更新日:2024/08/07
がん保険の診断給付金複数回支払特約とは?何度でも受け取れるの?
がんだと診断されたときに100万円ほどの医療資金を給付する診断給付金ですが、複数回支給できるということで話題になっています。がん保険の診断給付金は確かに契約内容によって複数回の支給ができるようになっているものがあります。がん保険のこの仕組みをご説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
がん保険の診断給付金(一時金)が複数回もらえる?その特約は?
- 複数回にわたる診断給付金の請求について
- 2回目以降に受けられる診断給付金の金額について
- 2回目以降の診断給付金の間に必要な期間について
- 必要な期間の根拠について
- 保険会社ごとにあるさまざまなプランについて
2回目でも1回目と同じ金額の診断給付金がもらえるの?
また2回目以降に診断給付金額が減額されることはありません。
これはがんという病気に関する性質以外に最近のがん治療の傾向にも合っているのです。
それは入院日数の縮小です。
近年、がんに関わらず医療全体としての大きな流れになっています。
こうした現状の中では入院保障では期待していた額には届かないこともあります。
更に、近年においてはがん治療に対して手術を行わないケースも増えています。
そのためがん保険の手術給付金の価値も下がってしまいます。
その中で価値が変わらないのが複数回受けられる診断給付金です。
診断給付金を複数回もらえるがん保険の条件は厳しい
複数回にわたる診断給付金の支払を保障すると言っても無制限に保障することはできません。
それは保険会社の資金面の問題だけではなく、複数回の診断給付金を使った詐欺の温床になるからです。
そのためがん保険の診断給付金を複数回にわたって受け取るためには一定の条件をクリアしなければなりません。
診断給付金は何度でももらえるわけではない
これにより保険会社は何度も給付金を請求されたりすることから回避するためです。
加入者には何度でも一時金をがもらえるわけではないということを意識してもらうために行っているようです。
くれぐれも私たちはがん保険が複数回使えるからといってすぐに診断給付金をもらえるわけではないと考えておいたほうがいいです。
2年経過以後、新たにがんの診断確定を受けたことが条件
また、診断給付金は診断されて初めて給付対象となります。
前回と同じ症状や種類であっても複数回の受け取りに関してはその時の新しい診断書が必要になります。
がんというのは何度でも再発する可能性がある病気です。
医学的には完治することは無く、寛解と呼んで通院のフォローを受ける必要があります。
したがって、治ったと思っていても実は転移しておりがんが見つかることがあるのです。
そのため2年経過後に新たな診断書が手に入ればがん保険の診断給付金の支払い対象になります。
がん保険の診断給付金を複数回もらえる期間が「2年」の理由
もちろん期間が長いほど保険会社は運用益というものは上げることができます。
しかし2年という期間はそのような資金調達期間の確保という目的だけではなく、医療上の理由から設定されているのです。
この期間を変えることはがん保険の本来の目的に反してしまうかもしれません。
その理由について次の章で解説します。
がんの再発や転移をするまでの期間
がん細胞を摘出したと言っても人間の目には見えない微小のがん細胞が残ってしまうことがあります。
そして、生き残ったがん細胞は体中で浸潤を繰り返し再発(転移)する可能性があるのです。
がん摘出手術が終わった後に放射線治療や抗がん剤投与を続けなければならないのはこの微小ながん細胞を完全に取り除いておくために必要なことなのです。
再発するのは治療後2年から3年の間が多いとされ、5年間発症しなければ再発の危険性は極めて低いと判断されます。
がんの生存率で使われる「5年生存率」もこの点が根拠になっています。
ただし、5年経過後も何らかの不調が続く場合は経過観察が必要となり再発のリスクは消えていないと考えなければなりません。
このようなことから、がんの再発リスクから複数回のがん保険による給付金制限が決められているのです。
ここまでで、「がん保険が必要かもしれない」と思われた方は、まずは保険のプロに相談するのがおすすめです。
本当にがん保険が自分に必要なのか、必要ならどのがん保険がいいのかを納得できるまで無料で何度も相談できるので、大変おすすめです。
診断給付金を複数回もらえる条件は保険会社によって違う
免責期間すなわち給付金を受け取ることのできない期間は最短でも1年、最長で3年となっています。
この違いはがん治療の実態への解釈の違いが関係していますが他にも影響を与えていると考えた方が良いでしょう。
例えば免責期間が短い方が給付金額が少なくなっていたり、逆に免責期間が長いと十分な診断給付金が支払われるようになっているかもしれません。
こうした違いが無いかをしっかりと見極めておくことも重要です。
また、とある保険ではそもそも1回分の給付金しか支払わなかったり、同じ手術でも同日に行えば1回分、別日に行えば2回分と分けて給付金を出す保険もあります。
また手術内容によっては期間制限が緩和されるものもあります。
こうした違いは保険料に反映されている場合が多く、保険料を比べてから保障内容の精査に入るのも一つの手です。
免責期間なしのがん保険についてはこちらで解説していますので、ぜひ読んでみてください。
がん保険のルールはまず保険会社に相談しましょう
後になって困ることが無いように、まずはがん保険としてどのように対応してくれるかを保険会社に確認することが先決です。
まとめ:診断給付金を複数回もらえるがん保険について
- 多くのがん保険ではがんの一時金を2回目以降もだすこと
- 複数回の診断給付金には一定の条件があること
- 何度でも診断給付金がもらえるとは限らないこと
- 2回目以降の一時金は前回のがんの診断から2年以上過ぎている必要があること
- がんという病気は治ることは無く、再発や転移の可能性があること
- がんの再発や転移は治療後2年~3年後に発症することが多いこと
- 保険会社によっては2年という期間を変えることができること
- 万が一のがん発症の時に家計に負担が少なくなるような契約を結ぶこと
がん保険の選び方が知りたい方はこちらの記事もご覧ください