抜歯手術は医療保険で保障される?親知らず抜歯・入院など具体的に解説

医療保険から抜歯手術への手術給付金が出ることは、現在では基本的にありません。以前は、歯科治療を給付対象にしている医療保険もありましたが、現在ではなくなっています。ただ、抜歯手術の内容によっては、手術給付金が出ることもあり、それは保険会社ごとの判断となります。

『抜歯』は医療保険における給付金の対象となるか?

虫歯や歯槽膿漏の治療や親知らずの「抜歯」に、医療保険が適用されるのかどうか調べられていることでしょう。


保険契約時の確認資料などを見ても抜歯の取り扱いを、分かりやすく記載されているものは少ないので、いざ抜歯手術をしたり、入院が必要になったりすると、気になるのではないでしょうか。


先に結論をお伝えすると、基本的に抜歯は医療保険の給付対象になりません。


しかし、手術内容や保険会社によっては、保険金の給付が受けられる場合もあります。


この記事では、

  • 抜歯は医療保険の対象となるか?
  • 治療内容、ケースごとに医療保険の適用有無を解説
  • 適用された場合はいくら貰えるのか?
  • 代表的な保険商品の適用条件とは

について、詳しく解説します。


たかが歯の治療と侮っていると、高額な治療費となる場合もあります。自身の保険見直しをするきっかけにもなるかと思いますので、ぜひ、最後までご覧ください。

通常の抜歯で保険金はおりるの?

では最初に、医療保険において歯の治療は補償の対象になるか、という点です。

現在、基本的に抜歯医療保険の対象外となっており、契約時に渡される約款にも、補償の対象外として記載されています。

以前は、歯科治療を保険金給付の対象としている医療保険もありましたが、そうした医療保険を販売していた会社は、現在はなくなっています


抜歯は、虫歯や歯槽膿漏、親知らずが原因の場合、処置が簡単に済むことが多く、そうした場合に医療保険から給付金がおりることはありません。 

しかし、健康保険・医療費控除の対象にはなる

原則医療保険は適用されませんが、社会保障で治療費負担をカバーできます。上手く活用すれば、治療費を過度に心配する必要はないでしょう。


健康保険

虫歯や歯周病の治療や親知らずの抜歯の場合は、健康保険が利用できるので、1~3割負担となります。また、特殊な手術が必要だったり、レントゲンの撮影が複数必要だったりと医療費が高額となってしまう場合も、自己負担限度額を超える高額療養費の払い戻しが可能です。


医療費控除

1年間に支払った医療費が一定額を超える場合は、確定申告をすることで還付金を受け取ることができます。かみ合わせの調整や歯並び矯正の一環で抜歯を行う場合は、医療費が高額となりますので、忘れずに確定申告の手続きをするようにしましょう。

抜歯でも医療保険の対象となる場合がある|入院・手術・親知らず抜歯

普通は、『歯の治療で保険がおりるかどうか』という点で加入する医療保険を決める、という方は少ないので、あまり多くの方はデメリットと考えないかもしれません。


しかし、これから抜歯等の治療を行う予定がある、という方にとっては重要な問題かもしれません。


実は、この「抜歯は補償の対象外」という点に関しては例外もあります。


具体的にどのような例外があるのでしょうか。

抜歯で骨を削った場合には対象となる?

本来、抜歯によってかかった費用を保険請求することはできません。

ただし、親知らずが深く埋没してしまっている場合など、あごの骨を削る大掛かりな手術が必要になった場合などは、保険から手術保険金が出る場合があります。 

たとえば、A保険会社ではこのように『支払われる手術』と『支払われない手術』を明確に分けています。

  • 抜歯手術(埋没歯以外):対象外
  • 抜歯手術(埋没歯):条件により対象となる

ここで注目できる点は、公的医療保険制度(健康保険や共済)において手術料が決められている場合、対象となる場合がある、ということです。

この詳細な基準は、保険会社ごとに異なります。

親知らず抜歯で入院することになった場合、医療保険適用の場合がある

複数の親知らずを一気に抜いてしまう場合や、親知らずの生え方が悪く切開手術を必要となる場合など、町の歯科医院では対応できないような外科手術が必要となることもあります。この場合、麻酔をかけて手術を行うことになるので、1~2日間の短期入院が必要です。


入院となる場合は、入院給付金が適用できる可能性があります。加入している医療保険が、

  • 短期入院から保障している
  • 入院理由を幅広くカバーしている

などの特徴を持っている場合は、一度抜歯による入院が保険適用となるかどうかを調べてみることをおすすめします。

診断書の必要性について

医療保険において、私達がどのくらいの保険金を受け取ることができるか、というのは『診断書の内容』により、大きく異なってくる、と言っても過言ではありません。

診断書で判断されることは、


  • 症状の詳細はどのようなものか
  • どの程度の期間、治療(入院)が必要なのか

簡単に言えばこのような点ですが、これには患者(保険への加入者)が不当な請求をしていないかどうか、ということを見極めるためにも必要なものです。

ですから、抜歯に伴い大掛かりな手術をしたとしても、提出する診断書が非常に重要である、という点を覚えておきましょう。

また、独断で判断して諦めたり、給付金が出るはずだとして受け取ることを前提に考えたりしないようにしましょう。

抜歯で医療保険がおりた場合、いくら受け取れる?

抜歯のみでは補償の対象外となる医療保険においても、特定の手術が伴う場合は、対象となる可能性がある、という点を取り上げました。


では、もし抜歯手術において補償の対象となった場合、具体的にどのくらいの金額を保険金として受け取ることができるのでしょうか。


その基準は、保険会社によって違いがあるのでしょうか。

手術給付金がおりる場合

ある保険会社の保険商品を例に挙げると以下のようになっています。

  • 抜歯手術(埋没歯):対象
  • 給付倍率:20倍

この『給付倍率』というのは、それぞれが加入している保険によりおりる入院一日あたりの日額にかかるものであり、

  • 日額:3,000円・給付倍率:20倍 → 支給額:60,000円
  • 日額:10,000円・給付倍率:20倍 → 支給額:200,000円

という計算が行われ、算出されます。

保険の種類によってそれぞれ入院の日額が異なりますので、請求時に加入している保険によっても手術給付金が異なってくるのです。

まとめ:医療保険は歯医者での抜歯などにも適用されるか

ここまで、医療保険が『抜歯』治療に適用になるかどうか、という点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事でポイントとなる点は、

  • 基本的に『抜歯』は医療保険の対象外である
  • 医療費は健康保険や医療費控除などの社会保障制度でカバーする
  • ただし、他の部位に及んで治療が必要になると保険の対象となる可能性がある
  • 保険が適用になった場合、入院日数や治療の内容によって保険金が変わる

でした。歯に問題が生じると、たとえ軽度であっても日常生活に支障をきたす場合があります。すでに重症化しているとするなら、すぐにでも治療が必要になることもあります。


できればお金の心配はせずに治療したいですから、不安な方は保険で賄えない分をあらかじめ想定しておいて、準備しておくと良いでしょう。


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