歯科インプラント治療は先進医療特約の範囲内?保険適用はいつから?

歯医者さんで行うインプラント治療は医療保険の先進医療特約で保障されるのでしょうか。今回、歯科インプラント治療が医療保険の先進医療特約によって保険金がおりるのか、いつから保険適用されるのかについて解説します。将来インプラント治療を考えている方必見です。

歯科インプラント治療は、医療保険の先進医療特約の範囲内?保険適用?


歯医者でインプラント治療を受けたいけれど、先進医療特約の保障対象であるかどうか気になる人は多いと思います。

保障対象であれば、給付金を受け取れるため、高額な治療費も気にせず支払えますよね。

しかし、残念ながら現在は先進医療特約の対象ではないため、自由診療で全額自己負担になってしまいます。

ただし、公的医療保険が適用されて3割負担になるケースがあったり、高額な医療費を安くできる制度もあります。

この記事では、
  • インプラント治療は先進医療特約の対象外
  • 先進医療特約の保障対象であった時期と外れた時期
  • 公的医療保険の適用・適用外になるケース
  • 保険適用となる条件と医療機関
  • 高額な医療費を安くする方法
について、解説していきます。

この記事を読んでいただければ、インプラント治療と先進医療特約の関係性が分かり、公的医療保険が適用されるケースを把握したり、高額な医療費を安くできる方法を活用できると思います。

ぜひ、最後までご覧ください。

そもそも医療保険の先進医療特約とは?

先進医療特約とは民間の医療保険に任意で付加する保障です。


先進医療の技術料は公的医療保険が適用されず全額自己負担となりますが、特約の付加により月額100円程の保険料で1,000~2,000万円を上限とした給付金を受け取れるため、コスパ良く保障を確保できます。


代表的な先進医療の技術料は以下のようになります。

  • 陽子線治療:約270万円
  • 重粒子線治療:約309万円
  • MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法:約11万円

厚生労働省「令和元年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について


治療方法により技術料は大きく異なり、数万円で済むケースもあれば300万円以上かかるケースもあります。


また、先進医療の対象は時期によって変化し、それに伴って先進医療特約の対象も変わります。


そのため、治療の予定がある先進医療が保障対象になるかどうかは予測が難しい点には注意が必要です。

【結論】インプラント治療は、先進医療ではなく一部が保険適用に

インプラント治療は先進医療特約の対象になり、給付金が受けられるのでしょうか。


結論から言うと、現在は先進医療に該当しないため特約の対象にはなりません。


ただし、治療の原因により公的医療保険が適用されて自己負担額が3割で済むケースもあるので、条件を確認しておきましょう。


インプラント治療が先進医療特約の保障対象であるかどうかは、以下の通り、時期によって異なります。

  • 2012年3月までは対象内
  • 2012年4月以降は対象外

それぞれの時期について、以降の章で説明していきます。

2012年3月までインプラントが先進医療特約の保障範囲だった

以前は、医療保険の先進医療特約に加入を考えた時に、先進医療の例としてインプラント治療も含まれると認識して先進医療特約に加入した方も少なくないと思います。

しかし、インプラント治療が先進医療とされていたのは2012年3月までです。


そのため、保険の先進医療特約の保障範囲として認められていたのも2012年3月までとなります。


ですから、現在、先進医療特約にご加入の方の中でインプラント治療をお考えの方は注意が必要となります。


また、現在の先進医療特約が最新の内容になっているかどうかもご確認ください。

2012年4月1日以降のインプラント治療は先進医療特約対象外

では、先進医療特約に加入している方が、2012年4月1日以降に受けたインプラント治療はどうなるのでしょうか?

2012年4月1日以降は、インプラントは先進医療の保障範囲ではありませんので、インプラント治療のすべて先進医療特約には該当しません。


2012年にインプラント治療を受けて請求していない場合は、治療した日付をよくご確認の上で保険請求をなさってください。


または、保険担当者の方によくご相談してください。

保険適用されるインプラント治療とそうでない治療

では、先進医療特約の保障範囲ではなくなった今、インプラントの治療はどう変わったのでしょうか?

2012年3月以後は、先進医療特約として指定されていた部分の治療についてのみ、医療保険が適応される治療となっています。


ですから、先進医療特約の保障範囲ではないとは言え、全額治療費を負担しなければならないわけではないということになります。


そのため、インプラントの治療は、現在、医療保険の適応される治療と、適応されない治療とが存在する治療法へと変化しています。

一般的なインプラント治療は自由診療で保険適用外

一般的にインプラント治療は自由診療として扱われることが多く、医療保険は適用されません。


保険適用外となるインプラント治療は以下のようなケースです。

  • 虫歯・歯周病・外傷などにより歯を失った
  • 加齢により顎の骨が痩せた
  • 噛む機能や見た目の美しさを向上させたい

保険適用外の治療は診療報酬に法的な制限がないため、歯科医院ごとに治療費が決められていて、全額自己負担になります。


インプラントを埋め込むための1本あたりの費用を見てみましょう。

費目費用
検査・治療計画1.5~5万円
人工歯 
 (2ピースタイプ)
8~20万円
外科手術5~10万円 
メインテナンス5千円~1万円
合計30~40万円

1本あたり30~40万円と高額になります。

保険適用のインプラント治療の条件

インプラント治療を受けて医療保険が適用されると、自己負担は3割で済みます。


ただし、保険適用になるためには条件があり、ブリッジや入れ歯で噛む機能を回復することができない症状に限定されています。


虫歯や歯周病などが原因で歯を失ったなど、大半のケースでは条件を満たせず、自由診療扱いで全額自己負担になることを留意しておきましょう。


保険適用となるインプラント治療の条件は以下の通りです。

  • 病気やケガなどにより顎の骨が広範囲にわたって欠損した
  • 上記の状態が骨移植によって顎の骨が再建された
  • 生まれつき顎の骨の1/3以上が連続して欠損している
  • 顎の骨の形成不全がみられる
  • 上顎が鼻腔や副鼻腔と繋がっている
  • 口腔がんや顎骨骨髄炎などの理由で下顎の1/3以上の切除が望ましい

保険適用となるインプラント治療を受けられる医療機関も決まっている

では、どのような医療機関ならインプラント治療が受けれるのでしょうか?

医療保険の適用となるインプラント治療を受けたいと思った場合、まず、一般的な歯科では無理だと思ってください。


受けられる医療機関は、条件を満たした大学病院など、規模の大きな病院にある歯科・歯科口腔外科での治療であれば可能となります。


その条件を細かく書くと、

  • 入院用ベッドが20床以上ある病院の歯科・口腔外科である。
  • 国が定めた医療機器や薬品の設備や管理がされている。
  • (その病院での歯科・口腔外科で5年以上の治療経験がある)、もしくは(インプラントの治療経験を3年以上持っている)このいずれかに該当する常勤医師が2名以上いる。
  • 当直体制の設備、管理がされている。
と、この条件を全て満たす医療機関でなければ医療保険適用のインプラント治療は受けることができません。

参考:安くインプラント治療を受けたい場合は医療費控除を利用!

インプラント治療は高額な医療費がかかりますが、以下の制度を利用すると医療費を安くできます。

  • 高額療養費制度
  • 医療費控除
高額療養費制度は1か月にかかった医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分の還付を受けられます。実際にいくら還付されるのかシミュレーションしてみましょう。

医療費控除は確定申告をすることにより、税金(所得税・住民税)の負担を軽減できます。

いずれの制度も条件が合えば併用もできます。以降の章でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、1か月にかかった医療費が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後から払い戻される仕組みです。


自己負担限度額は年齢および所得によって異なり、世帯合算や多数回該当によって、さらに負担を軽くできます。


実際に、高額療養費制度のシミュレーションをしてみましょう。


例:40歳で年収500万円の人が自由診療でインプラント治療を受けて32万円を支払った場合、自己負担限度額は以下のように計算できます。

80,100円+(32万円-26.7万円)×1%=80,630円

自己負担額は32万円から80,630円に減額し、差額の239,370円が払い戻されます。

医療費控除

しかし、保険が適用とはならないとはわかっていても

  • 自分で咀嚼して食事がしたい!
  • 入れ歯や差し歯よりも長く使えるものがいい!
と言う思いからインプラント治療を受けたいと思う方も多いと思います。


少しでもインプラント治療にかかる費用を抑える方法はないのでしょうか?


費用を抑える方法として覚えておいていただきたいのは、インプラントは医療費控除の対象となります。


その年に使った医療費や通院のための交通費が10万円を超える場合、医療費控除として申告することができますが、その中にインプラント治療費も含まれますので申告漏れすることのないよう注意してください。


所得税の節税が目的の医療費控除ですが、医療費控除を受けるときの注意点には、以下の3つがあるのでチェックしておきましょう。

  • 年末調整が不可のため、確定申告が必要
  • 申請期限は5年
  • 領収書は5年間保存する必要がある

まとめ:先進医療特約とインプラント治療について

いかがでしたでしょうか。


インプラント治療と先進医療特約について説明してきました。


この記事のポイントは、
  • 2012年3月まではインプラント治療は先進医療特約の保障範囲内
  • 2012年3月以後は、先進医療特約として指定されていた部分の治療についてのみ、医療保険が適応される
必ずしも、先進医療特約の保障範囲ではないとは言え、全額治療費を負担しなければならないわけではないことや、医療費控除を利用することでインプラント治療費を安くできることもお分りいただけた事とおもいます。

日々、医療技術は進歩し、病気やケガそのものの治療だけでなく、病気やケガによる不自由さが少しでも軽くなるようにと色々な技術や治療方法が生まれています。


しかし、現実問題として費用に関する悩みは必ずあると思います。


ですが、少しでも多くの方が治療を受けれるようにと保険では様々な解決策が研究されているよう思います。


その情報を少しでも多くの方にお伝えすることができ少しでも参考になれば幸いです。


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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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