医療保険の三大疾病特約は必要?メリットからいくら必要かまで解説!

「医療保険や死亡保険に加入しようと思ったら三大疾病特約が必要だよとおすすめされた…」なんて人も多いと思います。医療保険の三大疾病特約とは何か(メリットは?)、いくら必要なのか、診断一時金って何か、などを解説します。不要論も掲載するので参考にしてみてください。

【結論】医療保険の三大疾病特約の必要性は低い

医療保険には三大疾病特約がありますが、日本の5大死因のうちガン・心疾患・脳血管疾患がそれらにあたります。


三大疾病特約について担当者から簡単に話を聞くことがあるかもしれませんが、特約の内容や条件について深く考る機会は少なく、実際中身を調べることなく「入っておけば安心、勧められるままなんとなく入っている」という方が多いのではないでしょうか。


結論として医療保険の三大疾病特約の必要性は低いと考えます。


その理由を下記のポイントにまとめました。

  • 三大疾病特約の特徴と保障内容
  • 三大疾病特約の給付金の支給条件
  • 三大疾病における医療保険の必要性
  • 医療保険の選び方
細かく解説していくので、保険選びの参考にしてみてください。

医療保険の三大疾病特約の特徴・保障内容

医療保険でいう三大疾病特約というのは、ガン・(急性)心筋梗塞、脳卒中になった時に使える医療保険のことを指しますが、日本人の死因の上位をに入っており、重度三大疾病とも言われています。


日本人の死因を見てみると以下の通りです。

死因
第1位ガン(悪性新生物)
第2位心疾患
第3位老衰
第4位脳血管疾患
第5位肺炎

出典:厚生労働省「令和2年人口動態統計月報年計(概数)の概況」


また、平成22年時点での死因別死亡割合をみると6割が三大疾病で亡くなっているのが現状で、三大疾病になりかねない生活習慣病の罹患率をみたらかなり高いことがいえ、保障を手厚くする必要があります。


そんな医療保険の三大疾病特約は大きく分けて3つの特徴があります。

  1. 特定の状態になった時に保険金がもらえるもの
  2. 入院給付金の支払い限度日数が無制限になるもの
  3. それ以降の保険金を支払は不要、同じ保障を受け続ける事ができるもの

別途保険金がもらえたり、支払限度日数が無制限、後の保険料を支払わなくてよかったりと、医療保険を加入している身としては、不安になる要素が少しでもなくなることは、非常に助かります。

医療保険の三大疾病特約は給付金の支給条件

医療保険の三大疾病特約はいざという時にはとても助かるものだと思います。

しかしその一方で給付金をもらうまでの条件が厳しいと言われています。

また、三大疾病によってもその条件に違いがあるため、理解することを難しくさせています。

そこで、三大疾病であるがんと心筋梗塞、そして脳卒中それぞれの給付条件を区別して解説していきましょう。

このポイントを理解してもらえれば、三大疾病特約のメリットとデメリットを整理できると思います。


がんの場合の条件

医療保険の三大疾病特約の中でがんの場合の支給条件は医療保険に加入してからがんだと診断された場合です。

ただし上皮内新生物は対象外になっていることが多いです。


また皮膚がん、乳がんも対象外になっている特約もあります。


入院や通院に対する保障は?


しかし、その後の入院や通院に対する保障、手術などに対する給付金に関しては金額が少ない、もしくは支給が無い場合があります。


がん治療の場合、治療期間が長くなる傾向があります。


そのため通院期間が長くなってさらにお金が必要となる可能性があります。


このことをふまえると、いわゆる「がん保険」を別に加入するほうが保障の幅が広いので安心できると思います。 


心筋梗塞の条件

次に心筋梗塞です。

この病気も年齢に関係なく突然発症し、死亡に至るケースも多いとされています。


一方で救急医療が充実してきたので、迅速な治療で早期に回復するケースも多くなっています。


ところで三大疾病特約での心筋梗塞の保障は発症後60日間以上働くことを医師の診断によって制限されてしまった場合に給付金が支給されます。


心筋梗塞で適切な処置が行われた場合、早ければ2週間程度で退院することができます。


60日以上動けないケースとして考えられるのは、


  • 処置がやや遅れたケース
  • 梗塞した血管が根元に近いところ
などの理由で心臓が安定するまでに時間がかかったときが考えられます。

このような場合もリハビリなどで治療が長期化するため想定以上のお金が必要になることがあります。

脳卒中の条件

最後に脳卒中についてです。

三大疾病の中で最も入院期間が長く、医療費も高額になると言われています。

しかし脳卒中といっても医療保険の三大疾病特約の対象となるものは決まっています。


それはくも膜下出血、脳内出血、脳梗塞の3つだけです。


また脳卒中と診断されてから60日以上言語障害や運動失調、麻痺している状態が続いたときに給付金が支給されます。


脳卒中で60日以上にわたって身体に異常が残っている場合、それ以降のリハビリなども長期間になるケースが多くなります。


また場合によっては障害や後遺症として残ってしまう可能性もあります。


この場合も特約による保障の必要性が出てきます。




三大疾病における医療保険の必要性

上記の内容から、特約を付けることで給付されるための条件が細かかったり、制限がいくつもあるなど「特約を付けているから安心」とはいえませんね。


しかし、三大疾病につながる生活習慣病は40代から徐々に罹患率が高くなり、乳がんや子宮頸がんなど、女性特有のガンは30代~40代前半のと罹患率が早くから高くなるなど、30代から対策を考えていく必要があります。


突然発症するかのように見える三大疾病ですが、罹患する前の日常生活の悪い習慣が積み重ねからきている結果、生活習慣病から三大疾病に繋がっていきます。


反対に、三大疾病を発症し入院するようなことになってから短期間で完治することは非常に難しく、長期の通院治療が必須になってきます。


次に、三大疾病ごとにおける医療保険の必要性について説明していきます。

がん:通院治療の対策を重視!

政府の施策や医療の進歩によって、現在の医療機関では短期入院・通院治療が一般的となっています。


厚生労働省「患者調査の概況」からも、平成17年(2005年)を境に、外来患者数が入院患者数を上回っており、がんの治療が通院治療にシフトしており、平均在院日数は17.1日と1ヶ月以内の短期入院となっています。


退院後は、抗がん剤治療など通院治療で対応する病院がほとんどといえます。


これらはあくまで平均の日数ではあるため、再発のリスクが高い状態だったり、手術ができないほどステージが進行している場合は、入院治療に数カ月~半年かかる可能性もあります


長期でも短期でも入院給付金として保険金が支払われるので、短期入院の傾向にあったとしても、いざという時のために加入は必須です。


また、通院治療がメインになってくることから、医療保険の保障である通院保障があれば、通った分だけ保険金が支払われます。


しかし、病気やケガで入院をし退院後の通院が対象となることから、入院を伴わない通院は対象外となります。

脳卒中・心筋梗塞:長期入院・リハビリの危険性がある

ガン以外の三大疾病で、ガンの次に死亡率が高い心疾患と、発症することでダメージが大きい脳血管疾患について説明していきます。

心疾患脳血管疾患
入院64.0日146.0日
通院134.2日85.9日
主な病気狭心症
心筋梗塞
脳出血
くも膜下出血
脳梗塞
(総称して脳卒中)
通院治療投薬
検査
経過観察
投薬
検査
リハビリ
後遺症抑うつ
心機能低下にともなう体力低下
運動・言語・認知など
ダメージを受ける部位で症状がかわる

参考:厚生労働書 「平成29年患者調査」


心疾患は、ガンの次に死亡率の高く、心臓に起こる病気の総称。冠動脈(心臓の筋肉)の血流が悪くなり、心筋が酸素不足・栄養不足なることで起こります。


入院よりも通院期間の方が長く、再発の不安や体力が落ちること、食事制限などのストレスから抑うつになる方が大勢見えます


脳血管疾患は、発症する部位によって、手足が動かなくなったり話せなくなるなど度合いはさまざま、重い後遺症を残すこともあり、寝たきりや要介護の原因1位として挙げられています。


心疾患も脳血管疾患も、治療にかかわる年月は長期となる可能性が高い病気といえるので、リスクが高くなる40代前半までには対策を立てていく事が必要です。

三大疾病特約や入院日数無制限は必要ない|医療保険の選び方

ここまで、三大疾病の症状・特約の特徴などを説明してきました。


三大疾病に備えるために保障を手厚くすることが必要で、特約に入ることが手厚くすることだと簡単に考えてしまうかもしれません


しかし、前述にも書きましたが、特約の支給事由は細かく設定されており、実際に給付されるには条件があり、欲しいときに対象となるのか不安になります


また、三大疾病の度合いや症状に個人差があるので、保障内容をどこまで・何が必要になるのか検討がつきずらく感じているかもしれませんね。


より実用的に保険を選んでもらえるよう、三大疾病の特徴に合わせながらどのように医療保険を選んでいったらいいかを次に解説していきます。

選び方①:脳卒中・心筋梗塞は就業不能保険や介護保険を併用

三大疾病について特徴などを列挙してきましたが、実際入院する可能性として在院入院日数をみてみると長くて脳血管疾患の134.2日となっており、一般的な支払限度日数120日を大幅に超える事がないなど重要視する必要はありません

 反対に、入院ではなく退院後の通院やリハビリにかける日数が長かったり、病気以外にも必要な収入への保障後遺症が残る可能性なども同じようにリスクとして捉えていく事が大切になってきます。

公的保障が出ることを踏まえながら、
  • 就業不能保険 働けなくなったときへの収入の確保
  • 介護保険   要介護や寝たきりの原因第1位が脳卒中といわれている
個人事業主であれば傷病手当金が支給されないので、収入確保へのリスクはより重要となります。

また、公的保障の介護保険は、給付金ではなく施設利用やサービス利用などの現物支給となるため金銭的な保障はありません

それらを踏まえたうえで、医療保険と併せて考えていくことが重要になってきます。

選び方②:がんに対処するならがん特約やがん保険を優先

ガンは5年間再発がなければ完治した目安として「5年生存率」が言われています。


しかし、一度患うと再発するリスクは高くなることから、ガンに対しての診断一時金は1回ではなく複数回支給されるものを選びましょう。


再発リスクを考えると1年に1回や無制限に支給してもらえるなどのガン保険や特約の保障を選ぶことをおすすめします。


また医療保険の通院保障と医療保険の三大疾病特約の通院保障に注意が必要です。支払事由が重複する場合、合算して支払われずに支払額に制限がかかります


考えていた金額よりも少なくなる場合があります。


この場合は主契約が別々であれば制限されることはないので、ガン保険の通院保障がついている特約に加入することで、ガンへのリスクを考えた保険へと保障をより手厚くする事ができます。

【参考】その他の特約は必要?不要?

医療保険の三大疾病特約について主にまとめてきました。


特約には主契約を中心にさまざまな種類があります。これも保険会社によって違いがあり、同じ名前の特約であっても保障内容や支給事由などの違いがあります


また、主契約と特約の支給事由や保障が重ったり、種類によっては不可できない場合があるなど、条件や制約などでもらえると思っていたものがもらえなかったりする可能性もあります。


このように複雑であり、一歩間違えたら保障が受けれない場合もりありますが、低額の掛金で高額の保障を受ける事ができるメリットもあります。


ここでは代表的な特約について解説していきます。保障内容や条件がご自身の価値観に合うものがあれば特約を付けることで、手厚い保障にすることができます。

女性特約

女性特約は、女性特有の病気で入院や手術をした時に、入院給付金や手術給付金など、保障が上乗せされる特約です。


医療保険に女性特約を付けることで、女性特有のガンになったときだけ保障が上乗せされた分、手厚い保障が受けられる仕組みとなっています。


乳がんや子宮頸がんの罹患率は、30~40代と若い世代にもかかわらず罹患率がピークとなっているため、女性は早い段階で医療保険や女性特有の病気への保障を考える必要があります

年齢乳がん子宮頸がん
20~24歳5914
25~29歳274233
30~34歳895780
35~39歳2,8861,038
40~44歳7,2971,381
45~49歳10,0401,268
50~54歳8,9411,004
55~59歳8,336784

出典:国立がん研究センター 地域がん登録全国推計がん罹患データ


特約に加入しながら他の保障を最低限にすることで、コスパの良い女性特有のガンのリスク対策を優先した保険になります。また、保障を手厚くしたいなら新しくガン保険に入るのがおすすめです。

通院特約

通院特約は、保険会社によって異なりますが、病気やケガで入院した後の退院後もその治療のために通院をした時に給付金がもらえます


入院ありきの保障となるため、入院をしなかった場合は保障の対象外となります。また、この時の入院に対しても制限があるなど、通院特約と重ならない原因とする場合に給付金が支給されるなど、支払う条件となる疾病について重複しないような条件になっています。


医療は日々発達しているので、状態によっては入院のみで治療が終わってしまう場合もあるため、最低額の日額だけで充分と考えます。

先進医療特約

先進医療の場合、ガン治療などにかかる費用が下記のとおりです。

平均入院期間金額
陽子線治療15.7日2,649,978円
重粒子線治療5.2日3,186,609円
高周波切除器を用いた
子宮腺筋症核手術
10.2日300,857円
出典:中央社会保険医療協議会「令和3年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」

治療で数百万円程度かかるものが、先進医療特約の掛金・数百円で治療を受ける事ができるので、掛金としてもかなりお値打ちといえます。

加入時の注意点として
  • 上限金額     一般的通算で上限金額は1,000万円・2,000万円が上限
  • 保証範囲の確認  主契約によって範囲がかわる
  • 更新型か終身型か 主契約が終身でも特約は更新型という場合がある
  • 支払い方法    直接医療機関へ支払をしてくれるかどうか
などを確認したうえで加入をおすすめします。

まとめ:医療保険の商品・特約選びに不安があればプロに相談!

このように、保険を決めていくには、ご自身の現在の状況・年齢・働き方などを含めての現状を把握し、将来必要と思われる保障を見越しつつ保険商品を選んでいく事になります。


年代・状況などから三大疾病は不要で介護保険やガン保険などの商品を加える事で手厚い保障内容の形を作っていきます。

  • 20代~30代独身は、定期型医療保険
  • 30代~40代女性は、医療保険+ガン保険
  • 40代~50代子持ち 終身医療保険+死亡保険(就業不能保険)
この医療保険の選び方は、一般的にすぎません。それぞれ個人の状況や環境によって、必要な保険や特約も変わってきますし、公的医療保険を絡めて考えることも必要です。

ご自身で保険を選ばれるのもよいですが、豊富な知識と様々な経験を積んだ保険のプロに相談されたほうが、より早くよい保険を選ぶ事ができます。

見落としていたり、思いもつかないアドバイスがあるかもしれません。オンラインで何度でも無料相談をしているマネーキャリアへ相談してみるのもおすすめです。

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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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