がん保険に未加入でがんに罹るとどうなる?必要なお金はどのぐらい?

がん保険に未加入の状態でがんに罹患した場合の金銭的リスクをもう一度考えてみましょう。未加入でも国民皆保険(健康保険)があれば大丈夫とは限りません。がん保険に加入している時と未加入の時、改めてそれぞれの治療費のシミュレーションを比較してみました。

未加入でがんを罹患してしまったら

いくら医療が発達しても、がんに罹患する人の数が減少することはありません。ご存知の通り、がんは若ければ罹らないということもないですし、自分だけは大丈夫という保証はどこにもありません。

それでも、「医療保険にさえ加入していれば安心」という気持ちからがん保険には未加入という方も多いでしょう。現在、がんの治療はとても高度なものとなり、治療により生存できる確率も上がっています。しかしその分、医療費も昔とは比べ物にならない程高額になっているため、保険なしに完治までの治療費を負担するのは困難を極めます。


まずは、実際にがん保険に未加入の状態でがんの宣告を受けてしまった場合、どのような費用がどのぐらい掛かるのか、がん保険に加入している場合にはどの程度の医療費が賄われるのか詳しくみていきましょう。


保険に入ってなく、がんを罹患した場合の平均費用

がん保険に加入していなくとも、健康保険が適用される治療であれば他の病気やケガと同じく自己負担額は3割となります。健康保険が適用されるがん治療の平均費用は以下の通りです。

  • 胃がん・・・280,000円
  • 大腸がん・・・270,000円
  • 肺がん・・・290,000円
  • 乳がん・・・210,000円

これは退院時に窓口に支払う金額の平均値ですが、収入により金額に差はあるものの、高額療養費の対象となります。その場合、地方自治体の窓口で高額療養費を申請することで、地方自治体より医療費が返還され最終的な負担額を減らすことが可能です。


しかし実際のがん治療では、健康保険が適用とならず10割負担となるものが多く、医療費の負担額はもっと高額になるでしょう。


国立がん研究センターの2015年統計によると、1995年から2013年にかけて、国民の悪性新生物による医療費は年々増加し、1995年と2013年ではおおよそ1,8倍となっていたことが解りました。つまり、「がんは治る病気」となるにつれ、これからも医療費は上昇していくであろうという予測が立てられます。(最新がん統計:国立がん研究センター

がん保険でサポートされる平均費用

では、がん保険に加入している場合にはどの程度の治療費が保険で賄われているのか、その平均費用を見ていきましょう。
  • がん診断給付金

がんと診断された時点で、一時金として支払われる保険金です。保険会社によって差はあるものの、50万円~200万円ほどが一時金として受け取れます。一時金は1回だけで終了するもの、2年おきに診断ごとに受け取れるものなど様々です。一般的に給付金の額が大きく、2回目以降でも受け取れるがん保険は保険料が高いという特徴があります。


  • がん手術保険金

がんによる手術を行うと受け取れる保険金です。加入している保険内容のうち、入院日額によって手術保険金も変わります。入院日額が5,000円であれば手術保険金は10万円、20,000円であれば80万円といった具合です。

手術保険金の平均は10~80万円となっています。


  • がん入院保険金

がんによる入院で受け取れる保険金です。保険の契約時に決めた「入院一日あたりの保険料×入院日数」を保険金として受け取ることができます。保険会社によっては入院日数に限度があるものもあります。

がんによる入院は平均で20日前後ですので、入院日額が5,000円なら10万円、20,000円なら40万円が保険金として受け取れます。





これら3つをトータルすると、がん保険に加入している状態でがんとなった場合、手術や入院がなくとも50万円から200万円、入院・手術を含むと70万円から最大で300万円以上が保険金として受け取れるということになります。

がん保険に未加入でがんを罹患してしまったエピソード

がん保険未加入のままがんに罹患してしまった

ここからは、がん保険に未加入の方ががんに罹患してしまったエピソードをご紹介します。


  • がん保険は必要ないと思っていた

がん保険は必要かどうかでいえばあまり必要ない、という評価をネットで見つけ、「確かに医療保険に入っていればそれでいい」と思っていたので、一家の大黒柱でありながらもがん保険には未加入でした。実際、高額療養費も適用となったため自己負担額は抑えられましたが、がんで入院・手術をするのには医療費だけではない部分も必要になるということは全く頭にありませんでした。

一番困ったのが、「長期間働けないこと」。この時初めて、一時金のあるがん保険に入っていれば…と後悔したのです。

がんが転移して長期の入院になってしまった

  • 高額療養費が出るのは時間がかかる

がんになっても高額療養費があるから大丈夫、その言葉を信じてがん保険に未加入でここまで来ましたが、がんを発見したときにはすでに転移が確認され、長期の入院が必要になりました。

高額療養費が出るのは申請から3か月後、そしてその間ずっと入院・治療をしていたため生活費が危うくなってきました。がんの治療には抗がん剤が使われますが、抗がん剤には保険適用外のものもあり、治療を行うたびに治療費が万単位で加算されていきます。

一か所のがんで早期発見であれば20日前後で済む入院期間も、長期の入院治療では治療費の負担はとても大きいものでした。(最新がん統計:国立がん研究センター

民間保険の未加入者でも対応できること

国民皆保険の高額療養費制度と傷病手当金

がん保険に未加入でがんになってしまうと、自分で治療費を負担しなくてはいけないためある程度の貯蓄がないと生活もままならなくなってしまうようです。

しかし、がん保険に未加入でも高額療養費制度と傷病手当金を活用することである程度がんの治療費を賄うことが可能です。それぞれの制度についてみていきましょう。


  • 高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療費が高額になってしまったとき国民皆保険に加入していれば、定められた自己負担額以上にかかってしまった医療費を払い戻してもらうことができるという制度です。

最終的な医療費の自己負担額はそれぞれの収入によって異なります。高額療養費は申請から給付までには数か月を要するため、治療し始めは自己資金がどうしても必要となりますので注意しましょう。


  • 傷病手当金

健康保険に加入している会社員が、病気やけがにより連続3日間仕事を休み、4日以上仕事をすることができなかった場合に給付される手当が傷病手当金です。標準報酬日額×2/3が支給額となり、休んでいる間に給料が出ない場合には全額が、給料が出ても症状手当金の日額よりも少なかった場合にはその差額が支給されます。しかし、これはあくまでも会社員のみです。

国民皆保険の注意点

高額療養費または傷病手当金は要件を満たし、申し込みをすることで給付されますが、がんによる治療の場合には以下の注意点についても考えておかなければいけません。
  • 健康保険適用外の治療

何度か触れましたが、現在のがん治療では健康保険適用外のものが多くなってきており、さらに「がんを完治させたい」と考えているのであれば高額な先進医療による治療を考える人もいるでしょう。しかし、国民皆保険による助成はあくまでも健康保険適用内の治療のみであり、健康保険適用外の治療部分については全額自己負担となります。



  • 差額ベッド代や食事代は別途

健康保険が適用にならない入院費として、差額ベッド代や食事代が挙げられます。これらは全額自己負担となりますので注意しましょう。



  • 個人事業主には休業補償がない

個人事業主が加入する国民健康保険では、会社員のように休んだからと言って傷病手当金は支給されません。個人事業主、自営業の方は、万が一の場合には収入が全く途絶えてしまう可能性があることも念頭に入れておく必要があります。

がん保険の重要性

ここまでのことをトータルで考えると、がん保険のその重要性が見えてきましたね。

がん保険に未加入だと・・・


  1. 健康保険適用外の治療は全額自己負担
  2. 個人事業主・自営業者には休業補償がない
  3. 高額療養費制度で満額治療費を賄えるわけではない
  4. 差額ベッド代や食事代、テレビカード代など入院中の細かなお金で家計が圧迫される

このように4つのデメリットが直接家計にダメージを与えてしまいます。

一方、がん診断給付金付きのがん保険に加入していれば・・・


  1. がんと診断されただけですぐに給付金が受け取れる
  2. 健康保険以外の医療保険やがん保険があるから、金銭的な意味合いで、先進医療も受けることが容易になる
  3. 保険金が受け取れるので治療中の生活費を気にせず治療に専念できる

これら3つのメリットを享受することができるのです。

がん保険に未加入であることのデメリットと、加入しているメリットを考えただけでも、未加入でいるリスクよりもがん保険に加入している安心感を得たいという気持ちになりますね。


最後に、がん保険に未加入の場合と、加入している場合の医療費負担額のシミュレーションをしてみますので参考にして下さい。


がん保険未加入、手取り年収450万、入院20日、窓口での自己負担額が28万円の場合


  • 自己負担額28万-高額療養費支給額約19万=自己負担額はおおよそ9万円
  • 差額ベッド代日額3,000円×20日=6万円
  • 食事代日額800円×20日=1万6千円 自己負担合計30万弱

上記と同じパターンで、がん診断給付金100万円付、入院日額1万円のがん保険に加入していた場合


  • がんと診断されたときに100万円給付
  • 入院日額1万円×20日=20万円
  • 保険金120万円-(自己負担30万円+月々の保険料1万円)=89万円のプラス!


このように、がん保険に未加入では一度の入院治療で家計に30万円の負担が出るのに対し、がん保険に加入していると90万円家計にプラスとなります。加入と未加入ではこんなにも金銭的な差が生まれてしまうのです。そしてがんの治療は長期化するのが一般的ですから、ここでプラスに転じた90万円も完治までの治療費や生活費として取っておくことができます。がん保険に加入していることでがん治療の選択肢も広がり、より安心して治療が受けられるためがん保険はとても重要であることが解ります。

まとめ:がん保険の必要性とは

がん保険に入る保険料が勿体ない、というように考える人も少なくありません。しかし、あなたがもし家族を持っていて、一家の大黒柱として毎日働いているのであれば、がんになった時でも家族の生活に金銭的な負担をかけないがん保険はとても重要かつ必要性の高いものであるといえます。

家族に病気と家計の不安を与えないために、がん保険の加入について今一度考えてみましょう。

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