妊婦健診で怒られる? 妊婦の体重増加の目安と体重管理方法を解説!

妊婦健診で行う体重測定ですが、体重増加で医師に「増えすぎ」と怒られ憂鬱だと感じる方も多いようです。今回、妊娠初期・妊娠中期・妊娠後期の体重増加ペースの目安や、体重が増え過ぎたらどうなってしまうのかを解説します。また、妊婦健診前の体重管理方法も解説します。

妊婦の体重増加の目安は? 増えすぎは妊婦健診で怒られる?


苦しかったつわりも終わり、安定期に入るとご飯が美味しくなって、つい食べ過ぎてしまうなんて人も多いのではないでしょうか。


赤ちゃんの分も栄養を摂らないといけないなんて言いながら、油断すると一気に体重が増えてしまいますよね。


でも、何処までの体重増加が理想なのかがわからず、不安を感じている人も多いと思います。


妊娠中はお腹の中の赤ちゃんも一緒に成長するため、食べすぎてしまうと管理ができなくなる恐れがあり注意が必要です。


そのため、妊婦健診で体重が増えすぎてもサバ読みをしたり、嘘の報告をしてはいけません。


そこで、この記事では「妊婦健診中の体重」について、

  • 妊婦健診の理想の体重増加はどれくらい?体重増加にはいつから注意が必要?
  • 出産までの体重増加のペースはどのくらい?
  • 体重が増え過ぎると、赤ちゃんやママにどうようなリスクがあるの?
  • 妊娠中の体重をうまく管理する対策、健康に体重を減らす生活習慣とは?
  • 産婦人科の体重管理が厳しいと悩むママの対処法とは?
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読めば、妊娠中の体重管理が何故大切なのかがわかるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。

妊婦健診で体重測定はいつから始まる?

体重測定は初診で妊娠がわかったあとの妊婦健診に行った日から始まります。


妊婦健診の頻度は、

  • 初週〜23週までは4週間に1回
  • 24週〜35週は2週間に1回
  • 36週〜出産までは1週間に1回 

ですので、初週から出産までに14回程度体重測定を行うことになります。


妊娠検査薬を使って陽性反応が出た、生理が遅れているから妊娠できたかもしれないと思って、初めて産婦人科へ診てもらいに行った初診の日は体重測定を行いません


また、妊婦健診の際は体重測定のほかに以下の検査を毎回行います。

  • 血圧測定
  • 尿検査
  • むくみの検査
  • 子宮底長測定
  • 腹囲測定 

また、必要に応じて

  • 超音波検査
  • 血液検査
  • 子宮頸がん検査
  • 膣分泌物培養検査 

を行います。


体重だけでなく様々な検査を行うことで、赤ちゃんがしっかり成長しているか、異常がないか、ママの体は健康かなどをしっかり調べることができます。


ママが安心して出産に望めるように、妊婦健診は必ず受けましょう。

妊婦健診時で怒られないために!妊婦の理想の体重やBMIを解説!

体重測定は、妊婦健診に行く度に毎回行われます。


毎回体重を測定するのは、前回の体重と比較することでしっかりと体重管理を行うことができ、病気のリスクを抑えることが目的です。


妊娠週数が進むとお腹の中の赤ちゃんも成長するので、体重が増えるのは正常なことです。


しかし、急激に増加するようなことがあると、妊娠糖尿病妊娠高血圧症候群などの病気のリスクが高くなります。


反対に、急激に減少するようなことがあれば赤ちゃんの発達に異常がある可能性も考えられます。


次は、ママとお腹の中の赤ちゃんが出産までに健康に過ごすための理想の体重増加はどれぐらいなのか、いつから注意すればよいのかを詳しく解説していきます。

妊娠から出産までの全期間における理想の体重増加ペース

妊娠期間中の理想の体重増加は、BMIの判定基準に伴い3つの区分に分かれます。


妊娠から出産までの全期間を通してですと、

BMI(区分)理想の体重増加
18.5未満
(やせ)
9~12kg
18.5~25.0未満
(普通)
7~12㎏
25.0以上
(肥満)
個別対応

以上が、理想の体重増加とされています。(参考:厚生労働省「妊娠期の至適体重増加チャート」について


25.0を少し超えるくらいであれば、理想の体重増加は5kgを目安とすることが一般的のようです。


また、初診の計測がスタートラインとなるため、食後直ぐの午後には行かないようにするなどの工夫もあります。

妊娠中期から妊娠後期までの理想の体重増加ペース

妊娠中期から末期までの、1週間あたりの理想とする体重増加量は、

BMI(区分)1週間あたりの
理想の体重増加
18.5未満
(やせ)
0.3~0.5kg
18.5~25.0未満
(普通)
0.3~0.5kg
25.0以上
(肥満)
個別対応
以上のようになります。


妊娠初期はつわりのせいで体重が落ちる人や、普通に過ごせる人などいろんなパターンがあり、1週間あたりの理想の体重増加量の目安はありません。 


また、ここで記載しております理想の体重はあくまでも目安となります。


妊婦健診の体重増加は、妊婦の健康管理を目的としていますので、あまり深く考えすぎる必要もありません。

体重増加の内訳を紹介

妊娠中の体重増加は赤ちゃんの体重だけではありません。ママ自身の脂肪が増えるということももちろんありますが、羊水や胎盤などの重さが加わっています。


個人差はありますが、妊娠後期の体重増加の内訳を見てみましょう。

胎児の重さ3kg
胎盤の重さ0.5kg
羊水の重さ0.5kg
妊娠で増える血液、水分2kg
妊娠で増える脂肪2kg
合計8kg
体重増加には妊娠を維持するのに必要なものが含まれており、妊娠前から妊娠後期までに必要な体重の増加は約8kgということになります。

妊娠中に太りやすくなる要因の一つは、ホルモンバランスの変化により栄養を蓄えようとするためです。

また、脂肪には外部からの刺激を吸収し、お腹の中の赤ちゃんを守る働きをしてくれるものでもありますので、多少脂肪が増えるのは必要といえます。

妊娠中に体重が増えすぎてしまうとどんなリスクがある?

妊娠中に体重が増えすぎてしまいますと、産後もとの体型に戻すのに一苦労ですが、実はそれ以外にも大きなリスクがあることを知っていますか。


ここでは、妊娠中の体重増加による、

  • 母親の妊婦糖尿病や妊娠高血圧症候群
  • 胎児の発育不全や低出生体重児
  • 出産時の出血や難産
以上の3つのリスクについて解説します。

母親の妊婦糖尿病や妊娠高血圧症候群

妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群は、どちらも発症リスクを高める原因となるのが体重増加です。


妊娠糖尿病

妊娠することで、血糖コントロールのバランスが乱れ、糖代謝異常が発見された場合に診断されます。もともと糖尿病である人の場合は含まれません。


適度な運動とバランスの良い食事を心がけて、太り過ぎないようにコントロールすることが一番の予防策です。


妊娠高血圧症候群

妊娠20週以降に、高血圧の状態が続くと診断されます。妊娠前から肥満であったり、高齢出産であったりする場合は発症リスクが高いとされています。


一番わかりやすい症状は「むくみ」であり、顔が酷くむくむ、ものが掴みにくいと感じるほどの重度のむくみが出ている場合は気を付けたほうが良いでしょう。

胎児の発育不全や低出生体重児

胎児の発育不全や低出生体重児も、妊婦の体重増加発症リスクを高める原因だとされています。


胎児の発育不全(FGR)

胎児の発育不全は、妊婦の体重増加以外にもいろんな要因があります。ですが、妊娠高血圧症候群になると発育不全になりやすいと言われています。


妊婦健診時に赤ちゃんが小さいと指摘されると不安になりますが、中にはもともと小さいだけで健康な赤ちゃんも多くいますし、胎児誤差もよくある話です。原因がはっきりしないのであれば、深く考える必要もないでしょう。


低出生体重児

産まれたときの赤ちゃんの体重が2,500g未満の場合、低出生体重児だと分類されます。予定よりも早くお産が始まってしまった場合と、子宮内での発育が遅れた場合とで大別されます。

出産時の出血や難産

妊娠中に体重が増えすぎてしまうと、出産のときに難産出血などのトラブルが起こる可能性があります。


妊婦が太り過ぎると子宮頚管や膣に脂肪がつき、出産のときに通る産道が狭くなります。


また、それ以外にも、赤ちゃんが巨大児になりやすくなるというリスクもあります。分娩時に赤ちゃんの肩が産道に引っかかる肩甲難産になり、お産が大変になることもあるようです。


体重増加しすぎることで、分娩中に自然分娩から緊急帝王切開に切り替わる率も高くなるため、体重管理はきちんと行ったほうが良いでしょう。

妊婦健診時の体重管理の方法!

妊婦健診では、毎回体重血圧を測らなくてはいけないため、体重が増えるたびに憂鬱だと感じる人も多いのではないでしょうか。


臨月に近付くにつれて2週間や1週間ごとに妊婦健診がありますし、1ヶ月・4ヶ月・6ヶ月・7ヶ月と妊娠が経過していくごとに体重の増え方も変わってきます。


また、服の重さでも体重が変わってくるため、服装を工夫するという方法もありますが、ここでは、妊婦健診における体重増加の対策として、

  • バランスの良い食事を心がける
  • ウォーキングなど軽めの運動をする
  • 夫・旦那に協力してもらう
これらの方法について解説します。

間食は控え、バランスの良い食事を心がける

赤ちゃんは母体から栄養をもらって成長するため、妊娠中に体重が増えたからといって過度なダイエットをするのはよくありません


「妊娠中はお腹の赤ちゃんのために2人分食べたほうが良い」という話を聞いたことがあるかと思いますが、

  • 妊娠初期・・・妊娠前よりも+50Kcal
  • 妊娠中期・・・妊娠前よりも+250Kcal
  • 妊娠後期・・・妊娠前よりも+500Kcal
  • 授乳期(出産後)・・・妊娠前よりも+450Kcal
が目安だといわれています。

プラス分のカロリーは食事の栄養バランスを見直し、足りない栄養を補うように意識する部分です。 

妊娠中に不足しがちな鉄分カルシウムビタミンミネラルなどを積極的に摂ることも大切ですが、炭水化物も組み合わせてバランスの良い食事を心がけることも必要です。 

また、間食はできる限り控えましょう。おやつを食べるなら、食事では摂取できない栄養素やプラスしたい栄養が含まれているものを選べば、体重を上手にコントロールできるでしょう。 

例えば、鉄分が豊富なプルーンや、水溶性食物繊維が豊富に含まれている寒天やこんにゃくが使われているゼリーなどです。おやつを工夫すれば、妊娠中の便秘対策にもなるでしょう。 

ウォーキングなど軽めの運動をする

妊婦健診で経過が順調であれば、毎日の生活に積極的に運動を取り入れましょう。ただし、たとえ順調であったとしても、過度な運動は控えてください。


妊娠初期の胎盤が安定していない時期は、運動は控えたほうが良いとされていますので、運動を取り入れるのは安定期に入ってからにしてください。


軽いウォーキングや家でできるようなストレッチを週に1度からはじめ、慣れてきたら徐々に日にちを増やしていくと身体に負担も掛かりにくいでしょう。運動時間も一気に長時間行うのではなく、15~30分単位で小まめに行うことをおすすめします。


また、運動中にトラブルが起こる可能性もありますので、必ず携帯電話と母子手帳・水分は持ち歩くようにしましょう。

夫・旦那に協力してもらい、ストレスをなるべく溜めないようにする

妊婦健診のために体重管理を徹底しようと思っても、隣で夫がお菓子をバリバリと食べていたらうるさいですし、ストレスも溜まってお互いに嫌な気持ちになりますよね。


妊婦は体重管理が必要であるということをきちんと話して、夫にも協力してもらいましょう。


食生活を一緒に見直したり、妊婦健診に付き添ってもらうことで妊娠期間中に気を付けなくてはいけないことを一緒に学ぶことができます。


また、夫がたばこやお酒が大好きだという場合は、今のうちに禁煙・禁酒をするように協力をお願いしましょう。

医者が体重管理に厳しく、増えすぎ怒られるのが憂鬱だという方へ

産婦人科にもよりますが、病院によっては妊婦健診の体重管理が厳しくて、少しでもオーバーすると怒られる場合もあるようです。


体重は自分ではかって自己申告をするところもあれば、機械で管理しているのでごまかしがきかないところもあります。


体重を少しでも減らしたくて、前日のご飯を食べなかったり、妊婦健診当日は何も食べないで午後に行くという人もいると言われています。


ここでは、体重管理のことを考えたくないという人に、

  • 妊婦健診で医者は何故厳しくしているのか
  • 妊婦健診は重く考えなくても良い
  • それでも病院に行くのがストレスだという人はどうしたら良い?
以上の3つについて解説します。

医者はあなたの安産のために厳しくしている

妊婦健診では、母体の健康をチェックするために毎回体重と血圧をはかり、母子健康手帳に記録します。


経過によっては、体重が増えすぎてしまうことで、医者に厳しく体重管理をするように指導されるかもしれません。


ですが、それは妊娠中に太り過ぎてしまうことで、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、難産のリスクや赤ちゃんのリスクなどを考えて、安産のために厳しくしているのです。


妊娠前からBMIが25.0%を超えている肥満の女性は、最初から特に厳しい指導があるかもしれませんが、ママと赤ちゃんが安全に出産できるように考えて言っていることを理解しましょう。

妊婦健診をあまり重く捉えすぎない

妊婦健診は、母子ともに健康で順調な妊娠生活をおくるために行っているものであって、決して厳しく管理しているわけではありません。


仮に理想とする体重増加よりも体重が増えてしまったからと言いましても、少しであれば誤差ですし、医者もすぐに厳しくなるわけではありません。母子ともに健康であれば問題はありませんので、嘘の体重報告をするのはやめましょう。


また、家と違う測定結果が出たとしても、2キロなど大きな差がない限りは誤差ですので気にしなくても問題ありません。


体重に関して敏感になりすぎるあまり、ストレスが溜まってしまってはそちらのほうが問題が生じる恐れがあります。


妊娠生活を楽しくリラックスして過ごすためにも、妊婦健診は深く考えすぎないようにしましょう。

ストレスが大きい場合は転院の検討を

病院の方針はそれぞれ異なり、場合によっては体重管理が厳しい産婦人科もあるかもしれません。


妊婦健診では、測定服を着て体重をはかるわけではありませんので、薄手の洋服にするなど工夫はたくさんあります。


ですが、それでも毎回妊婦健診で体重のことを指摘されて怖いと感じたり、ストレスが溜まったりということであれば、転院を検討するのも良いかもしれません。


もし転院を希望するのであれば、転院先の産婦人科で受け入れてくれるのか、何週までに転院しないといけないのかなどを事前に調べておきましょう。


出産のために入院予約が必要となるため、早めに転院準備をしておいたほうが安心です。

参考:先輩妊婦さんに聞く!妊娠後期の体重増加を防ぐ対策

妊娠後期になると食欲が増した、いつもお腹が空いているように感じるというママが多いようです。


そんなとき、先輩妊婦さんたちは体重増加を防ぐためにどのような対策を行っていたのでしょうか。ネット上のアンケートや質問コーナーなどでよくある意見をまとめました。

  • 散歩や買い物に出かけたり、動けないときは本を読んだりネットショッピングを検索してみたりと、食事から意識が紛れるようにした。
  • 少量でも好きなものは食べたかったので、時間をかけてゆっくり食べることで満腹感を得られるようにした。
  • 食事中は炭酸水を飲んでお腹を満たすようにした。
  • これから生まれてくる赤ちゃんとの生活を想像して、気分を紛らわせた。
  • 家事をこなして生活リズムを整えたらとくに体重は増えませんでした。
  • 朝ごはんをしっかりと食べて、昼ごはんと夕ごはんにかけては控えめ、夕ごはんは早めに食べる習慣にした。
運動することでカロリーを消費するよりも、食事に気をつけることで体重増加を予防している先輩妊婦さんが多いようです。

ただ、カロリーを意識し過ぎてもストレスが増え、母体によくありませんので、思いつめすぎずほどほどにという意見がたくさん見られました。

まとめ:妊婦健診時の体重測定までにできる体重管理

妊婦健診中の理想の体重増加はどれくらいなのか、体重増加によるリスク対策方法などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 妊婦健診の理想の体重増加は、BMIの判定基準に伴い3つの区分にわかれる
  • 妊娠中に体重が増えすぎてしまうと、母親は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクがある。それ以外にも、胎児の発育不全や低出生体重児・難産や出血などのリスクも生じる
  • 体重が増えすぎないように、食事内容を見直す、適度な運動を心がける、夫にも協力してもらうと良い
  • 妊婦健診で厳しく体重管理のことを言われるのは、母子のためではあるが、あまりにもストレスに感じるようであれば転院を考えるのも1つの手である
以上になります。

妊娠中はできる限り、ストレスを感じることなく楽しく過ごしたいものですが、体重管理はしっかりと行わないと様々なリスクが生じる恐れがあります。

今回の記事を参考にして、体重増加のことを指摘された場合は体重管理の方法をぜひ試してみてください。

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