詐欺罪の可能性も!?医療保険の告知義務違反が招く事態を解説します

医療保険の告知義務違反とはどのようなことか、また、告知義務違反をすることによってどのようなことが起こるかを告知義務違反になりやすいケースも交えながら解説していきます。これにより告知の重要性を見つめ直して、トラブルのない健全な医療保険契約にしましょう。

要注意!医療保険の告知義務違反

医療保険などの生命保険を申込むときに必ず必要となるのが、告知です。告知とは、生命保険を申込む時点での健康状態(持病や飲んでいる薬など)を保険会社に知らせることをいい、保険会社が指定する告知専用の用紙に記入します。保険会社や保険の種類などにより告知する項目は違いますが、一般的には「最近3ヶ月以内に医師の診察、治療、投薬などを受けたか」「今までにがんになったことがあるか」女性であれば「現在妊娠しているか」などといった項目があります。これらの項目でまずは「はい(該当する)」「いいえ(該当しない)」を答え、「はい(該当する)」項目がある場合には、詳しい告知(病名、治療期間、薬剤名、入院の有無、手術の有無、最近の検査結果の数値など)をする必要があります。保険会社はこの告知された内容を審査し、申込み引受の可否や特別条件(保険料の割増や部位不担保)の決定を出します。ですので、告知は大変重要な申込みの書類となるため、正確な告知をするように義務付けられています。特に医療保険は、さまざまな病気による入院や手術などに対応するための保険ですので、告知の内容によって引受の可否は大きく変わります。

医療保険の告知義務とは

告知義務とは、今の健康状態をありにままにかつ、正確に告知しなければならないということであり、病歴や入院歴、手術歴、通院頻度、処方されている薬、完治している場合には完治年月、最新の検査数値など、告知する内容は細かく記入しなければなりません。これは義務ですので、必ず正しい告知をしなければならず、告知すべきものをしなかったり、内容を偽ったりした場合には「告知義務違反」となります。なぜ義務になるのかというと、保険は公共性が高く、大多数から少額の保険料を集め、多額の保険金を支払う「一人は万人のために、万人は一人のために」という理念・性質のもととなっているために、健康な人と病気があり、リスクが高い人が同じ契約、同じ保険料では不公平が生じることから、リスクが高い人は保険料が高くなったり、保険の対象を狭くしたり、場合によっては引受しないというようにして、全体の保険料と保険金のバランスを保ちます。このバランスを保つためにも、審査をするうえで重要になる正しい告知を義務化しています。

よく告知義務違反になってしまうパターン

告知義務違反となるものの中で多いのは、告知をしなければならないことを告知しないことです。これには単に忘れていただけという理由でも該当になります。また、風邪で診察を受けて薬を飲んだなどの軽い病気の場合、「この程度であれば告知する必要がない」などの申込む人の安易な考えで告知しない場合も告知義務違反に該当します。特にひどいもにですと、募集人が「それは告知しなくてもいい」などと言って告知義務違反となっているケースもあります。また、告知は募集人に口頭で伝えただけでは告知にならないということも注意が必要です。

保険会社では告知義務違反に対するチェックが厳しく、申込書をランダムに選び、電話や訪問などで適切に申込み手続きがされていたかなどを調査したり、保険金請求時に調査することによって告知義務違反を初め、申込みに係わるあらゆる不正をチェックします。こうしたチェックにより、告知義務違反は保険金請求時に多く発覚します。

保険会社が病院や医師に確認した

入院や手術など、医療保険の保険金請求時には、病名や入院期間、手術名などを所定の保険金請求書に記入していきますが、保険金請求書の他に保険会社が病院に対して直接、保険金請求書の内容を確認するための「同意書」を提出することになります。この同意書により、保険会社は病院に対して病気や治療の詳細を問い合わせます。この問い合わせの際に、既往症や処方している薬が告知書に記入した内容と違う内容となれば、告知義務違反となります。

診断書に既往症として記載されていた

保険金請求する際に必要となる書類の一つに、診断書があります。診断書とは、病名や手術名、入院期間などの治療の詳細を病院が証明する書類のことです。この診断書の中に、持病や既往症が記載される項目があり、持病や既往症の有無はここでわかります。この項目に記載されている持病や既往症が告知内容と違っていると、告知義務違反となります。

医療保険の告知義務違反をしてしまうとどうなるのか

医療保険において告知した内容に偽りがあった場合には、義務を果たさなかったとして罰が与えられます。また、最悪の場合、告知義務違反は詐欺罪になる可能性があります。

契約を破棄される

実際に告知義務違反があった場合に、保険会社は医療保険を解除することができます。解除とは、その医療保険契約が最初からなかった状態にすることをいい、解除された医療保険契約では、もし入院などの保険対象となることが起きたとしても、保険会社は保険金を支払いません。しかし、告知義務違反があったとしても解除されないこともあります。それは、その医療保険契約の募集人が「その病気は告知しなくてもいい」などと言って、告知を偽るように勧めた場合です。このような行為のことを「不告知教唆」といい、募集人が自分の成績が欲しいがために、この不告知教唆をします。このような募集人に過失がある(コンプライアンス違反)不告知教唆による告知義務違反では、保険会社はその医療保険契約を解除することができず、入院などの保険対象のことが起きた場合には保険金を支払う場合がほとんどで、最終的には保険会社が不告知教唆を行った募集人に対して、損害賠償を請求することになります。

告知義務違反の時効とは

告知義務違反には時効があり、その医療保険契約が継続して2年を経過すると、基本的には告知義務違反は時効となります。そのため、2年を経過した医療保険契約を保険会社は解除することができなくなります。

ただし2年経っていても違反になる事もある

告知義務違反の時効は2年ですが、決して2年間バレなければそれでいいというわけではなく、2年を経過していても告知義務違反で解除となることがあります。それは、2年以内に入院などの保険金支払い事由や保険料払込免除事由が生じている場合には、保険会社が告知義務違反の事実を知ったのが2年を経過した後であったとしても、その医療保険契約を解除することができます。また、詐欺によってその医療保険契約の締結が行われていた場合や、入院給付金などの保険金を不法に受け取る目的でその医療保険契約の締結を行ったと保険会社がみなした場合には、保険会社はいつでもその医療保険契約を無効にすることができ、それまでに支払った保険料は戻ってくることはありません。

まとめ

医療保険申込みにおける告知は、保険本来の理念や目的を果たすためにも、とても重要なものになります。自分で勝手に「このくらいなら告知しなくてもいいだろう」と判断するのではなく、たとえ風邪で診察を受けたものであっても、告知事項の質問に該当する時期であれば必ず告知しなければなりません。告知はありのままを正直に記入することが義務であり、この義務を違反するようなことがあれば、結局は自分の首を自分で締める結果になってしまいます。医療保険に限らず保険とは、その万が一のときにトラブルが起きるような契約はあってはならないのです。そのためにも、告知はしっかりとルールに従って記入しましょう。

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