子供の歯科矯正が保険適用になる場合も⁉その基準・費用を徹底解説

子供の歯科矯正は、開始時期含め本当に歯科矯正すべきなのか悩む方は多いと聞きます。また費用も気になるところであり、保険適用か適用外でも大きく変わってきます。今回は子供の歯科矯正について、保険適用の有無、開始する年齢や治療方法などを詳しく解説していきます。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

子供が歯科矯正、保険適用になる?基準と費用を徹底解説!


子供は個人差もありますが、幼稚園頃から小学生で乳歯が抜け始め、永久歯が生えてきます。
永久歯が生え始めると、「真っすぐ生えてくるか」「歯並びは大丈夫か」と心配になる親御さんも多いです。

歯並びがあまり良くなかった場合、子供のうちから歯科矯正をされる方が多いです。しかし、子供が歯科矯正する場合、歯科矯正を開始する年齢時期費用など気になることはたくさんあります。

また、子供の歯科矯正には保険が適用されるのか、それとも適用外なのかによって、歯科矯正にかかる費用は大きく変わってきます。


今回の記事では、子供の歯科矯正について、

  • 保険の適用になるケース
  • 歯科矯正にかかる費用
  • 歯科矯正は子供のうちの方が費用が安く済む

の順に、詳しく解説していきます。


子供のうちに歯科矯正をするメリットや、保険適用のケースなど役立つ情報も一緒にご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

歯の矯正治療は原則として自由診療扱い

歯科矯正の治療は、子供や大人関係なく原則として自由診療扱いになります。つまり、原則は保険適用外ということです。

歯科矯正にかかる費用は保険適用外のため、歯科医院によって異なります。なので、場合によっては「保険が利かないうえに、歯科矯正の費用が思っていたよりも高額だった」ということにもなりかねません。


歯科矯正を考えている方は、まず事前にかかりつけの歯科医院に歯科矯正にかかる費用や治療期間をしっかり確認しておきましょう。


また例外もあり、子供の歯科矯正の場合は全てではありませんが、保険が適用されるケースがあります。

親御さん必見!子供の歯科矯正が保険適用になる場合

一般的な歯の治療は、保険が適用され1割~3割負担なりますが、歯科矯正の治療の場合は、原則保険の対象外となるので、10割負担になります。


しかし、子供の歯科矯正は、口腔内外の状態によって、保険の適用が認められるケースがあります。


子供の歯科矯正が保険適用と認められるケースは、

  • 先天的に、永久歯が6本以上ない
  • 顎変形症や唇顎口蓋裂・ダウン症

の場合です。


また、歯科矯正の治療は、医療費控除の対象です。美容目的の歯科矯正は医療費控除の対象外になりますが、子供の成長に支障が出る場合などは控除の対象となることが多いです。

永久歯が6本以上先天的にない子供

子供の歯科矯正が保険適用と認められるケースの1つは、永久歯が6本以上先天的にない子供が歯科矯正をするケースです。

この場合、歯科矯正は医療的な治療としての取扱いとなり、その結果、保険適用となります。

顎変形症と認められた人や唇顎口蓋裂やダウン症の子供

顎変形症唇顎口蓋裂(しんがいこうがいれつ)ダウン症の子供などが歯科矯正する場合、保険の適用となります。

顎変形症とは、上あごと呼ばれる上顎骨と、下あごと呼ばれる下顎骨のどちらか、または両方の形や位置、大きさなどにより、かみ合わせが悪かったり顔面の変形を起こしてしまう状態のことを言います。わかりやすく言うと、出っ歯や受け口などです。

唇顎口蓋裂とは、先天性異常の一つで、唇や歯茎、口蓋などに産まれつき亀裂がある状態の事を言います。

顎変形症や唇顎口蓋裂は、その状態によっては外科、口腔外科、整形外科、形成外科などの診療科目において治療を必要とします。


顎変形症や唇顎口蓋裂は、状態が重い場合、手術が必要になるケースもあります。ダウン症の子供の場合は、発達障害として医療機関にかかるケースがほとんどです。


そのため、顎変形症唇顎口蓋裂ダウン症の場合は、医療的治療、医療的対応が必要な状態と取り扱われ、これらの場合の歯科矯正は保険適用で行われます。

子供の歯科矯正費用はいくらになる?保険適用・適用外それぞれ解説

いざ、「子供の歯の矯正治療をしよう」と思った場合、治療費は一体どれくらいかかるのでしょうか。


ここでは、子供の歯科矯正の治療費が

  • 保険の適用と認められた場合
  • 保険の適用外の場合
の2つのパターンを、それぞれ詳しく解説していきます。

保険が適用された場合と、されなかった場合の治療費に一体どれくらいの差ができるのか比較してみましょう。

保険適用の場合|子供の歯科矯正でかかる費用は約30万~

保険が適用される場合、子供の歯科矯正にかかる治療費はおよそ30万円、手術にかかる費用はおよそ20万円です。

歯科矯正の治療費は治療期間によっても異なり、手術費用も手術方法により異なります。
さらに、手術をする場合は、入院費用も必要になってくるので注意しましょう。

保険が適用されない場合に比べると、安く治療を受けれることになりますので、保険が適用されるかどうかは治療を始める前にしっかり確認しておきましょう。

保険適用外の場合|子供の歯科矯正でかかる費用は約100万~

保険が適用されない場合、子供の歯科矯正治療費はおよそ100万円です。

保険適用外の場合、治療費は病院が決めます。
なので、治療費は病院によって差があり、例えば
  • 100万円+(5000円×受診回数)
  • 120万円(総額制)
など、病院によって様々です。

総額制はトータルフィーと呼ばれ、最初に金額が決まっていますので、分割払いやローンなどで支払うことが可能な病院もあります。

病院によって金額も支払い方法も様々なので、病院に確認するようにしましょう。

子供の頃に矯正するほうが費用を抑えることができる

原則は保険適用外の歯科矯正ですが、それでも子供のころに歯科矯正するほうが、費用を抑えることができます

その理由の1つは、乳歯から永久歯にすべて生え変わってしまう前のほうが、歯の並びを整えやすいという点にあります。


すべて永久歯に生え変わってしまってからだと、生えてしまった歯を長期間かけてゆっくりと歯並びを整えていくため、期間も費用もかかるようになります。


下記では、子供の頃に歯科矯正するタイミングについて解説していきます。

第1期治療:乳歯が残っている時期に受ける歯科矯正

子供の歯科矯正の第1期治療は、乳歯が残っている時期に受ける歯科矯正のことを言います。

対象となる年齢は、おおよそ6才頃~10才頃くらいです。


第1期治療は、歯並びを整えるために、顎のバランスや大きさなども整えていく点に特徴があります。

第2期治療:久歯が生え揃ってからの歯科矯正

子供の歯科矯正の第2期治療は、永久歯が生えそろってからの歯科矯正のことを言います。

対象となる年齢は、おおよそ10才頃~15才頃くらいです。


第2期治療は、生えそろった永久歯の並びを整えていくという点では、歯科矯正の方法は大人と同じですが、大人に比べると顎や歯茎が柔らかいこともあり、保険適用外ではあっても費用は大人より安くなるのが一般的です。


また第1期治療を受けた子供が、第2期治療を受ける場合は、いきなり第2期治療から始める子供に比べて費用が安くなると言われています。

参考|子供の頃に歯科矯正をして、永久歯が虫歯になる確率を下げられる

子供の頃の歯科矯正は、費用イメージや、歯や顎の状態が重い子供が受けるイメージが先行し、どうしてもマイナスイメージがつきまといます。


(費用の実態としては、大人になってから歯科矯正をするよりも、子供の頃に歯科矯正をはじめた方が総合的には安くなる場合が多いです。)


しかし、子供の頃に歯科矯正をしておくと、永久歯が虫歯になる確率を下げることができます


このように、長い年月で考えると、歯や顎の状態がよくない子供にとって、子供の頃に歯科矯正をしておくことにはメリットもあるのです。

まとめ|子供の歯科矯正をする場合の保険適用基準・費用について


この記事では、子供の歯科矯正について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

この記事のポイントは
  • 歯科矯正の治療費は原則保険外適用で10割負担だが、子供の場合は保険が適用されるケースもある。
  • 保険が適用された場合、治療費は30万円程だが、手術が必要な場合はプラス手術費用や入院費用も必要になってくる。
  • 保険適用されない場合は、100万円程かかるが病院によって費用に差があるため病院に確認する。
  • 大人になってからより子供のうちに歯科矯正をしておいた方が、期間も短くて済み、費用も安く済む。
でした。

歯科矯正は、原則は保険適用外ですが、子供の歯や顎の状態によっては治療扱いで保険適用になる場合もあります。今回解説してきた内容が、子供の歯科矯正を考えている方にとって参考になれば幸いです。


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