にはない給付があり、万一の時には国民健康保険より手厚い補償が受けられます。


また、扶養家族が増えた場合にも保険料の負担を気にする必要がないこと、厚生年金で将来の年金を増やすことができることは大きなメリットです。

国民健康保険は高い⁉フリーターで保険料が払えない場合はどうするか

フリーターの収入で国民健康保険料を払い続けるとなると、生活が苦しくなることがあるかもしれません。


病気などで働けなくなってしまうと、社会保険のような補償も受けられず負担が大きくなりますよね。


国民健康保険料が払えないからと言って未納のまま放っておくのは危険です。


保険料を滞納すると、延滞金がかかる・保険給付が受けられない・医療費が全額負担になるなどし、最悪の場合は財産を差し押さえられてしまうことにもなりかねません。

国民健康保険の保険料を安くすることはできるのか

国民健康保険には所得が一定以下の場合に均等割の軽減措置があり、保険料の計算時点である程度の負担軽減をはかってくれています。


その他にも

  • 災害や病気などで生活が著しく困難になった場合
  • 倒産・解雇など、会社の都合で退職することになった場合

など、事情があって国民健康保険料が払えなくなった人が申請すると、保険料の負担を軽減してくれる制度があります。


市区町村によっては独自の軽減措置があるところもありますし、制度の名称もそれぞれ異なるので、保険料の支払いで困ったらお住まいの市区町村に相談してみましょう

フリーターで収入を増やす方法について

フリーターで収入を増やすには

時給が高いアルバイトを選ぶことは重要です。


また「手に職をつける」のもおすすめです。


国家資格を取るなどして専門知識を生かした仕事ができるようになると、収入アップにつながります。

正社員を目指す選択肢も

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和元年の雇用形態別の賃金は

正社員・正職員正社員・正職員以外
男女計325.4千円211.3千円
男性351.5千円234.8千円
女性269.4千円189.1千円

となっています。


非正規社員の賃金は、正社員の6~7割ほどしかありません。


また、正社員は年齢とともに賃金も上がっていく傾向があるのに比べて、非正規社員の賃金はほぼ横ばいです。


収入を大きく増やす方法として、正社員になることも考えてみましょう。

お金のことで困ったら専門家(FP)に相談してみよう

お金に関することで今の生活や将来に不安を感じている人は、専門家に相談するのがおすすめです。


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まとめ:フリーターが扶養から外れるなら国民健康保険or社会保険に加入

ここまで、フリーターが扶養から外れるときの収入や保険制度などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?


今回の記事のポイントは

  • フリーターは年収130万円を超えると扶養から外れる
  • 国民健康保険の手続きは、住所のある市区町村の役所で行う
  • 国民健康保険料の納付額は、市区町村によって異なる
  • 年収106万円を超えると、社会保険に加入できる場合がある
  • 社会保険は国民健康保険より補償が手厚く、メリットが多い
  • 国民健康保険料が払えないときは、市区町村に相談する
  • お金のことで困ったら専門家に相談するのがおすすめ

でした。


フリーターの働き方にはいろいろな選択肢があります。


扶養や保険制度は複雑ですが、内容をよく理解して、ご自身にとってメリットの大きい働き方を選びましょう。

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