更新日:2022/01/02
マイナンバーカードが健康保険証利用できる?【わかりやすく解説】
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになることをご存知ですか?2022年10月からは本格的な運用が予定されています。このシステムを使うことでできることを詳しくご紹介します。併せてメリット・デメリットもご紹介します。
内容をまとめると
- マイナンバーカードを健康保険証として使うことができる
- 利用する前には事前登録が必要
- 登録はスマホやセブン銀行ATMから可能
- カードから情報を読み込むことで医療情報が確認できるので、より適切な医療が受けられるようになる
- 医療費控除の手続きがスムースになるというメリットがある
- システムの整備が不十分なため、利用できるところが限られている
- マイナンバーカードの紛失に注意
- お金のことについてどんなに些細なことでも悩みや疑問があるならマネーキャリアのFP相談を利用するのがおすすめです!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- マイナンバーカードが健康保険証になる?
- マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになる
- いつからマイナンバーカードが健康保険証として使える?
- 2021年10月からマイナポータルで薬剤情報・医療費情報の閲覧が可能に
- 2021年分所得税の確定申告から医療費控除の手続きに利用可能
- マイナンバーカードを健康保険証として使うための事前登録・申し込み方法
- マイナポータルでの事前登録方法
- セブン銀行ATMからの事前登録方法
- 事前登録・申し込みでよくあるトラブル
- マイナンバーカードの読み取りができない!
- Windowsで申し込みをするとエラーコードが出てしまう
- 事前登録ができたかどうかの確認はどうする?
- マイナンバーカードを健康保険証として使うメリット
- マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報・医療費を見ることができる
- 就職・転職・引越をしても健康保険証として使うことができる
- 医療費控除・高額療養費制度の手続きが簡単になる
- 便利?危険?マイナンバーカードを健康保険証として使うデメリット
- マイナンバーカードを使える薬局・病院がかなり限られている
- 就職・退職・扶養認定等によって保険が変わった場合には手続きが必要
- マイナンバーカードを紛失する危険性が高まる
- 従来の健康保険証も使えるので選択肢として考えるのがおすすめ!
- 実際に医療機関でマイナンバーカードを健康保険証として使う方法
- まとめ
目次
マイナンバーカードが健康保険証になる?
マイナポイントをきっかけにマイナンバーカードの登録をした人はたくさんあるのではないでしょうか。
- 保険証として使える!
- いつから使えるの?
- 事前登録の方法
- 事前登録でよくあるトラブル
- メリット
- デメリット
- 今までの保険証も使える!
- 実際に使ってみよう!
という順に、マイナンバーカードの健康保険証利用についてご紹介します。
最後までご覧いただき、マイナンバーカードを保険証として利用するメリットやデメリットなどを知っていただければと思います。
マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになる
マイナンバーとは、マイナンバーや住所氏名などが記載されたカードですが、健康保険証として利用することができるようになります。
マイナンバーカードは写真付きのカードですし、住所や生年月日などが表示されているため、本人であることを確認することができるからです。
マイナンバーカードを携帯していれば、医療機関を受診するときに健康保険証を提示する必要が無くなります。そのため、急に受診する必要ができたときに健康保険証を持っていなくても自己負担をすることなく医療サービスを受けることができるので安心です。
ただし、現行の健康保険証も従来通り使うことができます。
いま使っている健康保険証で病院にかかっても、手続きは従来と特に変わりはありませんので安心してください。
いつからマイナンバーカードが健康保険証として使える?
それでは、マイナンバーカードはいつから健康保険証としての役割を果たすようになるのでしょうか。
ここからは、
- 2021年10月からできること
- 2021年分の確定申告から
という内容で、マイナンバーカードでできることについてご紹介していきます。
2021年10月からマイナポータルで薬剤情報・医療費情報の閲覧が可能に
2021年3月から一部の医療機関などで先行して運用が始まっています。システムは順次運用が広がっていく予定で、本格的な運用が始まるのは、2021年10月とされています。
本格運用が始まれば、マイナポータルから、
- 特定検診情報
- 薬剤情報
- 医療費
を確認することができます。
マイナポータルとは、国のオンラインサービスで、行政手続きのオンライン申請ができます。その他、税や医療の情報を確認できたり、行政とやりとりした履歴をチェックできたりする便利なサービスです。
2021年分所得税の確定申告から医療費控除の手続きに利用可能
医療費控除の手続きについて、2021年分の確定申告からはマイナポータルから行うことができるよう運用体制が整えられています。
マイナポータルを利用することで、医療費情報を入力すれば簡単に申請することができるようになり、領収書の整理などのわずらわしさが省けるのでとても便利になります。
従来の申請では書面での申請だけでなく電子申請をすることもできますが、どちらにしても細かな明細書の記載や領収書の保管など手間がかかります。
マイナンバーカードを保険証として利用することで、確定申告の手続きがより簡単になるのはうれしいですね。
マイナンバーカードを健康保険証として使うための事前登録・申し込み方法
マイナンバーカードを健康保険証として使うためには、前もって登録作業をしなければなりません。
- マイナポータルから登録
- セブン銀行から登録
という順に、事前登録の仕方をご紹介します。
マイナポータルでの事前登録方法
事前登録はパソコンやスマートフォンを使って行うことができます。
登録作業をするときには、マイナンバーカードと暗証番号を準備しましょう。暗証番号とは、マイナンバーカードを受け取ったときに自分で設定した4桁の数字です。
パソコンで登録する場合にはICカードリーダーが必要となります。
パソコンやICカードリーダー、スマホなどがないと事前登録はできません。これらを持っていない場合は、市町村役場に問い合わせてみましょう。
市町村によってはマイナポータル用の端末を設置しているところもありますので確認してみてください。
なお、登録は自分名義のパソコンやスマホでなくても行えます。スマホなどを持っていない人は家族や近しい知人に登録をお願いすることもできます。
事前登録をする流れは、
- マイナポータルサイトにアクセス
- 利用規約の確認・同意
- マイナンバーカードの読み取り
- 暗証番号の入力
- 申込完了
となっています。
セブン銀行ATMからの事前登録方法
事前登録はセブン銀行のATMから行うこともできます。原則として24時間手続きができ、手数料もかかりませんので便利ですよ。
パソコンやスマホを使って登録する場合と同様に、マイナンバーカードと暗証番号を準備しておきましょう。
セブン銀行ATMから事前登録をする流れは、
- 「マイナンバーカードでの手続きを行う」のボタンを押す
- 「健康保険証利用の申込み」のボタンを押す
- マイナンバーカードを入れる
- 暗証番号を入力する
- 申込完了
となっています。
事前登録・申し込みでよくあるトラブル
- マイナンバーカードを読み取れない
- Windowsからの申し込むとエラーが出る
- 事前登録がきちんとできているか不安
などがあります。
その他のトラブルについて、詳しくはマイナポータルサイトのマイナンバーカードの健康保険証利用の申込の「よくあるご質問」に掲載されていますので、登録がうまくできない場合には参考にしてみてください。
マイナンバーカードの読み取りができない!
事前登録をするときには、マイナンバーカードの読み取りをしなければなりません。ICカードリーダーを使う場合は問題ありませんが、スマホの場合、うまく読み取れないことケースが見られます。
原因として、マイナンバーカードをスマホにかざすポジションが悪いことが考えらます。それぞれの機種に対応した正しい位置にセットし押し当て、しばらく動かさずにいると読み取れます。
Windowsで申し込みをするとエラーコードが出てしまう
Windowsを使って手続きを行っているとエラーコードが出てしまうことがあります。
そんなときは以下のことを確認してみましょう。
- ICカードリーダーがパソコンにきちんと接続されているか
- カードの読み取り中にカードを動かしていないか
- マイナンバーカードをケースなどに入れたまま読み取っていないか
- 非接触型ICカードリーダーの場合、カードの挿入の向きが合っているか
- アプリケーションが起動しているか
- 暗証番号が間違っていないか
なお、暗証番号は3回連続して間違えるとロックがかかってしまいますので注意が必要です。
事前登録ができたかどうかの確認はどうする?
事前登録の手続きを無事に終えて、「手続きが完了しました」と画面に表示されても、本当にきちんと登録されたか不安に思う人もいらっしゃるでしょう。
そんなときはマイナポータルから確認することができますのでアクセスしてみましょう。
マイナポータルサイトから「申込状況を確認」→「健康保険証としての登録状況」へアクセスすれば登録状況を確認することができます。
マイナンバーカードを健康保険証として使うメリット
事前登録の申し込みを無事に終えることができたら、マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。そうすると、カードを端末にかざすだけで医療保険について自分がどのような資格を持っているかをすぐに確認することができます。
- 特定検診情報などの情報をチェックできる
- 就職・転職などしても変更手続きをすることなく使うことができる
- 医療費控除などの手続きが簡単になる
が挙げられます。
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報・医療費を見ることができる
マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、
- 特定検診情報
- 薬剤情報
- 医療費
をマイナポータルから確認することができます。
特定検診とは、40歳から74歳の人を対象として行われる健康診断で、メタボリックシンドロームの人を減らすことを目的に行われているものです。
特定検診では、血圧や血液検査だけでなく、喫煙歴や服薬の有無、運動習慣など生活習慣病を予防するために、検査や質問がなされます。
マイナポータルから医療情報を得られるようになると、医師や歯科医師、薬剤師など医療にかかわる人が患者のいろいろな情報を一度に確認することができるようになります。
そのため、より適切な治療や服薬管理ができるようになります。また、旅先での急な病気のときなどに薬剤情報を適切に把握できるなどのメリットもあります。
情報の開示にはもちろん事前に患者の同意を得ることが求められています。
就職・転職・引越をしても健康保険証として使うことができる
マイナンバーカードを健康保険証として利用すると、就職や転職、引っ越しなどによって住所などが変更したときでも、変更手続きを待たずに保険証として使うことができます。
マイナンバーカードがあれば、そのなかに自分が保有する保険資格の情報がすべて入っているため、変更手続きを待たずに個人情報が確認することができるからです。
従来通りであれば、保険証の切り替えのタイミングで体調を崩し、病院にかかったときには、一旦全額を自己負担する必要があります。後日返金されるものの、手続きは面倒ですし一時的とは言え、経済的な負担もあります。
マイナンバーカードを保険証として使うことで、切り替えのタイミングで生じる空白期間が無くなりとても便利です。
マイナンバーカードが一つあれば、どんな時も安心して医療機関に診てもらえるということは大きな安心と言えるでしょう。
医療費控除・高額療養費制度の手続きが簡単になる
マイナンバーカードを保険証として利用すると、医療費控除の申請や、高額療養費制度を利用するための手続きが簡単に行えるようになります。
医療費控除
医療費控除は確定申告のときに行うので、フリーランスや自営業者の人がするもので会社員は関係ないと思われるかもしれません。けれど、医療費控除については会社員も確定申告のときに手続きをしなければ控除を受けることはできません。
医療費控除は、1年間に支払った医療費について細かな明細書を添えて申請しなければなりません。診療費の額や医療保険での給付金の額など記入しなければならないことが多く、煩わしさを感じる人も多いでしょう。
マイナンバーカードを保険証として利用することで、これらの煩雑な作業をする必要がありません。マイナポータルを通して医療情報を入力・確認すれば申請できるので面倒な入力作業や書類の整理から解放されます。
高額療養費制度
マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、定期的に限度額適用認定証の交付を申請したり、医療機関などで提出したりすることが不要となります。
このように、マイナンバーカードをうまく活用すれば、医療や介護、福祉といった社会保険のいろいろな制度の利用がスムースに行えるようになります。
便利?危険?マイナンバーカードを健康保険証として使うデメリット
- マイナンバーカードに対応した医療機関が限られている
- 保険が切り替わった場合には手続きが必要
- マイナンバーを破損・紛失するリスクがある
が挙げられます。
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
マイナンバーカードを使える薬局・病院がかなり限られている
マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、医療機関の窓口に専用の端末、カードリーダーがなければなりません。
現段階では、このカードリーダーを導入している医療機関や薬局はまだまだ少ないという現実があります。
プレ運用の時期なので導入数が少なくても仕方がありませんが、カードリーダーを導入するかどうかは、各医療機関や薬局の判断に任せられています。
なお、どの医療機関・薬局がカードリーダーを導入しているかについては厚生労働省のホームページで確認することができます。
せっかくマイナンバーカードを健康保険証として利用できるよう登録しても、カードリーダーがなければ登録した恩恵を受けることができません。
自分のかかりつけの医療機関が導入しているかを確認してから登録するかどうかを考えてみるといいかもしれませんね。
就職・退職・扶養認定等によって保険が変わった場合には手続きが必要
マイナンバーカードを健康保険証として利用しても、就職や転職、引っ越しなどで住所などに変更があったとききちんと変更手続きをしなくてはなりません。
自営業者やフリーランスの人で国民健康保険に加入している人は、市区町村が保険者です。引っ越した場合は、保険者が変わりますので新しい住所の役所へ届け出て手続きをする必要があります。
ただし、同じ市区町村内での引っ越しであれば保険者は同じですので手続きは不要です。
転職や退職、扶養認定などで健康保険の保険者が市区町村に変更する場合は、従来通り届け出の手続きをしなくてはなりませんので注意が必要です。
マイナンバーカードを紛失する危険性が高まる
マイナンバーカードを健康保険証として利用するということは、マイナンバーカードを携帯し、持ち歩かなければならないということなので、紛失する危険性が高まります。
マイナンバーカードは、医療保険などの社会保障や税、災害対策時などに個人を特定するため活用することを目的としています。そのため、それらに必要な情報がたくさん入っています。
もしもマイナンバーカードを失くしてしまったり盗難にあったりしたときには、悪用されてしまうなどリスクは大きいです。
マイナンバーを利用するときには暗証番号の入力が必要ですが、数字4桁なので悪用される可能性は否定できません。
紛失や盗難、情報漏洩などに対するセキュリティ対策について、政府から具体的に示されていないのが現状です。
従来の健康保険証も使えるので選択肢として考えるのがおすすめ!
マイナンバーカードで情報を一元化できるためよりよい医療を受けられたり、面倒な医療費控除の手続きが簡素化されたりすることのメリットは大きいです。
けれど、制度の整備が不十分なため、制度の恩恵を受けられる人は一部で、また紛失などによるリスクは避けられません。
マイナンバーカードを健康保険証として利用できるシステムの運用が始まっても、従来の健康保険証は今までと変わらず使うことができます。
どちらを使うことがメリットが大きいかは、住んでいる地域や行動パターンなどによって違ってきます。
マイナンバーカードを利用することは、リスクがあることを理解した上で慎重に検討しましょう。
実際に医療機関でマイナンバーカードを健康保険証として使う方法
それでは、医療機関などでの具体的な使い方についてご紹介します。
マイナンバーカードを読み取ることができる端末を設置している医療機関などには、「マイナ受付」のステッカーやポスターが掲示される予定です。専用端末のある医療機関でしか利用することはできないので注意が必要です。
カードリーダーで本人確認を行う方法をご紹介します。
- 端末にマイナンバーカードを置く
- 本人確認の方法を、「顔認証を行う」「暗証番号を入力」から選ぶ
- 顔認証を選らんだら顔を撮影、暗証番号を入力を選んだら番号を入力
- 医療情報などを医療機関に提供することにについて、「同意する」「同意しない」から選ぶ
- 確認完了
なお、乳幼児や高齢者などで端末を操作することが難しいケースについては、本人の代わりに家族など代理人が操作することもできます。その場合の本人確認は暗証番号を入力して行いましょう。
まとめ
ここまでマイナンバーカードを健康保険証として利用することについてご紹介してきました。
この記事をまとめると、
- マイナンバーカードを健康保険証として使うことができる。
- 利用する前には事前登録が必要。登録はスマホやセブン銀行ATMから可能。
- カードから情報を読み込むことで医療情報が確認できるので、より適切な医療が受けられるようになる。また医療費控除の手続きがスムースになるというメリットも。
- システムの整備が不十分なため、利用できるところが限られている。
- マイナンバーカードを紛失してしまうリスクを避けるため、従来の健康保険証を使い続けることも選択肢。
でした。
マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、スムースに医療サービスを受けることが可能となります。医療のほか、マイナンバーカードは年金や福祉など社会保険のいろいろな面をカバーできる便利なものです。
ただし、紛失などによるリスクもありますのでマイナンバーカードをどのように利用するかは、個人個人が自分に合っているかどうかを考えて判断していきたいですね。