更新日:2022/01/04
オプジーボの実際にかかる費用はいくら?がん保険は適用される?
がん治療でオプジーボを用いた方法を検討している人は要チェック!食道がんや肺がんなど対象はどこまでになり、費用は全額自己負担もしくは保険適用できるのか。また、がん保険は使えるのか。高額といわれるオプジーボについての対象や薬価、保険適用の有無など解説します。
内容をまとめると
- オプジーボは抗がん剤と違い、正常な細胞に負担を与えず免疫をサポートしてがん細胞を攻撃する免疫チェックポイント阻害薬
- オプジーボは先進医療に入るものとはいらないものに分かれ、入るものは保険適用外で「技術料」が全額自己負担になる
- オプジーボを用いたがん治療では保険適用される種類が限られており、悪性黒色腫 や胃がん、肺がん、頭頸部がんなど
- がん保険ではオプジーボを用いた治療が先進医療、もしくは自由診療でも対象であれば保険適用
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目次を使って気になるところから読みましょう!
オプジーボの基礎知識
オプジーボとはノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学特別教授である、本庶佑(ほんじょたすく)氏の研究を基に開発された免疫チェックポイント阻害薬です。
このオプシーボは今ではがん細胞に対抗する治療薬として、様々な病院でのがん治療に用いられています。
具体的にはどのような効果が期待できるのか、これまでの抗がん剤と比べてどのようなレベルなのか。また、保険適用の範囲に含まれるのかなど疑問は少なからずあると思います。
そこで、
- 免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボとはなんであるのか
- オプジーボは先進医療に含まれるのか
まずは以上2点についてこれから解説します。
免疫チェックポイント阻害薬オプジーボとは?
免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボについて免疫から説明します。
この免疫は人間の体には外部から入ってくる細菌、内部で発生する細菌から守るための役割を担っています。
しかし、がん細胞は免疫が排除しようとすると回避するので対処が難しいです。
これを打開するために抗がん剤が用いられていますが、がん細胞に直接働きかけることで便秘や食欲不振などの副作用のリスクを含んでいました。
また、使用し続けることでがん細胞が耐性を持ち、薬の効果が期待できない状態になる恐れもあります。
そんなリスクを緩和するのが免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボです。
直接がん細胞を攻撃するというより、免疫でがん細胞に攻撃できる状況をつくり出すので、これまでの抗がん剤のようなデメリットを感じさせなくなっています。
オプジーボは先進医療?
オプジーボが先進医療であるかどうかについては、治療内容によってその部類に入るものと入らないものがあります。
たとえば、「ニボルマブ静脈内投与及びドタキセル静脈内投与の併用療法」は先進医療に分類されます。
この種類は85個あり厚生労働省公式HPにある「先進医療の各技術の概要」にて確認できます。
執り行っている医療機関についてですが、どの病院でも受けつけている訳ではありません。こちらに関しても厚生労働省公式HPにて確認できます。
先進医療の条件ですが難病などの病気に対する治療や手術で実績が認められることでリストアップされます。
ここで気をつけてほしいのが、その内容は見直しがあるため、対象になるかどうかもその都度変わるところです。
治療費については後ほど詳しく解説しますが、診察や入院費などは公的医療保険の枠組みに入るので保険適用の対象になります。
ただし、保険適用範囲でも技術料は全額自己負担となる点に注意してください。
オプジーボの薬価
オプジーボの薬価は2021年8月時点では15.5万円(※ここでは全て100mgで統一)となっています。
この薬価は厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会、薬価専門部会を通して定められています。
基本的な流れとして1年単位で変わる他、オプジーボを含めた類似役などの年間販売額が350億円を超えるなどにより薬価の改定が実施されるようです。
また、1年に4回ある新薬が薬価に載る薬価収載と同じ時期に薬価の見直しもあります。
本題のオプジーボの薬価についてですが、出始めた当初はもっと高い値段でした。
そこで、これまでの値段がどのようにして変化していったのかを表にまとめましたので順に紹介します。
年度 | 薬価 |
---|---|
2014年9月 | 約73万円 |
2017年2月 | 約36.5万円 |
2018年4月 | 約28万円 |
2018年11月 | 約17万円 |
2021年8月 | 約15.5万円 |
2014年に販売開始されましたが、当初はメラノーマといわれる皮膚がんを対象としたもので患者も少数だった点を含めて薬価が約73万円となっていました。
以降は肺がんや食道がん、乳がんなど範囲が広まり、高額な値段では払えない人も出てくることから薬価の引き下げにつながっています。
がん治療でオプジーボを用いた場合の自己負担額
- 公的保険加入者で保険適用された場合
- 全額自己負担の場合
公的保険(高額療養費制度)が適用される場合
オプジーボを用いたがん治療は保険適用されるものだと、公的保険(高額療養費制度)を使うことで自分が負担する費用が少なく済みます。
保険適用の対象となる種類は
- 悪性黒色腫
- 胃がん
- 肺がん
- 頭頸部がん
などです。
保険適用する場合の費用は年齢や年収で変わるので、全国健康保険協会公式HPの条件に合う項目にて計算する必要があります。
厚生労働省ガイドラインによると、悪性黒色腫の成人には1回240mgを2週間間隔、1回480mgを4週間間隔の条件で使用するよう記されています。
ここでは約1ヶ月として後者の場合の費用を計算すると1回で744,000円になりました。
医療費はオプジーボ以外に診察費や血液検査などの費用がかります。また、入院する場合はさらに上乗せした金額になりますが、ここではオプジーボ単体でみます。
先ほどの金額を公的保険の70歳未満の区分(報酬月額28万円~50万円)を
80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1%
上記の式に当てはめて計算すると80,100+(744,400-267,000)×1%
84,870円となりました。
公的保険加入者の場合保険適用のため、60万円以上の節約になることがわかります。
全額自己負担の場合
先ほどは公的保険加入者でオプジーボを用いた場合、費用が安く済むことがわかりました。
しかし、保険適用範囲外の治療となれば全額自己負担になるので非常に大きな金額となります。
たとえば、重粒子線や陽子線治療のような先進医療はいずれも300万円前後の費用がかかります。
また、自由診療のような国内で承認されていない治療も全額自己負担になり、未承認のため副作用のリスクが高くなる点があります。
費用だけみるとデメリットですが、本人の病気や体質に合った治療ができる点はメリットといえるでしょう。
保険適用範囲の治療であれば公的保険を使うことで安く済みますが、そこだけに集中すると本当に必要な治療を受け損ねる恐れがあります。
というのは、がんは進行するのでいかに早い段階で適切な治療を受けるかでその後の症状にも影響が出てきます。
高額な費用が発生する場合の全額自己負担は保険適用外のため資金に余裕がないと決断できませんが、次に紹介するがん保険があるとまた状況が変わるでしょう。
がん保険に加入していればオプジーボの治療費も問題ない?
オプジーボを用いたがん治療の費用をみてきましたが、先進医療は公的保険適用外で、自由診療は最初から全額自己負担となっていました。
保険適用などなにも補助がなければ、資金に余裕のない人にとってはがん治療どころではありません。
そこで、そんな問題に対処するのが「がん保険」です。
SBI損保のがん保険ものを例に説明すると、実額保障といわれるタイプではがん治療に要した費用を丸ごと補償してくれます。
つまり、保険適用外のがん治療でも費用の心配をしなくて済むのです。
ただし、がん保険には公的保険で保障される費用や通院治療費は最大で1,000万円まで補償など保険適用の条件があるので、しっかり調べた上で加入するようにしましょう。
がん保険に加入することで、オプジーボを用いたがん治療が先進医療の対象に入るものでもカバーできるのです。
また、自由診療の方が治療に期待ができるなど、人によっては条件次第でがん治療を本格的にはじめられるケースも少なくないはずです。
オプジーボに関するまとめ
免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。