更新日:2023/01/25
出産費用はクレジットカード払いがお得?デメリットは?出産費用の準備方法も
妊婦健診や入院費などの出産費用は大きな出費であるため、クレジットカード払いを選択する人が増えています。今回、出産費用をクレジットカード支払いすることのメリット・デメリットを解説します。また、出産費用がない・お金がない方向けの出産費用貸付制度などを解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 出産費用はクレジットカード支払いがお得?デメリットはある?
- 出産費用はいくら?妊婦健診から分娩まで
- 出産費用をクレジットカードで支払うメリットとデメリット
- 直接支払制度を利用せずクレジットカード払いするとお得
- 出産費をクレジットカードで払う場合のデメリット
- 入院費や分娩費を援助する健康保険の出産育児一時金について
- 出産育児一時金の適用者と条件を満たさない場合
- 出産費用の相場と出産育児一時金の保障金額
- 支払い方法は2つ:直接支払制度を利用する方法としない方法
- 参考:付加給付金がある場合も!
- 出産費用がないという方必見!出産費用の準備方法
- 各自治体の給付金
- クレジットカードローン
- 出産費用貸付制度
- 参考①:妊娠前に医療保険に加入し、出産費用を最小限に
- 参考②:出産後お金がない!を防ぐために、教育費は学資保険で備える
- まとめ:出産費用をクレジットカード払いする方法
目次
出産費用はクレジットカード支払いがお得?デメリットはある?
出産費用の支払い方法には、クレジットカード払いも可能です。
クレジットカードで支払うことができれば、まとまったお金を用意する必要もなく、便利ではあります。
しかし、出産費用と言えば健康保険からの給付金もあり、わざわざクレジットカードで支払う必要があるのか、またほかにどんなメリットがあるのか気になるところです。
そこで、この記事では『出産費用をクレジットカードで支払うとお得になるのか』について、
- 出産時に支給される出産育児一時金とは
- 付加給付金とは
- 出産費用をクレジットカードで支払うメリットとは
- 出産費用をクレジットカードで支払う際の注意点とは
出産費用はいくら?妊婦健診から分娩まで
妊婦健診の際の費用や分娩時の費用をご紹介していきます。
妊婦健診は妊婦さんや赤ちゃんの状態を定期的に確認するために行います。基本的には1回5,000円程ですが、回数は人によって違いがあります。
健診回数の例としては以下のようになっています。
時期 | 間隔 | 回数(合計) |
---|---|---|
初期~23週 | 4週間に1回 | 1~4回 |
24週~35週 | 2週間に1回 | 5~10回 |
36週~出産 | 1週間に1回 | 11~14回 |
健診以外に血液検査や子宮頸がん検診なども行う場合があります。これも合計すると10~15万円ほど費用がかかることになります。
健診が終わったら次は出産です。平均費用をご紹介すると以下のようになります。
内容 | 金額 |
---|---|
入院料 | 112,726円 |
室料差額 | 16,580円 |
分娩料 | 254,180円 |
新生児管理保育料 | 50,621円 |
検査・薬剤料 | 13,124円 |
処置・手当料 | 14,563円 |
産科医療補償制度 | 15,881円 |
その他 | 28,085円 |
合計 | 505,759円 |
上の表で紹介したのは、普通分娩の費用です。
帝王切開や無痛分娩などで出産した場合、さらに費用がかかってしまう事になります。
その場合、後程紹介しますが医療保険に加入していると安心です。
出産費用をクレジットカードで支払うメリットとデメリット
出産費用は、現金や出産育児一時金の直接支払制度を利用して支払うだけではなく、クレジットカードでも支払うことができます。
実は、出産費用をクレジットカードで支払うことにはメリットがあるということをご存知でしょうか?
そこで、ここでは出産費用をクレジットカードで支払うメリットと、クレジットカードで支払う際の注意点について解説していきます。
直接支払制度を利用せずクレジットカード払いするとお得
出産育児一時金42万円を直接出産する医療機関等に支払ってくれる直接支払制度を利用した場合、出産時にまとまったお金を用意する必要がないのでありがたいですよね。
しかし、直接支払制度を利用せずにクレジットカードで出産費用を支払う方も増えています。
その理由は、クレジットカードで支払うことでクレジットカードのポイントを貯めることができ、お得になるからです。
クレジットカードで支払った金額によってポイントが還元されるカードでは、だいたい1%前後から高くて10%のポイントが還元されます。
そこで、出産費用の相場である49万円をクレジットカードで支払った場合、還元率が1%のクレジットカードで支払うと4,900円分がポイントで還元されます。
もしも還元率5%のクレジットカードで支払った場合、なんと24,500円も還元されることになります。
このように、クレジットカードで出産費用を支払うとお得になるため、出産費用の支払い方法にクレジットカード払いも検討してみてはいかがでしょうか。
出産費をクレジットカードで払う場合のデメリット
出産費用をクレジットカードで支払うとポイントが貯まりお得になるとお伝えしましたが、出産費用をクレジットカードで支払う際には注意することがいくつかあります。
出産費用をクレジットカードで支払う際の注意点とは、以下のようなものがあります。
- クレジットカードの限度額は十分あるか
- 出産する医療機関等ではクレジットカード支払いが可能か
- 出産育児一時金の申請方法の確認はできているか(直接支払制度を利用するのではなく出産後に受け取る方法)
- 出産育児一時金の振込には2週間から2カ月ほどかかるが問題ないか
入院費や分娩費を援助する健康保険の出産育児一時金について
平成26年度に厚生労働省保険局が調べたところ、医療機関や産院での入院・分娩にかかる出産費用の相場は、およそ49万円でした。
子どもを出産する時にはかなりの費用がかかることになりますね。
しかし、出産時には加入中の健康保険から出産費用のサポートが受けられる助成制度があることをご存知でしょうか?
この制度は、1994年の健康保険法の改正により、分娩費と育児手当金を統合し新たに設けられた『出産育児一時金』という助成制度です。
それでは、この出産育児一時金について詳しく解説していきます。
出産育児一時金の適用者と条件を満たさない場合
出産時、健康保険から支給される出産費用の手当金である『出産育児一時金』を受け取ることができる条件について説明します。
出産育児一時金が支給される条件
- 出産する方が健康保険に加入している、または健康保険に加入している方の配偶者や扶養家族であること
- 対象者が妊娠4カ月以上で出産した場合(早産・流産・死産・人工妊娠中絶でも支給対象)
- 健康保険被保険者が資格を喪失した場合、その配偶者や扶養家族の方が出産しても手当金は支給されない
- 健康保険被保険者の資格を喪失後半年以上経過して出産した場合には手当金は支給されない
出産費用の相場と出産育児一時金の保障金額
それでは、出産育児一金が出産費用をどれくらいカバーしてくれるかを解説していきます。
現在、『出産育児一時金』の支給額は42万円です。
そして、先述したように出産費用の相場はおよそ49万円ですので、出産育児一時金で出産費用のおよそ9割をカバーすることができる計算です。
しかし、出産する施設によって出産費用はそれぞれ異なりますので、出産育児一時金のみで出産費用をすべてまかなうことができる場合もあります。
また、お住まいの自治体によっては出産育児一時金のほかにも出産費用の助成制度を設けている自治体もありますので、お住まいの自治体に一度確認してみるといいでしょう。
支払い方法は2つ:直接支払制度を利用する方法としない方法
出産育児一時金には、支給方法が2つ用意されています。
その支給方法とは、「直接支払制度」と「受取代理制度」の2つです。
直接支払制度とは、出産する方が出産育児一金の受け取りを申請し、その後協会けんぽから医療機関等に直接出産育児一時金を支払う制度です。
そして受取代理制度とは、医療機関等が出産する方の代わりに出産育児一時金を受け取ることができる制度です。
出産する方が直接支払制度を利用して出産費用を支払う場合、事務的負担や資金繰りなどが苦しくなってしまう医療機関等についてのみ認められている制度となります。
この2つの方法は、出産する方がまとまった出産費用を準備する必要がないため、経済的な負担を軽減することもできます。
また、出産育児一時金を医療機関等に直接支払うことを希望しない場合には、自身で出産費用を支払い、出産後協会けんぽに申請することで出産育児一時金を受け取ることもできます。
参考:付加給付金がある場合も!
出産育児一時金の支給額は42万円ですが、この支給額にさらに上乗せして支給される『付加給付金』という給付金があります。
しかし、この付加給付金は一部の健康保険組合でのみ給付されるものですので、まずはご自身の保険組合に確認する必要があります。
各健康保険組合の独自の給付金制度であるため、支給条件や申請方法、また給付金の金額もそれぞれ異なります。
付加給付金の詳細については、健康保険組合のホームページをまず確認するようにしましょう。
出産費用がないという方必見!出産費用の準備方法
出産育児一時金が利用できても、10万円前後は自己負担となってしまいます。また、受け取り代理制度を利用しなかった場合は、一度50万円前後の支払いをしなくてはなりません。
一次的に手元に出産費用が欲しい、といった場合、どうすればいいのでしょうか?
準備方法としては、
- 自治体の給付金
- クレジットカードローン
- 出産費用貸付制度
などが挙げられます。以下で詳しくご紹介します。
各自治体の給付金
各自治体が行っている出産に対する給付金を利用してみるのもいいと思います。現金が支給されるわけではない自治体もありますが、自治体によって様々な出産祝い金を用意しています。
- 東京都中央区
妊婦にタクシー利用券1万円分
出産後に区内共通買い物券3万円分 - 東京都世田谷区
第三子以降出産にかかる費用6万円分まで負担 - 東京都港区
出産育児一時金を60万円まで上乗せ - 埼玉県桶川市
出産育児一時金を50万円まで上乗せ - 埼玉県幸手市
出産育児一時金を50万円まで上乗せ - 京都府南丹市
第一子5万円・第二子10万円・第三子以降20万円を支給
以上のように、自治体によって祝い金の給付があったり、一時金の上乗せがあったりするため、利用しない手はありません。
自治体により出産祝いの内容は様々で、記念樹のプレゼントが全体的に多い感じです。中にはご紹介したような祝い金もあるため、住んでいる自治体でどのような給付をしているのか調べてみることをおすすめします。
クレジットカードローン
出産費用の準備方法としてクレジットカードローンを利用するのも一つの手段です。
クレジットカードのローンならば、使い方が限定されるわけではないため、出産費用にも利用することができます。また、手元に現金があるため、カード払いに対応していない病院でも利用することができます。
ただし、クレジットカードローンはいつでも誰でも利用できるわけではなく、しっかりとした審査があります。審査に時間がかかることも踏まえ、現金を準備するのは早めに行っておくようにしましょう。
クレジットカードローンには限度額が設定されていることも忘れてはいけません。しっかりと考えて、どれくらいの金額を借りるのかを決めるようにしましょう。
出産費用貸付制度
出産の費用を準備する方法として出産費用貸付制度を利用する、という方法もあります。全国健康保険協会が行っている制度です。
借りられる金額は出産育児一時金で支払われる金額の8割までとなっています。この金額を無利子で貸付けてくれる制度です。
対象は、
- 出産予定日1ヶ月以内
- 妊娠4カ月以上で病院に一時的な支払いが必要
の方になっています。
返済は出産育児一時金で行います。全国健康保険協会に一度全額支給され、残りの金額が指定金融機関に振り込まれます。
一時金が支給されるまでに時間がかかる場合もあるため、お金がなく払えない場合は利用を検討することをおすすめします。
参考①:妊娠前に医療保険に加入し、出産費用を最小限に
出産費用とは、何も問題なく自然分娩で出産した場合には出産費用の相場である49万円前後で済みます。
しかし、医師の判断により帝王切開になったり、医療処置が必要になった場合には、出産費用はさらに必要となります。
そこで、もしもに備えて妊娠前には医療保険へ加入しておくことをおすすめします。
通常、妊娠・出産とは病気ではないので出産費用は医療保険では保障を受けることはできません。
しかし、医師の判断により帝王切開などの手術を受けた場合には、医療行為を受けたことになるため、医療保険の保障を受けることができます。
また、今では妊娠後でも加入できる医療保険や、自然分娩でも入院費を保障してくれる保険が販売されています。
しかし、妊娠後に加入できる医療保険には『特定部位の不担保』が付けられ、保障内容に制限がある場合もあります。
そのため、妊娠を希望する際には早めに医療保険に加入しておくと保障の面でも安心です。
医療保険への加入を検討する場合、帝王切開などの際にもきちんと保障が受けられるかの確認をしてから加入するようにしましょう。
参考②:出産後お金がない!を防ぐために、教育費は学資保険で備える
とはいえ、数ある学資保険の中から自分に合った学資保険を選ぶのは大変ですよね。
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まとめ:出産費用をクレジットカード払いする方法
この記事では、出産費用をクレジットカードで支払うとお得かについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 健康保険に加入している、または配偶者や扶養家族が健康保険に加入しており、妊娠4カ月以上で出産した場合には、出産育児一時金として42万円が支給される。
- 健康保険組合によっては、出産育児一時金に上乗せして付加給付金を支給される場合があるので、自身が加入している保険組合へ確認してみる。
- 出産費用をクレジットカードで支払った場合、クレジットカードにポイントが貯まりお得になる。
- 出産費用をクレジットカードで支払う場合、出産する医療機関等でクレジットカード払いができるかなど、注意する点もいくつかあるので確認してから支払方法を決めるようにする。
- 出産時には手術費や入院費など思わぬ費用がかさむこともあるため、もしもに備えて医療保険への加入がおすすめである。