学資保険に医療特約は付けるべき?他の医療保障の観点から必要性を解説

学資保険に医療特約を付けるべきか悩む方は多いです。学資保険には貯蓄と医療保障という2つの機能があります。医療特約なしの場合は入院や手術の保障はありませんが、保険料は安いです。今回は、学資保険に医療特約を付けるべきか、他の医療保険を用意するべきかを解説します。

学資保険に医療特約は付けるべき?実は医療特約は不要!

学資保険を検討する方にとって、医療特約を付けるべきかは気になりますよね。


保険の営業マンは「お得に医療保障を付けることができるので学資保険に医療特約を付けるべきです」とおすすめをしてきます。


しかし、そのまま鵜呑みにして医療特約を付けてもよいのでしょうか。


答えは否です。実は、学資保険に医療特約を付ける必要がないことが多いのです。


保険会社から見ると、学資保険は利益率の低い商品であるため不要な医療特約・もしくは利益率の高い別の保険を紹介することもあり、それが現在金融庁が発表するほどの大きな問題になっています。


そこでこの記事では、学資保険を検討している方に向けて

  • 学資保険に医療特約は不要である理由
  • 学資保険の医療特約の保障内容
  • 子どもの医療保障を充実させたい場合はどうすればよいか
  • 学資保険の医療特約だけを解約できるかどうか
を中心に解説します。

この記事を最後まで読んでいただければ、学資保険に医療特約を付けるべきか、どのように医療保障を用意すべきかを理解することができるはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

学資保険に医療特約は不要である場合が多い!その理由とは?

学資保険には医療保障の特約が付いているものがあり、実際にこの医療特約を付けている人も多いにも事実です。


学資保険の医療保障特約とは、子どもが突然の病気や怪我で入院等を余儀なくされた場合に治療にかかる医療費を保障してくれるものです。


例えばかんぽの学資保険の場合では、以下のような保障を受けることができます。

  • 入院した時…入院保険金(契約によっては+入院初期保険金) 
  • 手術をしたとき…手術保険金 
  • 放射線治療を受けた時…放射線治療保険金

しかしながら最近では、『学資保険に医療保障の特約は不要である』という考え方も出てきており、今まさに加入を検討している人にとっては悩めるポイントでもだといえるのです。

学資保険の医療特約は医療保険としては保障が不十分

学資保険の医療特約のメリットは、なんと言っても『ひとつの契約で、教育資金の貯蓄、そして万が一の際の医療の保障の両方の保障が得られる』ということです。

反面デメリットとしてあげられることのひとつが、医療保険としては必ずしも十分とはいえない保障内容にあると言われています。

通常、医療保険では将来困らないために、主契約だけではなく、

  • 特定疾病保障特約
  • がん特約
  • 先進医療特約
  • 女性疾病特約
  • 通院特約

などの、さまざまな種類の特約や条件を追加して契約しますよね。


もちろん万全を備えた医療保険というものは、なかなかありません。しかし、学資保険の医療特約の保障内容は、医療保険で言えば主契約の範囲内にとどまっているのが現状です。

そのため、『これだけでは不安が残る』『医療保険の方がいいのでは?』…という考え方も否定できないのが正直なところなのです。

学資保険に医療特約を付けると返戻率が落ちる

学資保険の目的と言えば、子どものための「教育資金の積立」と「医療保障の確保」です。


返戻率というのは、支払った保険料の総額に対して、受け取った満期保険金や祝金の合計の割合のことをいいます。

返戻率(%)=(満期保険金+祝金)÷支払保険料総額×100

この返戻率が100%であれば、支払った分がそのまま手元に戻ってくるということになります。これではタンス預金と同じですので貯蓄機能としては、正直あまり嬉しくはありません。


近年の低金利によって、返戻率が以前よりかなり低くなってしまっている今、学資保険の本来の魅力である貯蓄性にとってはまさに厳しい現実です。


医療保障特約を付けた分、コストがかかって支払保険料総額も増えますが、受け取る『満期保険金+祝金』の金額に変わりはありません。


この厳しい状況の上に医療保障特約を付けた経費が加算されますと、支払い保険料の総額のみ増えてしまい、返戻率が100%を切る元本割れを引き起こしてしまう可能性が出てくるのです。

地元自治体の公的医療助成で十分であることが多い

『学資保険に医療保障の特約は不要である』といわれる要因のもうひとつに、公的医療の助成制度があります。


公的医療負担制度に加えて、近年では少子化対策の面からも都道府県や市町村によって

  • 乳幼児医療助成制度
  • 教育就学児医療費の助成

などの医療費の負担軽減のしくみが充実してきています。


これはあくまでも自治体で行う事業であるため、都道府県ごとに助成内容を決めた上で、財政に余裕のある市区町村などが上乗せの助成をする流れとなっているようです。


そのため助成の内容はそれぞれの自治体によって異なりますが、通院、入院ともにかなりの医療費の負担が軽減されて、一定の年齢までは医療費は実質無料ということも少なくないようです。


公的な助成が充実したことによって、個人的な備えである医療特約を付けなくてもよくなるというのであれば、十分納得できることですね。

医療保障を充実させたい場合:学資保険以外の医療保障を

医療特約に加入する方というのは、万が一の子どもの医療保障を手厚くしたい方だと考えられますが、具体的には学資保険にどのような保障を目的として求めているのでしょうか。
  • 教育資金の貯蓄と医療保障の両方を兼ね備えた契約
  • 教育資金の貯蓄、医療保障のどちらも十分な内容の保障

その目的が明確に決まっているのであれば、自分たちに合った保障を得る方法を選択すれば良いということになるのです。


学資保険とは別に医療保険を契約することによって

  • 学資保険の返戻率の問題が解決
  • 手厚い保障に特化した医療保険への加入を検討
  • コストを抑えた掛捨てタイプの医療保険への加入を検討

など、医療保障の内容だけでなく保険料に関しても安く済む場合もあり、選択の道も開けてきます。


学資保険に負担をかけすぎて他の機能まで共倒れになってしまうよりも、保険を賢く利用することをおすすめします。

共済もしくは医療保険

子どもの医療保険には、保険会社によるものと共済(全労済/都道府県民共済/COOP共済JA共済)があります。


掛金を重視していくのであれば共済

共済は保険会社とは異なり、『相互扶助』を理念とした非営利事業です。


補償内容は幅広く、入院給付金の保障限度日数はもとより、事故による通院保障、死亡共済金、後遺障害共済金などが標準で付いています。 


共済のメリットは

  • 掛け金が比較的安い
  • 加入する年齢に関係なく、掛け金は一定である。
  • 割戻金を受け取ることができるケースがある
  • 商品内容がシンプルでわかりやすい
共済のデメリットは
  • 保障金額が少ない
  • 貯蓄タイプが少ない
学資保険に特約をつけず、その貯蓄性を充実させる一方で、比較的割安な掛け金で一通りの保障を欲しいタイプの人に向けられています。


手厚い医療保障と安心を求めたいのであれば医療保険

子どもの医療保険には、2通りの保障期間のタイプがあります。 

  1. 定期型…定期の保険期間が終了するとほぼ自動更新されますが、更新するごとに保険料が再計算されるため、年を重ねるにつれて高くなります。
  2. 終身型…保険期間が一生涯で、原則として契約時の保険料はずっと変わりません。

若い時期の保険料を低く抑えておきたい人は「定期型」を、 保険料が変わらないままの方が安心できる人は「終身型」を選択するといいですね。

家計に余裕がない家庭には【特約無しの学資保険+共済】

学資保険の医療特約内容は、医療保険の主契約程度の保障しか期待できないため、特約を追加しても、その保障内容には十分とは言い切れないものがあります。

また共済の場合、掛け金が一律であるだけでなく、その掛け金も月に1,000円台~となっています。


そのため学資保険と共済の組み合わせが一番家計に優しい組み合わせということになるでしょう。

  • 学資保険には特約をつけず、本来の目的である『教育資金の』貯蓄のみとする
  • 医療保障は、コストパフォーマンスが高い子どもの共済に加入する

子どものための教育資金、医療保障の「両方とも必要だけど、リスクは少なくしたい!」というのが、親としての本音ではありますよね。


それぞれの家庭の予算内で、将来の安心と保障が得られるようなベストの組み合わせを選択できるように、十分な検討が必要になるのです。

学資保険の医療特約のみを解約することは可能か

学資保険における医療特約の部分はいわゆる「掛け捨て」の契約であるため、主契約を継続しながら医療特約のみを解約することができます。

ただし、医療特約だけを残すということはできません。

特約にかかっていた部分の費用がなくなることで、幾分負担は軽くなり、経費削減の対策にはなるでしょう。「実際に、どのくらい保険料が下がるのか?」ということも、特約の解約の有無に大きくかかわってきます。

まずは、窓口や保険会社の担当さんに相談して試算してもらうことから始めるといいでしょう。

一般的な特約の解除の流れは以下のとおりです。

  1. 窓口で、あるいは保険会社の担当さん・コールセンターに特約のみの解約の意思を伝えて、手続き方法を教えてもらう
  2. 内容変更請求書、本人確認書類などの手続き書類の提出
  3. かんぽ、保険会社による手続き書類の確認
  4. 契約内容の変更を知らせる通知が届く

特約と言えども、一度解約してしまうことでその保障機能は失われてしまいます。よく考えて慎重に検討してください。

コラム:医療特約の保険金請求を忘れてた場合の対処法

保険金・給付金等の請求期限は、支払事由の発生から3年もしくは5年と定めている保険会社が多いようです。


もし、請求を忘れていたとしても大体の保険会社は3年間の猶予をとってくれています。3年以内に請求をすれば、保険金は問題なく受け取れるはずです。


また、重要なのが

  • 加入している保険の保障が、請求の対象だったかどうか

最も重要なことであり、ここを確認しないうちは先には進めません。請求の対象かどうか自分で判断がつきかねる場合は、保険会社などに問合せをして確認してもらうことをおすすめします。


請求対象であった場合には、そのまま支払い請求へと手続きをすすめましょう。


残念ながら支払い請求期限を過ぎていた場合は、「カスタマーセンター対応案件」となります。それぞれの状況によって結果は異なりますが、保険会社等の窓口、またはカスタマーセンターにご相談が必要になります。

まとめ:学資保険の医療特約は避けて別の医療保険を用意すべし

学資保険に医療特約を付けるべきかどうか、について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。 
学資保険に医療特約は不要と判断される理由は以下のとおりです。 
  • 学資保険に医療特約を付けることで、元本割れを起こしてしまう。
  • 公的医療の助成制度によって、子どもの医療費の負担がほとんどなくなっている。
  • 学資保険の医療特約の保障内容であれば、共済や定期型の医療保険などを利用することで、より格安にまかなうことができる。

ということです。


学資保険は子どもの教育資金ため、医療保障のために役立ってきたとても優秀な保険であることは言うまでもありません。


低金利政策など、社会事情の変化によって、それぞれの保険自体も変わることを余儀なくされてきました。それと同時に私たちも保険の活用の仕方を工夫をすることを求められているのです。


【特約なしの学資保険+学資保険とは別の医療の保障】という考え方は、ひとつの選択肢として十分効果的な活用法といえるでしょう。


『学資保険は、子どもたちの将来の教育資金を蓄えるために特化した保険である』学資保険への加入を検討される際には、この学資保険の最大の魅力を十分に生かせるような活用をしていただくことをぜひおすすめします。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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