更新日:2022/12/27
歯医者での治療は医療保険の対象?親知らず・インプラントは?徹底解説
歯医者治療は健康保険の適用外のものがあることはご存知の方も多いと思いますが、医療保険はどうでしょうか。実は、場合により医療保険から保険金がおりることもありますし、歯医者治療に特化した医療保険もあります。ここでは歯医者での治療に関する保険適用について解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
歯医者で治療して医療保険はおりるのか
- 保険診療と自由診療について
- 医療保険が適用されるケースについて
- 親知らずの治療で医療保険が下りる場合
- インプラント治療について保険適用になるケース
- 歯に特化した医療保険
基本的に歯医者での治療では医療保険は使えない
歯医者の治療の多くは民間の医療保険の対象とならないという点については日本の医療システムの捉え方によるところがあります。
日本の医療保険には公的医療保険と民間の医療保険がありますが、厚生労働省の認可を得た治療に関しては健康保険による保険が適用されます。
民間の医療保険はその補助をするものであり、公的医療保険が適用されない治療と契約範囲内の治療を保障する働きがあります。
歯医者で行われる治療の多くは以下のものが多いです。
- 虫歯の治療
- 差し歯
- 入れ歯の作成
- 歯のクリーニング
- ホワイトニング
これらの中には手術が必要なものがあります。
しかし、民間の医療保険ではその手術に対して給付金を出すことはあまりありません。
また、治療ではなく歯のクリーニングやホワイトニングはしなければ命の危険があるというものではなく、すなわち治療とは認められないものに関しても給付金が支給されることはありません。
歯医者での治療は健康保険で保障される|自由診療は例外
国民健康保険では歯医者の治療に関しては3割という自己負担をもって歯医者での治療を促進しています。
ただし、全ての治療や処置に健康保険を使うことが出来るわけではありません。歯医者での治療には
- 保険診療
- 自由診療
歯医者での主な治療内容と診療区分例
保険診療 | 自由診療 | |
---|---|---|
治療内容 | 抜歯 虫歯治療 歯石除去 | インプラント 歯列矯正 ホワイトニング 予防歯科 |
ただし、上記の保険診療であっても健康保険が使えない場合があります。それは、治療に使われる材料の違いです。
例えば、虫歯治療で歯に詰め物や被せ物をする場合にいわゆる銀歯と呼ばれる金属の被せ物をする場合には保険適用となりますが、セラミックを使用する場合は自由診療となりその分は自己負担する必要があります。
簡単に言うと、必要最低限の治療であれば保険診療になりますが、見た目などそれ以上を希望する場合には自由診療となります。
このように、歯医者での治療にはその治療内容によって健康保険が適用になるかに違いがあります。
歯医者での保険資料と自由診療についてもっと詳しく知りたい方は以下サイトも参考にされてみて下さい。
歯医者の治療で医療保険が適用される場合とは
中には医療保険が適用される歯の治療もあります。
歯医者によってはできない治療もあり歯科医院での治療が勧められることもあります。
そうした治療に関しては民間の医療保険が適用されることも出てきます。
今までは医療保険の対象にはなりにくそうなものを紹介してきましたが、次は医療保険の対象になり易そうなものについて見ていきましょう。
実際にはどのようなものが民間の医療保険の対象になるものなのかを注目してください。
病院で行われる骨の形成手術
つまり、その治療をしなければ生命の危険がある場合におけるものなのかということが重要であり、またその治療をしなければ悪化してしまい危険であるものであるかが重要です。そうした治療に関しての保障を医療保険はしなければなりません。
歯医者での治療の中で医療保険が下りる可能性のあるものは
- 骨の形成
- 骨移植
- 脊髄炎
- 頭蓋骨観血手術
などが挙げられます。
これらの治療に関しては歯医者ではなく歯科医院による治療が必要になります。
その際には腫瘍の除去などのために口腔外科による治療のための手術が発生するために医療保険がおりる可能性があります。
歯医者での親知らず治療の場合|医療保険や健康保険は適用される?
親知らずの治療では、ほとんどの場合が「抜歯」となりますが親知らずの生え方などよっては、通常の抜歯ではなく手術が必要となり口腔外科のある大学病院での治療が必要になります。
歯科医院での抜歯で済む場合には、診察料やレントゲン検査料と合わせて20,000円前後となりますが健康保険が適用となり自己負担額は5,000円以内に収まることがほとんどです。高くても10,000円以内には収まります。
大学病院の場合には、上記の金額に紹介状の料金は加算されます。
また痛み止めなどの薬が処方される場合には追加で1,000円程度かかります。
親知らずの治療においても基本的には医療保険の適用外となりますが、中には医療保険を使うことが出来るケースもあります。
このことについてここで詳しく説明していきます。
親知らず抜歯で保険金が下りるケース
親知らずの抜歯で保険金が下りるケースとしては、治療に「入院」がともなうケースです。
先ほど説明したように、親知らずの抜歯が口腔外科での手術となるときに、複数本を同時に抜歯したり全身麻酔が必要になる場合があります。
その場合には、術後のケアや管理のために入院が必要になります。
入院日数はケースにより違いますが、1泊から3泊程度が多いです。治療内容にもよりますが、入院で抜歯した場合には保険適用であっても20,000円から75,000円程度の自己負担が生じますが、入院が伴う場合には保険金を受け取ることが可能です。
また、抜歯のためではない手術が必要な場合にも保険金が下りる場合があります。例えば、親知らずが歯茎の奥深くにあったり、横向きに生えてしまっていることが原因で歯茎などの治療が必要な場合です。
このような場合には、歯ではない部分の治療のための手術となり、手術給付金を受け取ることが出来る可能性があります。ただし、これは保険会社ごとの判断となりますので確実に貰えるというわけではありません。
このように、通常は医療保険の対象外であっても、適用されるケースもあるので覚えておきましょう。
歯医者でのインプラント治療の場合|医療保険や健康保険は適用される?
インプラントは、歯を失くしてしまった部分に歯根となる人工の金属を埋め、その上に更に義歯を被せるという治療です。
インプラント治療は、通常は自由診療となることがほとんどなので基本的には健康保険や医療保険を使うことは出来ません。
ただし、なぜ歯を失ってしまったかという原因次第では、保険の適用となる場合があります。
ここでは、インプラント治療で保険が適用となる条件について詳しく説明していきます。
歯医者でのインプラント治療が保険適用となる条件
先ほど、説明したようにインプラント治療で保険が適用になるかどうかは歯を失った理由によることを書きましたが、その条件は以下の表の通りです。
<自由診療>
- 虫歯
- 歯周病
- 加齢
- (自分が原因で起きた)破損
それに対して保険が適用となるのは以下のケースです。
<保険診療>
- 病気
- (第3者が原因で起きた)事故等による破損で広範囲にわたり歯を失った場合
- 先天性の理由で上顎、下顎それぞれ3分の1以上の歯が欠損している場合
このように、インプラント治療が必要な理由で保険が適用になるかが違います。しかし、インプラント治療では、治療費が高額となるため保険が適用とならない場合は自己負担が大きくなります。
ただし、インプラント治療は「医療費控除」と「高額療養費制度」の対象となっています。少しでも負担を減らすことが可能な制度なのでインプラント治療を受ける際には是非利用して下さい。
参考|歯医者が保険治療を嫌がるのはなぜ?
これまで説明してきたように、歯医者さんの治療では保険診療外となることも多いです。
よく、歯医者さんは保険治療を嫌がるという話を聞きますがこれには語弊があります。嫌がるのではなく、自由診療での治療内容をおすすめしているというのが本当です。
なぜ、そうおすすめするのかについて次で詳しく説明していきます。
保険治療は安くとも、後悔する可能性大
保険治療は、自由診療に比べて治療費が安く済みます。
しかし、後々後悔する可能性が大きいです。例えば、虫歯治療で被せ物が必要になった場合いわゆる「銀歯」であれば保険診療なので安く済みます。
しかし、銀歯は、治療した歯と銀歯の間にばい菌が入り安く再度虫歯が発生したり、隣の歯が虫歯になる二次虫歯も引き起こすリスクも高いです。
そうなると、その時は安い治療費で済んでも結局その後も再度治療が必要になってしまいます。
また、銀歯は金属アレルギーを引き起こす原因となることもあり外国では既に銀歯の使用が禁止されている国もあります。
歯は、口内環境に大きく影響します。そして、口内環境は体全体の健康にも大きく作用します。長生きするためには、歯を大切にするというのもそのような理由があります。
歯医者さんは、保険治療を嫌がっているわけではなく、健康にために少し高くてもよりきちんとした治療することが大切だと考えている人が多いのです。
まとめ:歯医者の治療では医療保険は適用されるのか
- 歯医者での治療は基本的には、医療保険の対象外であるが保険診療に該当する治療であれば健康保険の適用となる
- 保険診療となる治療は、必要最低限な治療内容
- クリーニング・ホワイトニングは医療保険の保障対象外
- 親知らずの抜歯は医療保険の保障対象外だが、入院が伴う場合や治療目的の手術であれば、医療保険の保障対象になる可能性がある
- インプラント治療も基本的には自由診療であるが歯の喪失理由によっては保険診療の対象となる場合がある
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